「公務員=安定」というイメージから公務員を志望する人も少なくありません。
そもそも公務員は、なぜ安定した仕事と言われるのでしょうか?
また、公務員の将来性やこれからの公務員に求められるものとは?
この記事では、公務員の安定に関して解説していきます。
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公務員が「安定した仕事」である5つの理由
公務員について「安定している、長く働ける」というイメージを持つ人が多いですが、実際に公務員の離職率は民間企業より低くなっています。
民間企業の一般労働者の離職率が毎年10%前後であるのに対し、地方公務員の離職率は各職種で1%前後です。
国家公務員の場合は地方公務員より高いですが、それでも2%と非常に低い数値です。
民間では大卒の場合、就職後3年以内に3割がやめると言われますが、公務員の場合は微増傾向にあるものの地方公務員で20代の離職率は2〜3%、国家公務員で3%未満です。
では離職率が低い理由、つまり安定して働ける理由には次のようなものがあります。
- 収入の安定
- 福利厚生の充実
- 両立しやすい
- 社会的信用がある
- 職を失うリスクが低い
1つずつ見ていきましょう。
収入が安定しているから
公務員の給料は法律や自治体の条例で定められていて、安定しています。
勤務年数が長くなるにつれて、確実に昇給していきます。
本来は公務員の給料は民間企業の平均賃金に合わせるようになっていますが、統計調査などによると、実際には手当なども含めると公務員の方が民間企業の正社員の平均よりも高収入となっています。
不祥事などを起こさない限り、基本的に減給などはありません。
まじめにコツコツ仕事をして長く勤めれば、月給やボーナスの上昇が見込めるので、長く勤めるモチベーションにつながります。
金銭的な見通しが立てやすく、人生設計がしやすいのもメリットです。
【あわせて読みたい】公務員の年収・初任給・ボーナスは?年齢や勤務先による違いも解説
福利厚生が充実しているから
公務員は、福利厚生が充実しているのが魅力です。
地域手当などの諸手当、有給の各種休暇、医療保険や年金、祝金などがあります。
民間企業の場合、有給休暇の取得権利は持っていても、簡単に取得できない現実もまだまだ残っています。
それに対して、公務員は有給休暇の取得がしやすく、幅広い年齢層で取得されている傾向で、通常の年次休暇のほか、原則90日以内で取得できる病気休暇などの有給休暇が充実しています。
【あわせて読みたい】公務員の主な福利厚生一覧!手当・休暇・割引などで私生活が充実
ライフステージが変化しても両立しやすいから
仕事をし始めた後、結婚・子育て・介護などライフステージの変化が起こり、それまでと同じ働き方を続けることが難しくなる可能性も大いにあります。
そんな時、ライフスタイルの変化に対応し、仕事と両立するための制度が充実しているのが公務員の利点です。
育児休業や介護休暇などのまとまった休みが取得可能で、復帰後もフレックス・時短勤務・超過勤務の免除や、看護休暇などの有給休暇があり、両立を支援する仕組みが整備されています。
このほか、海外勤務になる配偶者に同行できる休業制度や、自己啓発の休業制度などもあります。
【あわせて読みたい】公務員の育休中の給料(手当)・ボーナスは?男性の育休取得率は?
【あわせて読みたい】公務員の休職、給料はどうなる?さまざまな休職のケースを解説(近日公開)
社会的信用があるから
社会的信用がある、というのも公務員のメリットです。
国や自治体から身分を保障されていることが、社会的な信用度の高さにつながっています。
クレジットカードや住宅ローンを申し込むときは、支払い能力がないと判断されると審査が通らず利用できません。
仮に収入が高くても、自営業や小さい会社に勤めている場合は支払い能力の安定性・継続性を証明するのに苦労することがあります。
その点公務員は、収入がこの先も安定していると見なされ、契約や借入などの審査が通りやすい傾向にあるようです。
職を失うリスクが低い
公務員は、職を失うリスクが低い、つまりリストラや倒産の心配があまりないというのも特徴です。
もちろん公務員にも懲戒処分があり、犯罪や不祥事などを起こすと免職処分になる場合もあります。
ただし、民間企業勤務の場合は自身に業務上の問題がなかったとしても、業績悪化による事業の縮小で所属部門が丸ごとなくなって解雇されてしまう、または会社そのものがなくなってしまい失職、という恐れがあります。
公務員の場合は勤務先が国や自治体なので、ある日いきなりなくなる、という心配はあまりする必要がありません。
【あわせて読みたい】地方公務員・国家公務員の離職率は?民間企業との違い
公務員はこの先も安定?将来性は?
公務員が安定した仕事である5つの理由をご紹介しました。
では今後もその安定は続くのでしょうか?ここからは公務員の将来性について見ていきます。
公務員の将来性の不安要素とは?
基本的に安定している公務員ですが、将来性に関して不安要素がないわけではありません。
まず、今後少子高齢化の影響は避けられないので、自治体によっては人口が減少して税収が減り、人員削減につながる可能性があります。
その場合一人ひとりが担当する業務量の増加が予想されますが、財源がなければ給料は増えません。
加えて人手不足で休みが取りにくくなるなど、働きやすさの魅力が薄れてしまいます。
ただし、少子高齢化の影響は公務員だけでなく社会全体に及ぶため、民間企業で働く場合も同様の不安要素があるといえるでしょう。
また、公務員は民間企業のように倒産して職を失うことはほぼありませんが、北海道夕張市のように財政破綻した自治体が給料を大幅にカットした事例はあります。
これまで「公務員=安定」のイメージにつながっていた環境が、今後も同じように続くかどうかはわかりません。
これからの公務員には何が求められる?
世の中がどんどん変化している時代、これからの公務員にはどんな力が求められるのでしょうか?例えば次のようなものが挙げられます。
▼DX推進
各機関や各自治体が、デジタル・トランスフォーメーション(DX)分野の人材育成に力を入れていて、試験区分にDX枠を設けるところも増えています。
行政手続きのオンライン化で利便性を高めたり、人材不足を業務効率化で補ったりと、DX化の重要度が高まっています。
▼聞く力
技術の急速な発展に伴い、「AIで何でもできる」というイメージも広がっていますが、AIは大量のデータ処理や分析などは得意でも、「相手の気持ちを考える」「真意を探る」ことは苦手です。
国民や住民の声を聞いて、求められていることや問題解決策を考える力がますます必要になってきます。
▼従来の枠を超えた多様な経験・スキル
多様で優秀な人材を広く確保するため、近年多くの自治体で民間企業の経験者などの採用を強化しています。
公的機関とは別の場所で経験・専門性を高め、その力を行政課題解決のために役立てたいという方は歓迎されるでしょう。
【Q&A】公務員試験のよくある質問
最後に、公務員試験のよくある質問を2つ取り上げます。
公務員の年間休日は?
公務員の年間休日は、土日、祝日、夏季休暇、年末年始を合わせて125日程度です。
厚生労働省の調査によると民間企業の年間休日の平均は115日前後のため、公務員の方が10日ほど多くなっています。
また、民間では有給休暇が付与されるまで勤続半年以上の条件がありますが、公務員は勤務開始後すぐに年次休暇という有給休暇が与えられ、有給休暇の取得率も民間より高いのが特徴です。
加えて各種特別休暇や病気休暇などもあり、制度が充実しています。
【あわせて読みたい】公務員の年間休日は125日程度!有給・夏季休暇の日数は?
公務員の志望動機の作り方は?
「安定しているから」というイメージで公務員を目指す場合に、困るのが志望動機。
フレームワークを使うと説得力のある志望動機を作ることができます。
1.結論:公務員になって何をしたいのか
2.過去:なぜこの仕事をしたいと思ったのか(自分の体験・エピソードを交えて語る)
3.現在:なぜ他ではなくこの自治体なのか、ここでしか実現できない魅力は
4.未来:仕事を通して何を実現したいのか、どんな公務員になりたいか
また、説明会参加や現地訪問での情報収集もおすすめです。
公務員の志望動機の作り方は、こちらのページで詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】【例文付き】公務員の志望動機の作り方!地元以外・民間併願は?
まとめ
この記事では、「公務員=安定した仕事」といわれる理由をご紹介しました。
- 公務員は民間に比べて離職率が低い
- 安定の理由は「収入安定」「福利厚生充実」「両立しやすい」「社会的信用」「失職しにくい」の5つ
- これからを生き残るのは「DX推進力がある」「聞く力がある」「従来の枠に収まらない」公務員
安定して長く働きたい人には、収入や制度面でメリットが多い公務員はおすすめの仕事です。
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