
電気の知識を活かして社会に役立つ公務員電気職。
水道設備や発電所の運営、公共施設の電気工事など、私たちの暮らしを支える大切な仕事です。
試験では電気に関する専門知識が問われ、自治体ごとに試験の内容や区分が違います。
この記事では、電気職の仕事内容や試験対策など、公務員電気職の試験受験に必要な情報をわかりやすくお伝えします。
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電気職公務員の仕事内容は?
電気職公務員の仕事内容は、自治体によってさまざまです。
主に上下水道や、自治体が運営する発電所などの運転・維持管理、工事の設計、監督などを担当します。
自治体によっては、地下鉄や空港などの設備にも携わります。
庁舎などにある電気施設の維持管理や、教育施設などさまざまな建築物の整備に伴う電気整備工事にもあたります。
デスクワークだけでなく、工事の設計や施工管理、設備のトラブル対応などで現場に赴くこともある職種です。
現場での電気施設に携わる仕事から、大型プロジェクトに関わる計画や設計まで、さまざまな仕事を担います。
東京都の場合、主な配属先は本庁(交通局・水道局・下水道局など)のほか、地下鉄電気管理所、浄水場などのようです。

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電気職の公務員試験について
電気職の公務員試験の受験時に必要な資格はありませんが、電気に関する専門的な知識が問われます。
受験者の年齢や経歴によって、受験の区分も異なります。
電気職の公務員試験について、詳しく見ていきましょう。
電気職公務員の試験区分
電気職の試験区分は自治体によって異なります。
東京都の場合、大学院卒程度の「Ⅰ類A」大卒程度の「Ⅰ類B」高卒程度の「Ⅲ類」に分かれています。
また、経験者採用のほか、「電気設備」「ICT」に特化したキャリア活用採用も導入しています。
一方、神奈川県の場合、大卒程度のⅠ種・高卒程度のⅢ種に加え、試験を4月に実施する早期Ⅰ種、秋実施の秋季Ⅰ種があります。
受験者の年齢や経歴で受験できる区分が異なるので、確認しておく必要があります。
電気職公務員の受験資格
前述の通り、受験者の年齢や経歴によって受験資格は異なります。
自治体によっては、「大学卒業もしくは見込みであること」も条件としているケースもあります。
多くの場合、受験時に必要な資格はありません。
工事自体は入札で落札した事業者がするため、電気工事士などの資格は必要ないようです。
採用後に電気主任技術者などの資格を、必要に応じて取得できる自治体もあります。
ただし経験者採用では、自治体によって資格保有が加点対象になることもあるので、詳しくは募集要項を確認しましょう。
電気職公務員の試験内容
試験内容は自治体や試験区分によって異なります。
例として、2024年度東京都職員採用試験のⅠ類Bの試験内容をご紹介します。
▼2024年度東京都職員採用試験のⅠ類Bの第1次試験
種目 | 方法・内容 | 試験時間 |
---|---|---|
教養試験 | 一般教養についての五肢択一式 【知識分野】(社会事情)3題必須解答、(その他)14題中10題選択解答人文科学系(文化、歴史、地理)、社会科学系(法律、政治、経済)、自然科学系(物理、化学、生物、地学)、社会事情 【知能分野】27問必須解答文章理解、英文理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間概念 | 2時間10分 |
論文 | 課題式1題必須解答・1,000字以上1,500字程度 | 1時間 |
専門試験 | 職務に必要な専門的知識についての記述式5題中3題選択解答 数学、電気磁気学、電気回路、電気機器、電子回路、発送配電、計測・制御、情報通信、電気応用、電気法規、技術情勢 | 2時間 |
▼2024年度東京都職員採用試験のⅠ類Bの第2次試験
種目 | 方法・内容 |
---|---|
口述試験 | 主として人物についての個別面接 (事前に面接シートを作成し、2次試験当日に提出する) |
電気職公務員試験の難易度・倍率
2024年度東京都職員採用試験での電気職(Ⅰ類A、Ⅰ類B)の倍率は、2.1倍です。
他の技術職の倍率は1.5倍程度で、電気の倍率が最も高かったようです。
同年度の行政職は3,338人が申し込み、最終合格者は1,335人で倍率は1.6倍でした。
倍率だけ見ると、電気職の難易度はそれほど高くないようですが、前述の通り、試験では専門的な知識が問われます。
電気に関する専門知識は範囲が広く技術的に深いため、対策には十分な学習期間と電気工学の体系的な理解が必要です。
そのため、実質的な難易度は倍率の数字以上に高くなる傾向にあります。
電気職公務員の試験対策
では、電気職の試験対策はどのように進めればよいでしょうか。
受験する自治体の試験内容を確認した上で、計画を立てて進めることが第一です。
ここでは、対策の進め方のポイントを解説します。

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試験日を確認し逆算して学習計画を立てる
試験日を確認して、計画的に学習することが重要です。
公務員試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間と言われています。
神奈川県が年に3回試験を実施しているのと同じように、試験を年に数回している自治体が多いです。
まずは受験する自治体の日程を確認し、そこから逆算して1日にどれくらいの勉強時間が確保できるかを考えましょう。
受験する自治体の試験内容を確認する
試験区分によっては試験内容が異なるので、受験する自治体の内容を確認しておく必要があります。
東京都のように教養試験と専門試験の両方を実施する自治体もあれば、適性検査・SPI3を導入しているところもあります。
一方で、千葉県は2024年度から電気職の教養試験を廃止しています。
神奈川県では、2025年度から論(作)文試験を廃止します。
人物試験も、個人面接のみのところもあれば、オンライン面接で専門性のアピールを課す自治体もあり、さまざまです。
受験する自治体の試験内容に合わせて、適切な対策をしましょう。
出題範囲を確認した上で筆記試験対策をする
「電気職」と言っても、自治体によって出題範囲が異なります。
受験する自治体の試験の出題範囲を確認して、筆記試験対策を進めましょう。
例えば、神奈川県の電気職の専門試験で、2024年度に指定された範囲は次の通りです。
Ⅰ種試験出題範囲:数学・物理、電磁気学・電気回路、電気計測・制御、電気機器・電力工学、電子工学、情報・通信工学
一方で、先ほど紹介した東京都Ⅰ類Bの試験では、試験対策に物理が含まれていません。
出題方法もさまざまで、東京都は記述式ですが、神奈川県は択一式です。
自治体のサイトに過去の試験問題が掲載されているので活用しましょう。
口述試験対策も忘れずに行う
公務員試験は近年、口述試験の配点を重視する傾向にあるので、忘れずに対策しましょう。
各自治体、技術職の採用試験でも2次試験に口述試験を実施しています。
個人面接やグループワーク、プレゼンテーションなど方法はさまざまです。
面接方法ごとにしっかりと対策を練る必要があります。
ただ、一人で対策するのは簡単ではありません。
そこでおすすめしたいのが、公務員試験対策講座の活用です。
スタディングでは、オンラインで模擬面接を実施しています。
一人一人の志望先に合った個別指導が受けられるので、自信を持って面接に臨めます。

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複数の自治体と併願もできる
公務員試験は日程さえ重ならなければ、複数の自治体と併願が可能です。
複数の試験を受けることで、「合格しなければならない」というプレッシャーを軽減できます。
一般的には、3〜6つ程度の併願が適しているとされています。
その際、1次試験の日程だけでなく、2次試験の日程も確認した上で検討した方が良いでしょう。
また、効率よく対策を進めるためにも、専門科目の出題範囲が重なっている試験を併願するのが基本です。
本命の試験に悪影響を及ぼさないようにしましょう。

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電気職公務員についてよくある質問
ここからは、公務員電気職や技術職全般でよくある質問に答えます。
公務員の技術職は勝ち組?
公務員の技術職は「勝ち組」と言われることもあるようです。
その理由としては、雇用環境や安定した収入などが挙げられます。
建設業界は資材高騰などを背景に倒産件数が増えていますが、公務員はその心配がありません。
雇用は安定しており、経験年数とともに収入も上がっていく仕組みになっているのが魅力です。
電気職公務員はきつい・辞めたいと言われる理由は?
電気職が「きつい」と言われる理由の一つに、業務の多様さがあります。
前述の通り、電気設備に関する工事の設計・管理、メンテナンスだけではありません。
大型プロジェクトに関わる計画などさまざまな規模の仕事に対応します。
デスクワークだけでなく、現場に出かけることが多い上、故障など不具合の発生時には迅速に対応するスキルが求められます。
住民生活の重要なライフラインを支えているという責任感が、欠かせない仕事です。
まとめ
今回は公務員の電気職について紹介しました。
- 電気職公務員の仕事内容は多岐にわたる
- 試験区分は受験者の年齢や経歴で異なり、受験時に必要な資格はない
- 出題範囲は自治体によって異なるので確認が必要である
- 口述試験対策には通信講座の模擬面接を活用しよう
- 安定した雇用環境だが、緊急時にも迅速に対応できるスキルが問われる
公務員の電気職は、専門的な知識で人々の暮らしに貢献できる仕事です。
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