高卒程度の公務員試験の難易度ランキング!高卒公務員は受かりやすい?

高卒で公務員を目指す方にとって、公務員試験の難易度は気になるポイントのひとつでしょう。

公務員試験は、出題内容や採用枠、競争倍率などによって難易度が異なります。

本記事では最新データをもとに、高卒程度の国家公務員・地方公務員試験の難易度ランキングを紹介します。

これから高卒で公務員を目指す方が、自分に合った試験区分を選ぶ際の参考になれば幸いです。

高卒程度の国家公務員試験の難易度ランキング

まずは、高卒程度の国家公務員試験の難易度ランキングを確認していきましょう。

令和6年度(2024年度)に実施された、高校卒業程度を対象とする国家公務員試験を、競争倍率が高い順に並べると以下のとおりです。

なお、倍率だけでは試験の難易度を正確に判断することは難しいですが、人気の高さや採用枠の狭さを知る目安にはなります。

順位試験の種類受験者数最終合格者数競争倍率
1位皇宮護衛官採用試験101人10人10.1倍
2位入国警備官採用試験771人179人4.3倍
3位気象大学校学生採用試験269人66人4.1倍
4位航空保安大学校学生採用試験301人103人2.9倍
5位海上保安大学校学生採用試験236人87人2.7倍
6位国家公務員採用一般職8,362人3,132人2.7倍
7位刑務官採用試験3,978人1,621人2.5倍
8位税務職員採用試験3,315人1,403人2.4倍
9位海上保安学校学生採用試験(特別)2,768人1,172人2.4倍
10位海上保安学校学生採用試験1,056人514人2.1倍

※人事院「2024年度国家公務員採用試験実施状況」による

国家公務員一般職(高卒者試験)の難易度ランキング

特に採用人数が多い国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)は、地域によっても倍率が大きく異なります。

国家公務員一般職の中でも高卒受験者が最も多い事務区分に絞った、倍率ランキングを見てみましょう。

順位地域受験者数最終合格者数競争倍率
1位沖縄360人54人6.7倍
2位九州985人159人6.2倍
3位東北762人174人4.4倍
4位中国331人112人3.0倍
5位東海北陸438人157人2.8倍
5位四国150人53人2.8倍
7位関東甲信越3,151人1,260人2.5倍
8位近畿347人170人2.0倍
9位北海道466人240人1.9倍

※人事院「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)区分別実施状況 2024年度」による

都道府県別|高卒程度の地方公務員の難易度ランキング

地方公務員試験(高卒程度)は、自治体ごとの人気や採用計画によって倍率が大きく変動します。

令和6年度のデータに基づいて、都道府県別の行政職(事務)に絞った倍率ランキングを確認していきましょう。

順位都道府県受験者最終合格者倍率
1位沖縄県171人9人19.0倍
2位静岡県38人3人12.7倍
3位群馬県44人5人8.8倍
4位長崎県52人6人8.7倍
5位秋田県83人10人8.3倍
6位佐賀県41人5人8.2倍
7位和歌山県34人5人6.8倍
8位大分県91人14人6.5倍
9位埼玉県143人28人5.1倍
10位徳島県30人6人5.0倍
11位神奈川県81人18人4.5倍
12位宮崎県112人25人4.5倍
13位広島県48人11人4.4倍
14位福井県42人10人4.2倍
15位栃木県33人8人4.1倍
16位東京都504人123人4.1倍
17位香川県8人2人4.0倍
18位富山県27人7人3.9倍
19位石川県35人9人3.9倍
20位滋賀県15人4人3.8倍
21位岡山県29人8人3.6倍
22位福岡県211人62人3.4倍
23位長野県36人11人3.3倍
24位宮城県160人50人3.2倍
25位岐阜県32人10人3.2倍
26位鳥取県40人13人3.1倍
27位熊本県68人23人3.0倍
28位岩手県161人55人2.9倍
29位山形県72人25人2.9倍
30位青森県21人8人2.6倍
31位大阪府233人89人2.6倍
32位鹿児島県121人47人2.6倍
33位茨城県139人56人2.5倍
34位奈良県5人2人2.5倍
35位新潟県62人26人2.4倍
36位山梨県14人6人2.3倍
37位愛知県93人40人2.3倍
38位島根県32人14人2.3倍
39位高知県49人21人2.3倍
40位千葉県560人251人2.2倍
41位福島県53人25人2.1倍
42位三重県52人25人2.1倍
43位山口県70人35人2.0倍
44位兵庫県46人24人1.9倍
45位京都府14人8人1.8倍
46位北海道367人247人1.5倍
47位愛媛県60人45人1.3倍

政令指定都市別|高卒程度の地方公務員の難易度ランキング

続いて、政令指定都市の行政職(事務)に絞った高卒程度試験の難易度ランキングも見ていきましょう。

順位都市受験者最終合格者倍率
1位岡山市48人5人9.6倍
2位神戸市17人2人8.5倍
3位札幌市151人18人8.4倍
4位さいたま市52人8人6.5倍
5位横浜市194人31人6.3倍
6位千葉市56人10人5.6倍
7位京都市21人4人5.3倍
8位仙台市132人30人4.4倍
9位静岡市13人3人4.3倍
10位福岡市307人71人4.3倍
11位堺市40人10人4.0倍
12位熊本市166人50人3.3倍
13位北九州市105人33人3.2倍
14位新潟市50人19人2.6倍
15位名古屋市91人36人2.5倍
16位相模原市36人15人2.4倍
17位浜松市22人9人2.4倍
18位広島市53人22人2.4倍
19位川崎市85人39人2.2倍
20位大阪市110人50人2.2倍

ここまで倍率ランキングを見てきましたが、試験内容や合格の難易度とは必ずしもイコールではありません

競争倍率が高いことは、「採用枠に対して志望する人が多い」という状況を示しています。

志望先選びの際には、あくまでも「数ある判断材料のうちの1つ」として、倍率を確認するといいでしょう。

高卒程度の公務員試験合格に必要な勉強時間は?

高卒程度の公務員試験(地方公務員初級、国家公務員一般職高卒者)に合格するために必要な勉強時間の目安は、300~800時間程度です。

やや幅が広く感じられるかもしれませんが、これは個人の能力や学習経験の差によるものです。

高校在学中の成績や基礎学力が高く、試験範囲の知識がある程度定着している受験生は300時間程度で済む可能性があります。

一方で、基礎から学び直す必要がある受験生は、800時間程度(場合によってはそれ以上)の時間を要します。

いずれの場合も、現時点での自分の学力を正しく評価し、余裕を持った学習計画を立てることが大切です。

高卒程度の公務員試験は受かりやすい?

「高卒程度の公務員試験は受かりやすいのか?」という疑問の声も聞かれますが、一概にそうとは言い切れないのが実情です。

試験問題自体は大卒程度の試験より難易度が低く設定されているため、受かりやすいと思われるかもしれません。

しかし、多くの自治体や官庁において、高卒程度の採用は大卒程度よりも採用予定人数が少なくなる傾向にあるため、結果として倍率が高くなる場合があります。

油断して対策をおろそかにしないよう、気を引き締めて試験に臨みましょう。

高卒程度の公務員試験で受かりやすい試験区分は?

高卒程度の公務員試験では、以下のような職種を目指すことができます。

▼国家公務員

  • 国家一般職
  • 刑務官
  • 税務職員
  • 入国警備官
  • 皇宮護衛官

▼地方公務員

  • 都道府県職員
  • 市町村職員(一般事務)
  • 技術職
  • 公安系(消防官・警察官)

どの区分が特別に受かりやすいというわけではなく、試験内容や対策の方向性はほぼ共通しています。

高卒から挑戦できる公務員の仕事は幅広いため、自分の興味や得意分野を踏まえて職種を選ぶことが大切です。

高卒程度の公務員試験についてよくある質問

ここでは、高卒程度の公務員試験についてのよくある質問にお答えしていきます。

高卒程度の公務員試験を受験できるのは何歳まで?

一般的に、高卒程度の公務員試験を受験できる年齢は、受験年度の4月1日時点で18歳から21歳前後とされるケースが多いです。

高校卒業見込みの方や、高校卒業後数年以内の若年層を対象としているため、受験資格の年齢制限は比較的低く設定されています。

ただし、自治体によっては制限の幅を広げている場合もあるため、必ず志望先の募集要項で確認しましょう。

大卒だけど高卒程度の公務員試験を受けることはできる?

試験区分の「高卒程度」というのは受験資格ではなく、あくまで試験の難易度を示したものであるため、年齢要件さえ満たしていれば学歴に関係なく受験できます。

ただし、前述の通り、高卒程度の試験は年齢要件が21歳までとされていることが多いため、現実的に考えると大卒の方が受験するのは難しいでしょう。

まとめ

この記事では、高卒程度の公務員試験の難易度について解説しました。

  • 高卒程度の国家公務員試験は、職種や地域によって倍率に大きな差がある
  • 高卒程度の地方公務員試験の倍率は、自治体の人気や採用計画によって異なる
  • 高卒程度の試験は採用人数の少なさから倍率が高くなる傾向にある
  • 高卒程度の公務員試験合格に必要な勉強時間の目安は300〜800時間程度
  • 高卒程度の試験は年齢要件が18~21歳前後までとされていることが多い

高卒程度の公務員試験は、教養科目が中心であるものの出題範囲は広いため、ポイントを押さえて効率的に学習を進めることが大切です。

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