
近年、公立保育園の民営化が進み、「公務員保育士がなくなるのでは?」という不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか?
本記事では、公務員保育士の将来性や民営化の影響、そして保育士としてのキャリアの選択肢などを詳しく解説します。
保育士を目指す方や現役の保育士の方々にとって、今後のキャリアプランを考える上で役立つ情報をお届けするので、ぜひ最後までお読みください。
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公務員保育士がなくなるって本当?
公務員保育士が完全になくなるということは、現時点では考えにくいですが、確かに減少傾向にあります。
公務員保育士が減少傾向にあるのは、保育園の民営化が進んでいることが大きな要因です。民営化によって公立保育園の数が減ると、必然的に公務員保育士の需要も減少します。
ただし、公立保育園が全てなくなるわけではないため、公務員保育士の仕事が完全になくなることはないでしょう。
しかし、採用枠が縮小されることで、公務員保育士を目指す方は競争が激しくなる可能性があります。
公立保育園の民営化とは
公立保育園の民営化とは、自治体が運営していた保育園を民間事業者に移管または委託することです。
「移管」は、保育園の運営権を完全に民間に譲渡するものです。
移管の場合、公務員として働いていた保育士は他の公立施設や部署に異動となります。
一方で「委託」は、施設は自治体の所有のまま、運営のみを民間に任せるものです。
そのため、働く保育士は委託会社に雇用された職員に入れ替わり、公務員保育士は異動となります。
民営化により、運営の効率化やサービスの多様化が期待される一方で、保育の質の維持や職員の処遇に関する懸念もあります。
公立保育園の民営化が進む理由
公立保育園の民営化が進む背景には、いくつかの重要な理由があります。
- 行政の運営費の削減
- 待機児童問題の解消
- 多様化する保育ニーズへの対応
ここでは、主な3つの理由を詳しく見ていきましょう。
行政の運営費の削減
公立保育園の民営化が進む大きな理由の一つは、自治体の財政負担を軽減するためです。
多くの自治体では財源が潤沢ではなく、保育園の運営費は大きな負担となっています。
民間に運営を委ねることで、人件費や施設維持費などの経費を削減し、財政の健全化を図ることができます。
そうすると、他の福祉サービスや公共事業にも予算を回せるようになります。
待機児童問題の解消
待機児童問題の解消も、保育園の民営化を進める理由の一つです。
民間の保育園は、公立に比べて少ない経費で効率的に運営できることが多いため、同じ予算でより多くの保育園を開設できる可能性があります。
また、民間の柔軟な運営により保育サービスを拡充し、より多くの子どもを受け入れられて、待機児童の減少につながることが期待されています。
多様化する保育ニーズへの対応
近年は共働き世帯や核家族が増え、保育ニーズが多様化しているのが現状です。
早朝や夜間、休日保育など、従来の公立保育園では対応が難しかったサービスへの要望が高まっています。
民間の保育園は、このような多様なニーズに柔軟に対応できる強みがあります。
利用者のライフスタイルに合わせた保育サービスを提供することで、より多くの家庭のニーズに応えられるのです。
公立保育園の民営化で保育士の仕事はどうなる?
公立保育園が民営化されると、そこで働いていた公務員保育士の仕事にも変化が生じます。
多くの場合、他の公立保育園に異動となるでしょう。
しかし、公立保育園の数自体が減少傾向にあるため、児童福祉施設や子育て支援センターなど、保育関連の他の公的施設への異動も増えています。
また、公務員保育士の新規採用数も減少傾向にあり、競争が激しくなっています。
ただし、完全になくなることは考えにくく、規模は縮小しても公務員保育士の需要は今後も続くと予想されます。
公務員保育士以外の働き方
公立保育園の民営化や公務員保育士の減少に不安を感じる方もいるかもしれません。
また、公務員保育士は異動が一定期間ごとにあることを懸念する方もいるでしょう。
そんな方々のために、公務員保育士以外の働き方についていくつか紹介します。
保育士としてのキャリアを継続しつつ、新たな可能性を見つけられる選択肢もあります。
民間保育園の保育士になる
公立保育園ではなく、民間保育園の保育士として働くのも一つの選択肢です。
現在、多くの地域で保育士不足が深刻化しており、民間保育園では常時保育士を募集しているところも多くあります。
そのため、経験豊富な公務員保育士は歓迎されることが多いでしょう。
民間保育園では、公立よりも柔軟な保育サービスを提供できる可能性があり、新しい挑戦をしたい方にとっては魅力的かもしれません。
また、園によっては公立よりも高い給与を提示するところもあるので、条件面でメリットを感じる方もいるでしょう。
保育園以外の場所で保育士として働く
保育士の資格や経験を活かしつつ、保育園以外の場所で働くこともできます。
例えば、児童養護施設や障害児施設などの福祉施設で働くのも、選択肢の一つです。
また、子育て支援センターや児童館などで保育スタッフをしたり、ベビーシッターとして働いたりすることもできるでしょう。
このような職場では、保育園とは異なる形で子どもたちと関わることができ、新たなスキルや経験を積めます。
保育の知識を活かしつつ、より専門的な分野にチャレンジしたい方にとっては魅力的な選択肢です。
異業種に転職する
保育士としての経験を活かしつつ、全く新しい分野にチャレンジすることも可能です。
例えば、保育士から事務へ転職する方も少なくありません。
保育士の仕事で培った対人スキルや組織力は、多くの職場で重宝されます。
また、教育関連企業や玩具メーカーなど、子ども関連の業界に転職する方もいます。
さらに、自身の経験を活かしてカウンセラーとして独立し、子育てに悩む保護者のサポートをするのも選択肢の一つです。
異業種への転職は大きな決断ですが、新たな可能性を開く機会にもなります。
自身のスキルと興味を見つめ直し、キャリアの幅を広げる良いきっかけになるかもしれません。
公務員保育士のメリット・デメリット
公務員保育士は地方公務員であるため、民間の保育園で働く保育士にはないメリットがさまざまあります。
その一方で、公務員だからこそ融通が利かない面もあるでしょう。
ここでは、公務員保育士のメリットとデメリットを解説しますので、自分に合った職業を選ぶ際の参考にしてください。
メリット
公務員保育士の最大のメリットは、安定した雇用環境と給与体系です。
公務員としての身分が保障されているため、突然の解雇などのリスクが低く、長期的なキャリアプランを立てやすいです。
給与面では、年功序列的な昇給システムがあり、年齢とともに年収が上がる傾向があります。
また、福利厚生が充実しているのも大きな魅力です。
健康保険や年金制度、退職金制度が整備されているほか、育児休業や介護休暇などの各種休暇制度も充実しています。
公務員としての社会的信用も高く、仕事とプライベートを両立しやすい環境が整っているのも特徴です。
デメリット
公務員保育士のデメリットとしては、まず採用の難しさが挙げられます。
民間の保育園と違って採用試験に合格して配属されるまで待たなければならないなど、実際に働くまでの過程が長いのが特徴です。
採用枠が限られており、競争率が高いため、公務員保育士になるまでの道のりが長く厳しい場合があります。
公立保育園の民営化が進んでいるため、今後はますます競争力が激しくなるかもしれません。
また、公務員保育士として一度採用されても定期的に異動があり、ずっと同じ職場で働けるわけではありません。
公務員の異動は幅広い経験を積むためのシステムですが、慣れた環境を離れることに抵抗を感じる人もいるでしょう。
公務員という立場上、副業が制限されるなど、収入面での融通が利きにくい面もあります。
公立保育士を1年で辞めるのはアリ?
公立保育士を1年で辞めることは、決して珍しいことではありません。
民間保育園に比べると離職率は低いものの、公立保育園にも一定数の早期退職者がいます。
主な理由としては、下記が挙げられます。
- 人間関係の難しさ
- 給与への不満
- 仕事量の多さ など
1年という期間で仕事に適性がないと感じたり、他のキャリアパスを考えたりすることは、引け目に感じることではありません。
ただし、退職を考える前に上司や同僚に相談したり、異動の可能性を探ったりすることも大切です。
最終的には個人の判断ですが、慎重に検討しましょう。
まとめ
昨今の状況により、公務員保育士の仕事は減っていく可能性があります。
- 公務員保育士は完全になくなる可能性は低いが、民営化により減少傾向
- 民営化は、財政負担の軽減や多様な保育ニーズへの対応が目的
- 民営化により公務員保育士は他の公立施設への異動や採用枠の縮小がある
- 公務員保育士以外にも民間保育園や福祉施設など、多様な働き方がある
- 公務員保育士は安定した雇用や充実した福利厚生がメリット
公務員保育士を目指す方や現役の保育士の方々にとって、将来のキャリアを考えることは重要です。
公立保育園の民営化が進む中、「公務員保育士の仕事はなくなるのでは?」と不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、保育士としての経験や資格は、さまざまな場面で活かせます。
公務員保育士という選択肢だけでなく、多様な働き方があることを理解し、自分に合ったキャリアを築いていきましょう。
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また、公務員保育士になるには、まずは保育士資格を取得する必要があります。
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