公務員の副業は、小規模農業など内容によっては認められるものもありますが、原則禁止されています。
なぜ禁止かというと、公務員は国家・国民・市民のために働く「奉仕者」としての使命があり、職務に対する責任があるからです。
よって、「国会公務員法」「地方公務員法」で営利目的で私企業に勤めて報酬を得ることを禁止されています。
公務員の副業禁止については、こちらの記事で解説しています。
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このように収入を増やすための副業はできませんが、投資での資産形成は可能です。
公務員ができる投資・資産形成について、次のような方法があります。
1つずつ見ていきましょう。
投資にはいくつも種類があり、少額からできる、短い時間でできる、インフレに強い、などそれぞれメリットが異なります。
元本保証型でない場合は損失を抱える可能性もあるので、自分に合った投資方法を見つけてください。
▼投資信託とは
投資信託は、複数の投資家から広く集めたお金をまとめて、資産運用の専門家が投資・運用する商品です。
運用で生まれた利益が投資家に還元されます。
株式、債券、不動産などを組み合わせたパッケージ商品で、安全性重視のものや、収益性重視のものまで、さまざまな種類があります。
主な運用手法としては、日経平均株価など特定の指標に連動した成果を目指す「インデックス型(パッシブ型)」と、市場の平均を上回る成果を目指す「アクティブ型」の2つがあります。
▼投資信託のメリット
▼投資信託のデメリット
▼株式投資とは
「投資」と聞くと、株式投資を真っ先に思い浮かべる人も多いでしょう。
株式投資では、口座を開設した証券会社を介して、証券市場(証券取引所など)に株式の注文を出して売買します。
その会社の成長によって運用成果を得ることができます。
また、株式を所有すると株主総会への出席が可能になり、企業の経営に参加できます。
▼株式投資のメリット
▼株式投資のデメリット
▼不動産投資とは
不動産投資は、マンション、アパート、戸建てなどの不動産を購入し、家賃収入や売買で利益を得る方法です。
この記事では家賃収入を得る不動産投資について解説します。
公務員が副業とみなされずに不動産投資をするための条件は次の3つです。
1点目と2点目は、この基準を超えると営利活動と見なされてしまいます。3点目は本業に支障が出ないための項目です。
▼不動産投資のメリット
▼不動産投資のデメリット
▼債券投資とは
債券とは、国、地方自治体、会社などが発行する借用証書のようなものです。
債券に投資すると定期的に利子を受け取ることができ、満期を迎えると額面金額を受け取れます。
一般的に発行元が国であれば安全性は高くなりますが、財政状況の悪化で払い戻しが受けられないリスクもあるため、格付け会社が評価した債券の信用度を確認するのが大切です。
▼債券投資のメリット
▼債券投資のデメリット
▼iDeCoとは
確定拠出年金法に基づいて実施されている任意加入の私的年金制度で、公務員も加入できます。
自分で掛金の額を決め、投資信託、保険、預金などさまざまな商品の中から好きなものを選んで運用します。
公務員の掛金の限度額は月1万2,000円(年額14万4,000円)ですが、2024年12月からは月2万円まで上がります。
▼iDeCoのメリット
▼iDeCoのデメリット
▼仮想通貨(暗号資産)とは
仮想通貨(暗号資産)はビットコインなどに代表される仮想通貨(暗号資産)は、インターネット上でやりとりされる、通貨のような機能を持つ電子データです。交換所や取引所と呼ばれる暗号資産交換業者から入手・換金できます。
仮想通貨は、従来の法定通貨とは違って政府や中央銀行のような管理者がいません。代わりに、改ざんが非常に困難なブロックチェーンという技術を用いて取引履歴を記録・管理しています。
株式などと同様に値動きがあり、売買の差額で利益を得られます。
▼仮想通貨(暗号資産)のメリット
▼仮想通貨(暗号資産)のデメリット
▼FXとは
FXは「Foreign Exchange(=外国為替)」の略で、「外国為替証拠金取引」です。日本円と米ドルなど、通貨を売買した時の差額で利益を得ます。
1ドル100円の時に米ドルを買って、110円の時に売れば10円の利益、90円の時に売れば10円の損失です。
外貨預金と違い、証拠金として預けたお金の何倍もの金額が取引できるレバレッジ(=てこの原理)効果が特徴です。
▼FXのメリット
▼FXのデメリット
ここまで公務員にもできる投資の種類についてご紹介しましたが、投資をするうえでいくつか注意点があります。
まず、公務員に限らずですが、利益が出た場合は確定申告が必要になる可能性があります。
また、投資をするうえで、公務員だからこそ一層気をつけたいこととしては、禁止事項である勤務時間中の投資とインサイダー取引があります。
投資で得た利益など給与以外の所得が20万円を超えると、確定申告をする必要が出てきます。
例えば、株式やFXなどの投資で、100万円で購入して150万円で売却した場合、利益が50万円になり確定申告が必要です。
ただし、源泉徴収ありの「特別口座」で投資をしている場合は、その口座から税金が徴収されるため確定申告は不要です。
不動産による家賃収入の場合は、固定資産税や修繕費など各種経費を引いた金額が20万円を超えると確定申告が必要ですが、他の投資よりも多様な経費が認められるのが特徴です。
公務員としての勤務時間中に投資をしてはいけません。
国家公務員も地方公務員も、法律で職務に専念する義務が定められています。
勤務時間や職務上の注意力のすべてを、職責遂行のために用いなければならないとされていて、関係ないことをすると職務専念義務違反となり、懲戒を受ける可能性があります。
実際に、勤務中に株式やFXの取引を繰り返した職員が停職や減給などの懲戒処分を受けています。勤務に影響が出る投資は避けましょう。
投資するうえで、インサイダー取引にならないよう注意が必要です。
インサイダー取引とは、会社の関係者が、仕事で知り得た未公表の会社情報を利用して、株式を売買して利益を得ようとする行為です。
情報を知らない一般投資者が不利な立場で取引することになってしまうため、金融商品取引法で禁止されています。
公務員は関係企業の未発表情報を得やすい立場なので、故意の取引は当然のこと、疑われないよう、業務と関係のある業界への投資は避けるなどの対策が必須です。
ここまで、公務員ができる各種の投資についてご紹介してきました。最後に、公務員の収入に関するよくある質問を2つ取り上げます。
人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、国家公務員の行政職俸給(一)適用職員(一般行政事務職員など)の平均給与月額は40万4,015円です。
これをもとに試算すると、全体の平均年収は約663万円となります。
総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査」によると、全国(すべての地方公共団体)の地方公務員(一般行政職)の平均給与月額は40万1,372円です。
これをもとに試算すると、平均年収は約638万円となります。
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公務員の給与は、給料+手当で構成されています。
国家公務員の場合は人事院勧告に基づいて、地方公務員の場合は国家公務員の仕組みをベースにそれぞれの自治体で定められています。
給料は、役職に応じた「級」と、勤務継続年数に応じた「号棒(国家公務員)」「号給(地方公務員)」の組み合わせで決まります。
多くの自治体では年に1回、4号ずつの昇給が基本とされています。役職が上がると、級も上昇します。
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今回は、公務員ができる投資について、種類や注意点をご紹介しました。
2024年から新NISA制度が始まったり、iDeCoの掛金の上限が引き上げられたりと、投資のチャンスも増える傾向にあります。公務員は副業ができないからこそ、自分に合った投資方法を取り入れてコツコツ資産を増やしていきましょう。