※YouTubeの「スタディング公務員チャンネル」でも勉強時間について解説していますので、ぜひご覧ください。
公務員試験の勉強時間は【1,000時間】
公務員試験合格に必要な勉強時間は1,000時間と言われています。
人によって1日に取り組める時間は異なるでしょう。
試験までの準備期間別に、1カ月あたり、1日あたりではどれくらいの勉強時間が必要になるかを具体的にみていきます。
1カ月あたり何時間?
「勉強時間1,000時間」と言っても、なかなかピンとこないかもしれません。では1カ月あたりでいうと何時間になるか考えてみましょう。
「いつ勉強をスタートするか(勉強期間)」によって異なってきますので、勉強期間別に「1年」「9カ月」「半年」の3つのケースに分けます。
▼公務員試験の1カ月あたりの勉強時間
勉強期間 | 1カ月あたり |
1年 | 83時間 |
9カ月 | 111時間 |
半年 | 166時間 |
勉強期間が1年の場合、必要になる勉強時間は1カ月あたり83時間です。
さらに30日で割ると、1日平均2時間45分のペースで学習を続けていくと1,000時間になります。
勉強期間が9カ月の場合は1カ月あたり111時間、半年の場合は166時間です。
1日あたり何時間?
次に「勉強時間1,000時間」が1日あたりでいうと何時間になるのかみていきましょう。
先ほど、毎日2時間45分×1年で1,000時間と述べましたが、「平日は忙しいので休日に集中的に取り組みたい」といったようにメリハリをつけたスケジュールにしたい人も多いでしょう。
試験の1年前から勉強を開始するとして、平日・休日の勉強時間について試算してみました。
▼勉強期間1年で1,000時間を達成するには
平日(5日) | 休日(2日) |
2時間 | 5時間 |
2時間30分 | 3時間45分 |
3時間 | 2時間30分 |
3時間30分 | 1時間15分 |
平日に2時間ずつ勉強時間を確保できた場合、残りの休日には5時間必要になります。
一方、平日に3時間30分ずつ勉強できるのであれば、休日の分は1時間15分とコンパクトにおさまります。
ご自身の生活に取り入れるとすれば、どのプランが当てはまりそうでしょうか。
いずれにしても、1年で1,000時間を目指そうとすると、毎日ある程度の勉強時間を確保することが必須となってきます。
通勤・通学中や休憩時間の一部など、1日の中で使える時間は細切れの時間でもムダにせず、勉強時間に変えていくことが重要です。
合格者と不合格者の勉強時間はここが違う!
公務員試験に不合格となる人は、シンプルに勉強時間が足りていないことが多いです。
なぜ不足するのか、その理由は「勉強時間に関する心構えや行動が不十分だから」と言えます。
では合格者は勉強時間を確保するために、どう行動しているのでしょうか?不合格者との差は一体どこにあるのでしょうか?
スタディング公務員講座の講師が豊富な指導経験から発見した合格者と不合格者の違いを解説します。
合格者は【1日の勉強時間】を決める
不合格者は「とりあえずできるだけやろう」と考えます。
一見やる気に満ちているように見えますが、言い換えれば「できない時はやらない」ということ。
勉強時間を積極的に確保しようという意識がないので、この考え方は最終的な勉強時間の不足につながります。
「余った分を貯めよう」ではなかなかお金が貯まらないのと同じです。
また、どの科目の勉強がどれだけ進んでいるかも把握しにくくなります。
一方、合格者はまず「1日の勉強時間」を決めます。合格に必要な勉強時間から逆算して、1日あたりの目標時間を設定しているのです。
必要な勉強時間が可視化するメリットは「今日はこれだけやる」と目標が明確になることです。
また、毎日の勉強量が決まっているということは、どれだけやったかという総量も把握しやすくなります。
勉強した分の達成感が得られ、結果、毎日コツコツ取り組むモチベーションも保たれるのです。
合格者は【机に向かわない時間】も勉強する
不合格者は、机に向かっている時間だけを勉強時間と考えてしまう人も多いようです。
完璧主義の傾向が強い人は「机に向かっていないと集中できない、勉強したくない」という気持ちになりがちです。
しかし受験勉強中には、急な用件ができて家に帰るのが遅くなる日や、疲れていて机に向かう気が起きない日もあるでしょう。
そんなとき「机でなければ勉強できない」と思い込んでると、必然的に勉強時間が減っていき、合格が遠ざかってしまうのです。
一方、合格者は「机に向かわない時間」も勉強します。
短い時間でできることを探し、通勤・通学時間や休憩時間など、積極的にスキマ時間を見つけて勉強を進めていきます。
本当に短い時間に、たった1問解くだけでも、積み重ねていけば試験範囲の勉強を進めることはできます。
合格するには、「勉強は机でするもの」という固定観念を捨てて、勉強時間を確保するにはどうしたらいいかを考えて工夫することが不可欠です。
合格者は勉強時間を【タイマーで計る】
不合格者は勉強時間を「なんとなく」でしか把握していません。
集中できていないと、机には向かっているけれど勉強が全然進んでいない、ということがよくありますが、その「やったつもり」の時間を勉強時間に含めても意味がありません。
「とりあえず机に向かっている時間=勉強した時間」としてしまうと、合格に必要な実質的な勉強時間は不足してしまい、最終的に試験範囲の勉強が終わりません。
一方、合格者は勉強時間をタイマーで計っています。
勉強開始と同時にカウントアップタイマーをスタートさせ、終了時にストップすると、何時間何分勉強できたのかが一目瞭然です。
勉強中も、単に時計の時刻で管理するよりも、「まだ20分しかできていない」など量としての時間を意識しやすくなります。
また、勉強時間を計っているという緊張感から集中力が高まる効果も期待できます。
そして、日々の勉強時間を記録しておけば、数カ月経ってふりかえったときに「これだけやってきたんだ」という自信になり、最後まで走り続けるモチベーションにもつながります。
このように勉強時間をタイマーで計る習慣は、想像以上に大きな効果をもたらしてくれはずです。
大学生・社会人の公務員試験の勉強時間の作り方
ここからは、卒業後に公務員になることを目指している大学生や、転職で公務員になるために試験を受ける予定の社会人に向けて、勉強時間の作り方を解説します。
勉強開始前にやるべきことは?
公務員試験の受験を決めたら、試験勉強開始前にやるべきことがあります。それは「どこを受けるか」を決めることです。
「公務員試験」とひとくくりで語られますが、公務員の種類は多種多様で試験科目・試験内容も異なります。
どこを受けるかによって必要な勉強時間が変わってくるため、まずはざっくりでもいいので受験先を決めましょう。
受験先が決まったら、各種試験案内で試験科目を確認します。1か所だけ受けるという人は少なく、併願先がある人がほとんどでしょう。
教養科目だけで受験しようとすると、併願できる試験種は少ないです。
なるべく多く受験したいのであれば、専門科目まで勉強することになります(その場合の目安が1,000時間です)。
いつから勉強を始める?
大学生の場合は、試験の1年前、3年生からスタートする人が多いようです。
ただ、3年次に大学の講義やサークルなどで十分な時間を取れないことを想定して、2年次から始める人も増えています。
大学生は春・夏・冬と長期休暇があるので、有効に使いましょう。
社会人の場合は、まず自分の生活の中で「1日にどれくらいの勉強時間を確保できるか」を考えてください。
試験本番までに勉強時間1,000時間を確保できる時期が、勉強スタートのひとつの目安となります。
1日の勉強時間はどう決める?
前述の「合格者は【1日の勉強時間】を決める」の合格者のやり方にならって、1日のスケジュールを紙に書き出して、勉強時間を確保できるタイミングを探してみましょう。
大学生であれば、大学の講義修了後や講義の空きコマなどを活用して、勉強時間を確保する方が多いです。
社会人であれば、平日は出勤前の朝活、通勤中、お昼休み、退勤後の時間などの細切れ時間の積み重ね、土日はなるべくまとまった時間を確保して勉強を進めるスタイルが主流のようです。
1日の勉強時間をどれだけ確保できるかは、人によって異なります。
それでもあえて目安を挙げるとすれば、受験する年の前年は1日3〜5時間程度から始めて、年が明けて受験する年になったらさらに増やしていきましょう。
直前期は1日10時間近く勉強する人も見かけます。
普段あまり勉強することに慣れていない人は、突然「明日から10時間勉強するぞ!」と決意しても、継続は難しいものです。
公務員試験は範囲が広く、どうしても長期間勉強を継続しなくてはなりません。
勉強の「習慣化」が重要なカギを握ります。
1日の勉強時間を決めたら、その時間は集中して取り組みましょう。
きちんと集中できたなら、目標時間を達成したら打ち切って大丈夫。
「今日は5時間」と決めてタイマーをスタートし、実際に5時間勉強できたらそこで終了です。
まだ余力があっても終えるほうが、長い目で見ればプラスになります。
合格者の人でも、「5時間やったけど、もうちょっと続けようかな」と7〜8時間勉強した結果、疲れてしまって次の日は勉強ができなかった、というケースがありました。
順調に勉強を進められているのであれば、その良い流れを乱すことは避けたいところです。
試験勉強は長期戦なので、とにかく毎日コツコツペースを守ることが大切です。
タイパのいい教養試験対策とは?
公務員試験の出題科目や出題範囲は広いため、限りある時間を有効に使って対策をしたいところです。
では、タイパのいい教養試験対策とはどんなものでしょうか?
教養試験の勉強に関しては、科目ごとに異なる成長の曲線を描きます。
かけた勉強時間に比例して得点が伸びる科目もあれば、得点が伸びるのに時間がかかったり、安定して高得点を稼ぐのが難しい科目も。
科目の特性を知り、それらに合わせた学習法を採用することが重要です。
【知識系科目】出そうな部分を集中的に詰め込む
知識系科目とは、公務員に必要な知識や教養を問うもので、社会科学(政治、経済、法律など)、人文科学(世界史、日本史、地理など)、自然科学(数学、物理、化学など)の各科目を指します。
知識系科目の特徴は、覚えたら覚えた分だけそのまま得点に結びつくことです。グラフで表すと正比例の形になります。
ただし、試験範囲が広いためすべてを覚えた状態を長期的に保つのは難しく、さらに公務員試験では配点が低いため大量得点にはつながりません。
そのため時間をかけすぎるのは得策とは言えない科目です。
過去問を分析し、試験に出そうな部分を集中的に勉強することで、効率よく得点を狙いたいところです。
【理論系科目・積み上げ科目】正しい方法で継続的に学習
理論系科目・積み上げ科目とは、数的処理のうち数的推理(速さや流水算、ニュートン算など)と資料解釈(資料の傾向を読み解く)、そして英語を指します。
理論系科目・積み上げ科目は、「一夜漬けで知識として覚えればなんとかなる」という分野ではありません。
正しい学習法の理解が重要で、試験時間内にすべての問題をこなすためにも、何度も過去問を解き、解法に慣れておく必要があります。
得点が伸びるまでに時間がかかるので、正しい学習法で継続的に学習することが何より重要です。
試験勉強の中でも時間を多く割く必要がある分野ですが、その代わりに配点の高い科目が多いため、実力がつけば安定して高得点が狙えるという利点もあります。
【パズル系科目】やや「水物」的な性質に注意
パズル系科目とは、数的処理のうち判断推理(暗号、対応関係など)と空間把握(図形の展開図、回転図形の軌跡など)、現代文が当てはまります。
パズル系科目の特徴は、勉強したことがすぐに得点に反映されることです。
覚える量が非常に少ないため、問題に慣れてしまえば、すぐにある程度の点数を取ることができるようになります。
ただしその反面、問題は何が出るか予想しにくく、やや水物と言え、安定して高得点を挙げることが難しい部分があります。
あまり難しい問題まで得点を狙おうとせず、典型の解法パターンをマスターして、基本的な問題で着実に点数を取れるようにしましょう。
【Q&A】公務員試験の勉強時間に関するよくある質問
最後に、公務員試験の勉強時間に関する、よくある質問を2つ取り上げます。
公務員試験の勉強はいつから始める?
試験の1年前を目安にスタートする人が多いようです。
学習計画を立てるうえで大切なポイントは、試験本番直前に終わるようなギリギリのスケジュールにしないこと。
試験の5カ月前までに全体の学習を終え、そこから精度を上げていく期間を設けることが重要です。
問題を解く練習では、解けない問題にチャレンジするよりも、解けそうな問題を確実に解けるようにしていくことを意識します。
【あわせて読みたい】公務員試験の勉強はいつから始める?必勝スケジュールを解説!
1週間の勉強スケジュールの立て方は?
まとまった時間を取れる休日とそうでない休日で、学習項目を変えていきましょう。
休日は知能系科目の学習に充てて、体系をしっかり理解することがおすすめです。
あれもこれもと欲張らず、「今日は速さ」「今日は確率」と一つに絞ってじっくり考えます。
わかるまで考え、納得してから進むことを徹底してください。
平日は知識科目や得意知能科目の確認の時間を設けます。
長時間やっても効率が悪いため、「1科目30分」「飽きたらチェンジ!」を基本に、集中力を保ちながら進めます。
スケジュール通りに進まない時は焦りがちですが、積極的にスキマ時間を見つける癖をつけるのが大切です。
【あわせて読みたい】公務員試験受験生の1週間のスケジュールの立て方
まとめ
この記事では、公務員試験合格に向けて必要になる勉強時間について解説してきました。
- 必要な勉強時間の目安は1,000時間。合格者は1日の勉強時間をしっかり決めている
- 長期戦なので毎日コツコツが大事。スキマ時間を活用しよう
- 科目ごとの特徴をおさえて効率的に勉強を進めよう
なんとなく続けているだけでは時間がどんどん過ぎていきます。「スタディング 公務員講座」で、スキマ時間を有効活用して公務員試験突破を目指しましょう!