東京都で公務員になるには?都庁・特別区の仕事・年収・試験・難易度を解説

東京都で公務員として働きたい場合、「東京都職員」や「特別区職員」といった選択肢があります。

都市計画や防災など広域的な行政を担う東京都職員と、住民サービスに直結した業務を行う特別区職員では、仕事内容や採用試験が異なります。

東京都で公務員として働きたい方は、それぞれの特徴や違いを理解し、自分に合った進路を選択することが合格への近道です。

この記事では、それぞれの仕事内容や平均年収、試験の特徴、難易度について解説します。

東京都で働く公務員の仕事内容は?

東京都職員

東京都職員は、都市計画や防災、産業振興、環境政策など、23区全体に関わる広域的な行政課題に取り組みます。

例えば、複数区にまたがる道路整備や、大規模災害への対策立案、都市の将来計画の策定といった仕事内容です。

特別区職員

特別区職員は区民の日常生活に直結したサービスを提供します。

戸籍や住民票の発行、保育園の運営、ごみ収集、福祉サービスの提供など、住民に最も身近な行政サービスを担当します。

区民と直接関わる機会が多く、地域に密着した仕事が特徴です。

どちらも住民の暮らしを支える重要な役割を担っていますが、東京都職員は広域的な視点で、特別区職員は地域に密着した視点で行政サービスを提供している点が大きな違いといえます。

 

東京都で働く公務員の初任給・給料・年収

東京都で働く公務員の初任給

東京都職員の初任給

区分
一般行政職1類(大学卒)196,200円
3類(高校卒)160,100円
警察職警察職 1類(大学卒)224,600円
3類(高校卒)193,400円
教育職大学卒210,400円
短大卒194,300円

区分ごとに初任給の額は異なりますが、概ね20万円前後です。

特別区職員の初任給

  • Ⅰ類:22万円
  • Ⅲ類:18万2,000円

上記の金額に扶養手当や地域手当、住居手当、通勤手当などが支給されます。

東京都で働く公務員の給料・年収

東京都職員の給料・年収

区分平均給料月額平均給与月額平均年収平均年齢
一般行政職318,089円458,519円約7,565,563円42.5歳
警察職331,197円520,765円約8,592,622円40.3歳
小中学校教育職341,332円441,317円約7,281,730円39.8歳
高等学校教育職350,230円450,871円約7,439,371円43.2歳
技能労務職286,976円388,004円約6,402,066円50.5歳

※平均年収は平均給与月額×12ヶ月+平均給与月額×4.5ヶ月(ボーナス)で計算した数値

特別区職員の給料・年収

特別区職員の平均給料月額は38万2,163円で、平均年齢は38.8歳です。

平均給与月額×12ヶ月+平均給与月額×4.65ヶ月(ボーナス)で計算すると、平均年収は約636万3,013円となっています。

東京都職員の平均年収と比較すると、特別区の方が少し低くなっているようです。

【参考】「都職員の給与の状況」の概要

【参考】令和6年特別区職員の給与等に関する報告及び勧告について

 

「東京都職員」と「特別区職員」は何が違う?

「東京都で働く」と言っても、東京都の職員と、特別区の職員は異なるものです。そこで、ここでは簡単にその違いを説明しておきましょう。

【東京都職員】スケールの大きな仕事に携わる

東京都の職員になるためには、東京都の採用試験を受けて、最終合格することが必要です。

東京都職員採用のページにさまざまな仕事が紹介されているので、興味がある方は確認してみるとよいでしょう。

東京都の職員になると、まずは「産業労働局」や「福祉保健局」など、さまざまある部局のいずれかに配属されます。

例えば「産業労働局」であれば、中小企業支援や就業支援などに携わることになり、「シルバー人材センター」などの出先機関で働くこともあります。

そして、原則として2~3年ごとに局内及び局をまたいだ異動が行われます。ここでまた異なる分野の業務に携わることになります。

このような異動を繰り返して、経験を積んでいきます。

出先機関であれば、都民と直接接する機会もありますが、本庁勤務などであれば、都民と接する場面は少なくなります。

なお、「東京都」の職員のため、「東京都」の中であればどんな場所でも仕事をする可能性があります。

例えば「総務局」などの配属になると、島嶼部などで一定期間勤務することもあります。

【特別区職員】区民と関わって仕事をする

一方、特別区の職員は、特別区の採用試験を受けて、最終合格することが必要です。

特別区人事委員会採用試験情報のページを確認してみましょう。

特別区の職員になると、各区の職員として勤務することになります。

区によって異なりますが、「区民生活部」や「まちづくり推進部」など、こちらもさまざまな部局のどこかに配属され、それぞれの分野の仕事を行うことになります。

東京都と異なる点としては、原則として区民と直接接する仕事がメインになるということです。

東京都は広域自治体ですから、東京都全体の方向性を作っていくことが多くなりますが、基礎自治体である特別区は現場での仕事がメインになり、住民との距離が近くなるわけです。

また、「特別区」の職員は、区ごとに採用されるため、あくまでその「特別区」の中でしか仕事をすることがありません。

ですから、原則として引っ越しを伴うような転勤が生じることはありません。働く場所の規模の大きさも、異なる部分です。

このように、「仕事の影響力」「住民との距離感」「働く場所の範囲」などが大きな違いといえるでしょう。

 

「東京都職員」と「特別区職員」の試験の違い

多くの公務員試験と同様に、どちらの試験も、まずは1次試験で筆記試験を受験し、合格すると2次試験に進むことになります。2次試験以降は人物試験が課されます。

ただし、試験の区分によって異なる部分がありますので、ここでは大枠を紹介しておきましょう。

詳細はそれぞれの試験の採用ホームページに記載がありますので、そちらを必ず確認してください。

ちなみに注意点として、東京都と特別区の試験は、例年1次試験が同日に実施されます。したがって、併願することができません。どちらかを選んで受験することになります。

【東京都職員】採用試験は最終合格と内定がほぼイコール

東京都の採用試験には、以下のようにさまざまな試験区分があります。

  • Ⅰ類A(院卒レベル)
  • Ⅰ類B(大卒レベル)
  • Ⅱ類(資格職、司書や栄養士など)
  • Ⅲ類(高卒レベル)
  • 障害者採用(Ⅲ類)
  • キャリア活用採用
  • 就職氷河期世代採用(Ⅰ類B・Ⅲ類)
  • 経験者採用

まずはご自身の年齢や職務経験などをふまえて、どの試験を受験するかを考えましょう。

原則としてⅠ類Bの採用人数が最も多く、受験生も多いため、ここではⅠ類Bを前提に説明することにします。

なお、Ⅰ類Bの試験は大卒レベルの試験ですが、学歴要件はありませんので、年齢要件を満たしていれば受験することが可能です。

Ⅰ類Bはまず大きく2つの試験方式に分かれます。

  • 一般方式:専門科目が課される方式
  • 新方式:専門科目が課されず、人物評価を重視する方式

イメージとしては、一般方式は「公務員試験の対策をメインにやってきた人」、新方式は「民間就活をメインにやってきたが、東京都も併願したいと考えている人」に向けた方式、ととらえておくとよいでしょう。

⑴ 一般方式

一般方式にはさまざまな区分があります。

文系の受験生の多くが選ぶのが「行政」です。これはさまざまな行政分野一般に携わる区分です。

その他、理系の受験生や資格保有者などに向けた以下の区分があります。

  • 土木
  • 建築
  • 機械
  • 電気
  • 環境検査
  • 林業
  • 畜産
  • 水産
  • 造園
  • 心理
  • 福祉
  • 衛生監視
  • 栄養士
  • 獣医
  • 薬剤A
  • 薬剤B
  • 司書
  • 保健師

それぞれ採用人数が少なく、年によっては募集しない区分などもありますから注意してください。

選考は2次試験まであり、2次試験に合格すると最終合格となります。

 1次試験:筆記試験

1次試験は筆記試験が実施されます。概要をまとめると、以下のとおりです。なお、採用ホームページには専門記述の科目のラインナップや過去問も掲載されていますから、どのような科目・問題が出題されているのか、事前に確認してみるとよいでしょう。

教養択一下記以外一般教養についての五肢択一式(40題解答) 知能分野:文章理解、英文理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間概念(24題必須解答) 知識分野:人文科学系(文化、歴史、地理)、社会科学系(法律、政治、経済)、自然科学系(物理、化学、生物、地学)、社会事情(16題必須解答)(試験時間130分)
土木、建築、機械、電気一般教養についての五肢択一式(40題解答) 
知能分野:文章理解、英文理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間概念(27題必須解答) 
知識分野:人文科学系(文化、歴史、地理)、社会科学系(法律、政治、経済)、自然科学系(物理、化学、生物、地学)(14題中10題選択解答) 
社会事情(3題必須解答)(試験時間150分)
専門記述行政職務に必要な専門知識についての記述式(10題中3題選択解答)
(試験時間120分)
行政以外職務に必要な専門知識についての記述式(5題中3題選択解答)
(試験時間120分)
論文課題式(1,000字以上1,500字程度、1題必須解答)
(試験時間90分)

出題形式は教養択一専門記述論文の3つです。

教養択一や論文は他の公務員試験でもおおむね課されますが、東京都Ⅰ類B(一般方式)は専門科目が択一ではなく記述の形式で課されるのが大きな特徴といえるでしょう。

専門記述は択一のマークシートと異なり、一から自分の力で論述していかなければいけません。この部分の対策に苦戦する可能性があります。

 2次試験:個別面接

1次試験に合格すると、2次試験に進みます。2次試験は個別面接が1回実施され、これに合格すると最終合格となります。

 最終合格後:採用面談

その後、採用面談を経て、その場で内定となります。東京都の場合は、最終合格までたどり着けば、よほどのことがない限り内定をもらうことができます

ですから、最終合格と内定がほぼイコールの試験になっています。これは東京都に限らず、他の多くの地方公務員試験でも共通していえることです。

⑵ 新方式

新方式の区分は、以下のとおりです。

  • 行政
  • 土木
  • 建築
  • 機械
  • 電気
  • ICT

令和6年度までは行政・土木・ICTの3つの区分のみでしたが、令和7年度から建築・機械・電気の3つの区分が追加されました。

新方式は一般方式に比べると、採用人数が少なく、やや狭き門になりますから注意しましょう。

選考は3次試験まであり、3次試験に合格すると最終合格となります。

① 1次試験:適性検査

1次試験は、適性検査(基礎能力試験)が実施されます。令和6年春まではマークシート式で、指定日に受験会場に集合して筆記試験を受験する形式です。しかし、令和7年春からは、テストセンター方式に変更になります。自分で受験日を選択し、全国のテストセンターや自宅で受験ができます。

試験の内容は、SPI3(SPI3-U)を予定しています。

② 2次試験:プレゼンテーション・個別面接

1次試験に合格すると、次は2次試験です。2次試験はプレゼンテーションと個別面接が1回実施されます。

口述試験の際はプレゼンテーション・シートを資料として提出し、プレゼンテーションと合わせて評価されます。

プレゼンテーション・シートには、これまで学んできたことや経験したことなど、自己の学びを通して都政で実現したいことを記載します。

試験区分ごとのプレゼンテーション・個別面接に提出する資料は、以下のとおりです。

行政(事務)プレゼンテーション・シート
ICTプレゼンテーション・シート情報通信技術に関するスキル確認シート
土木・建築・機械・電気専門性確認シート

ICT区分のスキル確認シートでは、以下の内容が問われます。

  • 専攻学科、職務等において培ってきた知識や経験、保持している資格又は今後採用までに習得しようとしている内容
  • 習得したスキル(今後採用までに習得を予定しているものを含む。)について、東京都の職員としてどう活用していきたいか

また、土木・建築・機械・電気の試験区分では、専門性確認シートに基づいたプレゼンテーションを含む、研究内容や職務経験、専門知識、人物に関する口述試験が行われます。

専門性確認シートでは、「専攻、研究、職務等において習得した内容(今後採用までに習得を予定しているものを含む)を東京都の職員としてどう活用していきたいか」といった内容が問われます。

 3次試験:グループワーク・個別面接

2次試験に合格すると、3次試験に進みます。3次試験はグループワークと個別面接が1回実施されます。これも合格すると、最終合格です。

 最終合格後:採用面談

一般方式と同様、基本的には最終合格後の採用面談で内定が出る形になります。

【特別区職員】採用試験は最終合格後の区面接も非常に重要

特別区には、次の採用区分があります。

  • Ⅰ類(大卒レベル)
  • Ⅲ類(高卒レベル)
  • 経験者 など

こちらも原則としてⅠ類の採用人数が最も多く、受験生も多いため、ここではⅠ類を前提に説明します

Ⅰ類の試験は大卒レベルの試験ですが、学歴要件はありませんので、年齢要件を満たしていれば受験することが可能です。

特別区の場合、東京都と異なり、専門科目を避ける方式はありません。必ず勉強することが求められます。

特別区の場合も、文系の受験生の多くが選ぶのが「事務」です。

その他、理系の受験生や資格保有者などに向けた区分として、以下の区分があります。

  • 土木造園(土木)
  • 土木造園(造園)
  • 建築
  • 機械
  • 電気
  • 福祉
  • 衛生監視(衛生)
  • 衛生監視(化学)
  • 心理
  • 保健師 など

採用人数が少なく、年によっては募集しない区分などもありますから注意してください。選考は2次試験まであり、2次試験に合格すると最終合格となります。

 1次試験:筆記試験

1次試験は筆記試験が実施されます。概要をまとめると、以下のとおりです。

なお、採用ホームページには専門科目のラインナップや過去問も掲載されていますから、どのような科目・問題が出題されているのか、事前に確認してみるとよいでしょう。


出題形式は教養択一専門試験論文の3つです。専門試験は事務であれば五肢択一式の専門択一ですが、それ以外の区分の場合、記述なども出題されます。

特に事務の区分では、専門科目が幅広く出題されます。ここをしっかり対策できるようにしましょう。

教養択一一般事務福祉心理衛生監視(衛生)衛生監視(化学)一般教養についての五肢択一式(40題解答)①知能分野(28題必須解答)文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈及び空間把握②知識分野(20題中12題選択解答)人文科学4題…倫理・哲学、歴史及び地理社会科学4題…法律、政治及び経済自然科学8題…物理、化学、生物及び地学社会事情4題…社会事情(試験時間120分)
事務(ICT)般教養についての五肢択一式(35題必須解答)①知能分野(28題必須解答)文章理解(英文を含む)、判断推理、数的処理、資料解釈及び空間把握②知識分野(7題必須解答)社会事情 7 題…社会事情
専門試験一般事務般行政事務に必要な基礎知識についての五肢択一式(55題中40題選択解答)
事務(ICT)ICT分野及び一般行政事務に必要な基礎知識についての五肢択一式(45 題中30題解答(ICT分野15題及び経営学5題必須解答、他分野10題選択解答))
土木造園(土木)土木造園(造園)建築機械電気福祉心理衛生監視(衛生)衛生監視(化学)それぞれの試験区分に必要な専門的知識についての記述式、語群選択式等(6題中4題選択解答)
保健師保健師として必要な専門的知識についての記述式、語群選択式等(3題必須解答)
論文一般事務
ICT事務福祉心理衛生監視(衛生)衛生監視(化学)
課題式(2題中1題選択解答)字数は1,000字以上1,500字程度
保健師課題式(2題中1題選択解答)字数は1,000字以上1,500字程度

出題形式は以下の3つです。

  • 教養択一
  • 専門試験
  • 論文

専門試験は事務であれば五肢択一式の専門択一ですが、それ以外の区分の場合、記述なども出題されます。

特に事務の区分では、専門科目が幅広く出題されます。ここをしっかり対策できるようにしましょう。

 2次試験:個別面接

1次試験に合格すると、2次試験に進みます。2次試験は個別面接が1回実施され、これに合格すると最終合格となります。

 最終合格後:区面接

特別区は、最終合格後が特殊な選考の流れになるので注意してください。

特別区における最終合格はあくまで「特別区の職員になる資格が与えられた」という状態です。

ですから、ここからさらに「どの区の職員になるのか」という採用面接の選考が始まります。これがいわゆる「区面接」と呼ばれるものです。

「区面接」についても試験案内に詳細が掲載されていますので、是非確認してみてください。

この面接は、受験生の側で自由に受けることができません。

まずは就職したい希望区を上位3区、申込時の願書に書くことができます

あとは、最終合格の席次が上の人から順に、希望区を考慮して区の側から面接に呼ぶ、という形になっています。

ですから、上位合格ができれば、第1希望区から呼ばれるでしょう。

しかし、最終合格したとしても席次が下のほうであれば、第2・3希望区、もしくは希望区に挙げていない区から連絡がくる可能性もあります。

したがって、なるべく最終合格の席次を上げるというのが重要になってきます。

また、区面接は受ければ必ず内定が得られるわけではありません。

区面接で内定が出ない場合(「不選択」の場合)、次の区面接に呼ばれるのを待たなければいけません

年によって異なりますが、区面接は例年だいたい最大で6~7回用意されています。

この中で決まらないと、最終合格しても内定が得られない状態となり、採用漏れになってしまいます。

1回目の区面接で内定を得られるケースが比較的多いですが、2回目以降にずれ込む最終合格者も多く、長期化するおそれもあります。

最終合格したからといって油断せずに臨みましょう。

東京都で働く公務員の採用試験の難易度・倍率

東京都や特別区の採用試験はいくつもの試験区分や採用区分があり、それぞれに採用人数や倍率が異なります。

ここでは、最も受験者の多い東京都のⅠ類B採用試験(一般方式)と特別区のⅠ類採用試験(春試験)の倍率を紹介します。

【東京都職員】令和6年度 東京都Ⅰ類B採用試験(一般方式)の倍率

試験区分採用予定者数倍率
行政5551.5
土木651.5
建築231.5
機械341.7
電気401.9
心理341.6
衛生監視132.1
栄養士302.1
獣医101.4
薬剤B131.2

【出典】令和6年度職員採用試験(選考)実施状況

【特別区職員】令和6年度 特別区Ⅰ類採用試験(春試験)の倍率

試験区分採用予定者数倍率
事務(一般事務)1,3122.3
事務(ICT)162.2
土木造園(土木)1072.1
土木造園(造園)331.7
建築1261.6
機械272.5
電気361.7
福祉1541.5
心理302.7
衛生監視(衛生)541.5
衛生監視(化学)53.0
保健師1281.5

【出典】令和6年度Ⅰ類採用試験【春試験】実施状況

東京都で公務員になるための対策・勉強法

東京都で公務員になるためには、採用試験に受かるための効率的な学習方法が重要です。

教養試験や専門試験など、多岐にわたる試験科目に対して、どのように取り組むべきか、具体的な対策方法をご紹介します。

出題数の多い科目から対策を始める

東京都職員採用試験や特別区採用試験では、数的処理や文章理解といった教養科目が重要な位置を占めています。

特に数的処理は、中学校の数学レベルの知識があれば解けますが、解法パターンの習得が必須です。

文章理解も出題頻度が高く、現代文と英文の読解力が求められます。

専門試験では、法律系科目の憲法や民法、経済系科目のミクロ経済学など、出題数の多い基本科目から優先的に学習を進めることで、効率的に得点力を上げることができます。

過去問演習を積極的に行う

過去問演習は試験対策の中心となります。

特に東京都職員採用試験の教養試験は、出題数が多いため、過去問を繰り返し解いて慣れる必要があります。

単に問題を解くだけでなく、出題パターンや解法の定型を分析することが重要です。

また、誤答の選択肢にも注目し、なぜ間違いなのかを理解することで、出題者の意図を把握し、より深い理解につながります。

定期的な過去問演習を通じて、時間配分や問題の取捨選択の判断力も養うことができます。

全体から幅広く得点できるように勉強する

試験科目が多岐にわたる東京都職員採用試験では、特定の科目に偏らない、バランスの取れた学習が求められます。

1科目に集中しすぎると他の科目が疎かになり、総合得点を下げてしまう可能性があります。

複数の科目を並行して学習し、苦手科目をカバーしながら得意科目で確実に得点することを意識しましょう。

例えば1時間ごとに科目を変えるなど、効率的な学習サイクルを確立することで、全体的な得点力を高めることができます。

まとめ

今回は、東京都職員と特別区職員の仕事内容や試験制度を紹介しました。

  • 東京都の公務員には東京都の職員採用と特別区の職員採用の2つがある
  • 東京都職員は23区全体に関わる広域的な行政課題に取り組む
  • 特別区の職員は各区の職員として区民と直接関わる
  • 東京都と特別区の採用試験はどちらも教養択一試験が出題される
  • 東京都と特別区の採用試験の対策の方向性はほとんど変わらない

いろいろと異なる部分は多いのですが、どちらを受験しようか迷う受験生も多くいらっしゃいます。

試験制度もそうですが、何よりまずは「興味のある仕事なのか」を考えたうえで、納得のいく選択をすべきでしょう。

採用ホームページのチェックや説明会・インターンなどを通じてどちらの志望度が高いかを検討していくとよいでしょう。

スタディング 公務員講座なら、スキマ時間を有効活用して自分のペースで公務員試験対策ができます。

東京都採用試験や特別区採用試験に最短で合格を目指している方は、ぜひご活用ください。