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公務員の土木職の仕事内容・試験内容・難易度を解説

公務員の土木職の仕事内容・試験内容・難易度を解説

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公務員の土木職の仕事内容

公務員の土木職は、例えば道路や河川などの整備や管理、市街地の再開発、土地区画整理事業などが主な仕事です。

国家公務員と地方公務員では業務内容も異なるため、その違いや土木職のやりがいについても説明します。

国家公務員の土木職

国家公務員の土木職は、所属する省庁、また総合職か一般職かによって業務内容が異なります。

下記に例を挙げてみました。

▼国土交通省(総合職)

  • 防災・減災対策(ハード面・ソフト面)
  • 河川・道路・港湾・下水道などの整備・調査・管理
  • 市街地の再開発や土地区画の整理
  • 都市計画やまちづくりなどの推進 など


▼林野庁 森林管理局(一般職)

  • 持続可能な木材生産に関する取り組み
  • 環境保護への取り組み
  • 山地災害等への取り組み など

上記はあくまで一例で、ほかにも複数の省庁が土木職を採用しており、所属先によってさまざまな業務があります。

総合職と国家一般職の違いについても説明しておきましょう。

国家総合職は、いわゆる「キャリア官僚」と呼ばれる人たちです。

主に重要法案の作成に関わる業務や、政策の企画立案などを担当します。

国家一般職はいわゆる「現場で働く精鋭部隊」です。

中央官庁や出先機関で、その分野の政策立案をサポートする立場になります。

政策の「企画」を担当するのが総合職なら、一般職はその企画内容を実現する「執行」の役目を担う存在です。

本省勤務で実力があれば政策立案に携わることも可能です。

同じ国家公務員の土木職でも、総合職か一般職かで業務内容は大きく異なってきます。

【あわせて読みたい】国家公務員の総合職と一般職の違い

地方公務員の土木職

地方公務員の土木職は、所属する自治体の規模や配属先によって主な業務内容が異なります。

都道府県の場合、主に市町村では難しい広域的な業務を行います。

具体的には、その都道府県にある道路や河川、下水道などのインフラ整備などが主な仕事です。

また、交通ネットワークの整備やそれに伴うまちづくり・都市計画の推進なども担います。

国や市町村との間で調整役となる点も、都道府県で働く場合の特徴です。

市町村の場合、より地域住民の生活に密着した行政サービスを担当します。

具体的には上下水道の整備、地域の公園や緑地の管理、公的施設の運営・管理などが主な仕事です。

政令指定都市の場合は、上記の市区町村と同様の業務に加え、都道府県に近い総合的な都市整備や道路・河川・上下水道などを整備する計画や施工などを担当します。

土木職の魅力・やりがい

▼地図に載る、形に残る仕事ができる

土木職の仕事を通して施工された公共の構造物は、地図に記載され、数十年に渡って国民・住民の暮らしを支えることになります。

構造物が完成したときの達成感は、非常に大きいでしょう。

▼地域住民に貢献できる・感謝される

その地域に必要な構造物が新しくできたり、古い構造物が整備されたりすると、住民の暮らしが便利になります。

自分たちで作ったものが住民に利用されて、暮らしの助けになっていると実感できるでしょう。

▼専門知識が身に付く

土木職になると、道路や上下水道などインフラ整備に関するさまざまな知識が身につきます。

行政職はさまざまな部署へ異動してゼネラリストとしてキャリアを積むのが一般的ですが、土木職は専門分野での知識や技術を深めスペシャリストとして歩んでいくことができます。

公務員の土木職の試験内容

ここまでは、土木職の仕事内容ややりがいなどについてご紹介してきました。

ここからは、土木職の試験内容について解説します。

土木職を目指して受験を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

大卒程度試験

公務員の土木職の試験(大卒程度試験)を受験する場合、大学を卒業して(見込みも含む)年齢要件を満たしていれば誰でも受験ができます。

そのため、特に土木系の大学を卒業していなくても受験は可能です。

ただし試験では土木系の科目も出題されるため、ある程度の専門知識が求められます。

なお地方公務員の試験内容は、自治体によって異なります。

以下は、令和6年(2024年)の土木職の大卒程度試験における主な試験内容をまとめた表です。

▼公務員の土木職(大卒程度)の主な試験内容


試験種 教養択一 専門択一 論文 専門記述 面接
国家公務員 国家総合職
国家一般職
地方公務員 東京都I類B
大阪府 SPI ※口述
愛知県
仙台市

社会人経験者向け試験

国家公務員における社会人経験者向けの土木職の試験は、受験資格として土木関連の大学や大学院を卒業していることが求められます。

なお地方公務員の試験内容や受験資格は、自治体によって異なります。

以下は、令和5年(2023年)と令和6年(2024年)の土木職の社会人経験者向け試験における主な試験内容をまとめた表です。

試験の種類 教養択一 専門択一 論文 専門記述 面接
国家公務員 総合職相当

係長級(技術)

一般職

社会人試験(係員級)

地方公務員 東京都キャリア活用採用選考
大阪府 SPI3 ※口述
愛知県
仙台市

※大阪府のみ令和6年(2024年)の情報です。

公務員の土木職の難易度

ここまでは、土木職の試験内容についてご紹介してきました。

ここからは土木職の試験の難易度について、事務職と比較しながら解説します。

難易度が気になる人や、受験区分で迷っている人はぜひ参考にしてください。

土木職と事務職を比較

令和5年(2023年)の国家公務員一般職と地方公務員試験について、土木職と事務職の倍率を比較してみました(倍率=受験者数/最終合格者数)。

いずれの試験種も土木職のほうが倍率が低いことがわかります。

試験種 区分 申込者数 受験者数 最終合格者数 倍率
国家一般職 土木 1,045人 648人 449人 1.4倍
事務 22,316人 16,318人 6,476人 2.5倍
東京都 土木 281人 206人 139人 1.5倍
事務 2,122人 1,525人 626人 2.4倍
特別区 土木 196人 186人 105人 1.8倍
事務 8,541人 7,668人 3,013人 2.5倍
神奈川県 土木 74人 19人 9人 2.1倍
事務 1,009人 616人 195人 3.2倍
大阪府 土木 124人 69人 44人 1.6倍
事務 1,687人 1,032人 169人 6.1倍
横浜市 土木 61人 44人 27人 1.6倍
事務 1,829人 1,451人 180人 8.1倍
名古屋市 土木 143人 112人 55人 2.0倍
事務 1,735人 1,473人 146人 10.1倍

土木職は難しい?

公務員試験の難易度は、一般的に市役所などの自治体、地方上級、東京都Ⅰ類B、国家一般職、国家総合職の順で高いとされています。

また前述のとおり、技術職の試験では通常の教養科目に加えて各分野に応じた専門的な試験が実施されます。

ただし倍率から見てもわかるように、試験は専門的な勉強をしてきた人しか突破できないレベルの競争率というわけではありません。

土木職の場合、専門試験では例えば構造力学・土質力学・水理学などに関する問題が出題されます

教養科目はもちろん、こうした専門科目の過去問などを繰り返し解いて対策をしておくとよいでしょう。


【Q&A】公務員の土木職に関するよくある質問

ここまでは、公務員の土木職についてさまざまな観点から解説してきました。

ここからは、土木職に関するよくある質問に対して解答していきます。

土木職に興味や疑問がある方はぜひ参考にしてください。

土木職の年収は?

年収については、土木職に特化した情報はありませんが、参考として公務員の行政職の情報を解説します。

「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、国家公務員で行政職俸給(一)適用職員の平均給与月額は40万4,015円です。

これをもとに試算すると、平均年収は約663万円です。

また地方公務員の場合、人事院が公開している「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」を見ると、行政職俸給表(一)の平均年収は約628万円となっています。

【あわせて読みたい】公務員の年収・初任給・ボーナスは?年齢や勤務先による違いも解説

公務員試験の日程は?

近年の公務員試験は、例年に比べて前倒しで実施される試験が増えています。

また、SPIなどの民間の採用テストを導入するケースも増えていて、「前年と同じだろう」と考えているとせっかくの受験機会を逃すことになりかねません。

受験したい試験がある人はあらかじめ調べておきましょう。

【あわせて読みたい】公務員試験日程・概要のまとめ

土木職以外の理系公務員とは?

公務員には、土木職以外にも次のような仕事に携わる理系の技術職があります。

▼建築職

  • 都市整備(都市づくり・住宅政策など)
  • 都市計画に係る開発許可
  • 公共住宅の整備や管理


▼機械職

  • 上下水道などの機械設備の維持管理
  • 道路・河川・公園などへの機械設備の建設
  • 環境保全対策に関する規制や指導


▼電気職

  • 上下水道などの電気設備の維持管理
  • 道路・河川・公園などへの電気設備の建設
  • 発電所の維持管理・運営


▼化学職

  • 水道水の水質管理
  • 下水処理場・クリーンセンターなどの運転管理
  • 大気・排水の監視・規制

公務員の技術職については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【あわせて読みたい】公務員の技術職とは?種類・仕事内容・試験・年収を解説

公務員は民間と併願できる?

公務員試験と民間企業の採用試験は、併願が可能です。

最近は、教養科目のみで受験できる公務員試験も増加しています。

また民間の採用試験でよく使われているSPI3は、公務員試験の勉強をしていれば大半が対応可能です

さらに民間の対策や面接を通して視野が広がることで、公務員試験によい影響が出ることもあります。

公務員か民間かで迷っている人は、併願を視野に入れておくとよいでしょう。

【あわせて読みたい】民間企業?公務員?併願したい方に、適した対策方法とは

まとめ

今回は、公務員の土木職について解説しました。

  • 土木職は、河川・道路・下水道などの整備・管理や都市計画・まちづくりの推進など、省庁や部署によってさまざまな仕事がある
  • 土木職には地図に残る仕事ができる、地域住民への貢献といったやりがいがある
  • 土木職の試験には教養科目に加えて専門試験が課される場合が多い
  • 事務職と比べると土木職のほうが倍率は低い

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