高卒で公務員になって後悔する5つの理由|事前に知るべきポイントは?

安定した収入や社会的信用、やりがいを求めて、高卒での公務員就職を考える人は少なくありません。

確かに公務員は魅力的な職業の一つですが、高校卒業後すぐに公務員になった人の中には「あのときもう少し考えておけばよかった」と後悔する声もあります。

この記事では、高卒で公務員になることで起こりうる後悔と、それを避けるための具体的な方法をわかりやすく解説します。 

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高卒で公務員になって後悔すること5選

高卒で安定した職を得られるのは大きな魅力ですが、その一方で以下のような理由で「もっと別の道を選べばよかった」と感じる人もいます。

  • キャンパスライフを経験できない
  • 大卒程度に比べて給料・待遇に差がある
  • 民間と比べて給与水準が頭打ちになりやすい
  • スキルが身につきにくい
  • 自由なキャリアチェンジがしにくい

ここでは、よく挙げられる5つの後悔と、その背景を見ていきましょう。

キャンパスライフを経験できない

高校を卒業してすぐに公務員になるということは、大学での学生生活を経験しないまま社会に出るということです。

そのような状況の中で、友人たちが大学生活やサークル、アルバイト、長期休暇などを楽しんでいる姿を見た結果、「自分は遊びも学びも十分に経験していない」という複雑な思いを抱く可能性があります。

社会人生活は多くの人が経験することですが、学生生活は人生の中で特定の時期にしか経験できません。

自由な時間が少なく、責任が重い社会人生活を送る中で、一度きりの学生生活への憧れが後悔に繋がることもあるでしょう。

大卒程度に比べて給料・待遇に差がある

公務員の給与は年功序列が基本ですが、学歴によって初任給や昇給・昇進のスピードに差が出る傾向にあります。

総務省の「令和6年 地方公務員給与の実態」によれば、全地方公共団体の地方公務員(一般行政職)の20~23歳の平均給与月額は、以下のとおりです。

  • 高卒:23万1,531円
  • 大学卒:25万662円

つまり、自分より数年遅れて入ってきた大卒職員が、仕事の経験では先輩であるはずの自分より給与が高い、という状況が起こりうるのです。

また、大卒職員が自分より速いペースで昇進していけば、給与の差がさらに開いていくことになります。

こうした待遇の差を目の当たりにすると、「なぜ自分は高卒でこの道を選んでしまったのだろう」と、後悔の念がこみ上げてくるかもしれません。

民間と比べて給与水準が頭打ちになりやすい

公務員の給与は年功序列の特色が強く、毎年少しずつ昇給していく仕組みです。

個人の実績が大きく給与に反映されることは少なく、短期間で大幅な年収アップは期待できません。

そのため、周囲に民間企業で華々しく活躍している友人がいると、自分の給与と比較してしまい、「頑張っても収入が増えない」という不満を抱く可能性があるでしょう。

スキルが身につきにくい

公務員の仕事は、法律や前例に沿って進めることが多く、業務がルーチン化されやすい側面があります。

そのため、民間企業で通用するような企画力や営業力、市場を分析する力といった専門的なスキルが身につきにくいという声も聞かれます。

自由なキャリアチェンジがしにくい

公務員は、約2〜4年ごとに人事異動があり、さまざまな業務を経験できます。

しかし、裏を返せば、特定の分野の専門性を深く追求することが難しいとも言えます。

 

また、興味のある分野に挑戦しようと思っても、異動先を選べないため、自分の希望通りにならないことも少なくありません。

このような背景から、仕事における「強み」を身に付けにくく、民間企業への転職を考えた場合も厳しいと言われることがあります。

もちろん不可能ではありませんが、民間企業の即戦力としてアピールできるものが無ければ、そのぶん転職活動のハードルは高くなってしまうでしょう。

高卒で公務員になって後悔しないためには?

それでは、高卒で公務員になって後悔しないためには何ができるのでしょうか。

主に以下の4つが挙げられます。

  • 専門学校や大学に進学する
  • 長期的なキャリアビジョンを描く
  • 公務員試験を再受験する
  • 先輩やOB・OGに相談する

ここからは、後悔しないため、もしくは後悔を少なくするためにできる対策をご紹介します。

専門学校や大学に進学する

「キャンパスライフを経験できなかった」ことに後悔を感じているなら、自分の希望することを学べる専門学校や大学に進学するのも一つの方法です。

これは「公務員になるのをやめて、進学する」という意味ではなく、一度公務員として働いてみて、それでも進学したいという気持ちが強い場合に、あらためて検討する選択肢です。

このような学び直しは、興味がある分野の知識を深めることにつながり、キャリアを再構築する上でも大きな武器になるでしょう。

長期的なキャリアビジョンを描く

入職する前から「将来、どんな人生を送りたいか」「収入や働き方をどうしたいか」といった長期的なキャリアビジョンを具体的に描いておくことも大切です。

公務員として働き続けるのであれば、昇任試験などを視野に入れ、計画的にキャリアを築くことでやりがいを実感できます。

一方で、将来的に民間企業への転職を検討する場合は、在職中から資格取得やスキルアップに励むなど、具体的な行動を起こすことで後悔を減らせるでしょう。

公務員試験を再受験する

もし、今の職場や職務内容に後悔を感じているなら、別の公務員試験を再受験するという道もあります。

例えば、高卒程度試験に合格して採用された後、年齢制限に間に合ううちに働きながら大卒程度試験を再受験するという方法です。

 

そのほか、これまでの経験を活かして経験者採用枠で受験するのも良いでしょう。

ただし、働きながら試験合格を目指すのは非常に難易度が高いため、制度的には可能であるものの、強い意志と入念な対策が必要となります。

先輩やOB・OGに相談する

公務員の仕事のリアルな部分を知るには、実際に公務員として働いている先輩や、すでに退職したOB・OGに話を聞くのが最も効果的です。

特に高卒で公務員になった先輩の話は、キャリアの見通しや直面する課題、そしてそれを乗り越えるためのヒントなど、貴重な情報が得られます。

実体験に基づいた意見を聞くことで、後悔を減らし、現実的な選択肢を考える助けになるでしょう。

高卒で公務員になることはメリットもある

高卒で公務員になることならではのメリットもあります。

  • 早く社会に出て実務経験を積める
  • 採用試験のハードルが比較的低い
  • 安定した環境で働ける

大切なのは、デメリットとメリットを両方理解した上で、自分にとって最適なキャリアを選ぶことです。

3つのメリットを詳しく見ていきましょう。

早く社会に出て実務経験を積める

高校を卒業してすぐに公務員になる最大のメリットは、早く社会に出て実務経験を積めることです。

大学や専門学校に進学した場合、卒業までの数年間は社会人としての経験が積めません。

 

しかし、高卒で公務員になれば、18歳から公務員としてのスキルや知識、社会人としてのマナーなどを学び、いち早くキャリアをスタートさせられます。

さらに、大学や専門学校に進学する上で必要となる高額な学費が不要となるのも大きなメリットといえます。

採用試験のハードルが比較的低い

公務員試験は難関というイメージがありますが、高卒程度の採用試験の問題は、大卒程度の試験に比べて難易度が低い傾向にあります。

これは、試験科目が絞られていたり、専門試験が含まれていなかったりするためです。

 

高卒程度の試験では、主に一般教養と適性検査が中心となり、大学レベルの専門知識は求められません。

もちろん十分な学習は必要ですが、大卒程度試験のような広範囲の勉強は不要なため、計画的に準備を進めれば独学での合格も十分に可能だといえます。

安定した環境で働ける

公務員は年功序列の給与体系であるため、民間企業に比べて過度な競争が少なく、安定した環境で働けるというメリットがあります。

ノルマ達成や業績向上といったプレッシャーが少ないため、精神的な負担が軽く、自分のペースで仕事を進めやすいでしょう。

 

また、リストラや倒産のリスクが極めて低く、長期的な人生設計を立てやすいのも魅力です。

休暇制度や福利厚生が充実しており、ワークライフバランスを保ちながら働き続けられる環境が整っています。

高卒で公務員を目指す場合によくある質問

ここからは、高卒で公務員を目指す場合によくある質問に答えていきます。

高卒で公務員になったら生活できないって本当?

高卒で公務員になったからといって、生活できないことはありません。

高卒区分で採用された職員であっても、安定した収入と充実した福利厚生が保障されています。

また、年功序列で着実に昇給していくため、勤続年数が増えるにつれて収入も上がっていきます。そのため、生活に困ることはなく、将来設計も立てやすいでしょう。

高卒で公務員になるのはすごい?勝ち組?

たしかに、高卒で公務員になると「勝ち組」「すごい」と言われることがあります。

公務員は景気に左右されない安定した収入、手厚い休暇制度や各種手当などの充実した福利厚生、高い社会的信用といったメリットがあります。

高卒で公務員になるとそれらのメリットを若いうちから享受できるため、「勝ち組」と見なされることが多いのです。

高卒で目指せる公務員の種類は?

高卒で目指せる公務員には、主に以下の種類があります。

  • 国家公務員(一般職、税務職員、入国警備官など)
  • 地方公務員(都道府県職員、政令指定都市職員、市町村職員など)

詳しくは、こちらの記事で解説しています。

まとめ

この記事では、高卒で公務員になった場合に起こりうる後悔とその対策を解説しました。

  • 大学生活やサークル活動を経験できず、友人との違いに後悔を抱くことがある
  • 学歴で初任給や昇進に差が出やすく、大卒の後輩に給与を追い抜かれる場合もある
  • 定期的な人事異動で専門性を磨きにくく、希望の分野で働けないことがある
  • 昇任試験などを視野に入れ、計画的にキャリアを築くことも大事である
  • 公務員は安定した収入と福利厚生が整い、ワークライフバランスを保ちやすい

高卒程度の公務員試験は独学でも合格を目指すことが可能です。

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