記事内の情報は【令和5年度(2023年度)試験】のものです。令和6年度(2024年度)以降の試験では受験資格が変更される可能性もあります。最新の年齢制限については人事院や各自治体等が発信する公式情報を必ずご確認ください。また、年齢は「採用される年の4月1日」時点のものです。
【令和5(2023)】国家公務員試験(院卒者・大卒程度)の年齢制限
国家公務員試験の院卒者・大卒者程度区分の年齢制限をまとめました。
院卒者と大卒程度で上限に差はなく、ほとんどの試験で両区分ともに30歳が上限です。国立国会図書館の総合職・一般職のみ上限が少し高く34歳です。
また、参議院総合職の試験のみ、他の試験と比べ上限が27歳と低くなっていましたが、令和6年度(2024年度)の試験から上限が30歳に緩和される予定です。
▼【令和5(2023)】国家公務員試験(院卒者・大卒程度)の年齢制限
試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
|
国家総合職 | 院卒者(法務区分以外) | 30 | 1993 |
院卒者(法務区分)(※1) | ― | ― | |
大卒程度(教養区分以外) | 30 | 1993 | |
大卒程度(教養区分) | 30 | 1993 | |
国家一般職 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
皇宮護衛官 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
法務省専門職員 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
財務専門官 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
国税専門官 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
食品衛生監視員 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
労働基準監督官 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
航空管制官採用試験 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
海上保安官 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
裁判所事務官総合職 | 院卒者 | 30 | 1993 |
大卒程度 | 30 | 1993 | |
裁判所事務官一般職 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
家庭裁判所調査官補総合職 | 院卒者 | 30 | 1993 |
大卒程度 | 30 | 1993 | |
衆議院総合職 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
衆議院一般職 | 大卒程度 | 30 | 1993 |
参議院総合職 | 大卒程度 | 27 | 1996 |
国立国会図書館総合職 | 大卒程度 | 34 | 1989 |
国立国会図書館一般職 | 大卒程度 | 34 | 1989 |
※1:国家総合職・院卒者(法務区分)は、令和5年度(2023年度)は試験の実施なし。令和4年度(2022年度)受験案内の情報では年齢上限は30歳。
【令和5(2023)】地方公務員試験・都道府県(地方上級)の年齢制限
続いて、都道府県の公務員試験の年齢制限についてまとめました。20歳代が上限の自治体も多いですが、徐々に緩和され30歳以上でも受験できる自治体が増えています。
▼年齢制限の上限が40歳まで
- 山形県(行政):39歳
- 岐阜県(行政Ⅱ):39歳
- 徳島県(行政事務):36歳
▼年齢制限の上限が35歳まで
- 岩手県(一般行政A):35歳
- 宮城県(行政):35歳
- 福島県(行政事務):35歳
- 千葉県(一般行政B):35歳
- 富山県(総合行政):35歳
- 山梨県(行政):35歳
- 長野県(行政A):35歳
- 静岡県(行政Ⅱ 総合型試験):35歳
- 和歌山県(一般行政職):35歳
- 鳥取県(事務):35歳
- 熊本県(行政):35歳
- 沖縄県(行政):35歳
- 秋田県(行政AB):34歳
- 福井県(行政):34歳
- 滋賀県(行政 専門試験型):34歳
- 奈良県(行政アピール型):34歳
- 愛媛県(行政事務):34歳
- 青森県(行政):32歳
- 三重県(行政Ⅱ):32歳
- 東京都(Ⅰ類A):31歳
- 京都府(行政A 10月):31歳
北海道・東北地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限 ◯年4月2日〜 |
北海道 | 一般行政A | 30 | 1993 |
青森県 | 行政 | 32 | 1991 |
岩手県 | 一般行政A | 35 | 1988 |
秋田県 | 行政AB | 34 | 1989 |
宮城県 | 行政 | 35 | 1988 |
山形県 | 行政 | 39 | 1984 |
福島県 | 行政事務 | 35 | 1988 |
関東地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限 ◯年4月2日〜 |
茨城県 | 事務 | 29 | 1994 |
栃木県 | 行政 | 29 | 1994 |
群馬県 | 行政事務 | 29 | 1994 |
埼玉県 | 一般行政 | 30 | 1993 |
千葉県 | 一般行政A | 30 | 1993 |
一般行政B | 35 | 1988 | |
東京都 | I類A | 31 | 1992 |
I類B | 29 | 1994 | |
神奈川県 | 行政 | 30 | 1993 |
中部地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
新潟県 | 一般行政 | 30 | 1993 |
富山県 | 総合行政 | 35 | 1988 |
石川県 | 行政 | 29 | 1994 |
福井県 | 行政 | 34 | 1989 |
山梨県 | 行政 | 35 | 1988 |
長野県 | 行政A | 35 | 1988 |
行政B | 29 | 1994 | |
岐阜県 | 行政I | 29 | 1994 |
行政II | 39 | 1984 | |
静岡県 | 行政I | 30 | 1993 |
行政Ⅱ(総合型試験) | 35 | 1988 | |
愛知県 | 行政I・II | 29 | 1994 |
近畿地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
三重県 | 行政I | 29 | 1994 |
行政II | 32 | 1991 | |
滋賀県 | 行政(専門試験型) | 34 | 1989 |
行政(アピール試験型) | 26 | 1997 | |
京都府 | 行政A、行政B | 30 | 1993 |
行政A(10月) | 31 | 1992 | |
大阪府 | 行政 | 25 | 1998 |
兵庫県 | 一般事務 | 27 | 1996 |
奈良県 | 行政 | 29 | 1994 |
行政アピール型 | 34 | 1989 | |
和歌山県 | 一般行政職 | 35 | 1988 |
中国地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
鳥取県 | 事務 | 35 | 1988 |
島根県 | 行政A、行政B | 29 | 1994 |
岡山県 | 行政 | 30 | 1993 |
行政(アピール型) | 26 | 1997 | |
広島県 | 行政(一般事務A) | 29 | 1994 |
行政(一般事務B) | 26 | 1997 | |
山口県 | 行政 | 29 | 1994 |
四国地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
徳島県 | 行政事務 | 36 | 1987 |
香川県 | 一般行政事務A | 29 | 1994 |
一般行政事務B | 25 | 1998 | |
愛媛県 | 行政事務 | 34 | 1989 |
27 | 1996 | ||
高知県 | 行政 | 29 | 1994 |
九州・沖縄地方
都道府県 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
福岡県 | 行政 | 29 | 1994 |
佐賀県 | 行政 | 29 | 1994 |
行政(特別枠) | 25 | 1998 | |
長崎県 | 行政A、行政B | 29 | 1994 |
熊本県 | 行政 | 35 | 1988 |
大分県 | 行政 | 29 | 1994 |
宮崎県 | 一般行政 | 29 | 1994 |
鹿児島県 | 行政 | 29 | 1994 |
沖縄県 | 行政 | 35 | 1988 |
【令和5(2023)】地方公務員試験・政令指定都市(地方上級)の年齢制限
続いて、政令指定都市の公務員試験の年齢制限一覧です。
年齢制限の上限が緩和される傾向にありますが、自治体ごとに差があるので注意が必要です。神戸市のように上限が引き下げられる場合(27歳→24歳)もあるので、必ず最新情報をチェックするようにしてください。
政令市 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
札幌市 | 一般事務 | 29 | 1994 |
仙台市 | 事務 | 35 | 1988 |
さいたま市 | 行政事務A、行政事務B | 30 | 1993 |
行政事務C | 34 | 1989 | |
千葉市 | 行政A、行政B | 28 | 1995 |
横浜市 | 事務 | 30 | 1993 |
川崎市 | 行政事務 | 29 | 1994 |
相模原市 | 行政 | 35 | 1988 |
新潟市 | 一般行政A、一般行政B | 28 | 1995 |
静岡市 | 事務A、事務B | 30 | 1993 |
浜松市 | 行政A、行政B | 28 | 1995 |
名古屋市 | 行政 | 30 | 1993 |
京都市 | 行政 | 26 | 1997 |
行政(秋季) | 30 | 1993 | |
大阪市 | 事務行政(22-25) | 25 | 1998 |
堺市 | 事務行政(26-34) | 34 | 1989 |
神戸市(※2) | 総合事務 | 24 | 1999 |
岡山市 | 事務一般枠A、
事務一般枠B |
30 | 1993 |
事務特別枠C | 39 | 1984 | |
広島市 | 行政事務 | 29 | 1994 |
北九州市 | 行政Ⅰ | 30 | 1993 |
福岡市 | 行政(一般) | 29 | 1994 |
熊本市 | 事務職 | 32 | 1991 |
※2:神戸市は、大学院修了または6年生大学卒業の場合26歳まで。
公務員試験の「社会人経験者」の年齢制限
公務員試験には、社会人経験者が受験できる試験区分もあります。全都道府県・政令市の80%以上の自治体が経験者採用枠を設けて、試験を実施しています。
経験者採用枠の上限はさらに緩和されており、59歳以下であれば受験可能の場合が多いです。
「直近○年中□年以上」「1つの企業で○年以上」といったような職務経験が条件になっていますが、それをクリアできれば実質年齢制限がない試験区分と言えます。
▼社会人経験者枠の例
自治体 | 試験区分 | 年齢上限 | 生まれ年上限
◯年4月2日〜 |
職務経験 |
札幌市 | 一般事務 | 60 | 1963 | 直近7年中5年以上 |
特別区 | 一般事務(1級) | 60 | 1963 | 直近10年中4年以上 |
一般事務(2級) | 60 | 1963 | 直近14年中8年以上 | |
京都市 | 行政 | 60 | 1963 | 直近7年中5年以上 |
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公務員試験「高卒程度」について
公務員試験は難易度によって試験区分が分かれていて、採用数の多い「大卒程度」の他に「高卒程度」の区分があります。
高卒程度の試験は「高校、中等教育学校の卒業から2年を経過していない者」や「卒業見込み者」を対象としていて、大卒の人は受験できません。高校卒業後すぐに公務員になりたい人向けの試験と言えます。
なお、公務員試験は一部の試験をのぞいて学歴要件はないので、最終学歴が高校卒業の方が、年齢要件を満たして大卒程度の区分で受験することも可能です。
高卒程度の区分を大卒程度と比べた場合、以下の特徴があります。
▼試験の難易度が低く設定されている
試験区分は難易度で分けられているため、専門科目が課される試験種もある大卒程度の区分と比べると難易度は低めです。
▼年収や待遇に差があり、キャリアアップにしにくい可能性も
大卒程度よりも初任給が低く、年収や待遇に差があるので、生涯年収で考えた時に低くなる可能性があります。また、大卒区分の職種と業務内容が異なる場合もあります。
▼採用人数が少ない
限られた年齢の人しか受験できないため、受験者数も少なく、採用数や受験できる職種も多くありません。
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公務員試験に年齢制限が設けられている理由
公務員試験に年齢制限が設けられている理由としては、次のようなことが考えられます。
- 幅広い業務を身につけるのにある程度長い期間が必要になるから
- 組織の均一性を確保するため
公務員の業務は多岐にわたり、数年ごとに異動を繰り返しながら経験を積むため、長く働ける人材を確保する必要があります。また、安定して行政サービスを提供するために、世代で偏りのない組織にして業務を受け継ぐことが求められます。
このため若い世代中心の採用となっていますが、前述のとおり近年では社会人採用枠で中高年層が公務員にチャレンジできる道もあります。公務員の仕事に興味がある方はぜひ受験案内をチェックしてみてください。
まとめ
今回は、公務員試験の年齢制限についてご紹介しました。
- 国家公務員は30歳が上限の試験がほとんど
- 地方上級は上限が緩和され、35歳まで受験可能な自治体が増えている
- 経験者枠では59歳まで受験可能な場合が多く、実質的に年齢制限がないことに
地方公務員試験では年齢制限の上限緩和の傾向が続いていて、志望先の自治体が直近で要件を変更している可能性もあります。公務員試験の受験を考えている方は、受験案内をよく確認するようにしてください。