神奈川県で公務員になるには?試験日程や試験内容、中途採用について

神奈川県の公務員として働くことに興味はありませんか?

県庁職員は行政、学校事務、警察事務、技術職など様々な分野で活躍しています。

近年は高齢化や人口減少といった社会課題の解決に力を入れる一方、ワークライフバランスも重視しているようです。

本記事では神奈川県庁職員を目指す方に向けて、試験区分や受験資格、試験内容、中途採用の仕組みまで詳しく解説します。

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神奈川県庁の職員はどんな仕事?

神奈川県職員は、公務員としてさまざまな種類の仕事にあたっています。

職種は、以下のようにさまざまです。

  • 行政課題に従事する行政職
  • 公立小中学校事務
  • 警察事務を担当する事務職
  • 技術職 など

技術職には農業、水産、建築、土木、機械、電気といった分野の専門知識を持つ方が働いています。

福祉に関する分野や、獣医師など専門資格を有する人たちが働く、免許資格職もあります。

近頃は、超高齢化や人口減少など、県が直面する社会課題の解決に力を入れているようです。

民間企業や他の行政機関とも連携しながら、プロジェクトを進めています。

また、三浦半島ではバイパス整備で交通混雑の緩和や、災害時の機能強化を図っています。

神奈川県庁職員のワークライフバランス

神奈川県では、職員のワークライフバランスの実現を推進しているのが特徴です。

2023年時点の平均年次休暇取得日数は、知事部局で14. 7日と年次休暇の70%を取得しています。

勤務時間は、原則として月〜金曜の午前8時〜午後5時15分ですが、始業時間を30分単位で変更できる、拡大時差出勤制度を導入しています。

フレックスタイム制度による勤務時間の変更も可能です。

2023年の知事部局と企業庁の月平均残業時間は、12.9時間となっています。

1人1台のノートパソコンが配備され、テレワークもしやすい環境です。

子育て関連の制度も充実しています。

具体的には、1日2時間以内で取得できる育児部分休業、週休3日制が導入されています。

2023年の男性育児取得率は、知事部局で74.7%です。

神奈川県庁が求める人物像

神奈川県が求める人材像は、以下の通りです。

  • 使命感・情熱にあふれ、県民目線に立って職務を遂行する人
  • 前例にとらわれず、アグレッシブに行動する人
  • 高い専門性と課題解決力を持っている人

県は2040年を目標年次とする「新かながわグランドデザイン」を掲げています。

少子高齢化・人口減少や、デジタル化の加速、脱炭素化など時代の激しい変動に対応し、県民が生きている喜びを実感できるまちを目指します。

また、観光地としての側面や、広域自治体としての役割もあります。

県職員としての使命感を持ち、主体的に行動できる人が適任と言えます。

神奈川県庁職員の初任給・給料・年収

神奈川県職員の初任給(給料+地域手当)は、採用の区分によって異なります。

2025年1月現在の初任給は、以下のとおりです。

  • 大卒程度採用試験Ⅰ種:約25万3,000円
  • 高卒程度採用試験Ⅲ種:約21万8,000円

また、2023年度の平均給料月額は、以下のとおりです。

  • 一般行政職:32万1,965円
  • 技能労働職:30万224円

このデータをもとに算出した平均年収は、以下のとおりです。

  • 一般行政職:704万585円
  • 技能労働職:600万9,238円

※年収は「平均給与月額(諸手当を含む)×12カ月+期末・勤勉手当」で算出

総務省による実態調査では、23年度の都道府県職員の平均年収は一般行政職で652万6,000円、技能労働職で637万7,000円です。

神奈川県庁職員の一般行政職の収入は、全国平均と比較して高い傾向にあるようです。

神奈川県の公務員試験について

神奈川県の公務員試験について解説します。

職種や学歴によって試験区分が異なるほか、受験資格も定められているようです。

ここでは、試験の倍率や難易度、合格者数、試験内容も詳しく説明します。

試験区分

試験区分は大きく分けて、大卒程度のⅠ種と高卒程度のⅢ種があります。

Ⅰ種

  • 行政
  • 農政技術(農業)、農政技術(森林)、水産、総合土木、建設技術(建築)、環境技術、機械、電気
  • 公立小中学校等事務Ⅰ種
  • 警察事務Ⅰ種

Ⅲ種

  • 行政
  • 公立小中学校等事務Ⅲ種
  • 警察事務Ⅲ種
  • 建設技術(土木)、電気

免許資格職は、福祉職、福祉職(児童心理)、司書A、管理栄養士、薬剤師、獣医師、看護師に分かれています。

また、行政職は中途採用試験も実施しています。

受験資格

受験資格は職種によってさまざまですが、原則として年齢で決まっていて学歴は問いません。

Ⅰ種は大学卒業者が対象ということではなく、大卒程度の問題が出題される試験という意味です。

行政職の場合、Ⅰ種は受験する年の4月2日〜翌年4月1日に22〜30歳となる人に受験資格があります。

2025年度は、1995年4月2日〜2004年4月1日に生まれた人です。

Ⅲ種は18~21歳になる人が対象です。

なお、免許資格職の場合は、所定の資格が採用時に必要です。

倍率・難易度・合格者数

以下は、2024年度の行政職の採用予定者数・最終合格者数・倍率のデータです。

試験区分採用予定者数最終合格者数倍率
Ⅰ種1402182.8
秋季Ⅰ種62758.1
Ⅲ種10184.5

直近の試験での倍率は、Ⅰ種が3倍前後、秋季Ⅰ種が6〜9倍、Ⅲ種は4〜7倍となっています。

試験内容

行政職のⅠ種・秋季Ⅰ種・Ⅲ種の試験は、どんなことが問われるのでしょうか。

2024年度を参考に、出題範囲や試験時間を紹介します。

▼Ⅰ種試験(行政)

種目方法・内容試験時間
教養試験択一式
公務員として必要な一般的知識および、知能についての筆記試験(大学卒業程度)

【知識分野】28問中18問選択解答法律、政治、経済、社会一般から12問日本史、世界史、地理から9問物理、化学、生物、地学、数学から7問
【知能分野】22問必須解答文章理解(英文を含む)判断推理(言語、非言語)数的処理資料解釈
2時間
専門試験択一式 80問中40問選択解答
行政職に必要な専門的知識についての筆記試験(大学卒業程度)

憲法、政治学、行政学、行政法、民法、刑法、労働法から26問経済学(経済原論、経済政策、経済事情、経済史)、財政学、経営学から23問社会政策、心理学、統計学、社会学、国際関係(国際政治学、国際経済学、国際法)、教育学から18問数学・物理、情報・通信工学から13問
2時間
論文試験記述式 1題必須解答・1,200字程度(第1次試験日に実施)

思考力、創造力、論理力、柔軟性などについての筆記試験
1時間30分
人物試験グループワークおよび個別面接2回
人柄、性向などについての試験(グループワークの課題は第1次試験の合格通知とともに知らせる)
グループワーク45分第1回個別面接1人約15分第2回個別面接1人約30分

▼秋季Ⅰ種試験(行政)

秋季Ⅰ種試験は、2024年度より試験内容を見直しました。

同年度の試験内容は公表されていませんが、変更点は以下の通りです。

  • 大卒程度の知識を問う「基礎教養試験」を廃止し、総合適性検査・SPI3を導入する
  • 1次試験をSPI3と自己PR動画(録画面接)のみとし、オンラインで完結させる
  • 2023年度までのグループワークと個人面接2回から個別面接を1回に減らし、会場への集合を1回のみとする

民間企業を志望する学生や、転職を考えている人からの応募を増やすことが狙いです。

神奈川県外からの受験がしやすくなりました。

2025年度の試験内容が、4月11日に神奈川県職員採用ホームページに掲載予定ですので、確認しましょう。

▼Ⅲ種試験(行政)

種目方法・内容試験時間
教養試験択一式
公務員として必要な一般的知識および、知能についての筆記試験(高校卒業程度)

【知識分野】25問必須解答法律、政治、経済、社会一般、日本史、世界史、地理、国語、物理、化学、生物、地学、数学
【知能分野】25問必須解答文章理解(英文を含む)判断推理(言語、非言語)数的処理資料解釈
※専門試験はなし
2時間
論文試験記述式 1題必須解答・600字程度1時間30分
人物試験個別面接1回
1人約30分

試験日程

行政職の場合、2025年度の試験日程は次の通りです。

試験区分申込期間第1次試験日第1次試験合格発表日第2次試験日最終合格発表日(予定)
Ⅰ種4/11(金)~5/7(水)6/15(日)6/25(水)【1日目】7/2(水)~11(金)
【2日目】7/22(火)~8/19(火)
8/29(金)
秋季Ⅰ種8/29(金)~9/12(金)10/31(金)【論文試験】10/31(金)~11/10(月)
【人物試験】11/21(金)~12/10(水)
12/19(金)
Ⅲ種7/18(金)~8/12(火)9/28(日)10/10(金)10/20(月)~31(金)11/14(金)

※自己PR動画:9/9(火)~24(水)、SPI3:9/24(水)~10/20(月)のうちの指定する3習慣程度

各試験区分の詳しい日程は、令和7年度神奈川県職員採用試験実施日程を参照してください。

神奈川県の公務員中途採用試験について

神奈川県では、行政職を対象に民間企業などでの経験を生かす中途採用試験を導入しています。

通称・キャリアフリー採用と呼ばれ、31〜60歳が対象です。

県では困難化する行政課題や、デジタルトランスフォーメーション(DX)などへの対応が急務となっています。

さまざまな経験やスキルを発揮できる人物を採用することが目的です。

採用されると、主事(1級もしくは2級)からキャリアをスタートすることができます。

受験資格

受験資格は、受験する年の4月2日〜翌年4月1日に31〜61歳となる人です。

2025年度は1965年4月2日〜1995年4月1日生まれの人となります。

外国籍の人も受験できます。

試験内容

こちらは2024年度の試験内容です。

種目方法・内容試験時間
経験小論文試験記述式 2題必須解答・各800字程度
職務・社会活動経験、スキル・資格を活用した経験などに関する小論文試験
電子申請システムにより指定の期日までに提出(2024年度は8月13日午後5時受信分まで)
人物試験個別面接1回
人柄、性向などについての試験
※個別試験の中で、事前に示した課題について5分程度のプレゼンテーションを行う
1人約35分

試験日程

2025年度の試験日程は次の通りです。

  • 申込期間:6/27(金)~7/11(金)
  • 第1次試験日:7/25(金)~8/12(火)のうちの指定する2週間程度
  • 第1次試験合格発表日:9/12(金)
  • 第2次試験日:10/2(木)~16(木)
  • 最終合格発表日(予定):10/24(金)

神奈川県の公務員試験の対策

神奈川県の公務員試験について紹介してきましたが、どのように対策すればよいでしょうか。

計画的に効率よく学習することが重要です。

ここからは、勉強時間や勉強方法など、合格するための試験対策について解説していきます。

勉強時間の目安を確認して計画を立てる

公務員試験合格に必要な勉強時間は、1,000時間と言われています。

指導経験が豊富なスタディング公務員講座の講師によると、合格者はまず「1日の学習時間」を決めているそうです。

必要な勉強時間を可視化することで、毎日コツコツ取り組むモチベーションを保つことができます。

試験勉強は1年前を目安にスタートする人が多いようです。

試験の5カ月前までに全体の学習を終え、そこから精度を上げていく期間を設けることが重要です。

重要科目を中心に学習を進める

出題範囲が幅広いため、まずは出題数の多い科目を必ず確認して、それらの科目を中心に勉強を開始しましょう。

神奈川県の行政職Ⅰ種の場合、1次試験で教養試験と専門試験があります。

教養試験は、数的処理と文章理解の対策が必要と言われています。

まずは解法パターンなどのインプットを済ませ、実際に問題を解きながら出題形式に慣れていくことが重要です。

専門試験は、法律系なら憲法、経済系ならミクロ経済学あたりが最初に手をつけるべき科目だといえます。

過去問形式の問題演習をする

筆記試験である1次試験の対策には過去問が必要不可欠と言えます。

公務員試験は過去問の焼き直しが非常に多いからです。

神奈川県の採用試験問題の例題は、県のホームページに掲載されています。

本試験の準備に役立てましょう。

ただ、過去問演習が重要だとしても、ただひたすら解けばよいというわけではありません。

どのように出題されているのかを分析する必要があります。

演習することで判断力を身に付け、作問者の聞き方の定番を押さえましょう。

出題範囲全体を意識する

全体を意識して、少しでも多く得点できるような勉強をすることが、効率の良い勉強法です。

重要度の低い科目は、出題数の多い科目で大きく失点した部分を補う役割となります。

複数の科目を同時並行で”広く浅く”学習することが最適と考えられます。

スタディング公務員講座は、教養科目・専門科目の出題範囲を網羅しています。

要点を押さえた授業をオンラインで何度でも受けられるほか、問題演習によるアウトプットで知識を定着させることができます。

まとめ

この記事では、神奈川県の公務員試験について紹介してきました。

  • 職種は行政職などの事務職、専門知識を持つ技術職、免許資格職がある
  • 行政職の試験区分はⅠ種・秋季Ⅰ種・Ⅲ種があり、中途採用も導入している
  • 公務員試験合格に必要な勉強時間は1,000時間ほどである
  • 過去問の傾向を分析し、出題範囲を広く浅く学習して網羅しよう

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