民間併願したほうが公務員になれる!?対策・スケジュールを解説

公務員試験の教養試験と民間企業の採用試験は併願が可能です。民間の対策や面接で視野が広がり、公務員試験に好影響をもたらすこともあります。

この記事では「公務員か民間か」で迷っている方に向けて、どちらもカバーできる併願対策について解説します。

民間併願したほうが公務員になれる!?対策・スケジュールを解説


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民間併願したほうが公務員になれる!?

公務員試験に興味がある大学生や社会人から、次のような声を聞くことがあります。

  • 「民間企業への就職に向けて動いているが、公務員試験にもチャレンジしたい」
  • 「予備校に通うと経済的負担が大きいため就活しているが、本当は公務員試験が気になる」
  • 「転職で公務員を受験したいが、仕事との両立が不安だ」

このように「公務員か民間か」で気持ちが揺れている方に、今はとってチャンスの時代です。

近年の公務員試験は「教養科目のみ」で受験できるものが増えています。そして、民間の採用テストの代表格である「SPI3」は公務員試験の勉強をしていれば大半をカバーできます。

つまり、公務員と民間の併願は十分可能です。


それどころか、「民間併願したほうが公務員になれる」とも言えます。

公務員試験の受験生の中には民間にまったく意識を向けていない人もいますが、そうなると面接で「民間ではなく公務員なのはなぜですか?」と聞かれた際に説得力のある回答ができません。

また、民間企業の就職活動を経て「やはり公務員になりたい」と確信することもあります。

民間併願は「自分はどんな仕事をしたいのか」を深掘りする絶好の機会にもなるのです。

公務員の民間併願については、YouTubeのスタディング公務員チャンネルでも解説しています。

ここからは、民間併願におすすめの公務員試験として、教養試験のみで受験できる職種を紹介します。


【地方公務員】民間併願におすすめの公務員試験

地方公務員の場合、教養試験のみで受験できる職種には次のようなものがあります。

  • 地方上級(都道府県、政令指定都市)の一部の方式
  • 市役所
  • 警察官
  • 消防官

地方上級は「特別枠」や「アピール型」といった名称で教養試験のみで受験できる試験を実施している場合もあります。

一方、政令指定都市以外の市役所は、教養試験のみで受験できる試験が多いです。

受験したい自治体や職種がある人は、どのような区分の試験が実施されているか調べてみるとよいでしょう。


民間併願が難しい公務員試験

国家公務員の主な職種は、民間との併願は難しいと言えるでしょう。具体的には下記のとおりです。

  • 国家総合職
  • 国家一般職
  • 外務専門職
  • 国税専門官
  • 財務専門官
  • 労働基準監督官
  • 裁判所一般職
  • 衆議院事務局一般職
  • 地方上級(都道府県・政令指定都市)の主流の方式
  • 市役所(一部)

上記の職種の試験では、専門科目試験が実施されます。また地方公務員では、地方上級は「教養+専門」が主流です。

専門科目は教養科目と比べて難易度が高く、試験対策に多くの時間が必要となるため、民間企業の就職活動と並行して進めるのは難しいと言えるでしょう。

公務員試験の種類一覧はこちらの記事で紹介しています。


【あわせて読みたい】公務員試験の種類一覧|日程・試験内容・併願について解説


公務員併願におすすめの民間企業

民間企業に併願で応募する場合、基本的には自分が興味のある業界や企業を受けるのが一番です。

併願する企業選びに迷った場合は、仕事内容が公務員と似ている企業を選ぶのがよいでしょう。


例えば、もともと公的機関でのちに民営化された企業(特殊法人)などは、仕事内容に公務員との共通点が多くあります。

また、金融機関が行っている企業支援業務なども公務員の仕事と近しい部分があります。

こうした企業との併願であれば、面接で併願理由や志望動機なども説明しやすくなるでしょう。


公務員試験の面接で民間併願は隠す?伝える?

公務員試験の面接で、民間企業と併願をしていることを自分から話す必要はありません。

ただし面接官に併願しているかどうかを聞かれた場合は、正直に答えましょう。


このとき、伝え方やその後のやりとりには注意が必要です。面接官は、「この人は内定を出したら承諾してくれるのかどうか」を知るためにこうした質問をしています。

正直に「民間が第一志望です」「まだ迷っています」などと言ってしまうと、不承諾の印象が強くなり、内定が遠ざかってしまうかもしれません。

基本的には「民間も併願していますが、◯◯市役所が第一志望です」といった答え方をするのがいいでしょう。


民間企業で併願状況を聞かれた場合も同様です。

「公務員が第一志望で、民間企業の志望度は低いです」という人には内定がづらくなってしまうかもしれないため、伝え方には注意しましょう。


公務員・民間併願のスケジュールは?

公務員受験と就活を両立する場合、スケジュールはどうなるのでしょうか。

基本的には、2〜3月までは民間企業中心の就職活動をして、4月以降は公務員試験対策に使うというスケジュールで動く人が多い傾向です。

中には8月頃までは公務員試験に集中して、それ以降は民間企業の秋採用枠を狙って就職活動をするという人もいます。

ただし秋以降は応募できる企業の数も減少するため、選択肢を多くしたい人は早めに民間企業を回ったほうがよいでしょう。


両立が大変で時間が足りなくなりそうな場合は、中途半端にならないように優先順位を決めて取り組むのがおすすめです。

例えば「民間企業に応募するのはこの期間までで、受けるのは何社まで」といったことを決めておくと、両立のスケジュールが立てやすくなります。


公務員・民間併願の勉強方法は?

ここからは、民間企業と併願をする場合の公務員試験の勉強方法について解説します。

両者をうまく両立させるための効率的な対策をご紹介しますので、併願を検討している方はぜひ参考にしてください。


難易度が高い「公務員試験の対策」が中心

公務員試験と民間企業試験を比較して、数的処理や文章理解など共通する科目はありますが、やはり難易度が高いのは公務員試験です。

併用受験を検討するなら公務員試験対策を中心に行うのがいいでしょう。学習した知識をSPI3などの民間試験対策に応用できて効率的です。

「数学が苦手」という方は、先にSPI3試験の非言語分野の問題に取り組みましょう。

少しずつ理解度を上げてから公務員の教養試験に取り組む、という順番でもOKです。

特徴を踏まえたうえで自分に合った学習方法を見つけてください。


【あわせて読みたい】公務員試験の勉強は、SPI3試験にも通用する?


公務員試験「教養科目」の対策

公務員試験の教養試験の科目と配点は、自治体や区分によっても異なりますが、おおむね下記のような傾向です。

分類 科目 主な配点
一般知能 数的処理(数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈) 15前後
文章理解(現代文・英文) 10前後
一般知識 人文科学(世界史・日本史・地理・思想・文芸) 6前後
自然科学(数学・物理・化学・生物・地学) 6前後
社会科学(法律・政治・経済・社会)時事 10前後


公務員試験の合格ラインは5〜6割となっているため、上記科目のすべてを完璧に対策する必要はありません。

試験対策では以下の2点が重要となります。

  • 合格基準点を確実に突破できるようになるための学習計画
  • 当日は解ける問題から確実に解いていく

なお知識科目が完璧でも、知能科目で得点ができなければ合格はできません。

そのため、教養試験対策では知能科目が最優先となります。

まずは数的処理を中心に基本的な出題パターンや公式を把握して、問題を素早く解けるようになることを目指しましょう。


受験勉強から離れて久しい人は、文章理解の科目で必要となる現代文の問題の解き方も復習しておくとよいでしょう。

【あわせて読みたい】公務員試験教養科目対策戦略ー選択と集中が攻略の鍵ー

【あわせて読みたい】公務員試験「新教養試験」と「社会人基礎試験」とは?


公務員試験「面接(人物試験)」の対策

公務員試験の面接(人物試験)には、次の3つの対策が有効です。


▼事前に提出する面接カードの内容

公務員試験の面接では、事前に提出した面接カードの内容をもとに質問されることが多くあります。

面接でのやりとりがスムーズに進むように、内容を準備しましょう。


▼面接評定票から採点基準を把握する

公務員試験の面接には、面接官が見るべきポイントをマニュアル化してた「面接評定票」があります。

面接カードに書く内容は、面接評定票から逆算して考えましょう。


▼体験(エピソード)を考える

最近の面接では、実際の体験やエピソードをもとにした自己PRや志望動機から「なぜそう考えたのか」「なぜその行動をとったのか」などについて深掘りされる傾向があります。

面接官はこうした質問を通じて、受験者に公務員として必要なスキルや特性があるかを見ています。

体験を織り交ぜた上で、簡潔でわかりやすく説得力のある回答ができるように話を整理しておきましょう。


【あわせて読みたい】【公務員・人物試験】面接対策のポイントや回答のNG例を解説


面接対策で知っておきたい「公務員と民間の違い」

公務員と民間企業の仕事には、以下のような違いがあります。


▼公務員

公的機関で働く

生活の基盤を支える

国民の利益を追求する


▼民間

株式会社などの企業で働く

モノやサービスを提供する

会社や個人の利益を追求する


「なぜ併願なのか」「なぜ公務員が第一志望なのか」「公務員と民間で何が違うのか」といった質問は、民間併願の場合の面接では定番の質問です。

受験生の中には「民間は利益ばかりを追求するから、公務員を志望しています」と答える人がよくいます。

しかし、利益を追求するのは決して悪いことではありません。

民間企業が利益を追求して税金を収めなければ、公務員も給与を受け取れなくなってしまいます。


こうした質問をされた場合、単に両者の違いを答えればいいわけではありません。

公務員と民間の違いを把握した上で、自分がなぜ公務員を目指したいのか、公務員として働く意義などを改めて考え、話せるようにしておきましょう。


公務員と民間の違いについては、YouTubeのスタディング公務員チャンネルでも解説しています。


まとめ

今回は、公務員の民間併願について解説しました。

  • 教養試験だけの市役所などは民間併願しやすいが、専門試験がある職種は併願しづらい
  • 民間併願のスケジュールは、2〜3月は民間中心、4月以降は公務員試験中心が一般的
  • 教養試験対策は「合格点を確実にとるための計画」が重要
  • 公務員と民間の違いを正しく把握して、「なぜ公務員か」を話せるようにしておく

公務員と民間を併願している人は非常に多くいます。両立は大変ですが、「スタディング 公務員試験講座」ならスキマ時間で効率的に公務員試験対策ができます。講座の内容は無料で体験できますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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