公務員試験を大別すると、「筆記試験」と「人物試験」に分けられます。前者の場合、公務員試験の種類や職種による区分、実施する官公庁や自治体によって方法が異なりますが“公務員試験の第一関門”となります。
後者はどの試験も例外なく、最終選考まで数回実施されます。なかでも「個別面接」は公務員の種類に関係なく必ず行われる試験であり、採用の可否を決める大きなファクターとなります。
「個別面接」は、1人の受験者が複数の面接官を相手に質問に答えるという形式で行われます。面接官の人数は3~5人程度、多いところで7~8人となります。時間は15分~20分程度、長くて30分程度です。複数の面接官からの質問に答える必要があるため、矛盾なくコンパクトにまとめる会話力が重視されます。
公務員試験の「人物試験」と民間企業の面接試験との大きな違いは、「落とす面接」の要素が強いことです。
多くの民間企業でも、採用試験で面接を実施しておりますが、民間企業における面接官はいい人材を確保しようとあの手この手で受験者の個性や長所短所を引き出す質問をし、「この人材はわが社にとって有望かどうか」という視点で行います。
一方で、公務員の「人物試験」では、有望な人材を選択したいという視点はもちろんありますが、「問題を起こさないか」「個性が強すぎないか」など、“マイナス部分をみる”という視点が民間企業より重視される傾向があります。
そのため、質問もマニュアル化されたものが多く、採用担当者の眼力や勘というより一問一答形式のマニュアルにそって点数が加減されます。
だからといって、公務員の面接試験が簡単かといえば、そうではありません。公務員は人気の職業であり、その試験も倍率が高いため安心はできません。
わずかなマイナス評価が採用か不採用かを決めてしまうため、しっかり対策を立てて望む姿勢が重要です。
公務員の面接試験で主に重視される評価ポイントは、「積極性」「社会性」「信頼感」「経験学習力」「自己統制力」「コミュニケーション力」などです。回答内容から、これらの項目がチェックされるとお考えください。
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かなりの確率で聞かれる質問は、「志望動機」です。
「あなたはなぜ、公務員になろうと思ったのですか?」
「数ある自治体の中でも、なぜ○○市を選んだのかお答えください」
「なぜ、故郷ではなく○○市を選んだのですか」
など、公務員になろうと思ったきっかけ、その自治体・職種を選んだ理由は必ず聞かれます。
採否のポイントは、「そこでしか実現でき得ない理由」が言えるかどうかです。志望動機を聞かれたと想定し、その答えに対し「なぜ?」と自問自答を繰り返してください。民間企業でもできる理由や他の公務員でも通じる内容であると、採用は厳しいかもしれません。
また、自己PR対策も欠かせません。「あなたの強みは何ですか?」も定番の質問です。1分程度で簡潔に答えられるように練習しましょう。
単に「コミュニケーションが得意です」「リーダーとしてチームを取りまとめる自信があります」と答えるだけでは、アピールとしては弱いといえます。コミュニケーションが得意となった背景には、これまでの経験や体験、自分の中で成長する試練があったなど、その人だけの“ストーリー”があるはずです。コミュニケーションを特技といえるまでに成長できた経緯を具体的に語ると説得力は増します。
面接試験は、公務員になるためには避けて通れない道。希望の仕事に就くためにも、必要な対策を講じたうえで試験会場へ向かってください。