公務員の技術職は、主に下記のように分類されます。
1つずつ見ていきましょう。
土木系の技術職は、例えば下記のような業務に携わります。
東京都の場合、主な配属先は本庁の建設局・都市整備局・水道局などのほか、建設事務所、市街地整備事務所などです。
また地方によっては、建設土木と農業土木に業務が分かれる場合もあります。
農業土木では、農地整備、農業用施設、農業用水路の整備などが主な業務となります。
建築系の技術職は、例えば下記のような業務に携わります。
東京都の場合、主な配属先は本庁の都市整備局・財務局や、建築指導事務所などとなっています。
機械系の技術職は、例えば下記のような業務に携わります。
東京都の場合、主な配属先は、本庁の交通局・水道局・下水道局、車両検修場、浄水場、水運用センター、水再生センターなどです。
電気系(電気・電子・情報)の技術職は、例えば下記のような業務に携わります。
東京都の場合、本庁の交通局・水道局・下水道局、地下鉄電気管理所、浄水場などが主な配属先となります。
化学系の技術職は、例えば下記のような業務に携わります。
技術職には、上記の他にもさまざまな専門分野があります。
例えば下記のような職種です。
自治体によって募集している分野や呼称は異なるため、採用案内をよく確認しましょう。
こうした技術職の公務員は、事務系(行政系)の職員と日常的に連絡調整を行い、協力して仕事を行っています。
ここまでは、技術職の種類や仕事内容についてご紹介してきました。
次に、公務員の技術職における試験区分について解説していきます。
下記は国家公務員・総合職(大卒程度)における試験の区分・採用予定数をまとめた表です。
▼試験の区分・採用予定数(2023年度)
試験の区分 | 採用予定数 |
デジタル | 約35人 |
工学 | 約165人 |
数理化学・物理・地球科学 | 約30人 |
化学・生物・薬学 | 約45人 |
農業科学・水産 | 約60人 |
農業農村工学 | 約25人 |
森林・自然環境 | 約45人 |
【参考】人事院「国家公務員採用 総合職試験(大卒程度試験)受験案内(2023年度)」
採用予定数が最も多い区分は工学系の約165人となっています。逆に最も少ない区分は農業農村工学系で、約25人となっています。
下記は、国家公務員・一般職(大卒程度)における試験の区分・採用予定数をまとめた表です。
▼試験の区分・採用予定数(2023年度)
試験の区分 | 採用予定数 |
デジタル・電気・電子 | 約250人 |
機械 | 約110人 |
土木 | 約390人 |
建築 | 約70人 |
物理 | 約190人 |
化学 | 約160人 |
農学 | 約170人 |
農業農村工学 | 約40人 |
林学 | 約120人 |
【参考】人事院「国家公務員採用 一般職試験(大卒程度試験)受験案内(2023年度)」
前述の総合職と比べると、どの区分でも採用予定数はかなり多い傾向です。
中でも最も多いのは土木系の採用予定数で、約390人となっています。
採用予定数が最も少ないのは総合職と同じく農業農村工学系で、約40人となっています。
下記は、東京都・1類B採用試験(一般方式)における試験の区分・採用予定数をまとめた表です。
▼試験の区分・採用予定数(2023年度)
試験の区分 | 採用予定数 |
土木 | 約138人 |
建築 | 約14人 |
機械 | 約28人 |
電気 | 約36人 |
【参考】東京都人事委員会「令和5年度 東京都職員Ⅰ類B採用試験案内(一般方式・新方式)」
国家公務員と比べると、試験の区分自体がかなり少ない傾向です。
採用予定数は土木系が群を抜いて多く、約138人となっています。
採用予定数が最も少ないのは建築系で、約14人となっています。
地方公務員(地方上級)の試験区分の一例として、北海道について見てみましょう。
▼試験の区分・採用予定数(2023年度)
試験の区分 | 採用予定数 |
環境科学A | 4人 |
農業A | 19人 |
水産A(第1回) | 5人 |
林業A(第1回) | 6人 |
総合土木A | 23人 |
建築A(第1回) | 8人 |
普及職員(農業)A | 21人 |
普及職員(水産)A(第1回) | 6人 |
【参考】北海道「令和5年(2023年度)北海道行政職員採用(警察行政A(第1回)・技術系A区分)試験案内」
東京都と比べると農林水産系などの試験区分が増えていますが、各区分における採用予定数は多くありません。
採用予定数が最も多いのは総合土木Aで、都心でも地方でも土木系の採用人数が多いことがわかります。
公務員試験(技術職)の試験では、通常の教養科目に加えて、各分野に応じた専門的な試験が実施されます。
試験内容は職種によって異なります。一例として、分野ごとに下記のような知識が問われます。
【参考】東京都人事委員会「令和5年度東京都職員Ⅰ類B採用試験案内(一般方式・新方式)」
公務員試験(技術職)を受験する際は、教養科目だけではなく、専門的な試験の過去問なども確認して対策をとるとよいでしょう。
公務員の技術職の年収が最も高いのは国家公務員(総合職)です。
人事院が公開している「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」で、技術職が含まれる「行政職俸給表(一)」について見ると、平均年収は約628万円となっています。
年収は、国家公務員であれば総合職か一般職か、どの分野かなどによって異なり、地方公務員であれば自治体や分野、最終学歴などによっても違いがあります。
【参考】政府の統計窓口(e-Stat)「令和4年 国家公務員給与等実態調査」>「職員数、平均年齢、平均経験年数及び平均給与月額」
今回は、公務員の技術職について解説しました。
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