
高卒で国家公務員になると「すごい」「勝ち組」「羨ましい」と言われることがあります。
それには給料や雇用環境の面でいくつかメリットがあるからです。
本記事では、高卒の国家公務員がなぜ「すごい」と評価されるのか、その理由や給料・年収、試験の受験方法をわかりやすく解説します。
高卒の国家公務員が「すごい」と言われる理由
高卒の国家公務員が「すごい」と言われるのはなぜでしょうか。
まずは、給与・待遇・雇用環境の面から、その理由を具体的に解説します。
採用枠が少なく狭き門である
高卒で国家公務員を目指す場合、大卒程度試験と比較すると採用枠が少なく、狭き門となっています。
たとえば、令和7年度(2025年度)の一般職試験の採用予定数を比較すると以下のとおりです。
- 大卒程度試験の行政区分:約3,015人
- 高卒者試験の事務区分:約1,470人
高卒者試験の方が、採用予定数が少なく設定されています。
つまり、高卒者試験の最終合格は高い競争を勝ち抜いた証であり、それ自体が「すごい」と評価される理由の一つとなっています。
民間企業に比べて初任給が高い
高卒の国家公務員は、民間企業に比べて初任給が高水準となっています。
人事院が公表する令和7年度の初任給例(本府省採用の場合)を見ると、一般職試験(高卒者試験)採用者は23万2,800円とされています。
これに対し、東京労働局が発表した「学卒者の初任賃金」によると、令和6年3月新規学校卒業者(高校卒)における民間企業の初任給平均額は18万9,200円です。
その差は4万円以上となっており、スタート時点で民間企業と大きな差をつけていることがわかります。
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安定した雇用環境の中で働ける
国家公務員は憲法上「全体の奉仕者」として規定されている職であり、その雇用は圧倒的に安定しています。
国の財政が極端に悪化しない限り、民間企業のような倒産やリストラで解雇されるリスクはほぼありません。
また、民間企業に比べ年齢や勤続年数が給与の目安として重視される傾向にあり、一定のペースで昇給が見込まれます。
加えて、人事評価や職務区分に応じて給与が調整されるため、将来設計を立てやすく、安定した環境で長く働きやすい制度となっています。
福利厚生制度が充実している
国家公務員の待遇の中でも特徴的なのが、手厚い福利厚生制度です。
民間企業では福利厚生の内容が企業によって異なりますが、国家公務員は統一された基準で保証されています。
例えばボーナス(期末手当・勤勉手当)は、過去に一部引き下げの例もありますが、近年は引き上げ傾向にあります。
国内の経済状況に応じて改定されるため、大幅に減るリスクは低いでしょう。
また、扶養・地域・住居・通勤などの各種手当が支給されるほか、年間20日の年次有給休暇に加え、さまざまな特別休暇も用意されています。
産前・産後休暇や育児休業、育児短時間勤務などの両立支援制度が充実しており、ワークライフバランスを取りやすい環境が魅力です。
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高卒の国家公務員の給料・年収
人事院の「令和6年国家公務員給与等実態調査」によると、行政職俸給表(一)が適用される高卒職員の平均給与月額は41万1,067円です。
これをもとに「12カ月分の給与+ボーナス4.65カ月分」で平均年収を試算すると、約684万円となります。
民間企業と比べると給料・年収は高すぎ?安い?
国税庁が発表した「令和6年分民間給与実態統計調査」によれば、民間企業に勤める正社員の平均年収は545万円です。
高卒の国家公務員の平均年収は前述の通り約684万円なので、民間企業の正社員平均を大きく上回る年収を得られることがわかります。
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高卒で国家公務員になるには?
高卒で国家公務員になるためには、まず高校卒業程度の学力を対象とした国家公務員試験を受験する必要があります。
試験内容は職種により異なりますが、国家一般職事務(高卒者試験)を例に挙げると、第一次試験で基礎能力試験、適性試験、作文試験が課されます。
第二次試験では、人柄や志望動機を確認する人物試験(個別面接)が実施されます。
ただし、試験合格=採用決定というわけではありません。
高卒者試験の場合、二次試験の前後に実施される官庁訪問を通じて、各機関との面談や適性確認が行われます。
こういった過程を経て採用先が決定するため、志望先の業務内容や雰囲気を理解したうえで臨むことが大切です。
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高卒で受験できる国家公務員試験の種類
高卒で受験できる国家公務員試験には、国家一般職のほか、税務、公安系など多様な選択肢が用意されています。
主な試験は以下の通りです。
- 国家公務員採用 一般職試験(高卒者試験)
- 税務職員採用試験
- 皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)
- 刑務官採用試験
- 入国警備官採用試験
- 航空保安大学校学生採用試験
- 海上保安学校学生採用試験
- 海上保安学校学生採用試験(特別)
- 海上保安大学校学生採用試験
- 気象大学校学生採用試験
受験案内などを確認しつつ、自分の興味関心や適性を鑑みて志望先を選ぶといいでしょう。
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国家公務員の高卒者試験の受験資格
国家公務員の高卒者試験を受験する場合、試験の種類ごとに年齢要件などの受験資格が定められています。
たとえば、国家一般職(高卒者試験)の場合、原則として高校や中等教育学校の卒業見込み者、または卒業後2年を経過していない者が対象です。
その他の高卒程度試験も若年層が対象となるように年齢の上限が設けられています。
また、公安職や専門性の高い職種を目指す試験では、職務遂行上の必要性から以下のような具体的な基準が受験案内で規定されている場合があります。
- 身長
- 体重
- 視力
- 色覚
- 聴力
- 体力検査の数値など
受験資格は年度や試験によって変更される可能性があるため、受験を検討する際は、必ず人事院のウェブサイトで最新の受験案内を確認しましょう。
高卒で国家公務員になって後悔することはある?
高卒で国家公務員になることは、安定した給与や手厚い福利厚生を早いうちから享受できるメリットがありますが、一部で後悔する例もあります。
その理由の一つとして、大卒採用と比較した際の給与水準や昇進スピードの違いが挙げられます。
たとえば、国家一般職採用者(本府省採用の場合)の令和7年度の初任給例は以下のとおりです。
- 大卒程度試験:27万1,200円
- 高卒者試験:23万2,800円
こうした差から、キャリアアップのテンポが異なると感じる人もいます。
その他に「ルーティン業務が中心で刺激が少ない」といった理由を挙げる人もいます。
ただし、実際に後悔するかどうかは個人の価値観次第です。
国家一般職は基本的に転勤が少なく、地域に根ざして勤務できるため、生活の安定性や地元でのキャリアを重視する人には非常に適した選択肢です。
まとめ
今回は、高卒の国家公務員が「すごい」「勝ち組」と言われる理由や、高卒で公務員になる方法などについて解説しました。
- 国家公務員の高卒程度試験は大卒程度試験に比べて採用枠が少なく狭き門である
- 高卒国家公務員の平均年収は、民間企業の正社員平均を大きく上回る
- 国家公務員は民間企業とは違って倒産やリストラのリスクが低い
- 国家公務員の高卒者試験は一般職、税務職員、皇宮護衛官、刑務官などの種類がある
- 高卒程度試験では若年層が対象となるように年齢基準が設けられている
高卒で安定した未来を掴み、「勝ち組」としてのキャリアを築くためには、狭き門である公務員試験の対策が不可欠です。
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