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公務員試験最重要科目!「数的処理」の攻略法

「公務員試験の勉強を始めるぞ!」と決意を固めた受験生の目の前に立ちはだかる最初の壁…これが「数的処理」です。公務員を目指そうか考えている方の中には、「数的処理ってほとんど数学らしいので、諦めたほうがいいですかね…」と質問される方もよくいらっしゃいます。

確かに数学的な要素は含まれていますが、そもそも「数学」とは異なる科目です。しかも、多くの受験生が苦手にしやすい科目ですから、「ここで何が何でも得点を稼がないと合格できない…」なんてものでもありません。対策すれば誰でも「人並みに」点数を取ることは可能です。

そこで、ここでは数的処理の勉強の方法について紹介しましょう。特に数的処理に苦手意識を持っている方は、是非参考にしていただければと思います。

そもそも「数的処理」の位置付けとは?

まだ勉強を始めたばかりの方は、「数的処理ってそんなに大事な科目なの?」と思われるかもしれません。そこで、まずは試験全体における数的処理の位置付けを説明しておきましょう。

まず、公務員試験の筆記試験では、教養択一試験(基礎能力試験)という形式の試験が課されます。これは、大半の公務員試験で必ず課されるものなので、公務員試験を受験するとなったら、準備することが不可欠になります。

教養択一試験(基礎能力試験)は大きく一般知能分野一般知識分野の2つに分かれており、一般知能分野に属するのが数的処理です。以下のような全体像ですね。

だいたいの公務員試験では、一般知能分野のほうが出題数は多くなるのですが、その中でも特に多くの問題数を占めるのが数的処理です。試験によって問題数や割合は変わりますが、例えば2022年度の特別区Ⅰ類(事務)の教養択一試験は、以下のような問題数でした。特別区Ⅰ類(事務)の場合、全部で40問解答ですが、一般知能分野である数的処理と文章理解が28問全問必須解答、一般知識分野が20問から12問選択解答になっています。

明らかに問題数が数的処理に偏っていることがわかるでしょう。全体の解答数40問のうち、数的処理の問題数は必須解答で19問ですから、その占める割合は47.5%でほぼ半分にもなるのです。特別区Ⅰ類に限らず、その他の試験でもだいたい30%~40%の出題数を占めており、なかには数的処理の出題が半分以上を占めるような試験もあるほどなのです。

このように、「数的処理でいかに点数を取れるか」が、公務員試験の合否のカギを握っているといっても過言ではないのです。


「数的処理」とはどんな科目?

公務員試験の「数的処理」とは?

では、数的処理とはどんな内容の科目なのか、簡単に紹介しましょう。すでに学習を始めている方は、数的処理の特徴についてご存知かと思いますが、分野ごとに扱い方がやや異なります。そのあたりも含めて再度確認しておきましょう。

1.数学の知識を使って問題を処理する科目!

まず、数的処理には「数的推理」「判断推理」「空間把握」「資料解釈」の4つの分野があります。この4分野の総称を「数的処理」というのですが、4分野はいずれも内容が大きく異なるので、「数的処理とは何か」という一括りの定義付けはなかなか難しいです。無理矢理にでも定義すると、「数学的な知識を用いて、問題を処理する科目」とでもいえるでしょうか。

数学的な知識」が必要になりますが、原則として中学数学レベルの知識さえあれば、合格ラインに乗ることは可能です。ですから、中学数学の知識が完全に頭から抜けている、ということでもない限りは、数学の復習を最初から始めなくても、数的処理の勉強を進めながら、抜けている箇所を適宜チェックする程度でいいと思います。ちなみに、高校数学の知識は、自然科学における「数学」の科目で出題されますが、一部の試験を除いて問題数はそこまで多くありませんので、あまり気にする必要はないでしょう。

特に重要なのは「問題を処理する」という部分です。数学とほとんど同じように「文章題に合わせて式を立てる」という処理もあれば、「問題のシチュエーションを表でまとめる」という処理も出てきます。このように、何より大事なのは「処理の仕方が理解できているか」「問題に合わせてどう処理していくか」という部分で、ここをしっかり身につける必要があるのです。

2.数的処理の4分野とは?

では、4分野を紹介しましょう。それぞれ特徴がありますから、その特徴に合わせて対策の仕方を考えていく必要があります。

⑴ 数的推理

これが数学に最も近い分野です。いわゆる「中学受験の算数」に近いテーマが多く、速さであれば「旅人算」や「流水算」などが出題されます。その他にも「倍数・約数・素数」や「場合の数・確率」など、単純に算数・数学の知識があれば対処できる出題もあります。ですから、理系の方であれば得意にしやすい分野でしょう。一方で、「今まで数学は避けてきました…」という文系の方は、苦戦しやすい分野といえます。

特に、数的処理の勉強を始めると、最初は数的推理から手をつけることが多いので、開始早々「数的処理は無理だ…」と心が折れてしまう方が少なからず出てきます。しかし、あくまで4分野あるうちの1つですから、あまり重く考えすぎず、基本的な理解を固めるようにしましょう。最低限の知識を身につけて、解き方さえ理解できれば、わりと点数を安定させやすい出題テーマもあります。全部を完璧にするのではなく、「少しでも得点できるものを増やしていく」という意識で取り組むとよいと思います。

出題例(2014年度・特別区Ⅰ類)

ある川に沿って、20km離れた上流と下流の2地点間を往復する船がある。今、上流を出発した船が、川を下る途中でエンジンが停止し、そのまま24分間川を流された後、再びエンジンが動き出した。この船が川を往復するのに、下りに1時間、上りに1時間を要したとき、川の流れる速さはどれか。ただし、静水時における船の速さは一定とする。

1.5km/時   2.6km/時   3.7km/時   4.8km/時   5.9km/時(正解:1)


数的推理の攻略法について、より詳しくは以下のページで解説していますので、是非ともご一読くださいね!

数的処理の攻略法① 数的推理編

⑵ 判断推理

数的推理と打って変わって非常にとっつきやすい、心のオアシスのような分野です。いわゆる「論理パズル問題」が出題されます。問題に条件が示され、それらの条件を全て満たすものとして正しい選択肢を選ぶ、という流れになります。よく出題されるのが、「対応関係」「順序関係」「位置関係」など人物の対応・順番・位置を答えさせるもの、「リーグ戦」や「トーナメント戦」など試合の問題、登場人物の中に嘘の発言があるときに正しい内容を検討する「嘘つき」の問題などです。

数学的な内容はほとんど出てきませんから、多くの文系受験生がとっつきやすい分野でしょう。一方、理系受験生であってもてこずるケースはよくあります。判断推理の問題は条件が正しく読み取れさえすれば答えが出せますから、いわば「解き方が決まっていない問題」なのですね。問題によってはそもそもの解き方を探るのに時間がかかり、点数が安定しないこともありますから、注意が必要です。とっつきやすい反面、怖い一面も持っているのです…

出題例(2013年度・裁判所一般職)

A、B、C、D、Eの5人が丸いテーブルについている。A~Eは、大人3人と子ども2人のグループであり、子どもの両隣には大人が座っている。大人は赤ワイン、白ワイン又はビールを、子どもはコーラ又はオレンジジュースをそれぞれ1品ずつ注文した。A~Eが次の発言をしているとき、AとBが注文した飲み物の組合せとして最も適当なのはどれか。ただし、A~Eの発言はいずれも正しいものとする。

A:「わたしの左隣の人は赤ワインを注文した。」
B:「わたしの右隣の人はコーラを注文した。」
C:「わたしの左隣の人はオレンジジュースを注文した。」
D:「わたしの左隣の人は白ワインを注文した。」
E:「わたしは赤ワインを注文した。」

1.A:オレンジジュース  B:白ワイン
2.A:オレンジジュース  B:ビール
3.A:コーラ       B:白ワイン
4.A:コーラ       B:ビール
5.A:ビール       B:コーラ(正解:1)

判断推理の攻略法について、より詳しくは以下のページで解説していますので、是非ともご一読くださいね!

数的処理の攻略法② 判断推理編


⑶ 空間把握

図形の問題の一種ですが、立体図形を展開図にしたり切断したり、図形を回転移動させたり、図形の中でも計量以外の内容が出てくる分野です。これも中学受験の算数と重複する部分がありますね。「正多面体」「投影図」「小立方体の積み上げ」「サイコロ」「軌跡」「円の回転数」「折り紙」「一筆書き」など、さまざまなテーマが出題されます。

空間把握は数的処理の中でも特に厄介な分野といってよいでしょう。例えば、正しい展開図を選ぶような問題では、実際に問題用紙に描かれている展開図を組み立てるわけにはいきませんから、明らかにおかしい選択肢を切れるような検討の手段を身につける必要があります。つまり、なるべく頭の中でイメージして解くことのないようにするのです。ただ、そうはいっても難易度が高い問題になると、これは「想像しないと無理なのでは…?」というものも出てきてしまいます。何より点数が安定しない分野の筆頭といえますね。くれぐれも扱いに注意すべきです。

出題例(2022年度・東京都Ⅰ類B(新方式))

下の図のように、同じ大きさの小立方体27個を組み合わせた大立方体に八つの丸印をつけ、八つの丸印から大立方体の反対側の面まで垂直に穴をあけたとき、穴があいた小立方体の個数として、正しいのはどれか。



1.16個   2.17個   3.18個   4.19個   5.20個(正解:1)
数的処理の攻略法③ 空間把握編

⑷ 資料解釈

問題にさまざまな資料が示され、その資料から確実にいえる選択肢を探す、という問題です。よく出てくる資料は「実数の資料」「総数と構成比の資料」「対前年増加率の資料」などですね。これまでに見たことのないような、特殊な形態の資料が出てくることもあります。

「解釈」といっても、資料を分析する…というような話ではなく、資料に書かれている数値を計算して、正解の選択肢を探しましょう、というだけのことです。ですから、正しく計算すれば必ず正解にたどり着くことができます。点数が一番安定しやすい分野といえるでしょう。しかし、選択肢の記述などにかなりのクセがあるため、正確に計算することが難しく、細かく計算すると時間がかかりますから、計算の時間短縮も必要になります。特に「検討の慣れ」が必要になるといえるでしょう。

出題例(2021年・特別区経験者(2級))

次の表から確実にいえるのはどれか。

輸送機関別貨物輸送量の推移
(単位 100万トンキロ)
区 分平成26年度27282930
自動車210,008204,316210,314210,829210,467
鉄 道21,02921,51921,26521,66319,369
内 航183,120180,381180,438180,934179,089
航 空1,0501,0561,0571,066977
  1. 平成27年度において、自動車の貨物輸送量の対前年度減少量は、内航の貨物輸送量のそれの2倍より小さい。
  2. 表中の各区分のうち、平成29年度における輸送機関別貨物輸送量の対前年度増加率が最も大きいのは、航空である。
  3. 平成30年度において、鉄道の貨物輸送量の対前年度減少率は、航空の貨物輸送量のそれより小さい。
  4. 表中の各年度とも、内航の貨物輸送量は、鉄道の貨物輸送量の9倍を下回っている。
  5. 平成27年度から平成30年度までの各年度における自動車の貨物輸送量の対前年度増加量の平均は、1億5,000万トンキロを下回っている。

(正解:5)

数的処理の攻略法④ 資料解釈編



「数的処理」はどうやって対策すればよい?

ここまで数的処理の科目の全体像を説明してきました。このような科目を、公務員試験の受験を視野に入れる前から勉強してきたという方はおそらくいないでしょう。ですから、これからどう勉強を進めていくかが大事になります。なかなか点数の上がらない勉強の仕方を続けてしまうと、点数が伸び悩んだまま本試験に突入することになってしまいます。そこで、ここでは心がけてほしい攻略のポイントを紹介しましょう。

一般的に数的処理は「問題演習が重要だ」といわれます。確かにこれは間違いない事実だと思います。しかし、だからといってやみくもにアウトプットをしたからといって、点数が伸ばせるわけではありません。問題の解説を1問ごとに丸暗記して同じように解けたとしても、ちょっとでも聞き方を変えられてしまうと、途端に解けなくなるのが数的処理だからです。

ではどう勉強するのかというと、問題を解く際の思考回路を「パターン化」することが大事になってきます。つまり、どんな問題が出題されたとしても、同じ思考回路のパターンで処理することで安定して得点できるようにするのです。特に勉強を始めたばかりの段階では、これをしっかり意識することが重要だと思います。

では、どのような思考回路で問題を解いていくのか、そのパターンを紹介しましょう。私は基本的に以下の3段階で説明します。

どんな問題が出てきたとしても、思考回路はこの3点の流れです。例えば、前掲の特別区Ⅰ類の問題を考えてみましょう。再度掲載します。

出題例(2014年度・特別区Ⅰ類)

ある川に沿って、20km離れた上流と下流の2地点間を往復する船がある。今、上流を出発した船が、川を下る途中でエンジンが停止し、そのまま24分間川を流された後、再びエンジンが動き出した。この船が川を往復するのに、下りに1時間、上りに1時間を要したとき、川の流れる速さはどれか。ただし、静水時における船の速さは一定とする。

1.5km/時   2.6km/時   3.7km/時   4.8km/時   5.9km/時(正解:1)

1.問題を読んで、「出題テーマを把握」する

そもそもの前提ですが、問題を読んだときにそれが何の出題テーマかわからなければ、解きようがありません。まずは出題テーマごとの特徴をインプットして、問題を読んだときに出題テーマの判別ができるようにしましょう。

上記の出題例であれば、「川が流れているところを船が進む」こと、「下りも上りも同じ時間である」こと、そこから推測して「同じ時間になったのは、下りでエンジンが止まったのが原因である」ことなどがポイントです。このあたりから、川の流れに乗ったり逆らったりすることで速さが変わる「流水算」の問題だ、と気づけることが必要になります。


出題が繰り返されている典型のテーマなら、問題を読んだ段階ですぐに「あのテーマだ!」と気づくべきです。後述しますが、そもそも出題テーマが判断できないと、それに基づく典型の解法パターンも想起できないので、解き方が安定しません。だからこそ、出題テーマごとの問われ方を学ぶためにも、数的処理では問題演習が重要なのです。ただ解きまくるのではなくて、しっかり分析して解いてほしいところです。

なお、特に近年の国家公務員試験の判断推理などは、複数のテーマにまたがる問題が出てくることも多いので注意してください。実際に解く際には、その問題の「どういう側面から何のテーマの問題だと判断したのか」という過程も明確にしましょう。そこで判断ミスをしたせいで正解にたどり着けない、ということもよくあります。

2.出題テーマに合わせて、典型の「解法パターンを想起」する

これもまずはインプットになるのですが、出題テーマごとに典型の解法パターンがあります。これも、特に勉強初期の段階では全力で覚えるようにしてください。そして、その解法パターンを思い出せるようにしていきます。

上記の出題例であれば、「流水算」だと判断したら、典型の解法パターンを頭の中に思い浮かべます。「流水算は船速と流速の関係で実際の速さが決まるので、まずは速さを明らかにする」こと、「流れに乗るときは『船速+流速』、流れに逆らうときは『船速-流速』である」こと、「流水算は上流と下流の往復がシチュエーション的に多いので、距離が等しいケースが多い」ことなどを想起したうえで、問題の設定に合わせて式を立てていくのですね。


典型の解法パターンを知らないと、問題を解く際にその場でゼロから解法を考える必要がありますから、時間のロスが生じてしまうのです。数的処理は時間勝負でもありますから、インプットなくしてアウトプットはないことを肝に銘じてください。

ちなみに、インプットする解法パターンは、なるべく汎用性のあるものを意識したいところです。特定の場面でしか使えない公式なども、もちろんその場面の問題が出てきたら時間短縮にはなりますから、覚えても構いません。しかし、それだけではその場面から外れたときに困ってしまいます。一見スマートな解き方であっても、それが一部の問題にしか通用しないものであれば、得点に繋がる可能性は下がります。私たちが勉強する目的は「本試験で点数をいかに上げるか」ですから、くれぐれも注意してください。

3.典型の「解法パターンに合わせて解く」

講義や参考書などで出題テーマ・典型の解法パターンのインプットを行うのと並行して、解法パターンに当てはめてアウトプットする練習も進めましょう。つまり、ここで本格的な「問題演習」が出てくるわけです。これこそが、数的処理の得点力をつけるために最も必要な段階です。

上記の出題例であれば、あとは解法パターンに合わせて式を立てます。以下のように解けばよいでしょう。コンパクトに解説しておきます。

【STEP1 速さを明らかにする】
まずは①船速、②流速、それをふまえた③実際の速さを明らかにします。本問は船速も流速も不明なので、船速をx[km/時]、流速をy[km/時]とおきましょう。そうすると、下りは流れに乗るので、下りの速さはx+y[km/時]、上りは流れに逆らうので、上りの速さはx-y[km/時]と表せます。

【STEP2 距離を表す式を2本立てる】
本問は流水算なので、往復の距離が等しい部分に着目できるとベストです。また、文字を2種類使っているので、式も2本立てましょう。ここでは、上りの進んだ距離も下りの進んだ距離も20kmですから、ここに着目して距離の式を2本立てます。

下りから検討します。まず、速さを確認しましょう。エンジンが動いていればx+y[km/時]ですが、止まっていれば川の流れの速さでそのまま流れているだけなので、y[km/時]です。続いて、時間を確認します。下りはエンジンが止まっているのが24分、つまり24÷60=0.4[時間]です。また、エンジンが動いているのが60-24=36[分]、つまり36÷60=0.6[時間]です。よって、「速さ×時間=距離」の公式を使って、下りで進んだ距離の式はy×0.4+(x+y)×0.6=20となります。式を整理して、3x+5y=100…①です。

同様に、上りも検討します。速さはx-y[km/時]で、1時間で20km進んだので、式にすると(x-y)×1=20となります。式を整理して、x-y=20…②です。

【STEP3 連立方程式を解く】
あとは、①②の式を連立方程式で解きましょう。y=5[km/時]となるので、正解は1です。

もちろん、すぐに解ける必要はありません。目安としては、1問に10分ほどかけても全く先に進みそうにないと思ったら、解説を見て解法の流れを確認してください。どういう思考回路で解いていくのかを徹底的に分析しましょう。基本的にはこれを繰り返していくことになります。

なかなか進まないと思いますし、一つひとつ解説を咀嚼することが必要なので時間もかかるでしょう。しかし、ここで面倒に感じて雑に進めると、いつまでも解けるようにはなりません。そもそも時間がかかるのは当然のことなので、ここは覚悟して取り組みましょう。「『解法パターン』という道具を使いこなせるようにする」イメージで、しっかり練習してください。

ちなみに、地方公務員試験で難易度が低めの問題であれば、典型の解法パターンそのままで解ける問題も多くあります。一方、国家公務員試験を中心とした難易度が高い問題になると、典型そのままというケースはかなり少なくなります。問題の設定に合わせて実際に試して書き出してみるとか、何かしら手を動かしてやっと解き方の糸口が見つかることもあります。これを繰り返していくことで、実際に本試験でも「これってあのパターンだ!」と気づけるようにしていきましょう。


数的処理は「5割」の得点をひとまずの目標にしよう!

数的処理は「まずは5割」を目標に

数的処理は以上のように手間のかかる科目です。これをどれくらい得点すればよいのか、目安を示しておきましょう。

本試験によっても多少前後はしますが、教養択一試験の合格ラインの目安は6割です。そこで、数的処理は5割の得点を目指しましょう。問題数が多い科目なので、もちろんもっと得点できればそれに越したことはないのですが、無理する必要はありません。特に数的処理が苦手という方は、何とか半分は確保してほしいです。数的処理で半分確保できれば、あとは他の科目で挽回して、教養択一試験全体で6割に乗せることができます。これが半分を割ってしまうと、他の科目の問題数がどうしても少ないため、数的処理の失点をカバーできなくなってしまいます。

多くの受験生にとっては非常に厄介な科目です。他の受験生と差をつけるというよりは、他の受験生に差をつけられない程度に手堅く守るという認識が得策だと思います。日々の問題演習の積み重ねが功を奏する科目ですから、粘り強くコツコツと取り組んでいきましょう!