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公務員のインターンシップとは、学生が官公庁を訪問して実際の業務を体験できる機会です。公務員といっても職種や業務はさまざまで、実際にどのような業務があるのかを知る機会はあまり多くないので、現場で働く人の声を直接聞けるインターンシップは貴重です。
なんとなく公務員を目指している人は、やりたい職種が見つかるかもしれませんし、もう受験先が決まっている人は、志望動機や自己PRに説得力を持たせる良い経験を積める可能性もあります。
公務員試験を受ける場合、「インターンシップに行かないと不利になるのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、公務員試験の選考にはインターンシップの参加不参加は一切影響がないので、行けなかったせいで落ちるということはありません。
ただ、インターンシップは受験先の情報を得る貴重な機会の一つであるため、参加できない場合は、他の方法で受験先の情報を積極的に集めるようにしましょう。
前述のように、インターンシップは試験結果に直接的な影響はありませんが、参加したほうが有利になることは間違いありません。次の3つの理由があるからです。
▼職員に直接話が聞ける
普段の生活で公務員の仕事に接する機会といえば、役所の窓口対応など限られたシーンしかありません。公務員の仕事は実に多彩ですが、そのほとんどは見えづらいものです。インターンシップは仕事の実態について職員から直接聞ける貴重な機会となります。
業務に対して曖昧なイメージしか持っていない場合、入職後のミスマッチにもつながりかねません。それを防ぐためにも、業務内容や雰囲気を知れる機会はメリットが大きいでしょう。
▼モチベーション維持・人脈形成に役立つ
インターンシップへの参加は、受験のモチベーション維持にも役立ちます。公務員試験の筆記試験の科目数は多く、範囲も膨大で試験勉強は長い期間続くので、目標が曖昧なままでは途中で挫折する恐れもあります。
インターンシップで志望先の業務を体験して、職員と話すことで、「あの場所で働きたい」という気持ちが生まれれば、苦しい時も勉強に向かう力になるでしょう。
▼志望度の高さアピール 人物試験対策 志望動機が深まる
公務員試験には筆記試験の他に、面接などの人物試験があります。近年、特に地方公務員の採用試験では、人物試験を重視する傾向が続いています。インターンシップへの参加は、人物試験対策にも有効です。
志望動機や自己PRといった必ず聞かれる項目に対しては、明確な回答が求められます。インターネットで調べた限りある情報だけでなく、実際に働く人から得た生の情報から「なぜここで働きたいのか」「公務員として何をしたいのか」を考えることで、具体的で説得力のある回答につながります。
志望動機を深めたり、人物試験対策を練ったりするためには、職員と直接話す機会をぜひ活用したいところです。「地元の県庁に絶対に合格したい」など、志望度がかなり高い受験先があるのならインターンシップにはぜひ参加しましょう。
次は、インターンシップのスケジュールについてです。
▼受付から参加までの流れ
▼実施期間
インターンシップは夏に開催されることが多いです。時間帯は例えば8時30分〜17時15分など、朝から夕方まで長時間拘束されることが多いので、学生が参加しやすいように夏季休暇に合わせて7月〜9月に開催されるパターンが最も多いようです。そのほか秋季、冬季、春季の休暇に合わせて行われるインターンシップもあります。
また、ワンデー開催のインターンシップは、その他の時期や通年で募集されていることもあります。夏季に参加できなかった場合でも、こまめに志望先のウェブサイトをチェックして、大学のキャリア支援センターに問い合わせてみるのがおすすめです。
▼日数はさまざま
同じ自治体内でも、受け入れ先によって日数が異なる場合がほとんどです。短いものでは2〜3日、長いものでは2週間程度のものまであります。
インターンの実施内容については、大きく体験型と座学型に分かれます。
日数が比較的長いものは、実際に各部署に配属され、業務の体験ができます。在籍している職員と同じく朝から夕方まで、各部署の業務内容を教わりながら取り組むため、自分が働く姿をイメージしやすいでしょう。また、事務作業だけでなく、地域で開催されるイベントの当日の運営に参加できるパターンもあります。
1〜2日間程度の短いものは、座談会が行われたり、説明会を兼ねているようなタイプが多いです。
グループワークで企画会議を擬似体験できるものもあります。中にはビデオ会議ツールを使ってオンラインで開催されるタイプもあり、遠方からでも参加可能です。
インターンシップの申し込み方法に関しては、「個人で応募できる」あるいは「大学経由でしか応募できない」の2つがあります。
個人応募の場合は、省庁や自治体のウェブサイトでインターンシップの情報を確認したうえで、サイト上の応募フォームや自治体の電子申請システムを利用して申し込みます。大学経由の応募の場合はキャリアセンターなどで情報を確認しましょう。
公務員のインターンシップは倍率が高く、受け入れ先による選考が行われることがほとんどです。
応募時にインターンシップの希望部署や志望理由、インターンシップへの抱負、自己PRなどの記入を求められ、それをもとに調整や選考が行われます。
インターンシップに参加するうえで、いくつか注意点があります。
▼無給である
民間企業のインターンシップの中には、給与が発生するものもありますが、公務員の場合は報酬が出ません。
▼部署によっては応募条件がある
Word、Excel、PowerPointなどの操作スキルが必須だったり、専攻分野の要件が設けられていたりします。
▼1日拘束される
時間は朝から夕方までのものが多いです。単なる職場見学ではないので、主体的に参加する姿勢が重要です。
▼倍率が高い
応募者が多い人気のインターンシップは、書類選考などで落選する場合があり、必ず参加できるわけではありません。また、全体の募集人数が多くても、各部署での受け入れは数名であることがほとんどで、希望通りの部署に行けるとも限りません。
ここからは、地方公務員のインターンシップ情報をいくつかご紹介します。各自治体のインターンシップの実施時期や期間、部署、申し込み方法、選考方法についてです。
取り上げるのは、令和5年度(2023年度)に行われたインターンシップで、いずれもすでに終了しています。次年度以降の参考情報として掲載します。
▼実施期間・日数
【第1ターム】
開講式:令和5年7月24日
実習:令和5年7月26日〜8月10日のうち2〜7日間
【第2ターム】
開講式:令和5年9月4日
実習:令和5年9月11日〜9月15日のうち2〜7日間
▼実施部署
▼申込期間・選考方法
申込受付:令和5年5月19日〜6月12日
選考方法:応募者多数の場合、エントリーシートにて書類選考
【参考】東京都職員採用「東京都の仕事を、実際の職場で体験できる!~都庁インターンシップ2023~」
▼実施期間・日数
事前ガイダンス(対面のみ):令和5年7月26日
実習:令和5年7月20日〜9月15日のうち 1〜10日間
実習報告会:令和5年9月下旬
▼実施部署
【対面】
【オンライン】
▼申込期間・選考方法
申込受付:令和5年6月19日〜7月7日
選考方法:第3希望まで申し込み可能、選考により決定
▼実施期間・日数
令和5年7月〜9月のうち、3日〜2週間程度
▼実施部署(110課所)
▼申込期間・選考方法
申込期間:令和5年5月31日〜6月21日
選考方法:応募内容をもとに受入学生を決定
▼実施期間・日数
令和5年7月21日〜9月30日のうち2週間以内
▼実施部署
▼申込期間・選考方法
申込期間:令和5年5月29日〜6月14日
【参考】千葉県「令和5年度 千葉県庁キャリア実習(旧称:千葉県庁インターンシップ)の実習生募集について」
▼実施期間・日数
令和5年8月1日〜9月30日のうち 5日〜10日程度
▼実施部署(44所属)
▼申込期間・選考方法
申込期間:令和5年5月29日〜6月11日
選考方法:応募者多数の場合は、各受け入れ先で書類選考
【参考】愛知県「2023年度愛知県庁インターンシップ実習生を募集します!」
▼実施期間・日数
A日程:令和5年8月7日〜8月18日
B日程:令和5年8月21日〜 9月1日
C日程:令和5年9月4日〜9月15日
▼実施部署(95業務)
▼申込期間・選考方法
申込期間:令和5年6月5日〜6月23日
選考方法:インターンシップ生実習希望書(実習先第1〜5希望や志望理由、参加可能な日程、インターンシップへの抱負などを記入)等を参考に決定
次に、国家公務員のインターンシップ情報をご紹介します。
各省庁のインターンシップの実施時期や期間、部署、申し込み方法、選考方法についてです。
取り上げるのは、令和5年度(2023年度)に行われたインターンシップで、すでに終了しているもののため、次年度以降の参考にしてください。
なお、この記事で紹介するインターンシップ情報はほんの一例です。国家公務員のインターンシップ等の情報は、国家公務員の採用情報サイトの下記ページで一覧できます。
【参考】国家公務員 CAREER GUIDE「職場体験イベント情報 特設サイト」
▼実施期間・日数
令和5年8月21日〜9月29日のうち1週間または2週間
▼実施部署
▼申込期間・選考方法
申込受付:令和5年6月6日〜6月20日 厚生労働省の採用マイページより応募
選考方法:書類選考(面接を行う場合もあり)
▼実施期間
令和5年8月3日〜8月25日のうち5日間
▼実施部署
政策立案体験
▼申込期間・選考方法
申込期間:〜6月22日
選考方法:書類選考(電話で面談する場合あり)
【参考】2023年度 1week Summer School(政策デザインの夏学校)〈旧称:1weekインターンシップ〉
▼実施期間・日数
7月24日〜9月15日のうち3日〜5日間
▼実施部署
課題を1つ選択
▼申込期間・選考方法
申込期間:令和5年5月14日まで
選考方法:書類選考(電話で面談する場合あり)
【参考】総務省「総務省インターンシップ2023 -体験しなければわからないことがある-」
最後に、公務員試験に関するよくある質問を、3つほどご紹介します。
公務員は、国家公務員と地方公務員に分けられます。
国家公務員は特定の分野に特化した働き方が基本で、省庁をまたいだ異動は原則ありません。1府12省庁の職員として働く国家総合職や国家一般職、国税専門官などの専門職、裁判所職員などがあります。
地方公務員は一定の期間でさまざまな部署を異動しながら経験を重ね、その地方自治体の幹部候補生としてキャリアを積んでいきます。都道府県職員として働く広域自治体職員と、市町村で働く基礎自治体職員がいます。
公務員の種類や仕事内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】【地方公務員・国家公務員】公務員の職種と仕事内容
公務員試験は、1次試験が筆記試験、2次試験が人物試験(面接)であることが多いです。人物試験の対策のポイントは3つです。
▼答えやすい内容に誘導する
志望動機などを書いた面接カードを事前に提出することが多い。書き方を工夫し、自分が答えやすい内容に導く。
▼評価要素を意識する
面接でのチェックポイントをまとめた評定表がある。面接カードを書く際は「積極性」「社会性」などの各項目から逆算し、評価要素を意識して書く。
▼面接では「体験」を語る
面接では、わかりやすく、説得力のある回答が必要。具体的なエピソードを交えて回答を準備し、模擬練習を繰り返す。
人物試験対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】【公務員・人物試験】面接対策のポイントや回答のNG例を解説
人物試験で必ず聞かれる質問の1つが志望動機です。近年の公務員試験は人物試験を重視する傾向が続いていて、説得力のある志望動機が必要です。
公務員の志望動機を作るには、まず自分の体験や考えを整理します。なぜ公務員になりたいのか、過去→現在→未来の視点でまとめることで、独自の回答につながります。
結論 | 公務員になって何をしたいのか |
過去 | 興味を持ったきっかけ |
現在 | なぜこの仕事なのか |
未来 | どんな公務員になりたいか |
上記の要素を整理してから、文章へと仕上げていきましょう。志望動機の作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】【例文付き】公務員の志望動機の作り方!地元以外・民間併願は?
公務員のインターンシップについて、メリットや各インターン情報などをご紹介しました。
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