教養試験「世界史と日本史」の攻略法

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公務員試験の人文科学には、世界史・日本史・地理・思想・文芸が含まれますが、多くの人が頭を悩ますのは、世界史・日本史の歴史分野ではないでしょうか。
高校では「世界史」や「日本史」と科目で独立していることからもわかるように、きちんとマスターしようと思ったら、それだけで何年もかかってしまうほどの分量です。

公務員試験では一般的に、範囲が広い割に配点が小さく学習効率の悪い分野として位置付けられています。
何の戦略もなく学習を始めてしまっては、合格に近づくどころか他の科目の学習時間を奪ってしまい、不合格の要因になってしまうかもしれません。

厄介な科目であればこそ、学習指針がとても重要になります。
今回は、前半で歴史へのアプローチ方法テーマの絞り方、そして後半では、そもそも「歴史」とは何なのかと言う見地から、公務員にとって必要な歴史意識を探っていきます。

目次

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永田講師 この記事を書いた人 永田 英晃 

判断推理・空間把握・現代文・社会科学
人物試験対策 担当

河合塾などの大手大学受験予備校にて医系講座、東大講座を歴任し、公務員試験対策予備校でも国家公務員総合職講座など常に最高レベルの担当をしてきた。様々な啓発技術を融合したオリジナル指導を実践し、最大手予備校模試での全国1位や、都内トップ高校での学年1位などを輩出。東京大学や京都大学をはじめ多数の生徒を合格へと導く。

現在は主に公務員試験対策、就職試験対策、教員採用試験対策、キャリアコンサルティング、教員向け研修の講師を務め、抜群の合格率・内定率を誇る。首都圏を中心に北海道、北陸、中部、関西など日本全国の大学にて講座を受け持っている(登壇実績約70大学)。

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学習範囲を絞ろう!

まずは歴史分野をどのように学ぶかの戦略を具体的に立てていきましょう。
日本史と世界史は範囲が膨大で、すべての分野を短期間で網羅するのは不可能です。

よって、最も少ない勉強で多くの得点が望める学習に特化していきます。
このように聞くと「ひたすら過去問を解いて、出てきた事項を覚えるのが効率的では?」と思うかもしれませんが、それは違います。

歴史には流れとつながりがあり、一つ一つを覚えていく「点の勉強」は、返って非効率です。
点ではなく、線や面、時には立体的に捉えてください。

具体的には、以下の「縦のつながり」「横のつながり」が重要です。

【縦のつながり】

当たり前のことですが、歴史は常につながっていて、前の出来事が後の出来事に影響を与えています。
単発で理解するのではなく、原因と結果・影響をつないでいくことが大切です。

【横のつながり】

これも当たり前のことですが、世界は同時に動いています。
特に近現代以降は国同士の関わりが強く、各国は互いの利害関係のバランスを取りながら動いています。


近年では、これらの動向は地政学と言う分野で研究が盛んです。
直接の知識がなかったとしても、その当時の各国の立場や情勢、思惑などの関連が分かれば、選択肢の正誤を判定できるのです。



頻出テーマを最優先!

【横のつながり】は、日本史と世界史の両方が出題される公務員試験において、効率学習のヒントになります。
つまり、世界史と日本史をまとめて学んでいけるのです。

近世以前は国同士の交流が少なく、この時代を学習しようとすると、国ごとに学んでいかなければいけません。
逆に、現代は国同士のつながりが大きく、世界史と日本史の差が小さくなっています。

しかし近現代史に絞るといっても、まだまだ範囲が広く、全てを網羅しようとすればこれもまた莫大な時間がかかります。
そこで、頻出テーマとなる、外交や経済の観点からアプローチしていく、と言う方法をお奨めします。



学習の方法

学習の際は、はじめに「全体の流れ」を押さえるようにしましょう。
枝葉末節から始めるのではなく、大きな視点で全体の流れを掴むようにするのです。

全体像を理解すると、歴史の流れが分かるようになるため、一気に学習効率が高まります。
ところで、歴史の勉強と言うと、赤フィルターなどを使って、語句を暗記する学習を思い浮かべるかもしれません。

しかし、公務員試験対策で、用語集などを購入し、語句を一生懸命覚えるような学習は不要です。
なぜならば、語句そのものを問う出題は少ないからです。

また、語句などの知識はスマホでいつでも検索できるため、覚えても仕方ありませんね。
それよりも、大きな流れをつかんで、土台を作ることが大切です。

皆さんは、日々、様々な資料を扱っていると思いますが、それを部屋の床にポンポン置いていきますか?
もし、整理をせずに床に投げ捨ててしまったら、いざ必要の時に「あれ?どこに行ってしまった?」と右往左往することになります。

よく試験で「あれ?これ勉強したんだけどなあ」と言うのがこの状態です。
対策として、書類を分類するための棚や引き出し、フォルダがあれば「あれはここにある」と一瞬で取り出すことができますが、これが「全体の流れ」と言う土台の役割です。

とは言うものの、「全体の流れ」を細かくじっくり学習する時間はさすがにありませんね。
流れは、概要をザッと頭に入れる程度で良いでしょう。

但し、これだけでは曖昧な知識のままで得点にはつながりません。
そこで、次に過去問を見ていきます。

この過去問は、単独で解くのではなく、先程、頭に形成した大枠イメージと照合させながら理解していきます。
すると時代背景や利害関係など様々な観点が結びつき、「点が線となり」、「線が面となる」を実感しつつ、しっかりと定着させていくことができます。

一見すると細々とした用語の暗記のイメージがある歴史ですが、本質的には、様々な事項をつなげていくことが最も重要です。
最初にザックリとした土台を形成し、過去問演習で、その土台にどんどん学習事項を絡めていきます。

手持ちの事項が増えれば増えるほど、「つながる」ことが多くなります。
まるで雪達磨のように、「質」と「量」がともに加速するのです。

「過去問の使い方」についての記事はこちらから


〈ここからが本題!?〉実は捨てることが正しい選択

さて、一応、学習の記事なので、学習することを前提に話を進めましたが、個人的には公務員試験における歴史科目は、「捨てる」ことが正しい選択だと感じています。
これは、配点が低い割に範囲が広い点を踏まえた戦略的撤退、と言う以上にもっと深い意味があります。

そもそも、公務員試験人文科学における「歴史」は、人文科学としての「歴史」の本質から大きく逸脱しているからです。
これは公務員試験の出題者が無知であることを示しています。

誤解が無いように先にお伝えしておきますが、人文科学的「歴史」の素養は公務員にとって必要な能力です。
だからこそ、教養科目に含まれています。

必要であるにも関わらず、公務員試験対策において、「人文科学は捨て科目だ」と当たり前のように言われるのは、出題の仕方が本質とズレているからに他なりません。
恐らく、出題者自身がよく分かっていないため、人文科学っぽい出題をしてお茶を濁しているのでしょう。

問題を作って終わりではなく、出題者には、きちんと「何故その問題を解けることが公務員になるために必要なのか」と言う説明を課し、出題者自らが意図を問う機会を与えるべきです。
何故ならば、責任のない仕事は怠惰を招くからです。

そして既に「人文科学は捨て科目だ」と言われる問題しか作れていないことを反省し、今一度、公務員にとって人文科学が何故必要なのかの本質に立ち返るべき時が来たと言えるでしょう。
無意味な問題を出題し続けても、得をする者は誰もいません。

出題者にとっても、無意味な問題を作る手間がかかります。
受験生も、無意味な勉強に無駄な時間を費やすことになります。

そして、無意味な問題を世に蔓延らせることで、人文科学について世間に誤った印象を抱かせ、本来の人文科学が歪められてしまいます。
ここでは、人文科学の本質を紐解き、公務員にとって真に必要となる「歴史」とは何かを考えていきます。



人文科学における「歴史」とは

私たちは感覚的に、歴史とは過去から現代に向かう時代の流れをイメージします。
しかし、その経過を完全に記録しているデータは存在しません。

各所に散らばった断片的データを紡ぎ合わせて、過去の出来事を構築する試み、これが人文科学における「歴史」です。
「歴史を覚える」よりも「歴史を造る」と言った方が正しいでしょう。

時の流れは不可逆のため、過ぎ去った出来事に戻って構築することはできません。
歴史的出来事の当事者は、常に一過性の行為しか為し得ず、そこに留まることはできないのです。

そして、その出来事は、時間の経過とともに過去のものとなり、当事者の記憶、出来事の結果として生じた事実だけが残ります。
当事者は真実を記憶しているとは限りません。

人間の脳は、自己防衛機能があるため、過去の記憶をどんどん自分に都合の良いものに塗り替えていきます。
また、結果として生じた事実も、誰かによって隠蔽や捏造が行われているかもしれん。

つまり、何もしなければ時の経過とともに真実はどんどん歪んでいくのです。
そこで、断片的データを分析や統合をして、客観的に歴史の像を造るのが人文科学の「歴史」です。

実際に起こった真実の歴史など誰も分かりません。
しかし、それでは試験が成り立たないため、試験の成績を付けるためだけに、その時の学会の権威ある学説を正解とするルールに決めているのです。

皆さんの多くがやっている、「歴史を覚える」と言う作業は全くの時間の無駄です。
皆さんが絶対的であると信じ込んでいる歴史そのものが、実は歴史家によって造られた虚像に過ぎないからです。



歴史は覚えるのではなく、造るもの

私たちは、暗記を学習と勘違いしやすいですが、先ほども述べたように、既存の枠組みを覚えるのは権威への服従をしているに過ぎません。
何の疑いもなく、出された「これを覚えろ」と言う圧力に屈しているだけです。

このような封建的風潮の名残に翻弄されるのではなく、これからの時代は、もっと人文科学の本質に合った学習が望まれます。
それは「自らが歴史を造る」と言う視点です。

歴史家のように史料から構築するのは大変ですが、せめて教科書などの教材をそのまま覚えるのではなく、「これは一つの説に過ぎない」と割り切って、自分自身で歴史を構築する力を身に付けましょう。
特に最近は、時代の変化が激しく、価値観がどんどん新しくなっています。

その変化によって、過去の歴史の評価も大きく変わっています。
例えば、戦後日本の貧しい時代には、徳川吉宗、松平定信、二宮尊徳などの質素倹約を基調とした人物が評価されていました。
昭和の高度経済期には、足利義満、豊臣秀吉、田沼意次など経済を重視した人物が評価されました。

そして、平成のイノベーション全盛期には、平清盛、源義経、織田信長、坂本龍馬など、古い慣習を打破し、新しい時代を切り拓いた人物が評価されました。
現代が映す歴史像は、実は現代社会の鏡でもあるのです。

そして現在は、残念ながら「安全な場所にいて逃げ切る生き方」が高く評価されるクズ社会です。
しかし、歴史を見ると、このような人たちが最後は勝者となった事実も否定できません。

すると、蘇我馬子、藤原道長、源頼朝・北条義時、徳川家康などが評価されるようになるかもしれませんね。
これらの人物は平成の時代にはあまり高く評価されていなかったため、令和における価値観の変化がよくわかります。

このように、無味乾燥な暗記や史料の寄せ集めだけでなく、現代まで続く壮大な流れと関連性を自らの手で描くことで、「歴史」は生きた科目に甦ります。
ところで、今は歴史学の中で、史料だけに依拠する立場が優勢ですが、昔はもっとダイナミックに歴史を構築していました。



戦前と戦後で「歴史」が変わった

日本は世界で最も歴史の長い国であり、これは現存する世界最古の国家として誇りに思う事実です。
しかし、多くの日本人はこの事実を知りません。

それどころか、歴史の教科書を読むと、時代時代で断絶され、中国のようにあたかも何度も王朝が入れ換わっているように書かれています。
どうせなら、創成から現代に至るまでの一本のダイナミックな歴史を学びたいものですね。

実は第二次世界大戦の前は、多くの人がイメージするこのような歴史と、歴史家が構築する「歴史」は近いものでした。
戦前、東京帝国大学の権威であった平泉澄先生に代表される歴史家は、古代から紡がれる万世一系のダイナミックな歴史を構築しました。

しかし、当時の歴史学の権威であった平泉澄先生の著作は現在、「物語日本史」と言うタイトルで出版されています。
「この日本史は物語であって歴史では無い」と言うレッテルが貼られてしまっているのです。

第二次世界大戦の敗戦により、「長い歴史の誇りが日本の暴走を招いた」と非難され、胸を張って日本の輝かしい歴史を研究することが出来なくなってしまったのです。
また、この後遺症により、ダイナミックに行間を推論することは「歴史を歪曲している」と非難されるようになりました。

歴史学の中だけならまだしも、それがフィクションの世界にまで飛び火し、歴史や過去の時代を扱った作品に「史実と違う」と文句を言う頓珍漢な輩も多くなっています。
事実と異なる世界を空想するフィクションに向かって、「史実と違う」と指摘されるようになったら世も末です。

フィクションの世界にまで影響を与えているように、歴史学の中で、血湧き肉躍るような壮大なる歴史を構築するのはご法度となりました。
変わって歴史学の主流となったのは「日本は何故侵略国家になったか」と言う自虐史観や、庶民や農民などの隠れた生活史など、大局的な歴史とは対をなす研究でした。

もちろん、これらの側面も重要かもしれませんが、歴史を学ぶ人たちが「つまらない」「何でこんなものを学ぶ必要があるのか」「日本はダメな国なんだ」と思ってしまう傾向が強かったことは否めません。
困った文科省は、苦肉の策として、世界史の方を必修化し、日本史学者を封じ込める作戦に出ました。

皆さんも、日本史よりも世界史の学習が優先され、「これもグローバル化なんだな」と思ったことがあるかもしれませんが、実はグローバルだけでなく、日本史学が抱える問題が大きかったのです。
しかし、時の経過とともに日本史学の学者も世代交代があり、主流の偏りも解消されてきました。

戦争のような大きな出来事があると、解釈は必ず極端に振れ、その後は振り子のように反対側に偏ります。
そして、時の経過とともに次第に振れ幅が小さくなり、先入観に囚われず、客観的な解釈ができるようになります。

冒頭で、歴史は時の経過とともに真実が消えて行く、と言う話をしましたが、当事者の感情や利害関係があるうちはフィルターがかかってしまい真実が見えず、時の経過とともに客観的な分析が可能となり、初めて真実が明らかになることが多々あります。
そして、これこそが本当の「歴史」の役割なのです。



公務員こそ歴史意識が必要

近年、歴史が軽視され、学んだとしても試験のための無意味な暗記になっています。
もちろん、公務員は歴史観に関して偏ってはならず、様々な住民に対し、中立公平に対応しなければなりません。

しかし、「中立」と「無知」は全く異なります。
古くから住む住民や、これから生まれてくる世代のためにも有意義な仕事をするには歴史の視点が必要不可欠です。

この土地は長い長い歴史の上に成り立っており、先人の苦労の賜物です。
そして、この後の時代を生きる次世代へとそれらを紡ぐ役割がある点を忘れてはいけません。

歴史を軽視する人は、世界的に見れば非常に価値があるにも関わらず、地域の人が利用しないと言う短絡的な理由だけで、簡単に歴史的建造物を壊したり、自分たちの利益のためだけに次世代の人たちに負荷がかかる環境破壊を平気で繰り返したりしています。
これからの公務員は、目先の利益に翻弄される無知蒙昧ではなく、過去や未来を見据えた100年の大計を考えることのできる千里眼が強く求められています。

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