公務員試験の人物試験とは?集団面接、集団討論、グループワークの違いを解説

公務員試験において一般的には、一次試験で行われる『筆記試験』合格後、二次試験以降実施されるのが『人物評価試験』です。

近年、『筆記試験』ではあまり落とさず、人物重視による採用傾向の自治体が多いです。“人物評価試験”を複数回行い、採用者を決定するケースが公務員試験の傾向としてあげられます。

今回は、特に2次試験以降に多い集団面接、集団討論、グループワークの特色・違いについてみていきましょう。

集団面接

1回に複数人の受験生が面接を受ける形式の試験です。面接官からの質問に回答します。

実施方法

集団面接は、面接官が3〜8人程度、受験生が3~10人程度という形式で行われます。時間は45分~60分程度。一問一答形式で面接官に質問された人から順番に答えていきます。回答方法については、面接官が答える順番を決める「指名制」と、順不動で受験者が自ら手を挙げて答える「挙手制」など面接官によって変わります。形式は異なるものの、質問内容は個別面接とほぼ変わりません。志望動機や自己PR以外にも、国政・地方自治の政策など時事ネタを中心に聞かれます。

気を付けたいポイント

集団面接は「他の受験生と比較をされる」「1人あたりの回答時間が短い」といった特徴があります。そのため“第一印象”が最も重要です。面接官の印象に残るよう大きな声でハキハキと受け答え、他の受験生が話している時は、あいづちを打つなどしっかり相手の話に耳を傾けることを心がけましょう。急に「隣の人の意見についてどう思います?」と聞かれることもあります。自分の順番でなくとも油断せず、他の受験生の話をしっかり聞きましょう。聞く姿勢も面接官は評価しているということも忘れないことです。他の受験生の発言が自分より優れて見えがちですが、隣の芝生は青く見えるもの。相手の意見をしっかり聞いて、自分の発言はしっかりアピールしましょう。

対策

集団面接では、他の受験生と意見が被るなど、他人の影響も出ることから、以下のことに注意して、しっかり準備しておきましょう。

  • 1つの質問に対して、複数の意見を用意する
  • 面接官の記憶に残るためには、具体的な固有名詞や数値を織り交ぜて回答する
  • 結論→根拠の順で、約1分以内(約300字前後)で話せるようにまとめておく
  • 「挙手性」の場合は、積極的に手を上げましょう

 

集団討論

集団討論は、5~8人程度でグループを作り、1つのテーマについて議論し結果を発表します。

実施方法

通常、3人程度の面接官が議論する様子を見て集団における個人の性格や行動を評価します。討論の時間は30~60分程度。最初に議題が発表され、10分程度考える時間が与えられます。その後面接官より「始めてください」と合図が入ります。まず自己紹介と「司会」:討論の進行役、「書記」:メモ役、「タイムキーパー」:時間管理を行い次の話題に移るよう促す役目などを決めます終了時間の合図はないため、時間管理は受験者同士で行い討論を進めていきます。また、「必ず結論を出してください」「議論の前に各自意見を発表してください」など、面接官から指示が出る場合もあります。これらは当日にならないと分かりませんが、チーム内でどのように貢献できるか意識し、行動することが大切です。

気を付けたいポイント

集団討論で最も求められることは「チームワーク」「場の雰囲気を読む」「相手の意見を受け止め自分の意見を発信する力」です。相手の意見を論破すればよいというものではありません。各自が協力して熟度の高い討論をする必要があります。相手の意見を否定したり、自分の意見を曲げない頑固さもNGとなります。集団面接同様、周囲の意見に耳を傾け、議論をリードしたり、相手の意見を引き出したりする周囲への配慮は、よい印象を与えられるでしょう。

対策

当日は、自分がどんな役割をするかメンバーによって変わってしまいます。あらゆる状況にも対応できるよう全ての役割パターンの練習をしましょう。

  • 必ずしも進行役や発言者が多いと高得点につながるわけではない
  • 協調性」や「リーダーシップ」を発揮し、グループへの貢献度が評価される
  • スムーズな討論、発言がない人への働きかけなど他の受験生と関わりを重視する

 

グループワーク

グループワークとは、受験生同士でひとつの作業をさせ、その成果を発表させて採点する評価方法です。

実施方法

事前にグループ分けされ、テーマが与えられます。自己紹介後役割を決め、活発に意見を出し合う点は集団討論と変わりませんが、前半テーマについてアイデアを出し合い、後半そのアイデアを元に成果を作る。最後にグループごと成果を発表するという流れです。受験生の人数は5~10人程度。時間は30~60分程度です。

気を付けたいポイント

グループワークでチェックされるのは、「協調性」「チームワーク」「役割に対する貢献度」です。司会や書記、タイムキーパーなどの役割を任せられるため、その役割をこなしているかも重要な採点ポイントです。最後に「成果」を発表しなければならないところも、グループワークならではの特徴です。たとえ実りある議論になったとしても、それをかたちにして表現できなければ全体の責任となってしまうでしょう。

対策

グループワークは、基本集団討論とほぼ同じです。仮に司会や書記、タイムキーパーなどの主要役割でなければ、自由に発言・行動できるポジションとなります。

  • 「自由に発言し、チーム内どう動き貢献できるか」を考える
  • どんな役割になっても自分らしさを出せるよう準備をしておく

 

まとめ

「人物評価試験」の特徴は、「知識」だけでなく、考える力や個性的な意見、積極性などを評価されることです。公務員試験の面接は個人形式ばかりとは限りませんので、情報収集の時間も合わせ「人物評価試験」対策も前もってしっかり準備しておきましょう。