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公務員試験「新教養試験」と「社会人基礎試験」とは?

2021年度より教養試験の実施自治体がさらに拡大

地方公共団体の教養試験の作成・提供などをおこなっている公益財団法人「日本人事試験研究センター」より、2021年度から実施の市役所などの自治体採用試験について、統一試験に加えて個別試験についても新教養試験の提供を開始するとの発表がありました。

日本人事試験研究センター提供の試験問題は、全地方公共団体(1,765団体)の88.4%の団体である1,561団体が利用していると公表しています(2020年度実績)。

新教養試験の導入は多くの市役所で順次進められていることがわかり、市役所を志望する公務員受験生は最新の情報をキャッチしておくことが重要です。

■参考:「統一試験」と「個別試験」

「統一試験」とはいわゆる市役所B日程や市役所C日程のことで、2021年度の統一試験は下記日程での実施となります。


・第1回統一試験(市役所B日程) 2021年7月11日(日)
・第2回統一試験(市役所C日程) 2021年9月19日(日)
・第3回統一試験 2021年10月17日(日)

上記の統一試験日以外の日程で試験が実施される場合「個別試験」と呼びます。

日本人事試験研究センターの公式ホームページによると、2021年4月~2022年3月の一部の日程を除くほぼ全ての土日で新教養試験の実施が可能であるとの発表がされています。
公益財団法人「日本人事試験研究センター」:2021年度問題集等提供可能な試験実施日一覧

これにより、2021年度から個別の日程で試験が実施される多くの市役所で新教養試験の導入が進むことが予想されます


| 新教養試験の概要

新教養試験には、3つのタイプがあります。
「Standard-Ⅰ・Ⅱ(標準タイプ)」「Logical-Ⅰ・Ⅱ(知能重視タイプ)」「Light(基礎力タイプ)」です。

ただし、これらの試験名の表記は各自治体の試験要項には明記されていません。
以下の表にある「対象者」「出題数」「解答時間」などの情報を元に、何の試験が出題されるのかを推定することになります。

試験名対象者出題数解答時間
Standard-Ⅰ大学卒業程度以上40題2時間
Standard-Ⅱ高校卒業程度以上40題2時間
Logical-Ⅰ大学卒業程度以上40題2時間
Logical-Ⅱ高校卒業程度以上40題2時間
Light高校卒業程度以上60題75分

Standard-Ⅰ・Ⅱ(標準タイプ)


従来の教養試験と同様の出題形式の試験

試験形式は、40題・五肢択一式・120分。以下の科目から出題されます。

知識分野(20題)時事・社会・人文・自然に関する一般知識を問う問題
知能分野(20題)文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題

時事性と関連の高い問題が多いのが特徴です。古文や哲学・文学・芸術、国語などの出題はありません。

標準タイプは旧教養試験と共通性が高い試験のため、比較的対策もとりやすいでしょう。昨年、多くの自治体が採用する試験はこの標準タイプのようです。

Standard-Ⅰは大卒程度、Standard-Ⅱは高卒程度です。

Logical-Ⅰ・Ⅱ(知能重視タイプ)


知識分野よりも知能分野の出題が多い試験

試験形式は、40題・五肢択一式・120分。以下の科目から出題されます。

知識分野(13題)時事・社会・人文に関する一般知識を問う問題
知能分野(27題)文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題

Standardに比べ、知能分野全体の出題数が増え、知識分野においては時事を重視し「自然に関する一般知識」問題の出題はありません。

知識詰め込み型の対策では対応できない点に注意が必要です。標準タイプと同じく、時事問題への理解度を重視、古文、哲学などの問題はありません。

Logical-Ⅰは大卒程度、Logical-Ⅱは高卒程度です。

Light(基礎力タイプ)


公務員試験独自の準備をしていなくても受験可能な試験

試験形式は、60題・四肢択一式・75分。基礎問題を中心に出題されます。出題分野は下記のとおりです。

  • 社会への関心と理解(24題)
  • 言語的な能力(18題)
  • 論理的な思考力(18題)

Standard、Logicalに比べ、難易度は易しくなり、社会的な常識・知識に加え、公務員として必要最低限の言語スキルと論理的思考力が試される試験です。

参考:公益財団法人 日本人事試験研究センター

新教養試験攻略のまとめ

どのタイプの試験も、従来の公務員試験の教養択一試験に準じる出題内容です。
Logical-Ⅰ・Ⅱ(知能重視タイプ)やLight(基礎力タイプ)では、知能科目(数的処理や文章理解)と時事科目に一層の重きがおかれているというイメージで、Lightでは平易な問題をスピーディーに処理する能力も重視されていると捉えることができます。

対策方法としては、まずは数的処理を中心に全分野の基本的な問題パターンや公式をまんべんなく学び、基本的な問題を素早く解き切るような学習を行うことが効果的です。
受験から離れて久しい方は、文章理解で出題されるような現代文の問題の解き方についても簡単に復習しておくことが理想的です。
また、最新時事に対してアンテナを張っていることも重視しています。日常的にニュースにキャッチアップするような姿勢についても習得しておきましょう。