国土交通省の平均年収は?初任給・給与・年齢別の年収も解説

国のインフラや交通政策を担う国土交通省。

国土交通省職員の年収や給与はどのように決まっているのでしょうか?

本記事では、初任給の目安や年齢・役職別の年収モデル、民間企業や他の公務員との年収比較などを公的データに基づいてわかりやすく解説します。

国土交通省を目指す方や、公務員の働き方に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

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国土交通省の給与・平均年収

国土交通省の職員の給与は、国が定める俸給表に則っており、安定した高い水準にあります。

ここでは、初任給から年収まで、国土交通省の給与体系について詳しく解説します。

初任給

国土交通省職員の初任給は、採用される職種や学歴によって異なります。

国土交通省が公表しているデータによると、初任給例は以下のとおりです。

区分初任給例(月額)
総合職(院卒者)26万8,920円程度
総合職(大卒程度)24万,840円程度
一般職(大卒程度)23万5,440円程度
一般職(高卒者)19万9,920円程度

※2024(令和6)年4月1日における東京都特別区採用の場合
【参照】国土交通省|採用実績/勤務条件/制度

上記に加えて、通勤手当や住居手当などが条件に応じて支給されます。

給与・平均年収

国土交通省職員の給与は、俸給(基本給)と諸手当、年2回の期末・勤勉手当(ボーナス)で構成されます。

人事院の「令和6年 国家公務員給与等実態調査報告書」によれば、国土交通省職員を含む行政職俸給表(一)適用職員の平均給与月額は約40万5,378円です。

ここから「給与月額12ヶ月分+ボーナス4.6ヶ月分」の式で試算すると、平均年収は約673万円となります。

ただし、本省勤務の場合は業務の特性や責任の度合いから、平均よりも高くなる傾向にあります。

給与・年収例

国土交通省の実際の給与および年収は、各個人の経験や役職に応じて決定・上昇していきます。

内閣官房内閣人事局や国土交通省が示す例を参考にして、具体的な数字を確認していきましょう。

▼令和6年度における国家公務員のモデル給与例

役職年齢月額年収
地方機関係員30歳255,400円4,219,000円
地方機関係長35歳291,100円4,875,000円
地方機関課長50歳418,600円6,874,000円
本府省課長補佐35歳451,880円7,568,000円
本府省課長50歳757,920円12,924,000円
本府省局長1,089,600円18,185,000円
事務次官1,429,200円23,853,000円

内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与(令和7年版)」

▼国土交通省|社会人経験者・総合職相当の場合の給与・年収例

区分経験年数・役職給与例年収例
係長級大学卒業後、民間企業勤務3年経験305,680円
大学卒業後、民間企業勤務7年経験350,380円
課長補佐級大学卒業後、民間企業勤務8年経験380,660円
大学卒業後、民間企業勤務12年経験465,440円
本省課長級約1,415万円
本省指定職級約1,815万円

※令和7年度 第1回 国土交通省選考採用試験(社会人経験者・総合職(事務系)相当・係長級及び課長補佐級)受験案内

これらのデータから、本府省の課長級以上であれば年収が1,000万円以上になることがわかります。

ただし、上記の金額はあくまで参考例です。

実際の給与や年収は、個人の経歴や能力、業務成績によって異なります。

国土交通省の年齢別の平均年収

国土交通省職員の給与は行政職俸給表(一)に基づいて支給されており、経験年数により昇給していくという特徴があります。

人事院の「令和6年 国家公務員給与等実態調査」をもとに、行政職俸給表(一)適用職員(大卒)の年齢層別の平均年収を試算すると、以下のとおりです。

年齢層平均年収
20歳未満(飛び級など)約387万円
20歳以上24歳未満約390万円
24歳以上28歳未満約432万円
28歳以上32歳未満約497万円
32歳以上36歳未満約565万円
36歳以上40歳未満約651万円
40歳以上44歳未満約732万円
44歳以上48歳未満約787万円
48歳以上52歳未満約835万円
52歳以上56歳未満約871万円
56歳以上60歳未満約880万円
60歳以上約849万円

【参考】令和6年国家公務員給与等実態調査報告書

上記の表は、あくまで目安となります。

また、このデータは一般職と総合職を合わせたものから算出されているため、総合職単独での平均年収はこれよりさらに高くなる可能性があります。

個人の能力や業務成績次第では、昇進することでさらに高い年収を目指せるでしょう。

国土交通省・その他公務員・民間企業の平均年収を比較

続いて、国土交通省とその他公務員、民間企業の平均年収を比較してみましょう。

それぞれの平均年収は、以下のとおりです。

職種平均年収
国土交通省職員(国家公務員/行政職俸給表(一)適用職員)約673万円
その他公務員(地方公務員)都道府県約646万円
政令指定都市約646万円
市町村約595万円
民間企業約460万円

※平均年収は「平均給与月額12ヶ月分+ボーナス4.6ヶ月分」で算出
【参考】令和6年国家公務員給与等実態調査
【参考】令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁

この比較表が示すように、国土交通省職員の平均年収は民間企業の平均年収を大きく上回ります。

地方公務員と比較しても遜色ない給与水準にあり、公務員全体の給与体系が高く安定したものであることがわかります。

国土交通省の福利厚生

国土交通省は、職員が安心して長く働けるよう、充実した福利厚生制度を整備しています。

主な福利厚生は以下のとおりです。

諸手当扶養手当、通勤手当、住居手当、超過勤務手当、単身赴任手当など
妊娠・出産支援深夜勤務および時間外勤務の制限妊産婦である職員の深夜や時間外の勤務が制限される
健康診査および保健指導妊産婦である職員が健康診査・ 保健指導を受ける際に、勤務しないことが認められる
業務軽減等妊産婦である職員に対して、業務の軽減や他の軽易な業務に就くことが認められる
通勤緩和妊娠中の職員は、混雑時の通勤を避けるための時差出勤などが認められる
休息または補食妊娠中の職員は、母体・胎児 の健康保持のために必要な休息や補食のための時間が適宜認められる
産前休暇産前6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から出産の日までの休暇
産後休暇出産の翌日から8週間を経過する日までの休暇
育児支援育児休業3歳未満の子を養育するための休業
育児短時間勤務未就学児を養育するため、通常より短い勤務時間で勤務することが認められる
育児時間未就学児を養育するため、1日2時間まで勤務しないことが認められる
介護支援介護休暇家族の介護を行うための休暇

このほかにも、子の看護休暇、介護時間、年次休暇(年間20日間)、特別休暇(夏期・結婚・忌引など)といった多様な休暇制度や、国土交通省共済組合への加入など、職員の働きがいと生活を支える制度があります。

安定した生活基盤と充実したワークライフバランスを両立できる点が、国土交通省の大きな魅力の一つです。

国土交通省に入るには?

国土交通省に入るまでの大まかな流れは以下のとおりです。

総合職

国土交通省で総合職として働くには、国家総合職試験に合格する必要があります。

その後は、複数回実施される採用面接、いわゆる「官庁訪問」を通じて採用内定を得る流れです。

採用内定を得た後は、有効期間内に正式な手続きを経て翌4月に国土交通省に採用となります。

一般職

「国家一般職試験(大卒程度)」の第1次試験(筆記試験)に合格した後に、第2次試験(人物試験)と同時期に官庁訪問が行われ、採用内定が決まります。

総合職と同じく、採用内定を得た後は、有効期間内に国土交通省から採用される必要があります。

船舶系技術職員

国土交通省の船舶系技術職員を目指す場合は、「船舶系技術職員(旧造船職員)採用試験」を受験します。

試験には第一次試験(筆記試験)と第二次試験(人物試験)があり、合格すれば内定となります。

官庁訪問が無いため、総合職や一般職に比べて少ないプロセスで入省することが可能です。

国土交通省職員の採用職種と仕事内容

国土交通省では、さまざまな職種で職員を募集しています。

その中でも、総合職はいわゆる「キャリア官僚」として政策の企画立案に携わり、一般職は「ノンキャリア」として政策の実行や組織運営を支える役割を担っています。

ここで、それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

総合職事務系

国土交通省の総合職(事務系)は、政策の立案や制度改正などの業務を担います。

入省後は本省で活躍するほか、他省庁への出向や国内外の大学院留学、地方・海外勤務なども経験し、知見を深めながら政策を牽引するための専門的なキャリアを形成していきます。

総合職技術系

国土交通省の総合職(技術系)は、土木、建築、機械、電気など多様な専門分野での技術的知見に基づき、政策の立案、制度やルールなどの仕組みづくり、現場での業務などを担います。

本省での勤務のほか、地方支分部局、他省庁、在外公館などにおける海外勤務まで、幅広い場所で経験を積み、国土交通行政を技術面から牽引するキャリアを築きます。

一般事務系

一般職(事務系)職員は、政策の実行と、その円滑な実施を支えるための行政事務を担います。

本省で各局の課や室に配属され、2~3年ごとの人事異動をしながらさまざまな業務を経験し、キャリアを形成していきます。

基本的に勤務地は本省が中心ですが、本人の希望を考慮した上で、全国の地方機関や自治体などで数年程度働く機会もあります。

一般技術系

一般職(技術系)職員は、土木、建築、機械、電気など多岐にわたる専門分野で、国土交通省が所管する公共事業の現場を支えます。

北海道開発局や全国の地方整備局、各地方運輸局などの地方支分部局単位で募集が行なわれており、基本的には採用された部局内で異動を繰り返します。

具体的な業務は、北海道開発局や各地方整備局であればインフラ施設の調査・計画、設計、施工、維持管理など、各地方運輸局の自動車技術採用であれば自動車の検査や整備事業の指導監督などです。

ただし、各地方運輸局の鉄道技術採用の場合は、本省鉄道局と本局を行き来する形での異動が基本となり、技術基準などの制度設計、技術的審査、完成検査、保安監査などに携わることとなります。

船舶系技術職

船舶系技術職は、国土交通省の本省や地方運輸局、外務省の在外公館などに勤務し、船舶行政を担います。

船舶検査官、船舶測度官、外国船舶監督官として、船舶と海の安全確保にも貢献しています。

国土交通省に求める人材像

国土交通省が求める人材は、日本の社会基盤を支え、より良い未来を築こうとする強い志を持った人とされています。

具体的には、ローカルからグローバルまで幅広い分野への深い興味を持ち、高いプロ意識を持って現場と向き合う姿勢が重視されます。

国土交通省では人物重視の選考を行っています。

これまでの知識や経験に加え、課題解決への意欲、自身の長所などをしっかりアピールできるよう、人物試験や官庁訪問の対策を入念にしましょう。

国土交通省職員のキャリアパス

国土交通省では、職員一人ひとりが専門性を深め、多様な経験を積んでいけるよう、明確なキャリアパスが用意されています。

国土交通省が示すキャリアパス例の内容は以下のとおりです。

総合職事務系

▼入省後

まずは本省の係員として配属され、社会人としてのイロハを学びながら、政策立案の基礎を習得します。

▼3~6年目

係長として係員を指導しながら、より重要な業務を担うようになり、他省庁への出向や国内外の大学院留学も経験します。

▼7~15年目

本省においては課長補佐クラスとなり、政策形成の中心的な役割を果たすようになります。

地方支分部局では課長として活躍し、地方機関に赴任したり、他省庁や海外へ出向する場合もあります。

▼16年目以降

管理職として省内外の調整を指揮し、国土交通行政を牽引する幹部としての道を歩みます。

地方支分部局の部長や地方自治体の管理職として、地方や海外に赴任したり、他省庁へ出向する機会もあります。

総合職技術系

▼入省後

地方支分部局や地方公共団体にて、政策立案や予算・法令・税制事務などといった幅広い業務を経験します。

▼3~6年目

係長や主査として、よりオリジナリティのある政策の立案に携わり、海外留学の機会も得られるようになります。

▼7~19年目

課長補佐、専門官として政策の企画・立案の中心的存在を担うようになります。

地方支分部局で課長や所長を務めたり、地方公共団体や在外公館や国際機関へ出向したりする機会もあります。

▼20年目以降

課長、室長、企画官などへと昇進し、技術的専門性とマネジメント能力を兼ね備えた管理職として、より責任のある業務を担当します。

本人の能力や業務成績次第では、本省や他省庁、在外公館や国際機関など、国内外のさまざまなフィールドで活躍できるようになるでしょう。

一般職事務系

本省に係員として配属され、概ね2年で異動を繰り返しながら、幅広い経験を積みます。

一般的に30歳前後で係長に昇進し、より責任のある業務を任されるようになります。

本人の努力次第で、専門官、課長補佐、課長、室長とステップアップしていきます。

まとめ

この記事では、国土交通省職員の給与や年収のほか、仕事内容や採用の流れ、福利厚生、キャリアパスなどについて幅広く解説しました。

  • 国土交通省の職員には、国が定める俸給表に基づき給与が支給される
  • 本省の課長級以上では年収1,000万円を超えるケースもある
  • 国土交通省では各種手当や福利厚生が充実している
  • 国土交通省の選考は人物重視で行われる
  • 多様な業務経験を積みながら着実に昇進していくキャリアパスが用意されている

国土交通省は、日本全国のインフラを支えるやりがいのある仕事ができるだけでなく、安定した給与や手厚い福利厚生、明確なキャリアパスがあることも魅力です。

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