その1:志望理由
志望理由は、面接で必ず聞かれる質問です。しかし、受験生の一番の悩みがこの志望理由を答えられない、どう書けば良いかわからないということです。
ここで回答例をご紹介しますが、あくまでそれは例です。そのまま答えてしまっては表面的で説得力に欠けてしまいます。ここで紹介する文例を見ながら自分の体験・エピソードを交え、自分なりの独自視点で答える内容を考えるためには、【過去→現在→未来】で語ることで自分でなければならないオリジナル要素が盛り込まれた説得力のある内容になります。
【志望動機を作るフレームワーク】
結論 | 公務員になって何をしたいのか |
過去 | なぜ公務員という仕事に興味を持ったのか、なぜこの仕事をしたいと思ったのか、自分の体験・エピソードを交えて語る |
現在 | なぜこの仕事なのか、他の自治体でなくなぜこの自治体でなければいけないのか、ここでしか実現できない魅力を語る |
未来 | 仕事を通して何を実現したいのか、どんな公務員になりたいのか、結論で述べた内容をより詳しく伝える |
特に、「なぜ他の自治体ではなく、この自治体でなければいけないのか」を伝えるためにも、人口や歴史、地理関係といった基本情報だけでなく、自治体が「どんな取り組みを行なっているのか」、「どんな行政課題を抱えているのか」を知った上で、自分の考えも合わせて伝えることが重要です。
発展した質問として、「自治体の魅力は何か?」を聞かれる可能性もあるため、自治体HPだけでなく、自治体が発行した広報誌などにも目を通しましょう。また、実際に職員に一市民として問い合わせて聞いてみることも面接対策になるでしょう。
(志望動機:県職員のケースの例)
結論 |
公務員になって何をしたいのか ○○県の魅力を発信し、国内外からも観光客を呼べるようにしたい |
過去 |
なぜ公務員という仕事に興味を持ったのか、なぜこの仕事をしたいと思ったのか、自分の体験・エピソードを交えて語る
私は大学時代2年間中国に留学しておりました。そこでは様々な国の留学生と接する中で日本の主要都市は知っていても他の都道府県に関して知らない留学生が多いことに気づきました。 |
現在 |
なぜこの仕事なのか、他の自治体でなくなぜこの自治体でなければいけないのか、ここでしか実現できない魅力を語る
私の故郷である○○県では海外の観光客を呼び込むためのインバウンド△△プロジェクトを推進しており、これまでの私の留学経験を活かして、日本人では気づかない海外の観光客から見た○○県の魅力を引き出しさらに多くの外国人観光客を呼び込みたいと考えております。 |
未来 |
仕事を通して何を実現したいのか、どんな公務員になりたいのか、結論で述べた内容をより詳しく伝える
まずは隣の国である中国に向けた○○県の魅力が体感できるイベントを企画したい |
上記のフレームワークで出てきた内容を、一連の文章にまとめると次のようになります。
(文例:県職員のケース)
私は、○○県の魅力を発信し、国内外からも観光客を呼べるようにしたいと思い志望いたしました。私は大学時代2年間中国に留学しておりました。そこでは様々な国の留学生と接する中で日本の主要都市は知っていても他の都道府県に関して知らない留学生が多いことに気づきました。私の故郷である○○県では海外の観光客を呼び込むためのインバウンド△△プロジェクトを推進しており、これまでの私の留学経験を活かして、日本人では気づかない海外の観光客から見た○○県の魅力を引き出しさらに多くの外国人観光客を呼び込みたいと考えております。○○県の魅力を発信するためにもまずは隣の国である中国に向けた○○県の魅力が体感できるイベントを企画したいと思い、志望しました。
その2:自己PR/長所について
「自己PR」も、面接で必ず聞かれる定番の質問です。志望動機同様にこれまでのあなたの体験・エピソードを語りながら自分の強みを伝えなくてはなりません。
受験生でやってしまいがちなのが、強みをいくつも述べる、やってきた行動や成果だけを述べてしまいがちです。自己PRは【結論→課題→行動→成果】の順でストーリー性を持たせて語ることでオリジナル要素が盛り込まれた説得力のある内容になります。
【自己PRを作るフレームワーク】
結論 | 自分の強みが何であるかを述べる |
課題 | 当時抱えた課題(壁)への問題意識や目標など |
行動 工夫点 |
問題解決・目標達成のために取ってきた行動 ※固有名詞や数字を使うとより具体的になります |
成果 | それによって得られた結果や学んだことなど |
最初に「強み」から考えてしまう受験生も多いですが、最初に「強み」から考えてしまうと、「強み」に対するエピソードが関連できずつじつまが合わない、矛盾のある内容になってしまいます。自分の「強み」は体験・エピソードで証明できるもの。最初に体験・エピソードを書いてからそのエピソードから見える強みを結論づけましょう。
私の強みは誠意を持ってクレームに対応できることです。その強みを発揮したのはコンビニエンスストアでのアルバイトで身につくことができました。当初はなかなかお客様の気持ちを察することができず、どう対応すれば良いのか分からず悩んでおりました。しかし、クレームは、お店にとっての最善のアドバイスであることを感じ、まずはお客様の話を相づちや復唱をしながら最後までに聞き謝罪をしました。またできる限り要望に添えるよう店長へ掛け合ったり、要望に添えなかった場合でも代替案を考え提示するようにしたところ、今ではクレーム対応にも慣れてどんなクレームにも柔軟に対応することができるようになりました。
その3:学生時代に力を注いだこと
「学生時代に力を注いできたこと」は実は「自己PR」と表裏一体です。こちらも面接で必ず聞かれる定番の質問です。
自己PR同様に【結論→課題→行動→成果】の順でストーリー性を持たせて語ることでオリジナル要素が盛り込まれた説得力のある内容になります。
【学生時代に力を注いできたことを作るフレームワーク】
結論 | エピソードの概要を述べる |
課題 | 当時抱えた課題(壁)への問題意識や目標など |
行動 工夫点 |
問題解決・目標達成のために取ってきた行動 ※固有名詞や数字を使うとより具体的になります |
成果 | それによって得られた結果や学んだことなど |
私が学生時代に頑張ったことは、陸上部で自己新記録を出せたことです。高校時代までスポーツを一切していなかった私は大学に入り自分を変えたいと思い陸上部へ入部しました。入部当初は私以外の部員が全員経験者であったため初心者の私はいつも部内では最下位の成績でした。それでも1年間で1つでも成績を上げることを目標設定し、部活以外の時間でも毎日30kmのランニングを走りました。また、走った日にはカレンダーに印をつけ視覚化することでモチベーションを持続させました。その結果、大学最後の大会では、自己最高ベスト4位の成績を収めることができました。この経験からどんなに初心者でも諦めずにやり続けることでどんなに困難なことでも上達することを学びました。
このように、必要な要素を整理してから文章にすることで、論理的かつ簡潔な回答ができるようになります。
まずは、自分の興味・関心・強み・弱みを棚卸して、想定問答を作ってみましょう。