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公務員試験の科目一覧!教養択一・専門択一の学習のポイントは?

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公務員試験・教養択一の科目

公務員試験 教養択一の科目

まず、公務員試験の教養択一の科目について解説します。

学習内容のイメージとしては、いずれの科目も「高校の学習範囲+α」です。分野は大きく分けて一般知能分野一般知識分野の2つがあります。

▼一般知能分野

  • 科目:数的処理、文章理解
  • 特徴:どの科目も配点が大きいが、科目間の性質が大きく異なる


▼一般知識分野

  • 科目:人文科学、自然科学、社会科学
  • 特徴:出題範囲が広く学習負荷の高い科目が多い割に、どれも出題数が少ない

教養択一全体の合格ラインは6割なので、簡単な問題を多く解いたほうが確実です。

出題数が少なく苦手な分野は思い切って捨てましょう。

学習する科目や分野の選択と集中が重要になります。

具体的には、出題数の多い数的処理と文章理解を最優先とし、時間を割いて対策することが有効です。

数的処理

数的処理は出題数が特に多く、合否のカギを握ると言っても過言ではない重要科目です。

苦手とする受験生は多いものの、正しく対策すれば誰でも平均的なレベルに到達できます。

▼数的推理

最も数学に近い分野です。

「旅人算」「場合の数・確率」など単純に算数・数学の知識があれば対処できる問題もあります。

文系の方は苦戦しやすいですが、最低限の知識と解き方さえ習得すれば点数を安定させやすいテーマでもあります。

▼判断推理

いわゆる「論理パズル問題」で、問題に条件が提示され、それらの条件をすべて満たすものとして正しい選択肢を選びます。

条件を正しく読み取りさえすれば正解できますが、解き方を探るのに時間がかかる問題も含まれるので要注意です。

▼空間把握

立体図形の展開・切断や図形を回転移動など、図形問題の一種です。

解き方のポイントは、明らかに違う選択肢を排除する方法を身につけること。

ただし難易度の高い問題ではそれが通用しないケースも。点数を安定させにくいテーマです。

▼資料解釈

さまざま資料が提示され、そこから確実にいえる選択肢を探す、という問題です。

資料に書かれている数値を正しく計算すれば正解にたどりつけます。

【あわせて読みたい】公務員試験最重要科目!「数的処理」の攻略法

文章理解

文章理解とは、与えられた文章に対する理解力を測る試験です。

現代文、英文、古文があり、高校レベルの国語、英語が出題されます。

出題数は数的処理の次に多い傾向にあります。

▼現代文

文章を論理的に理解することが求められます。

本文中から作者・著者が最も言いたいことを読み取る主旨・要旨把握が中心です。

▼英語

英語力以外の論理力を駆使することで解答できる部分もあり、基本的な英語力だけでなく「処理能力」も見られていることが特徴です。

出題形式は内容把握、要旨把握、空欄補充、文章整序があります。

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人文科学

人文科学は、出題数は10%強ですが、世界史、日本史、地理、思想、文学・芸術と多くの分野が含まれ、それぞれの範囲が膨大です。

このため勉強量に対して効果が表れにくく、得点につながりにくい分野であるといえます。

高校受験や大学受験で人文科学科目が得意だった方は、その分野では得点を狙えます。

軽く内容に触れて思い出しておくのが良いでしょう。

そうでない場合は配点比率の高い他の科目に注力するのが賢明な判断です。

【あわせて読みたい】教養試験「人文科学」の攻略法

自然科学

自然科学の出題数は15%程度で、数学、物理、化学、生物、地学があります。

教養択一の最近の傾向として、数的処理・文章理解の知能科目や時事科目が重視され、知識科目である自然科学の問題は減少しつつあります。

ただ、県庁・政令市の試験では数は少ないながら依然として出題が続いているため、無視できない科目です。

出題されるテーマはある程度限定されていて、過去問と似た問題が繰り返し出題されています。

過去問を分析して頻出テーマを見つけ、それらを最優先でマスターすれば得点につながります。

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社会科学、時事問題

社会科学の科目には、政治、法律、経済、社会があります。

教養択一における出題数が20%程度と多いだけでなく、専門試験、論文、面接とも深い関わりがあるため、学習の必要性は極めて高いです。

特に専門科目で法律や経済を使用する場合は、より配点が高い専門科目の勉強を優先させましょう。

一方、時事問題は論文や面接でも必要となるため重要ではありますが、教養択一では範囲が広い割に配点は高くありません。

わざわざ学習に時間をかけるというよりは、日頃から時事に関心をもち、常に新しい出来事を知ることを習慣化するのが大切です。

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公務員試験・専門択一の科目

公務員試験 専門択一の科目

次に専門択一の科目についてです。

学習内容のイメージとしては、いずれの科目も大学で学ぶ範囲になります。

事務職の場合、試験科目には法律系科目、経済系科目、行政系科目があり、試験種によって科目ごとの出題数に差があります(例:裁判所職員の試験であれば法律系の出題が多い)。

受験する試験種に関する情報を事前に確認したうえで、出題数の多い科目から優先的に対策しましょう。

合格ラインは6〜7割です。

法律系科目

法律系科目には、憲法、民法、行政法、刑法、労働法などさまざまな科目があり、試験によって科目の有無や出題数が異なります。

併願を考えると、各種試験で多く出題される科目から優先的に取り組みましょう。

主要な科目は憲法、民法、行政法です。

憲法は出題数が多く、内容的にもとっつきやすい科目です。

公務員なら知っておきたい知識が多く、他の科目に応用できるのが利点です。

民法は出題範囲が広く、非法学部出身者には少し不利ですが、苦手な人も多いので、他の人が解ける問題を取りこぼさないことが大切。

行政法は暗記中心でつまらないと感じる人が多いようですが、過去問にあたって満点を目指したい科目です。

【あわせて読みたい】公務員試験 法律系専門科目の特徴と攻略法

経済系科目

経済系科目は、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学で構成されています。

学習順としては、多くの試験で出題され出題数も多いミクロ経済学、マクロ経済学が優先。特にミクロ経済学から始めるのがおすすめです。

ミクロ経済には専門的な経済用語が多数出てくるので、意味だけでなく問題との関連性を押さえましょう。

暗記よりも重層的な理解の積み重ねが大切です。

マクロ経済学は、ミクロ経済より体系的な学習が必要になります。

文章題が多く、とにかく繰り返し解くことが重要です。

財政学はミクロ・マクロと内容が重なる部分が多い科目です。

時事や統計データを扱うので、過去問を押さえるだけでなく、最新のデータにも触れるようにしましょう。

行政系科目

行政系科目には、政治学、行政学、社会学、国際関係、社会政策があります。

政治学、行政学は多くの試験種に出題されますが、他はばらつきがあるので試験種に合わせて取捨選択しましょう。

政治学は暗記がメインで、教養科目の社会科学でも知識が役立ちます。

過去問で基礎知識を固めれば得点できます。

行政学は政治学と並んで重要な科目で、狭い範囲の暗記が中心ですが、時事が絡むと問題の難易度が上がるので注意が必要です。

社会学は身近な話題がテーマで理解しやすく、政治学・行政学との親和性もあり得点源にできます。

国際関係は範囲が広く挫折者の多いため、手を広げすぎず基礎演習を繰り返すのが大切です。

その他

その他の科目には経営学、会計学、英語(基礎)、英語(一般)などがあります。

国税調査官では会計学が必須、地方上級(全国型)では経営学が必須など、一部試験では必須科目がありますので要確認です。

代表的な試験種の試験形態

次の表は、公務員試験の代表的な試験種の試験形態を一覧にしたものです。

試験種ごとの試験形態

筆記試験について、教養択一、専門択一、論文を課す試験が多いことがわかります。

試験ごとに、何が出題されるのかや、合格のポイントについて見ていきましょう。

国家一般職

国家一般職の中でも事務職である行政区分の試験では、基礎能力試験(教養択一)、専門択一、論文が課されます。

配点比率は、基礎能力試験から順に2/9、4/9、1/9です(これらに加えて人物試験が2/9)。

配点の高い専門試験がカギとなりますが、基準点以下の試験種目が1つでもあると不合格になるので、要注意です。

令和6年度(2024年度)試験からは、基礎能力試験において一般知能分野が占める割合が7割から8割へと引き上がるので、重点的に学習しましょう。

国家専門職

国税専門官、財務専門官、労働基準監督官など国家専門職では、基礎能力試験(教養択一)、専門択一、専門記述が課されます。

専門択一試験に関しては、国税専門官では民法、商法、会計学が必須、労働基準監督官では労働法が必須で出題数も多いなど、職務内容によって特色があります。

受験者は各試験に合わせて学習することになります。

令和6年度(2024年度)試験からは、基礎能力試験において一般知能分野が占める割合が7割から8割へと引き上がるので、重点的に学習しましょう。

【あわせて読みたい】国家公務員試験の概要

裁判所一般職

裁判所一般職は、基礎能力試験(教養択一)、専門択一、専門記述、論文と多くの試験が課されます。

専門択一では、憲法と民法が必須で、記述式試験は憲法についての1題です。

面接である人物試験の配点比率が4/10と高いのが特徴です。

筆記試験では教養科目であれば一般知能分野、専門科目であれば民法といった、出題数の多い科目の対策が優先です。

令和6年度(2024年度)試験からは、基礎能力試験において一般知能分野が占める割合が7割から8割へと引き上がるので、重点的に学習しましょう。

東京都Ⅰ類B(一般方式)

東京都Ⅰ類B(一般方式)は、教養択一、論文、専門記述が課されます。

教養試験は40題(知能24題、知識16題)で、すべて必須解答です。

他の地方公務員試験と違い、専門試験では記述式である点が大きな特徴です。

憲法、民法、経済学など10題の「〜について説明せよ」という問いの中から3題を選んで解答します。

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特別区Ⅰ類

特別区Ⅰ類では、教養択一、専門択一、論文が課されます。

教養試験では48題中40題に解答します。専門試験では憲法や民法をはじめとした11分野55題から40題を選択します。

論文では実際にある特別区の課題について「どうすべきか」問われることが多いので、日頃から特別区の情報を積極的に収集するのが大切になります。

【あわせて読みたい】スタディング講師陣が解説!特別区対策

地方上級

地方上級では教養択一、専門択一、論文が課されます。

自治体によっては専門試験がない場合もありますが、ほとんどは必要になります。

また、教養科目と専門科目が両方必須解答のタイプと、教養科目は必須で専門科目が選択解答のタイプがあるため、各自治体の受験案内をよく確認しましょう。

【あわせて読みたい】地方公務員になる!「地方上級」ってどんな試験?

市役所

市役所では、教養択一、専門択一、論文が課されます。

専門択一を実施せず、教養試験のみの場合も多いです。

最近ではSPIなどの民間の採用テストを使用している自治体も増えてきています。

その他の職種の試験科目

ここまで受験者の多い事務職の試験科目を解説してきましたが、ここからはそれ以外の職種に関して、それぞれ試験科目をご紹介します。

技術職

公務員の技術職とは、理系公務員の総称です。

試験に「技術」という区分があるのではなく、「機械」「土木」「建築」「化学」「農学」などのように専門ごとに細分化されています。

大学での専攻をいかす形で、近い分野を選ぶのが一般的です。

技術職の筆記試験は、教養択一、専門択一、試験種によって論文や専門記述が課されます。

教養択一の内容は事務職と同じですが、専門試験で各区分の専門分野から出題されます。

専門択一の配点比率が高いことが多いので、まず択一試験の対策を進めて内容を固め、その知識を専門試験の記述式に応用するのがいいでしょう。

【あわせて読みたい】公務員の技術職とは?種類・仕事内容・試験・年収を解説

警察官

警察官の筆記試験では教養択一、論文が課され、適性検査も行われます。

教養択一では数的処理、文章理解、人文科学、自然科学、社会科学が出題され、内容は「高校の学習範囲+α」です。

数的処理と文章理解の出題数が多いのは他の試験と同様です。

特色があるのが論文で、出題内容はさまざまですが、基本的には社会問題や行政課題について「警察官としてどう取り組むべきか」を述べるものです。

日頃から警察関連の話題を集め、自分の考えを書く練習をしておく必要があります。

【あわせて読みたい】警察官になるには?警察官の仕事や試験内容を紹介します!

消防士

消防士の筆記試験は、教養択一、論文です。適性検査も行われます。

教養択一では数的処理、文章理解、人文科学、自然科学、社会科学が出題され、内容は「高校の学習範囲+α」です。

数的処理と文章理解の出題数が多いのは他の試験と同様です。

警察と同じく、特色があるのが論文試験で、こちらも基本的には社会問題や行政課題について「消防官としてどう取り組むべきか」自分の考えを述べるものです。

日頃から消防関連の話題を集め、「自分ならどうするか」書く練習をしておく必要があります。

【あわせて読みたい】消防官(消防士)になるには?消防官の仕事や試験内容を紹介します!

公務員試験「高卒程度」の科目

公務員試験には「高卒区分」「高卒程度」の試験があります。主に最終学歴が高校卒業数年以内、または高校卒業見込みである受験生を対象にしています。

代表的な試験種として、国家一般職(高卒・事務)特別区Ⅲ類を取り上げて試験科目について解説します。

国家一般職(高卒・事務)

国家一般職(高卒・事務)の筆記試験では、基礎能力試験(教養択一)、適性試験、作文が実施されます。

教養択一では文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈、自然科学、人文科学、社会科学が出題され、内容は「高校の学習範囲+α」です。

適性試験は事務処理能力を測るものです。

知識は不要ですが、市販のテキスト等で試験形式に慣れる必要があります。

作文試験は、文章による表現力、課題の理解力を見る論述試験です。

特別区Ⅲ類

特別区Ⅲ類の筆記試験は、教養択一、作文が実施されます。

教養択一では、文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈および空間把握(ここまで必須解答)、現代社会、日本史、世界史、地理、倫理および政治・経済、物理、化学、生物および地学、国語および芸術(選択解答)が出題され、内容は「高校の学習範囲+α」です。

作文は特定のテーマについて、自分の意見を論述する試験です。

抽象的な問題が出題されるので、練習が必要になります。

【あわせて読みたい】高卒で公務員に!目指せる職種や、試験について

【Q&A】公務員試験のよくある質問

最後に、SPIとの関係や科目の難易度など、公務員試験のよくある質問にお答えします。

公務員試験とSPIの関係は?

近年の公務員試験では民間企業の採用テストを課す試験種が増えています。

中でもよく使われるのが、最も多くの民間企業で導入されているSPIです。

SPIの能力検査は文章理解と数的処理の対策でほとんどカバーできます。

試験の直前に、問題演習で試験形式に慣れてください。

どの試験でSPIを取り入れているかは、下記の試験日程・概要のまとめページで紹介しています。

【あわせて読みたい】公務員試験の勉強は、SPI3試験にも通用する?

【あわせて読みたい】公務員試験日程・概要のまとめ(随時更新)

職種ごとの難易度の高い科目は?

教養択一の数的処理は、ほぼすべての試験で必要になりますが、国家一般職や国家専門職の試験では解くのに時間がかかる問題が出ることが多いです。

国家専門職は専門試験が択一だけでなく記述まであるので、その対応にも時間が必要になるという点で難易度が高いと言えます。

地方上級は、特殊な問題が出されることもありますが、過去問の焼き直しも多いので対策はしやすいでしょう。

【あわせて読みたい】目指す公務員の難易度・合格率は?職種別にみる、試験難易度

まとめ

この記事では、主に公務員試験の択一試験の科目について解説してきました。

  • 教養択一は「高校の学習範囲+α」専門択一は「大学の学習範囲+α」
  • 教養試験と専門試験で重なる科目は、出題数の多い専門試験を優先
  • 併願する試験の科目をみて、出題数の多い科目から勉強しよう

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