公務員になるには
公務員になるには、公務員試験を突破しなければなりません。まずは公務員試験の概要について解説します。
そもそも公務員とは?
「公務員」とまとめて表現されることが多いですが、そもそも公務員とは何でしょう?
公務員は、国または地方公共団体で働く人たちの総称です。
まず公務員は、所属する機関や自治体によって大きく国家公務員と地方公務員に分けられます。
国家公務員は、1府12省庁や裁判所、国会などの国家機関で働く公務員です。
地方公務員は、都道府県や市区町村の職員として働く公務員です。
一般的に公務員として思い浮かべるのは事務職が多いかもしれません。
ですが、公務員の職種はそれだけではなく、機械、土木、農学などの技術職や、警察官や消防官などの公安系区分の職種があります。
他にも資格が必要になる心理職や福祉職もあります。
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公務員の種類について、YouTubeの「スタディング 公務員チャンネル」でも解説していますのでぜひご覧ください。
公務員試験とは?
公務員になるために受ける公務員試験とは、どんな試験でしょうか。
公務員試験は大きく筆記試験と人物試験に分かれており、多くの場合は1次試験で筆記試験が、2次試験で面接などの人物試験が行われます。
まず試験に出願し、1次試験を受けて合格すれば2次試験に進みます。
場合によっては3次、4次までありますが、その試験を突破すると最終合格です。
注意が必要なのは、最終合格=採用ではないこと。
最終合格後は採用候補者名簿に記載されますが、その後に任命権者の面接で内定を得なければなりません。
地方公務員試験では、最終合格後にそのまま内定が出ることもありますが、国家公務員試験の場合は試験の後に官庁訪問を行い、内定を得るプロセスが必須です。
なお、近年の地方公務員試験では、1次試験に録画面接や個別面接を課す事例が増えています。
「1次試験=筆記」とは限らないので、気になる自治体は必ず最新の採用情報をチェックしましょう。
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公務員試験の受験資格や年齢制限は?
公務員試験は受験要件と国籍要件を満たし、欠格条項に抵触していなければ受験可能です。
受験生にとって影響が大きいのは年齢要件です。
高卒程度では21歳まで、大卒程度は30歳までなど、各試験で上限が決められています。
一部の試験では下記のような制限が設けられています。
- 身体的条件:身長や体重、視力、体力などで一定水準が求められる(例:警察官や消防官)
- 資格:資格取得、または取得見込みで受験可(例:心理職や福祉職などの専門職)
- 国籍:外国籍・二重国籍の人は受験できない(例:外務公務員は二重国籍受験不可)
職歴、性別などでの制限はありません。
そして、下記の欠格条項に当てはまらない人が受験することができます。
▼欠格条項
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者 又はその刑の執行猶予の期間中の者 その他その執行を受けることがなくなるまでの者
- 国家公務員一般職として/○○県(市区町村)職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
- 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
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公務員になるには「大学」が影響する?
前項でも少し触れたとおり、公務員試験の区分は「高卒程度」「短大・専門卒程度」「大卒程度」という区分に分かれ実施されています(I類、II類、Ⅲ類や上級、中級、下級という表記の場合もあり)。
しかしこれは試験の難易度を表すもので、学歴による制限ではありません。
自治体によっては「大卒、または卒業見込み」を受験要件に含む場合もありますが、そうでなければ「大卒程度」はその名前から勘違いされやすいですが、あくまで問題のレベルであって学歴制限ではありません。
「大学のレベル」という意味での「学歴」も、関係ありません。
あくまで筆記試験と面接による評価で、特に面接試験の評価割合が高い試験も多いので、学歴に縛られることなく試験対策を徹底しましょう。
事務職(行政職)であれば、試験科目の扱う範囲が広いため、大学でどの学部に所属していたとしても、専門以外の勉強もする必要があり、何学部だから有利だ・不利だということにはなりません。
一方で、技術職と呼ばれる理系公務員の試験や仕事内容は、大学で学んだ内容との結びつきが強いと言えます。
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国家公務員になるには
国家機関に所属し、広く社会のために奉仕する国家公務員。
なるためには、行政府(国家総合職、国家一般職、国税専門官など)、司法府(裁判所事務官など)、立法府(衆議院・参議院事務局職員など)の各種国家公務員試験を受ける必要があります。
国家公務員とは?
ここでは国家機関所属の国家公務員の、代表的な職種をいくつかご紹介します。
▼国家総合職
国家公務員の典型が、厚生労働省や経済産業省など1府12省庁の職員です。
そのうちの国家総合職はいわゆるキャリア官僚です。
幹部候補生として、早い段階から責任のある役割を任されます。
法律案の作成、政策の企画立案、国会対応などが主な仕事で、2〜3年周期の部署異動でゼネラリストとして経験を積み、やがて政府から重要な職務を与えられるようになります。
▼国家一般職
前述の国家総合職に対し、国家一般職はいわば現場の精鋭部隊です。
大まかなイメージとしては「政策の企画を担うのは国家総合職が中心、それらを実現するのは国家一般職が中心」と言えますが、
国家一般職採用の職員も、本省勤務で実力があれば政策立案に携わることも可能です。
原則として総合職より異動の周期が長く、スペシャリストとしてじっくり業務を行います。
▼国税専門官
国税専門官は、国税局や税務署で国税にまつわる業務全般に従事し、国の財政基盤を支える税のスペシャリストです。
確定申告等の指導、税金の督促や滞納処分・徴収、脱税者に対する捜索差押さえなどの業務を行います。
また、国税専門官は23年勤務して指定研修を修了すると税理士資格を取得可能で、セカンドキャリアとして独立開業の道もあります。
なお、「マルサ」の通称で知られる国税局の査察部は、東京国税局と大阪国税局のみに置かれています。
▼裁判所一般職
裁判所職員も国家公務員で、裁判所総合職と裁判所一般職があります。
職務内容はほぼ同じですが、裁判所一般職の方が採用人数が圧倒的に多く、受験者も多いです。
採用後は裁判部門(裁判部)に配属されて裁判所事務官として事務作業にあたり、裁判所職員総合研修所への入所試験や研修を経て裁判所書記官になるというのが、よくあるキャリアの流れです。
司法行政部門(事務局)では総務・人事などの業務もあります。
上記は国家公務員の職種の一例です。外交政策のスペシャリストである外務専門職や、立法に携わる衆議院・参議院事務局職員など、
そのほかの各職種については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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国家総合職になるには?
国家総合職になるための試験で代表的なものが「国家総合職(大卒・春試験)」です。受験要件は原則として年齢制限のみで、上限は30歳(受験する年の4月1日時点)です。
試験の流れは、1次試験→2次試験(筆記)→2次試験(人物)→最終合格→官庁訪問となります。
1次試験は択一試験のみです。
文系区分には「法律区分」「経済区分」「政治・国際・人文区分(※2024年度試験から)」の3つがありますが、採用する省庁や出題される科目が異なるため事前確認が必須です。
また「最終合格=採用」ではないことが特徴です。その後の官庁訪問で各省庁から内々定を得る必要があります。
国家一般職になるには?
国家一般職になるための試験で代表的なものが「国家一般職(大卒)」です。
受験要件は国家総合職と同様、原則として年齢制限のみです。
試験の流れは、1次試験→官庁訪問→2次試験→最終合格となります。
1次試験は、理系区分では専門記述試験が課されるので注意が必要です。
また、国家総合職と異なり、官庁訪問は最終合格前に実施されます(2次試験中は官庁訪問は休止で、バッティングすることはありません)。
内々定を得られても最終合格できなければ当然採用されません。
国税専門官になるには?
国税専門官になるための試験が「国税専門官(大卒)」です。受験要件は原則として年齢制限のみです。
試験の流れは、1次試験→2次試験→最終合格となります。
2次試験は人物試験(面接)です。国税専門官は特にストレス耐性などを求められる職ですので、自己アピールをしっかり練る必要があるでしょう。
一般的な公務員試験と同様に、最終合格後の採用面談で内定が出されます。
面談の場で他に第1志望があると答えるなど、志望度が高くないと判断されると採用漏れになったりするケースがあるので要注意です。
裁判所一般職になるには?
裁判所一般職になるための試験で代表的なものが「裁判所一般職(大卒)」です。受験要件は原則として年齢制限のみです。
試験の流れは、1次試験→2次試験→最終合格となります。
2次試験の面接は時間が長めで、配点割合も高く、人物試験を重視していると言えます。
最終合格後の採用面談で内定が出されますが、最終合格の席次が上位の受験生から順に採用面談が行われ、その後に配属される裁判所などが決まります。
席次が下位の受験生は、面談の連絡自体が遅くなり、年によっては採用漏れになる場合も。最終合格で上位を目指したいところです。
上記の各試験については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
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地方公務員になるには
地方公務員になるには、各自治体の試験を受けることになります。同じ都道府県内の公務員でも、県全体の公務員と各市区町村の公務員は別の試験です。
地方公務員とは?
地方公務員は、規模の違いによって基礎自治体職員と広域自治体職員に分かれます。
▼基礎自治体職員
市町村職員、政令指定都市職員、東京特別区職員(23区の職員)などで、生活に密着した行政サービス全般を担います。
例えば役所窓口での住民票の発行や、公民館や図書館をはじめとした公共施設の管理など、普段生活する上で接する機会の多い公務員です。
▼広域自治体職員
各都道府県の職員で、基本的には都道府県全体のことを決めていく仕事です。国と基礎自治体の間での調整役も担います。
このほか地方公務員には警察官、消防官などさまざまな職種があります。こちらの記事で解説しています。
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地方公務員になるには?
地方公務員になるには、各自治体の採用試験を受けることになります。
まず、基礎自治体職員と広域自治体職員のどちらを受けるのか、つまり市区町村の地域密着の仕事がしたいのか、都道府県全体の仕事がしたいのかを考えましょう。
試験日程が重ならないのであれば、例えばA県の採用試験と、同県内のB市の採用試験を両方受験する、といったことが可能です。
「市区町村の試験は教養試験のみで受験可能だが、県の方は専門試験も課される」というパターンもあり得ます。
共通の出題範囲と、追加で勉強しなければならない部分をきちんと把握しておきましょう。
東京都庁・特別区(23区)の公務員になるには?
東京都の公務員として働きたい場合、選択肢は大きく2つあります。
業務で東京都全体を扱う東京都の職員になるか、現場で直接区民と接する23区(特別区)の職員になるかです。
1次試験(筆記)、2次試験(面接)、最終合格という試験の流れは共通です。
東京都の方にはプレゼンテーションやグループワークを含む新方式試験もあります。
併願を希望する場合、例年「東京都Ⅰ類B」と「特別区Ⅰ類」の1次試験は同日に行われているため併願不可なので注意しましょう。
ただし「東京都Ⅰ類A」と「特別区Ⅰ類」であれば、原則として試験日程がずれているため併願できます。このほか、「東京都Ⅰ類A」と「東京都Ⅰ類B」も併願可能です。
また、東京都の試験は採用漏れがほとんどありません(つまり最終合格=内定)が、23区の試験は最終合格後の区面接(どの区で働くかを決める採用面接)も非常に重要です。
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大学生・社会人が公務員になるには
公務員試験には年齢制限があるため、大学生で試験を受ける場合、社会人で受ける場合、それぞれに合わせた試験を受験する必要があります。
大学生・大卒者が公務員になるには?
大学生・大卒者が公務員を目指す場合、大卒枠の試験が候補に上がります。
- 国家総合職・一般職をはじめとした国家公務員
- 都道府県庁などの地方上級
- 政令市、各市区町村の試験
ただし、大卒程度を対象とした試験は上記のほぼすべてにあるため、ばく然と「公務員を目指そう」と考えている人にとっては選択肢が多すぎて迷うかもしれません。
また、受験可能な試験が多い一方で、志望先の試験日程が重なる場合も出てくるので、注意が必要です。
さまざまな行政サービスや分野に関わる事務職(行政職)だけでなく、理系であれば大学の専攻をいかせる技術職区分もあります。
公務員試験の出題範囲はかなり広いので、学業との両立のためには、いかに効率的に試験勉強を進められるかがポイントになってきます。
社会人が転職で公務員になるには?
社会人経験がある人が、転職で公務員になるには、経験者採用の枠で受験する方法があります。
最近では民間出身者を採用する自治体が増えていて、それまで培った業務経験やコミュニケーション能力などが期待されています。
受験要件で確認したい点は2つ。
1つ目は年齢制限で、多くの自治体で59歳以下と、幅広い年代を受け入れています。
ただ、採用枠が少なく倍率も高いため、30歳未満の人であれば採用人数の多い大卒程度の一般試験も検討したいところです。
もう1つは業務経験で、自治体ごとに「経験何年以上」と定められているため、条件を満たしているか確認が必要です。
試験では筆記試験より面接やプレゼンテーションが重視され、社会人としての経験を見る職務経験に関する論文が課されるのも特徴の一つです。
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高卒者が公務員になるには?
公務員試験には「高卒程度」や「高卒区分」が存在します。高校を卒業して数年以内、または高校卒業予定の人を対象としている試験です。
公務員試験では原則として学歴要件はないので、高校卒業数年後に年齢要件を満たせば「大卒程度」の試験も受験可能です。
反対に、大学を卒業する年齢になると年齢制限で高卒枠の試験は受けられなくなります。
公務員試験は一般的に大卒程度の採用数が多く、高卒枠は人数が限られています。
高卒程度の試験は、高校卒業直後、または卒業見込みの受験生が対象なので、大卒程度の試験に比べ、問題の難易度は低めに設定されています。
ただ最近では、民間の採用テストを利用する自治体も増えており、試験対策の負担はあまり変わらない場合もあるようです。
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公務員の事務職・福祉職・心理職などになるには
公務員には一般的に事務職(行政職)のイメージが強いですが、それだけでなく技術職や福祉職、心理職、警察官などたくさんの職種があります。
ここでは、職種別に公務員の仕事・試験の特徴を見ていきましょう。
事務職(行政職)になるには?
公務員と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは事務職(行政職)ではないでしょうか。
地方公務員では、行政事務、一般事務と呼ばれ、都道府県庁や市役所、町村役場などの職員として書類・資料作成や行政サービスを担います。
他にも、公立小中学校や県立高校で働く学校事務、警察署で働く警察事務などもあります。
各自治体が募集しており、年齢制限も試験科目も千差万別です。
国家公務員の事務職は、国家一般職の行政区分や裁判所事務官、衆議院事務局職員などがあり、それぞれ別の試験を受けることになります。
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技術職になるには?
理系公務員はよくまとめて技術職と呼ばれます。
試験に「技術」という区分があるわけではなく、それぞれ専門ごとに「機械」「土木」「建築」「化学」「農学」などのように細分化されています。
事務職を受ける人は大学時代の専攻と全く関係のない業務につくことも多いですが、技術職は専攻で学んだことを直接仕事に活用できるのが魅力です。
それぞれの専門区分で試験を受けることになりますが、国家公務員であれば省庁ごとに採用区分が決まっていますし、地方公務員も配属先が限定されることがあります。
なお、近年は技術系職員が不足気味のため試験の倍率(難易度)が下がっていて、公務員の志望度が高い人にとっては狙い目の区分と言えます。
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福祉職や心理職など資格免許職になるには?
福祉職や心理職のように資格免許を持って働くには、その職種で働ける試験区分を調べましょう。
試験によっては資格取得見込みでも受験可能な場合もあります。また、自治体によって試験区分や職種名が違うので、注意が必要です。
福祉職では、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、児童指導員、児童自立支援専門員などの有資格者を募集しています。
国家公務員であれば法務省の福祉専門官、東京都であれば児童相談所などで働く福祉局の職員などです。
心理判定員や児童心理司などとして各所に配属される心理職は、心理区分の専門試験はありますが、受験の際は学歴や資格の有無を問われないことが多いようです。
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警察官・消防官になるには?
犯罪の予防や捜査を行う警察官、火災や災害発生時に消火活動や人命救助にあたる消防官も、公務員の職種の一つです。
警察官の場合、警察庁や皇宮警察に所属する国家公務員もいますが、ほとんどは都道府県警察に所属する地方公務員です。
消防官も、原則として市町村勤務の地方公務員です。
両方とも各自治体の試験を受けることになりますが、一般的な公務員試験と違うのが身体検査や体力検査があること。
また、警察官と消防官は「公権力の行使にあたる公務員」になるため、受験には日本国籍を有していることが前提となります。
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公務員試験の勉強・準備とは
公務員試験では筆記試験の合格者が面接に進めます。まずは筆記試験の勉強・準備をしていきましょう。
試験によって試験範囲もさまざまなので、各試験に合わせて準備します。
公務員試験の難易度は?
公務員試験は試験の種類も多いので、難易度も異なります。「倍率が高い」「筆記試験の問題が難しい」試験は難易度が高いと言えます。
さまざまな試験のうちほんの一部ですが、一応の目安を紹介すると下記のようになります。
▼国家総合職
総合的に見て最も試験の難易度が高い区分です。ただし近年は、従来は国家総合職を受験していた層が年収や働き方の面で魅力的な民間企業に流れる傾向があり、難易度は以前より下がっていると言えます。
▼東京都Ⅰ類B
専門記述試験があるという点で難易度が高めの区分です。近年の試験では人物試験の重要度も高まっています。ただし近年は採用人数が増加傾向にあり、合格ラインが下がっています。
▼国家一般職、裁判所一般職など
国家一般職、財務専門官、労働基準監督官、裁判所一般職などの国家公務員試験は、試験問題の難易度が比較的高めです。国家一般職は専門択一試験の配点割合が高く、どこまで学習時間を割けるかがポイントになってきます。
このほか、国税専門官、地方上級、市役所などの難易度については、詳しくはこちらの記事で解説しています。
【あわせて読みたい】目指す公務員の難易度・合格率は?職種別にみる、試験難易度
公務員試験の科目は?
公務員試験には筆記試験と面接があり、筆記試験の合格者が面接に進みます。
筆記試験には教養科目と専門科目の2種類があり、教養科目は高校までで学ぶ内容、専門科目は大学の専門課程で学ぶ内容とされています。
試験によっては教養科目のみの場合もありますが、国家公務員の大卒程度の試験では専門科目が必須となってきます。
教養科目は文章理解、数的処理、人文科学、社会科学、自然科学です。
専門科目は受験する区分によって大きく異なります。
採用数が最も多い事務職(行政職)の場合は、法律系(憲法、民法など)・経済系(ミクロ・マクロ経済学、財政学など)・行政系(政治学、行政学など)の科目が中心です。
公務員試験の日程は?
3月中旬頃から4月試験の受付が始まり、国家総合職の試験や、各都道府県の試験が行われます。
5月には例年、東京都・23区の試験があります。
6月は国家一般職を含む、国家公務員試験が行われることが多いです。
地方上級(都道府県・政令市)、市役所Aの試験も行われ、同日の試験が多いので注意が必要です。
9月中旬には、多くの市役所で一般枠・社会人枠・高卒枠の試験が行われます。
氷河期世代を対象とした試験もこの時期が多いです。
日程は毎年変わるので、各自治体の情報を必ず確認してください。
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受験を決めたらまずやることは?
公務員試験の受験を決めたら、まず取り組みたいことは以下の4点です。
- 大まかにでも、どの試験を受けるか決める(公務員は職種が多く、試験科目も様々)
- 試験案内で受験資格、試験形式、試験科目などを確認する(特に社会人は年齢制限に注意)
- 1日の中でいつ勉強時間を確保できるか考え、学習計画を立てる
- 独学、予備校、通信講座など、自分に合った学習ツールを選択する。
【あわせて読みたい】公務員試験の受験を決めたら、まずやるべきことまとめ
【Q&A】公務員を目指す人のよくある質問
最後に、公務員試験全般に共通する、よくある質問をみていきます。
公務員試験の受験にかかる費用は?
公務員試験そのものは無料で受験できるため、たとえいくつ受けても費用はかかりません。
費用がかかる例としては、遠方で試験を受ける場合です。交通費が高額になるうえ、場所によっては宿泊費も必要になります。
また、公務員試験は2次試験まで(あるいはそれ以上)行われますので、複数回会場に行かなければなりません。
併願していくつもの試験を受けると、会場までの交通費の総額が思いのほか膨らむ可能性があります。
また、受験対策の費用を抑えるために、スクール等に通わず独学で臨む人も多いでしょう。
公務員試験は出題範囲が広いため、カバーする参考書を用意するだけで数万かかる場合があるので、参考書選びも重要です。
【あわせて読みたい】公務員試験にかかる費用は?学習費用から旅費・受験料など
公務員試験の服装は?
筆記試験は私服でOKですが、派手すぎる格好や露出度の高すぎる服は避けるのがベター。
十分に力を発揮できるよう、心身ともに楽に過ごせる服を選んでください。
会場が暑すぎる・寒すぎるといった可能性に備え、上着などで調節できれば安心です。
一方、面接の服装は、受験先から指示があることが多いと言えます。
ほとんどの試験は実施時期が真夏であるため、「スーツでなくてかまわない。オフィスカジュアル、クールビズの服装で」といった指示があることが一般的です。
まとめ
今回は「公務員になるには?」というテーマで職種や試験についてみてきました。
- 公務員の種類は多種多様。自分に合ったものを見つけよう
- 受験するとき、一番気をつけて確認したいのは年齢制限
- 試験範囲は、日程は各試験で異なるので必ずチェックしよう
大きく公務員とくくると、職種も勤務場所もさまざまな選択肢があります。
社会のために働く公務員として何がしたいのか、どこで働きたいのか、よく考えて受験先を選びましょう。