【2024年最新】公務員試験の難易度を解説
近年の公務員試験は、基本的に難易度が下がっていると言えます。
受験生があまり集まっていない自治体もあり、これから公務員試験を目指す受験生にとってはチャンスが広がっています。
ただし、難易度は筆記試験だけで決まるものではありません。
筆記試験の難易度だけでは語れない部分、倍率なども含めて、スタディング 公務員講座の橋口武英講師が作った試験難易度の最新ランキングをご紹介します。
公務員試験の最新の難易度は
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【難易度1】警察官、消防官、社会人経験者(キャリア採用)、市役所
まずは難易度1として区分されるのが警察官や消防官などの公安系、社会人経験者が対象のキャリア採用、そして各市役所の試験です。
これらの試験は、筆記試験の難易度が低いというのが大きなポイントです。
ひねりがない、単純な問題が多く、解き方をきちんと覚えれば安定して得点できるという点で、受験生にとって取り組みやすい試験と言えます。
注意が必要なのが社会人経験者(キャリア)採用で、社会人として何をしてきたかという経験が重視されることから、面接の重要度が非常に高く、筆記試験が簡単だからといって油断はできません。
市役所の筆記試験は、従来の教養試験だけでなく、SPI3などの民間テストが採用される試験が増えています。
公務員試験用の対策をしなくても受けられるので、受験生が増える傾向にあり、倍率が上がって筆記試験のボーダーが高くなるケースがあるので注意が必要です。
【あわせて読みたい】市役所の公務員試験を攻略する方法!筆記・面接対策を解説(近日公開)
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【難易度2】特別区Ⅰ類、東京都Ⅰ類B
少し難易度が上がるのが、特別区Ⅰ類と、東京都Ⅰ類Bの試験です。
東京都23区の試験である特別区Ⅰ類は、地方公務員試験の標準的なレベルと言えます。
出題のテーマもあまり偏りがなく、一般的な出し方のため、「地方公務員試験を受けるなら、まず特別区Ⅰ類の問題を解けるようになる」というのが勉強を進める上での目安になるでしょう。
東京都Ⅰ類Bの試験は、過去問を少し変えただけ、というような「焼き直し」の問題が多いのが特徴です。
数年前の過去問の、数値を少し変えただけの問題が出題されたりもするので、特に数的処理などの科目は過去問をどんどんさかのぼって解いていくのが有効な対策になります。
前出の難易度1の試験は教養試験のみで受けられる試験がほとんどですが、特別区Ⅰ類(一般事務)や東京都Ⅰ類B(一般方式)の試験では、専門試験も課されるので試験対策の範囲も広がります。
ただ近年、採用数の増加に伴い倍率が低くなっていて、合格のボーダーが下がっていて狙い目と言えます。
【あわせて読みたい】東京都で働く公務員に!都庁や特別区の採用について
【難易度3】地方上級(都道府県、政令指定都市)
特別区Ⅰ類や東京都Ⅰ類Bより少し難しくなるのが、地方上級(都道府県、政令指定都市)の試験です。
筆記試験の問題でいうと、特別区Ⅰ類や東京都Ⅰ類Bの試験とそれほど変わりません。
たまに特殊な問題があるとはいえ、基本的には解きやすい問題が多くなっています。
教養試験に加えて、専門試験が課される場合が多いです。
市役所の試験と同様に、採用人数を絞っている自治体では倍率が高くなる傾向にあり、年によって倍率の変動が激しく、読みにくい点に注意が必要です。
最近では難易度1の試験と同じように、教養試験の代わりにSPI3などの民間採用テストで受験できる試験を設ける自治体が増えています。
ただ、「新方式」「特別枠」のような名称で従来方式の試験と並行して行われるケースが主流で、採用数は従来方式のほうが多いため、SPI3で受けられる新方式の方が合格しやすいというわけでもありません。
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【難易度4】国家一般職(大卒)、国家専門職、裁判所一般職(大卒)
試験の難易度が上がってくるのが、国家一般職(大卒)、国家専門職、裁判所一般職(大卒)の国家公務員試験です。
例えば数的処理の場合は、定番の問題が出ることはあまりなく、ひねりのある問題が多く出題されます。
近年は分かりやすい定番の問題も出るようになりつつはありますが、それでもすぐに解けない問題が一定数出題されることが特徴です。
なお令和6年(2024年)からは、基礎能力試験(教養択一)が変更されて問題数が減り、数的処理などの知能問題の出題比重が上がります。
加えて、国家専門職と裁判所一般職には専門記述の試験があります。
大学で勉強するような内容を文章で解答する必要があるため、知識のインプットだけでなくアウトプットの練習も必要です。
【あわせて読みたい】国家公務員試験の概要
【難易度5】国家総合職(大卒・院卒)
他の試験と比べ、段違いに難しいと言えるのが国家総合職(大卒・院卒)、いわゆるキャリア官僚の試験です。
難易度4までの試験の範囲が「広く・浅く」だったのに比べ、11区分に分かれている国家総合職の試験範囲は「狭く・深く」となっています(例:法律区分の試験であれば法律の問題がほとんど)。
このため問題の難易度が非常に高くなります。
また、数的処理の問題も、時間をかけても解けるか分からないような難しいものが出題され、まさにトップレベルの争いという試験内容です。
こちらも令和6年(2024年)から基礎能力試験(教養択一)の問題数が減り、元々高かった知能問題の出題比重がさらに高くなり8割となります。
ただ、筆記試験の難易度は非常に高いものの、他の公務員試験と同様に受験者数が減少傾向にあり、倍率は年々低下しています。
志望者数の増加に向け、民間の採用試験と受験を並行しやすいように春試験の日程が前倒しされたため、受験勉強のスタート時期も早める必要があります。
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これで合格!公務員試験の勉強法
ここからは、公務員試験の勉強法について解説します。
筆記試験は、もちろん突破しなければならない壁ですが、公務員試験では近年特に面接などの人物試験が重視される傾向にあります。
筆記試験だけでなく、配点が高い人物試験の対策もしっかり取り組みましょう。
筆記試験の勉強法
まずは筆記試験ですが、実はどんな試験でも、勉強法はほぼ同じです。
▼出題数の多い科目から始める
公務員試験は、科目数が多く出題範囲が広いため、全てカバーするのは時間的に不可能です。
教養試験であれば数的処理や文章理解など出題数が多い科目を確認して、それらを中心に始めましょう。
▼過去問をベースにした対策を
試験問題は、過去問の数値や設定を変えただけの「焼き直し」パターンが非常に多くなっています。
過去問を解きながら、よく出題されるテーマ、よく出題される形式を分析します。
▼「全体的に得点する」意識を持つ
基本的には出題数の多い科目を中心に、となりますが、他の科目も広く浅く取り組みましょう。
出題数の多い科目がうまくいかなかった時に、少しでも点数を取れる可能性を残しておくことも重要です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
【あわせて読みたい】公務員試験の王道の「勉強法」を紹介!
人物試験の対策
人物試験には、必ず実施される個別面接のほかに、集団面接や集団討論などがあります。
面接対策は、以下の3つを押さえましょう。
- 事前に提出する「面接カード」をもとに質問されることが多いため、答えやすい内容に導けるように書く
- 面接官が見るべきポイントがまとめられた面接評定票が用いられるため、評定票から逆算して面接カードに書く内容を決める
- 「志望動機」「自己PR」「学生時代に力を入れたこと」などの定番の質問から、「なぜそう考えたのか」「なぜその行動に出たのか」など深掘りされる傾向に。公務員に合っているかを見られているので、簡潔で分かりやすく、説得力ある回答が必要
評価時に重視されるポイントは、積極性、社会性、信頼感、経験学習力、自己統制力、コミュニケーション力です。
人物試験対策は、詳しくはこちらの記事で解説しています。
【あわせて読みたい】【公務員・人物試験】面接対策のポイントや回答のNG例を解説
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【Q&A】公務員試験に関するよくある質問
最後に、公務員試験に関するよくある質問を2つ取り上げます。
公務員試験の勉強時間は?
公務員試験合格に必要な勉強時間は、専門科目まで学習するとなると1,000時間と言われています。
試験の1年前から勉強を開始する場合、1カ月に83時間、1日平均2時間45分のペースとなります。
メリハリをつけるなら、平日2時間、週末5時間といったパターンも可能でしょう。
いずれにしろ、毎日まとまった勉強時間の確保が必要になりますが、試験に不合格になる人は単純に勉強時間が足りていないことが多いです。
「できるだけやる」という考えは「できない時はやらない」につながるので、毎日の勉強時間を決め、コツコツ積み上げていきましょう。
【あわせて読みたい】公務員試験の勉強時間は1,000時間!合格者と不合格者の違いは?
公務員試験の勉強はいつからスタートする?
公務員試験の勉強をスタートする時期は、先ほどの1,000時間を目標に、1日に確保できる勉強時間から逆算して決めましょう。
試験日ギリギリまで試験範囲の勉強が終わらないような計画は失敗の元です。
余裕を持って5カ月前にはインプットを終了し、アウトプットに集中できるようにします。
また、全科目均等に時間配分してしまいがちですが、土台となる科目、配点が高い科目など、最初に重点的に時間をかける科目を見極めなければなりません。
【あわせて読みたい】公務員試験の勉強はいつから始める?必勝スケジュールを解説!
まとめ
この記事では、スタディング講師による最新の公務員試験難易度ランキングをご紹介しました。
- 公務員試験の難易度は全体的に下がっている
- 採用数が少ない試験種は倍率の変動幅が大きいので注意
- 国家公務員試験は基礎能力試験の問題数が減り、ますます知能問題重視に
筆記試験の難易度は下がる傾向にあり、採用数が多い自治体では合格のチャンスが広がっています。
ただ、単なる暗記で対応できない知能問題の出題比率の上昇や、面接の重要性アップなど、変化に合わせた対策が欠かせません。
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