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公務員の副業はなぜバレる?原因と処分事例は?

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公務員の副業がバレる原因・理由

公務員の副業がバレる原因・理由には、次のようなものがあります。

  • 副業で収入が上がる→住民税が上がることでバレる
  • 副業中に見つかってバレる
  • 「ここだけの話」のつもりが広まってバレる

1つずつ見ていきましょう。

副業で収入が上がる→住民税が上がることでバレる

副業で収入が上がると、住民税の額も上がります。

住民税には所得割と均等割があるのですが、所得割は個人の所得に応じて計算されるため、副業によって所得が増えると所得割の額が上がるのです。

経理担当者が所得割の額が上がったことに気づくと、副収入を得ているのではないかと疑われることになるでしょう。

「副業収入が20万円以下なら確定申告は必要なし」という話がよくありますが、この場合の税金は所得税のことです。

確定申告をしない場合、市区町村への住民税の届出が必要となります。

反対に副業が赤字の時、副業が事業所得の場合は、確定申告の際に「損益通算」が可能です。

損益通算とは、他の所得のプラスと赤字分のマイナスを合算できる制度のことです。

損益通算で課税所得が減ると還付金があってお得になりますが、住民税が下がると勤め先に副業がバレる原因となる可能性があります。

副業中に見つかってバレる

副業発覚のきっかけとして「住民からの情報提供」が挙げられるケースが多々あります。

例えば、接客業のような不特定多数の人と会う仕事に従事した場合、自分が公務員だということを知っている人に会ってしまえば、副業していることがバレます。

顔を出して店舗で働く副業は、まず間違いなくいずれバレると考えたほうがいいでしょう。

中には、インターネット上で動画配信をして広告収入を得ていたのが見つかった人もいます。

そのケースの場合、配信した動画に顔は出しておらず声だけだったのですが、匿名の情報提供をきっかけに内部調査で発覚しました。

誰がどこで見ているか分かりません。

「ここだけの話」のつもりが広まってバレる

副業に限らず「ここだけの話」というものは、信頼できる同僚だけに話したつもりがいつの間にかどんどん話が広がり、最終的に上層部に伝わってしまう、というケースが珍しくありません。

あるいは、職場と関係ない人に話したことが、めぐりめぐって職場関係者の耳に入り発覚するパターンも。

また、副業の規模が小さかった時は問題にならずに済んでいたことが、成功して利益が大きくなったことで、嫉妬が生まれて告発されてしまうこともあるでしょう。

何かがうまくいっていることなどは、気分が良くなってつい人に話してしまうものです。

しかし「人の口に戸は立てられない」という言葉が示すように、誰かに話したことは確実に広がってしまうものです。

公務員の副業がバレて懲戒処分となった事例

では、実際に公務員の副業がバレて、懲戒処分が科された事例を見てみましょう。

懲戒処分は、公務員が法律違反や職務上の義務違反などを行った場合に科されるもので、程度の重い順に免職・停職・減給・戒告の4種類があります。

どの処分になるかは、動機や結果、これまでの処分歴、社会に与える影響などを考慮して総合的に判断されますが、勤務中に副業をするなど業務に直接影響が出るような場合や、公務員の信用を失墜させる行為は処分が重くなる傾向にあります。

後述しますが、記事執筆や一定額以下の不動産収入など、公務員にも認められている副業はあります。

ただし、許可を得なければ処分されるのは同じです。

【事例1】複数の接客業アルバイトで免職

2017年、札幌市の職員が、コンビニや飲食店などでアルバイトを繰り返して報酬を得ていたとして、懲戒免職処分を受けました。

民間企業で就労したことで処分を受ける例はたくさんありますが、減給程度にとどまることがほとんどです。

この職員は、無許可の就労だけでなく、勤務中に居眠りをしたり、勝手に席を外したりといった行為も繰り返していたそうです。

【事例2】風俗店勤務で停職

2022年、横浜市の職員が、性風俗店に勤務していたとして、停職3カ月となりました。

2023年には、三重県四日市市の職員も性風俗店で働いていたことで停職6カ月の懲戒処分を受けました。

東京都内でも、税務署に勤務していた職員3人が、性風俗店などで働いたり、いわゆる「パパ活」で金銭を得ていたりしたことで、停職3カ月から1カ月の処分を受けました。

このほか、愛知県一宮市では、派遣型風俗店の送迎をしていた消防士2人がそれぞれ停職2カ月、3カ月の処分を受けました。

いずれのケースでも最終的に依願退職しています。

【事例3】勤務時間外のアルバイトで減給

2022年、愛知県岡崎市の職員が、週末や祝日にスキー場で約6年間アルバイトをしたとして、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分を受けました。

同年、相模原市では、育休中に民間企業で働き報酬を受け取った職員が、減給10分の1(6カ月)の処分を受けています。

この職員は、市の聞き取り調査に対して、当初「報酬を受け取っていない」と嘘の報告を行ったことも問題視されました。

【事例4】インターネットを利用した副業で減給

最近はインターネット上のやり取りで完結する仕事を副業にする人も多いです。

2019年に、インターネットに記事を寄稿して報酬を得たとして、岐阜県土岐市の消防署員が減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けました。

個人パソコンで勤務中にも記事を書いていたとのことです。

2023年には三重県伊勢市の職員が、ネットオークションを利用し9年間で総額1,900万円の転売益を上げたとして、減給10分の1(6カ月)の処分を受けました。

公務員もOK!できる副業5選

公務員は原則として副業禁止ですが、内容によっては認められるものもあります。

公務員でもできる副業を5つご紹介します。

▼不動産投資

家賃収入を得る目的での不動産賃貸業は認められています。

ただし次のような条件を満たす必要があります。

  • 家屋であれば物件数が5棟未満かつ10室未満
  • 土地であれば10件未満
  • 駐車場であれば、機械設備がなく10台未満
  • 賃貸料収入の額が年間500万未満
  • 管理会社に管理業務を委託すること


▼株式・FX・仮想通貨(暗号資産)投資

次のような投資は、基本的に自由に行えます。

  • 株式投資:株式の売買による利益や配当金、株主優待が得られる
  • FX:通貨の売買による差額が得られ、預けた証拠金の何倍もの金額で取引できる
  • 仮想通貨(暗号資産):売買で利益を得る、貸し出して利用料を受け取るなど

気をつけたいのは、法律で禁止されているインサイダー取引です

仕事で得た未発表情報を元に株式売買で利益を得るのがインサイダー取引ですが、公務員は関係企業の情報を得やすい立場にあるので、十分に注意しましょう。


▼講演・執筆活動

講演や執筆活動は許可を得れば行うことができます。

単発での講演や執筆による報酬に関しては、許可も必要ないとされていますが、反対に定期的、継続的に発生する仕事に関しては、申請をして許可を得る必要があります。

▼小規模農業

自給目的の小規模農業であれば基本的に認められます。

一定の規模を超える場合は許可が必要ですが、農業が盛んな地域では比較的規模が大きくても認められることが多いようです。

また、農業は人手不足が深刻になっている地域が多く、労働力確保のため、自治体職員が副業として収穫作業などに従事するのを認める動きが広がっています。

▼家業の手伝い

家業の手伝いは無報酬であればOKです。

国家公務員であれば、報酬が発生する場合は承認を得る必要が出てきます。

地方公務員は、自治体の制度や家業の内容によって認められるかどうかが異なります。

自己判断せずに、所属先に確認しましょう。

いずれの副業の場合も、「公務員の信用をなくす行為をしない」「守秘義務を守る」「業務時間は職務に専念する」という公務員の3原則を厳守しなければなりません。

【あわせて読みたい】公務員でもできる副業とは?副業解禁の具体例も紹介

【Q&A】公務員の収入に関するよくある質問

最後に、公務員の収入に関するよくある質問について解説します。

公務員の年収は?

人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、国家公務員の行政職俸給(一)適用職員(一般行政事務職員など)の平均給与月額は40万4,015円です。

これをもとに試算すると、全体の平均年収は約663万円となります。

総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査」によると、全国(すべての地方公共団体)の地方公務員(一般行政職)の平均給与月額は40万1,372円です。

これをもとに試算すると、平均年収は約638万円となります。

【あわせて読みたい】公務員の年収・初任給・ボーナスは?年齢や勤務先による違いも解説

公務員はどんなふうに昇給する?

国家公務員の給料は、「俸給表」の「級」×「号俸」で支給額が決まります。

これと同様の仕組みで、地方公務員の給料は「給料表」の「級」×「号給」で決まります。

給料が上がるタイミングは、年1回など定期的に号給が上昇するときで、地方公務員の場合はほとんどの自治体で「年1回、4号ずつ」上がるのが基本です。

また、主任から課長代理になるなど昇進して級が上昇するときにも昇給します。

【あわせて読みたい】公務員の昇給の仕組みは?上がる仕組みや金額を解説

公務員の退職金はいくら?

公務員の退職金は、勤続年数1年から支給されます。

退職金の金額は「基本額(退職日の俸給月額 × 退職理由別・勤続期間別支給割合)+調整額」で計算され、勤続年数が長いほど、そして自己都合よりも定年退職の方が割合が高くなります。

定年退職時の退職金平均額は、国家公務員が2,106万円程度、地方公務員が2,124万円程度です。

【あわせて読みたい】公務員の退職金はいくら?計算方法や定年延長の影響も解説

まとめ

この記事では、公務員の副業がなぜバレるのか?その理由や発覚した際の処分、また公務員でもOKの副業をご紹介しました。

  • 副業がバレる原因は、収入増で住民税が上がる、副業中に見つかるなど
  • 減給などで済む場合が多いが、懲戒免職や停職処分になる例も
  • 公務員でもできる副業は講演や執筆活動、小規模農業など。勤務時間外の株式投資などはOK。

副業がバレて懲戒処分となった人の中には、故意に隠していた人だけでなく、「赤字なら問題ないと思った」など、大丈夫だろうという思い込みで許可を取らなかった人もいました。

地方自治体では業務に支障のない範囲で副業を認める動きが広がっているので、違反とならない副業を選択するか、正式に承認を得るなどしっかり対応したいところです。

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