地方公務員初級とは?試験の年齢制限や難易度、勉強法

地方公務員を目指す方にとって、初級試験は重要なキャリアパスの一つです。

高校卒業程度の学力を基準とした採用区分であり、将来性のある安定した職業への入口となります。

この記事では初級試験の概要から具体的な勉強法まで、合格に向けた実践的なポイントをご紹介します。

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地方公務員初級とは?

地方公務員初級とは、高校卒業程度の学力を目安にした採用枠のことです。

自治体によって「Ⅲ種」「3類」「高卒程度」などと区分表記が異なります。

受験を希望する自治体がどんな名称で募集しているか確認しておきましょう。

試験は9月末に実施されるのが一般的で、7〜8月にかけて申し込み受付が始まります。

初級と中級・上級の違い

地方公務員試験の採用枠は大きく「上級」「中級」「初級」に分かれていますが、違いは受験時の学力の目安です。

上級は大卒程度、中級は短大卒程度といった枠で区分されています。

自治体側が制限していなければ、大卒の人でも初級を受験できます。

ただし、年齢制限が設けられている自治体もあります。

受験する自治体の要綱に目を通して、受験できるかどうかを確認しましょう。

地方公務員初級の年齢制限は何歳まで?

地方公務員初級の試験を受験できるのは、ほとんどの自治体で受験年の4月1日時点で17〜21歳の人です。

2024年度の横浜市の場合は、2003年4月2日〜2007年4月1日に生まれた人が対象となっています。

まれに年齢上限が高い自治体もあります。

ただし、大学を卒業した人、もしくは卒業見込みの人を対象外とする自治体もあるので、詳しくは募集要項の確認が必要です。

地方公務員初級の仕事内容

地方公務員初級には自治体職員や消防官、警察官などさまざまな仕事があります。

自治体の行政職の仕事は、一般事務や福祉事務、窓口業務などから始まることが多いです。

例えば、戸籍謄本や住民票などの申請に伴う窓口対応や、書類管理などが挙げられます。

2~3年程度で部署異動し、多種多様な分野の業務に携わります。

技術職の場合は、それぞれの部署で設備の設計・管理などにあたります。

警察官は採用後、警察学校に入校します。

卒業後は警察署に配属され、交番に勤務するのが一般的です。

消防士も同様に消防学校に通い、その後消防隊に配属され、消火活動などに従事します。

地方公務員初級の初任給・給料

2023年4月1日現在の横浜市職員初級・一般行政職の初任給と、経験年数別の給料を紹介します。

まず、初任給は15万3,800円でした。

民間を含む初任給の全国平均が18万円程度とされる中、やや少なめとなっています。

次に経験年数別の平均給料月額は、以下の通りです。

経験年数平均給料月額
10年22万7,210円
20年31万7,733円
25年36万615円
30年38万5,721円

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、2023年度の高卒者の平均月収は35〜39歳で約27万6,000円です。

初任給は少なめですが、年齢とともに給料が上がっていくのが公務員初級の特徴です。

地方公務員初級の試験について

ここからは地方公務員初級の試験について詳しく解説していきます。

公務員初級の試験は、前述の通り、高校卒業程度の知識が問われます。

試験内容や倍率、必要な勉強時間を紹介しますので、受験を考えている方は参考にしてください。

試験内容

公務員初級の試験は一般的に、筆記試験と面接で構成されます。

1次試験では教養科目と、技術職を対象にした専門科目があります。

教養科目は範囲が非常に幅広いのが特徴です。

以下は、2024年度の横浜市の出題範囲です。

  • 一般知識:国語、社会、英語、数学、理科、一般事情など
  • 一般知能:文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈など

自治体によっては、技術職の教養試験がない場合もあります。

例題をホームページに掲載しているところもありますので、試験対策を始める際は確認しましょう。

2次試験では、面接を実施するのが一般的です。

個別面接のほか、集団討論を実施するところもあります。

個別面接が2回実施される自治体もあり、内容はさまざまです。

なお、多くの自治体が1次もしくは2次で作文も課しています。

難易度・倍率

地方公務員初級の難易度は自治体によって異なるため、断言することは難しいです。

ただし、内容は高卒レベルなので、試験問題自体の難易度は低いと言えそうです。

しかし、地方公務員初級の行政職は人気が高く、少ない採用枠に対して応募者が多いため、以下のように各地で倍率が比較的高い傾向にあります。

▼令和6年度の地方公務員初級(行政職)の倍率

自治体倍率
神奈川県(行政)4.5
埼玉県(一般事務)5.1
大阪府(行政)2.6
横浜市(事務)6.3
さいたま市(行政事務)14.4
福岡県(行政)3.4

地方公務員初級の試験合格に必要な勉強時間

公務員試験の合格に必要な勉強時間は「1,000時間」と言われています。

公務員試験とひとくくりに言っても、試験区分によって出題科目が異なります。

地方公務員初級の場合は、少なくとも300〜800時間は勉強時間を確保した方が良いでしょう。

学力もそれぞれなので、あくまでも目安として考えてください。

公務員試験の勉強は1年前を目安にスタートする人が多いようです。

基礎学力や学習レベルに応じて、余裕を持ったスケジュールで勉強を進めましょう。

地方公務員初級の勉強法

ここでは、地方公務員初級に合格するための勉強法を紹介します。

膨大な出題範囲を学習するためには、計画を立てて進めることが大切です。

「数的処理」「文章理解」といった重要科目の学習や、過去問の活用法と合わせて解説します。

試験日から逆算して学習計画を立てる

確実に合格するには、試験日から逆算して学習計画を立てることが大切です。

不合格になる人は、勉強時間が足りていないことが多いです。

公務員試験の合格者の多くは、1日の学習時間を決めています。

必要な勉強時間を可視化することで、目標が明確になり、モチベーションを保つことができるのです。

試験の1年前を目安に勉強をスタートさせ、試験の5カ月前までに全体の学習を終えると良いでしょう。

残りの期間は精度を上げるための時間に充てます。

重要科目を重点的に勉強する

公務員試験は、数的処理と文章理解の出題数が多いので、最優先で対策する必要があります。

数的処理では、中学受験レベルの算数の知識が問われるので、解法パターンを身につけておきましょう。

文章理解は、センター試験・共通テストレベルの現代文と英文が出題されるので、単語力を上げることが重要です。

一方、問題数が少なく重要度の低い科目も、出題数の多い科目で失点した際に補う役割を果たします。

全体を意識して、広く浅く学習すると良いでしょう。

過去問演習でアウトプットをする

過去問を繰り返し演習することが、知識のアウトプットに欠かせません。

多くは、自治体のホームページで入手できるので活用しましょう。

過去問を演習することで出題傾向を分析し、問い方の定番を押さえるのがポイントです。

また、選択問題で正しい選択肢だけに着目するのではなく、誤りの選択肢は「どの部分が誤りなのか」を意識して学習してください。

試験の4〜5カ月前には、過去問を徹底的に解くのがおすすめです。

できなかった問題だけに特化して解き直し、応用力をつけましょう。

面接対策も忘れずに行う

近年、面接試験を重視する傾向にあるので、忘れずに対策しましょう。

想定する質問をいくつかピックアップし、簡潔かつ理論立てて答えられるように練習してください。

また、具体的な体験・エピソードを伝えることで、公務員として求めるスキル・能力に合っているかが評価されます。

短時間で説得力のある解答ができるように、模擬練習をしましょう。

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一人一人に合った個別指導を受けられるので、面接に不安がある方はぜひご活用ください。

まとめ

今回は地方公務員試験初級の仕事内容や、試験対策について紹介しました。

  • 公務員初級とは高校卒業レベルの知識が必要な採用枠のこと
  • 採用後の職務は、行政職は窓口業務、技術職は施設の管理など
  • 難易度は一概には言えないが、行政職の倍率は高め
  • 重要科目の学習を優先しつつ、過去問の演習が合格のカギ

合格に向けては、高校卒業レベルの膨大な出題範囲の筆記試験対策と、面接対策が必要となります。

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