公務員のエントリーシートの書き方|志望動機や自己PRの例文を紹介

公務員試験では筆記だけでなく面接も重要であり、その際に欠かせないのがエントリーシートです。

このシートは「面接カード」とも呼ばれ、志望動機や自己PRなどを記載する書類で、面接試験の結果を大きく左右します。

効果的なエントリーシートを作成するには、受験先の研究や読みやすさへの配慮、具体的なエピソードの活用がカギとなります。

本記事では公務員エントリーシートの基本と効果的な書き方を解説します。

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公務員のエントリーシートとは?

公務員試験におけるエントリーシートとは、受験者の人物像や能力、適性を評価するために提出が求められる書類です。

民間企業におけるエントリーシートと似ていますが、公務員試験では「面接カード」と呼ばれることもあります。

エントリーシートには、以下のような内容を記載します。

  • 志望動機
  • 自己PR
  • 長所・短所
  • これまでに取り組んだ活動・体験 など

その内容をもとにして二次試験(面接試験)が進められますので、エントリーシートが面接試験の結果を大きく左右すると言っても過言ではありません。

提出するのはいつ?

エントリーシートの提出時期は、以下のように自治体や職種によって異なります。

  • 願書提出時にエントリーシートを提出するケース
  • 一次試験合格後の二次試験(面接試験)前に提出するケース
  • 面接試験当日に持参するケース など

国家公務員試験では、面接試験当日に持参するのが一般的です。

エントリーシートの形式

エントリーシートの形式も、自治体や職種によって異なります。

指定された様式の用紙に手書きまたはパソコンで記入して紙で提出する形式や、Webで提出する形式があります。

なお、国家公務員は手書きで作成、もしくはPDFに直接入力した後にプリントアウトして持参する形式です。

提出の時期・形式をそれぞれ間違えることの無いよう、受験先の公式サイトや募集要項をしっかりと確認しましょう。

公務員のエントリーシートを書く前のチェックポイント

公務員のエントリーシートに書いた内容は、面接試験での質問に直結するため、入念な準備が欠かせません。

ここでは、エントリーシートを書く前に確認すべき重要なポイントを解説します。

受験先の自治体や行政機関を研究する

最初に取り組むべきなのは、受験先の自治体や行政機関について深く理解することです。

なぜなら、受験先のことをしっかりとリサーチできていなければ、面接官に響くような文章を書けないからです。

その組織の理念・政策・課題などを把握した上で、自身の経験や能力とどのように結びつけられるかを考えていくことが、説得力や根拠のある内容へと繋がります。

中には、求める人物像について公式サイト上などで具体的に示している自治体もありますので、必ず確認しておきましょう。

エントリーシートの項目は全て埋める

エントリーシートの項目は、空欄を作らず全て埋めるようにしましょう。

特に指定がない場合でも、回答欄の8割以上は埋めるように心がけてください。

空欄が多いと、意欲が低いと判断されたり、自己PR不足とみなされたりする可能性があるので注意が必要です。

読みやすさを意識して作成する

エントリーシートは、面接官が短時間で受験者の情報を把握するための書類です。

そのため、読みやすさを意識して作成することが重要です。

  • 1文につき内容は1つに絞り、簡潔に記述する
  • 誤字脱字がないか繰り返し確認する
  • 手書きの場合は丁寧に記入する
  • 句読点や改行を用いて文章にメリハリをつける

上記の点に注意することで、面接官にあなたの情報がスムーズに伝わり、好印象を与えられます。

公務員のエントリーシートの志望動機・自己PRの書き方

公務員のエントリーシートにおいて、志望動機と自己PRは受験者の熱意と能力を伝えるための重要な要素です。

ここでは、読みやすく効果的な志望動機・自己PRの書き方を解説します。

結論から書き始める

志望動機・自己PRは、まず結論から書き始めましょう。

結論では、あなたの目標やビジョンを明確に伝えることが大切です。

具体的な目標を最初に示すことで面接官に強い印象を与えることができ、その後に続く文章も内容を理解してもらいやすくなるでしょう。

民間企業ではなく公務員を志望する理由を伝える

なぜ民間企業ではなく公務員を志望するのか、その理由を具体的に伝えましょう。

公務員と民間企業の違いに目を向け、公務員でなければ実現できないこと、公務員だからこそ成し遂げられることを明確にすることが重要です。

過去の経験・自分の強みを交えて具体的に書く

過去の経験や自分の強みを具体的に記述することで、あなたの能力や適性をアピールしましょう。

単に「責任感が強い」などと述べるのではなく、実際にあったエピソードを交えながら、どのようにその強みが発揮されたのかまで説明することで、説得力がグンと高まります。

自分の強みを周りからどのように評価されているかなど、第三者からの視点も加えるとさらに効果的です。

公務員になった後のビジョンも伝える

以下のような、採用後の具体的なビジョンを示しましょう。

  • 公務員になったら、どのような仕事に携わりたいか
  • 将来的に地域をどのようにしていきたいか
  • 自分の強みや経験を活かしてどのように人の役に立ちたいか など

これまでの経験や大切にしている価値観、応募先の特徴・理念がマッチしている部分を文章に絡めれば、その組織を志望する理由と熱意が伝わりやすくなります。

面接で聞かれることを想定して書く

エントリーシートに書く内容は、面接で深掘りされた際にきちんと答えられることを選びましょう。

面接官はエントリーシートの内容を参考にしながら、あなたの人柄や能力、価値観などを探るための質問を投げかけてきます。

この時、良く思われたいからとエントリーシートに嘘を書いたり、自分でもよくわかっていない話題や単語を盛り込んだりしてしまっていると、質問に上手く答えることができません。

面接でどんなことを聞かれるかまでイメージしつつ、誠実に文章を考えていきましょう。

志望動機と自己PRは一貫性を持たせる

志望動機と自己PRはそれぞれの内容が優れていても、方向性が異なると「結局、何がしたいのだろう?」という疑問を読み手に抱かせてしまう可能性があります。

あなたの経験や強みが、志望先の自治体や行政機関でどのように活かせるのか、一貫性のあるストーリーで伝えましょう。

公務員のエントリーシートの例文

ここからは、公務員のエントリーシートの例文をご紹介します。

国家公務員・地方公務員それぞれの志望動機と自己PRについてのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

志望動機の例文:国家公務員

私は、国民全体の利益を追求し、日本の未来に貢献したいという強い思いから、国家公務員を志望します。大学時代には経済学を専攻し、少子高齢化が経済に与える影響に関する研究を通して、政策の重要性を実感しました。そこで得た専門知識や経験を活かして、貴省で取り組まれている地方創生という分野において、国民の生活向上に貢献できると考えています。特に、大学時代の研究で培ったデータ分析能力を活かし、政策立案に貢献していきたいです。

▼国家公務員の志望動機のポイント

国家公務員の志望動機では、国民全体の利益を追求する姿勢や、日本の未来に貢献したいという熱意を示すことが重要です。

政策立案への関心や、自身の専門知識・経験をどのように活かせるかを具体的に記述しましょう。

志望動機の例文:地方公務員

私は、生まれ育った〇〇市の子育て支援に貢献したいという強い思いから、貴所職員を志望します。大学時代に地域の児童館でボランティア活動を行う中で、ひとり親家庭や共働き家庭の子育ての困難さを目の当たりにし、行政によるきめ細やかなサポートが不可欠であると痛感しました。入職後は、大学で学んだ社会福祉学の知識やボランティア活動で培った傾聴力を活かし、子育て家庭のニーズに寄り添った支援に取り組んでいきたいと考えています。

▼地方公務員の志望動機のポイント

地方公務員の志望動機では、「なぜその地域を志望するのか」といった理由や、地域への貢献意欲を示しましょう。

地域住民の生活向上のために自身の経験や強みを、どのように活かせるかを具体的に記述することが大切です。

自己PRの例文:国家公務員

私の強みは、高いコミュニケーション能力と課題解決能力です。大学時代に所属していたサッカー部では、部長として部員間の意見調整や大学側との交渉を担当し、部の目標達成に貢献しました。この経験を通して、相手に合わせたコミュニケーションをとる能力や、人々をまとめる力、課題を見極めて解決に導く力を身につけました。貴省でもこの能力を活かして、関係各所と連携しながら、政策立案に貢献したいです。

▼国家公務員の自己PRのポイント

国家公務員の自己PRでは、政策立案に必要な能力や、多様な立場の関係者と連携できる能力などを書くと良いでしょう。

自身の経験や強みを具体的に記述し、どのように業務に活かせるかをアピールするのがポイントです。

自己PRの例文:地方公務員

私の強みは、相手の立場に立って考え、丁寧かつ迅速な対応ができることです。大学時代には、カフェのアルバイトでお客様のさまざまな要望に臨機応変に対応しました。特に、クレーム対応の際にはお客様のご意見を丁寧に聞き取り、共感する姿勢を示すことで平和的な解決へと導きました。シフト表の作成や勤怠管理にも携わり、正確かつ迅速な事務作業を通してスムーズな店舗運営にも貢献しました。入職後にはこれらの経験と能力を活かして、市民の方々の多様なニーズに寄り添ったスピーディな窓口対応に努め、安心して利用できる窓口づくりを実現したいです。

▼地方公務員の自己PRのポイント

市民と直接接する機会も多い地方公務員の場合、コミュニケーション能力、傾聴力、共感性、丁寧な対応力、正確性、迅速性などをアピールするのもおすすめです。

具体的なエピソードを交えながら、市民の方々の立場に立って行動できることを示しましょう。

こんな公務員のエントリーシートは落ちる!NG例

エントリーシートに以下のような内容を記載すると、採用担当者からの印象が悪くなる恐れがあります。

私は、安定した収入が得られる公務員になりたいと思い、貴市を志望しました。特に、窓口業務では、人と接することが好きなので、市民の方々と楽しく会話をしながら働きたいです。また、残業が少ないと伺っているので、プライベートも充実させたいと考えています。

▼上記の文章がNGな理由

この例文では、公務員を志望する理由が「安定した収入」「残業が少ない」といった待遇面に偏っており、公務員として働くことへの熱意が全く感じられません。

「市民の方々と楽しく会話をしながら働きたい」という表現は、窓口業務を単なる「おしゃべり」と捉えている印象を与えてしまいます。

公務員は、国民全体の奉仕者であり、公共の利益のために働くことが求められます。

待遇面や個人的な願望についてではなく、公務員としてどのような貢献ができるのか、職業理解も深めた上で具体的なビジョンを示すことが重要です。

まとめ

今回は、公務員のエントリーシートについて解説しました。

  • 公務員のエントリーシートは、人柄や能力を評価するための重要書類
  • 提出の時期や形式は応募先によって異なるので事前の確認が必要
  • エントリーシートを書く前に応募先をよく研究することが大切
  • 志望動機や自己PRは、具体的なエピソードを交えて熱意や強みを書くのがポイント 

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