国家公務員一般職の採用試験対策!試験内容や試験日、難易度は?

国家公務員一般職は、各省庁の現場で実務を担う職種であり、安定した雇用や社会的信頼の高さから多くの人に人気があります。

仕事内容や待遇に魅力がある一方、試験にはしっかりとした対策が必要です。

この記事では、国家一般職の概要や採用試験の流れ、試験概要、合格のポイントをわかりやすく解説します。

これから受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

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国家一般職とは?

国家一般職とは、中央省庁や地方の出先機関で、主に事務処理などの定型的な業務に従事する国家公務員です。

役割としては、政策を企画・立案する国家総合職(いわゆるキャリア官僚)を現場で支え、政策の実行や運用を担います。

職種は大きく「行政系」と「技術系」に分かれ、それぞれの専門分野に応じた実務に携わります。

総合職がいわゆるキャリア官僚として国の中枢で活躍するのに対し、一般職は中堅幹部候補生として、国民生活に密着した現場業務を担う立場です。

安定した環境で社会に貢献したい人や、地元で長く働きたい人にとって、国家一般職は魅力的な選択肢といえるでしょう。

国家公務員一般職の採用試験の流れ

国家公務員一般職の採用試験は、1次(筆記)、2次(人物)と段階を経て実施されます。

最終合格すると「最終合格者名簿」に記載されますが、それだけでは公務員として採用されません。

1次試験後に行われる官庁訪問(業務説明会や面接など)に参加し、志望する省庁から内々定・内定を得る必要があります。

大まかな流れは、以下の表のとおりです。

1次試験(筆記)6月
1次試験合格発表6月下旬~7月上旬
官庁訪問7月
2次試験(人物)7月
最終合格発表8月
採用内定10月

1次試験合格後はすぐに官庁訪問と2次試験が始まるため、スケジュールに余裕を持って対策を進めておくと良いでしょう。

国家公務員一般職の試験概要

国家公務員一般職試験は、日本の行政を現場で支え、政策の実行・運用を担う重要な人材を採用するためのものです。

2025年度春試験からは、専門試験を課さない「教養区分」が新たに設けられ、より多くの人が挑戦しやすくなりました。

ここからは、具体的な試験日程、区分・科目、受験資格、採用者数といった情報をご紹介します。

試験日程

2025年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)の日程は以下の通りです。

申込期間2月20日(木)~3月24日(月)
1次試験日6月1日(日)
1次試験合格発表6月25日(水)
(官庁訪問)7月2日(水)より開始
※事前予約は6月25日より開始
2次試験日7月9日(水)~7月25日(金)
最終合格発表8月12日(火)

前述の通り、一次試験合格発表直後から、各府省庁への官庁訪問も始まります。

試験の最終合格とはあくまで採用候補者名簿に記載されることであり、官庁訪問なしには採用されませんので充分注意しましょう。

試験区分・試験科目

国家公務員一般職試験(大卒程度)には、大きく分けて以下の3つがあります。

  • 行政区分
  • 教養区分
  • その他の区分(技術職)

それぞれの試験科目は以下の通りです。

▼行政区分

試験試験種目問題数
解答時間
内容




第1次試験
基礎能力試験
(多肢選択式)
30題
1時間50分
<知能分野24題>
文章理解⑩、判断推理⑦、数的処理④、資料解釈③
<知識分野6題>
自然・人文・社会に関する時事、情報⑥
専門試験
(多肢選択式)
40題
3時間
受験する各試験区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
一般論文試験1題
1時間
文章による表現力、課題への理解力などを測る筆記試験
第2次試験人物試験人柄や対人的能力などについての個別面接

▼教養区分

試験試験種目問題数
解答時間
内容




第1次試験
基礎能力試験
(多肢選択式)
30題
1時間50分
<知能分野24題>
文章理解⑩、判断推理⑦、数的処理④、資料解釈③
<知識分野6題>
自然・人文・社会に関する時事、情報⑥
課題対応能力試験
(多肢選択式)
120題
15分
早く正確に課題を解く能力を測る筆記試験(置換・照合・計算・分類などの問題を番号順にできるだけ多く解答)
一般教養論文試験1題
1時間20分
文章による表現力、一般的な教養を土台とした判断力・思考力などを測る筆記試験
第2次試験人物試験人柄や対人的能力などについての個別面接

▼その他の区分(技術職)

試験試験種目問題数
解答時間
内容









第1次試験
基礎能力試験
(多肢選択式)
30題
1時間50分
<知能分野24題>
文章理解⑩、判断推理⑦、数的処理④、資料解釈③
<知識分野6題>
自然・人文・社会に関する時事、情報⑥
専門試験
(多肢選択式)
【建築区分】
33題2時間
受験する各試験区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
【建築以外の区分】
40題3時間
専門試験
(記述式)
【建築区分】
1題2時間
受験する各試験区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
【建築以外の区分】
1題1時間
第2次試験人物試験人柄や対人的能力などについての個別面接

受験資格

国家公務員一般職試験(大卒程度)の受験資格は、主に年齢によって定められています。

受験年度によって年齢要件は変動する可能性がありますが、一般的には試験実施年度の4月1日時点で21歳から29歳(教養区分は20歳から29歳)の日本国籍を有する方が対象です。

ただし、学歴等による例外規定がある場合もありますので、詳細については必ず受験する年度の最新の試験案内を確認してください。

採用者数

国家公務員一般職の採用は、官庁訪問を通して各府省庁が独自に行います。

そのため、各府省庁がそれぞれ何名程度採用するのかを確認することが重要です。

採用数は年度によって変動しますが、参考として令和6年度(2024年度)の実際の採用者数を一部ご紹介します。

令和6年度(2024年度)における各府省庁の採用者数(一般職大卒程度・一部抜粋)

府省庁採用者数
総務省126人
法務省531人
外務省8人
財務省261人
文部科学省22人

上記の通り、比較的多くの人数を採用する府省庁もあれば、数名程度の採用となる府省庁もあります。

また、年度によっても採用数は変動しますので、最新の採用予定数については志望する府省庁の採用情報をご確認ください。

【参考】令和6年度(2024年度)府省別国家公務員採用試験採用者

国家公務員一般職採用試験の難易度

国家一般職の採用試験の難易度は、やや高いといえます。

ただし、個人の能力や受験年度の試験問題などにより難易度は変動するため、あくまでも参考程度にしてください。

参考までに、国家公務員一般職採用試験(大卒程度)・行政区分の倍率を見てみましょう。

年度倍率
2024年度3.4倍
2023年度3.4倍
2022年度3.9倍
2021年度4.1倍
2020年度5.1倍

また、国家一般職は総合職と比較して試験の難易度がやや低めに設定されており、学歴レベルは「高卒から大卒程度」が目安です。

これに対して総合職は「大卒から大学院卒程度」の難易度となっており、試験科目も政策討議や論文など、より高度な内容が含まれます。

そのため、国家公務員としての安定したキャリアを目指しつつ、比較的挑戦しやすい試験に取り組みたい方には、一般職は良い選択肢といえるでしょう。

国家公務員一般職採用試験に合格するポイント

国家公務員一般職試験の合格を勝ち取るためには、以下のような戦略的かつ継続的な学習が不可欠です。

  • 試験対策は計画的に進める
  • 出題数の多い科目から学習を始める
  • 過去問演習を重点的に行う

試験範囲が非常に広いため、合格に必要な要素を理解して効率的に学習に取り組むことが成功へのカギとなります。

ここでは、試験突破に向けた学習のポイントをご紹介します。

試験対策は計画的に進める

試験対策はなんとなく取り組むのではなく、計画的に進めることが大切です。

勉強を始める前に、まずは自身が受ける区分の試験日程や科目、配点などを確認し、合格に必要な勉強時間を見積もりましょう。

一般的には、公務員試験合格には約1,000時間の学習が必要と言われています。

自身の現在の学力や確保できる時間を考慮し、学習計画を立てていきます。

ここで大事なのは、無理のない現実的な計画内容にすることです。

その後は計画に沿って、日々コツコツと着実に学習していくようにしましょう。

出題数の多い科目から学習を始める

国家公務員一般職試験は出題範囲が広いため、全ての科目を網羅的に学習するのは現実的ではありません。

効率よく得点を伸ばすためには、出題数の多い科目から優先的に学習を始めるのが効果的です。

特に、基礎能力試験の文章理解や判断推理といった分野は多くの問題が出題されるため、早いうちから対策を行い、慣れておくことが合格への近道となります。

過去問演習を重点的に行う

人事院のウェブサイトでは過去問を閲覧できるため、積極的に活用して過去問演習を重点的に行ないましょう。

過去問を繰り返し解くことで、本試験でよく出題されるテーマや問題形式といったパターンを掴むことができます。

実際の試験形式に慣れることで、効率的に対策を進められるだけでなく、本番でも落ち着いて解答できるようになるでしょう。

国家公務員一般職採用試験に関してよくある質問

ここからは、国家公務員一般職採用試験に関してのよくある質問にお答えしていきます。

国家公務員一般職で受かりやすい省庁はどこ?

残念ながら特定の省庁を挙げて、「受かりやすい」と断定することはできません。

なぜなら、採用動向は毎年変化し、個人の適性や面接の結果も大きく影響するからです。

一般的には、人気の高い省庁や採用人数が少ない省庁、転勤が少ない省庁などは、競争率が高くなる傾向にあります。

希望する仕事内容や働き方と照らし合わせ、幅広い視野で検討するようにしましょう。

採用試験に合格して官庁訪問で内定を得られなかった場合は?

国家公務員一般職試験に最終合格して、官庁訪問も行ったにも関わらず、内定を得られない可能性はゼロではありません。

しかし、府省庁を選ばず幅広く官庁訪問を行えば、最終的に採用される可能性は高いでしょう。

最終合格者名簿の有効期限内であれば、翌年以降に再度官庁訪問を行うことも可能です。

まとめ

今回は、国家公務員一般職試験について解説しました。

  • 国家一般職は事務処理などの定型的な業務に従事する国家公務員
  • 一般職試験は総合職試験と比べると難易度が低い
  • 試験合格=採用ではなく、内定を得るためには「官庁訪問」が必要
  • 一般職試験には行政区分と技術区分のほか、2025年春試験から教養区分も新設された
  • 試験合格には、計画的な対策や重点を押さえた学習、過去問演習などが重要となる

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