公務員の定年引上げはまだ検討段階であり、正式に決まったわけではありません。
公務員の定年を2021年度から3年ごとに1歳ずつ引き上げ、2033年度には65歳とする国家公務員法の改正法案を検討しておりましたが、2019年度の通常国会で、公務員への優遇批判や国民の税金である人件費が増えてしまうことを考慮して、法案を一旦見送りとなりました。
2018年現在の国家公務員の定年は、国家公務員法第81条の2第2項で、「原則60年」と定められています。地方公務員の定年は国家公務員法に準ずる定めがあるため、現状は60歳。国家公務員法の定年規定が改正されれば、原則公務員の定年は65歳となります。
ちなみに、公営の医療施設に勤務する医師など補充困難が予想される職種については、例外として60歳以上での勤務が認められています。
公務員はもちろん、民間企業の定年は長らく「60歳」とされてきました。それが、「高齢者の雇用安定等に関する法律」の成立によって、60歳以降の人材も雇用・再雇用する動きが加速しています。現状、一般企業では社員を65歳まで雇用することが義務付けられています。
公務員の年齢引き上げは民間の流れを受けたものであり、その背景には働く世代の底上げを図って労働力を確保したい政府の狙いがあります。ただし、就業規則によって柔軟に雇用者の年齢引き上げに対応できる民間企業と異なり、公務員の定年は「国家公務員法」や「地方公務員法」といった法律によって定められるものです。今後国会での討議や法改正を積み重ねていくなかで、段階的に引き上げられるかどうかが決まります。
公務員の退職者へ支給される公的年金はすでに、平成25年度の法改正によって65歳へと引き上げられています。これでは60歳で定年退職する職員の無収入期間が発生することから、雇用と年金の接続を目的に閣議決定されたのが『国家公務員の雇用と年金の接続について』です。つまり、定年退職後、再任用された公務員職員が年金支給するまでのつなぎとします。
<再任用制度の概要>
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(出典・参考:リンク)
人事院2019年:国家公務員の再任用制度(http://www.jinji.go.jp/shougai-so-go-joho/pdf/work/sai_ninnyou_seido.pdf)
東京新聞|TOKYOWeb 2019年1月20日朝刊(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201901/CK2019012002000123.html)