大学生の男女が「将来ここで働きたい」と考えている勤務先のランキング(※1)は、1位 地方公務員(27.5%)2位 国家公務員(19.5%)と続きます。公務員は常に上位を占める人気の高い職業です。
しかし、もちろん合格する人がいる一方で不合格となる人もいます。一次試験である筆記試験に合格するにはもちろんですが、最終的に人物試験にも合格しないと公務員にはなれません。
公務員浪人の多くは、一次試験は合格するが、二次試験以降の人物試験でなかなか合格できないパターンが多い傾向にあります。
そこで、今回は筆記試験だけでなく面接やグループディスカッションといった人物試験に失敗する人・合格する人はどんな人なのか、キャリアカウンセラーが解説。これまで専門学校や大学で見てきた「公務員浪人で失敗する人の特徴と成功する人の特徴」について紹介します。
公務員浪人で失敗する人
まず、公務員浪人で失敗する人の特徴です。
失敗する人①:なんとなく公務員志望の人
公務員浪人の中には、「親が勧めたたから・安定しているから・周囲が目指しているから」となんとなく公務員試験を受け続ける公務員浪人生がいます。
これは筆記試験対策のモチベーションを下げてしまうだけでなく面接で志望動機が弱くなってしまいます。
もしもあなたが面接官だとして、「働く理由は安定しているからです」と伝える人と一緒に働きたいと思うでしょうか。単に安定性だけを理由に公務員試験を受験した公務員浪人生は別の理由に発展しづらく、面接官に熱意が伝わりづらくなってしまいます。
安定性自体は間違っていませんが、面接で面接官を納得させるにも、またあなたが公務員試験を持続的に勉強するためにも、
「なぜこんな苦しい浪人生活を送ってでも公務員試験勉強をしているのか」
(モチベーションの持続性)
「なぜ公務員になりたいのか」
(志望動機の明確化)、
「どんな公務員になりたいのか」
(将来ビジョンの明確化)
を日々自問自答を繰り返して自分の考えや言動を振り返ることが合格の鍵となるでしょう。
失敗する人②:勉強二の次、バイトや遊びを優先してしまう人
公務員浪人の方には、アルバイトでなかなか勉強する時間が取れないという状況に陥ってしまいがちです。その結果、勉強が疎かになってしまい、結局次の年も不合格になったり、公務員受験自体を諦めることにもつながります。他にも周囲の友人に誘われて断りきれず、場の雰囲気に流されズルズルと遊んでしまい後悔する公務員浪人も多いはず。
このような人は全てが中途半端になってしまい、嫌なことから逃げたい反動で、勉強を遠ざけてしまいなかなか実力がつきにくくなってしまいます。
公務員試験は、年齢制限があります。時間は待ってくれません。1年を無駄にせず時間を意識して、勉強時間を確保できる計画を立てアルバイトや他の仕事をしていても、勉強する時間を確保するように努力しましょう。
そのためには、まず自分で勉強できる環境を整える必要があります。予備校通学やオンライン講座受講などの活用や、「帰り道のカフェで必ず勉強する」、「電車に乗ったらテキストを開く」といった独自のマイルールを作り、身体に染み付く習慣づくりをオススメします。
失敗する人③:頑固で独りよがりな人
頑固で人のアドバイスを聞き入れない独りよがりな人もやはり失敗してしまう可能性が高くなってしまいます。
例えば、苦手な科目しか勉強しない、面接指導で相手のアドバイスを聞き入れない人は、なかなか合格できない典型的なパターンです。
一次試験は、何年か公務員試験の勉強を継続していれば傾向と対策である程度合格できる基準までは到達できます。
しかし、二次試験は特に協調性や柔軟性を重視されるため、頑なで独りよがりな人は、国民や住民に行政サービスを提供する立場である公務員として向かないと判断される可能性が高いです。
これまで、公務員受験指導をしてきた経験からも、頑固で自分の考えを押し通す独りよがりな受験生は、一次試験を通過しても二次試験以降の人物試験で不合格という人が多くいました。
二次試験以降の人物試験ではどうしても独りよがりな回答になってしまいがちです。
そこで、予備校や個人で面接指導を行なっているところを探して、客観的な視点で自分がどう見えているかのフィードバックをもらい、
- 論理立てて話せているか
- 熱意が伝わっているか
- 基本的マナーができているか
などを確認してもらいましょう。
公務員浪人で成功する人
ここまでは、失敗するパターンを見てきましたが、今度は合格する人を見てみましょう。
成功する人①:素直でPDCAサイクルができる人
素直な人とは、自分の誤りを素直に認め周囲のアドバイスにしっかり耳を傾け、自分に何が足りないのかを考え実行する人を指します。
つまり、
P:計画(Plan)を立てる
D:実行(Do)する
C:チェック(Check)する・第三者に助言をもらい、自分を客観的に見て改善策を考える
A:改善の行動(Action)を起こしてみる
といったPDCAサイクルをしっかり行います。
例えば、筆記試験対策では間違った問題に関して自分がなぜ間違ったのかを確認し、正解するまで解き直すことを行います。
面接練習では他者からもらった助言を素直に受け入れ、自分に取り入れようと努力します。そうすることで、より自分の良い面や熱意が効果的に伝わる面接が可能となります。
成功する人②:毎日計画的に勉強を習慣化づけられる人
公務員試験に合格する人は、ある一定の勉強量・勉強時間が毎日の習慣となっています。
例えば、毎日3時間確保するために電車の移動時間やお昼の休憩時間などスキマ時間を見つけて、どうにか自分で計画立てた今週のノルマを終わらせます。ノルマを終わらせるためには自分がどう行動すると良いかを常に考えるため、どんなに周囲からの遊びの誘いがあったとしても自分をコントロールすることができます。
実は、その行動こそが公務員の求める人材像の1つである「主体性があること」につながるのです。
成功する人③:公務員になって何をしたいかが明確な人
公務員になって何をしたいか明確な人は、勉強以外のことにも積極的に課外活動に取り組むことができます。
公務員試験に『合格したい人』は公務員試験一次試験勉強のみを必死にやります。
しかし、公務員になって具体的に『何をしたいのか明確な人』は公務員受験の時期から公務員になった将来を考え今どんな行動が可能かを考えます。
例えば、現場を知るために県庁や市役所でアルバイトを始めたり、市民目線で現場がどんな課題を抱えているのかを知るために積極的にボランティアを行うこともできます。勉強のみならず自分が公務員になった後に役立つ行動を積極的に取り組みます。
それが、公務員試験対策時のモチベーションを上げることにもつながりますし、面接では、その体験を元にした自己PRや志望動機をしっかり述べることができるわけです。そして、公務員になった後も仕事の中でこの経験を必ず活かすことができます。
(出典・参考:リンク)
※1:ITmediaNEWS:大学1・2年生の「希望の就職先」ランキング(リスクモンスター調べ 2019年)