経営コンサルタントの仕事は、中小企業の経営状況をチェックして具体的な助言・アドバイスを提示することです。専門家としての高い知見を生かして、会社の財務・人事・業務・組織風土を総点検し、問題があればその原因を特定。建設的で現場主義に基づくアイデアの提示を通して、業績拡大をバックアップしたり、改革に向けたヒントを与えたりすることが、彼らに託された使命です。
経営コンサルタントとして、企業経営におけるさまざまな面にフォーカスして診断・アドバイスを行います。
すべての経営課題を網羅して取り扱う経営コンサルタントもいれば、ひとつの得意分野に絞って改革をサポートする専門家もいます。いずれにしても、会社経営にコミットして現状より少しでも良い状態にすることが、彼らの役割です。
上記のような任務を遂行するためには、ロジカルな思考力、精緻な情報分析力、的確にヒアリングするコミュニケーション能力、正確な報告書作成能力などが求められます。ビジネスの世界は刻一刻と移り変わっていきますので、新しい時代の動きに敏感になれる感性や、フレキシブルな対応力も備えておきたい資質と言えるでしょう。
また、特別なポジションにいるからと言って、高飛車に構えたり、上から目線でアドバイスしたりする姿勢は好まれません。そのような態度で臨めば経営者や従業員から信頼されなくなるでしょう。確かな信頼関係のもと、謙虚な気持ちで一緒に目標達成に向けて取り組むというスタンスが重要です。
企業は経営コンサルタントに対し、第三者的立場から経営上の具体的なアドバイスの提示を求めています。その目的は、財務状況や企業体質を少しでも良い方向へ導くこと。経営コンサルタントを雇う以上は、目に見えるかたちで成果を出さなければなりません。彼らの起用によって結果が得られないとしても、その責任はコンサルにはなく、起用した経営者自身にある、とするのが一般的な考え方です。
それでは、経営コンサルタントは何の責任も取らず、言いっ放しの職業で済むのでしょうか?専門家の助言通りに改革を実行した結果、ますます業績が悪化した、不平を述べる社員が多くなった、顧客離れが加速した。その結果会社は倒産……。などの状況を招いた場合でも、経営コンサルタントに法的責任はありません。しかし、お金をもらって職務に就く以上は、与えられた任務を遂行して結果を残すと言う道義的責任はあるはずです。経営コンサルタントは、プロとしての自覚を持ち、その言葉ひとつひとつに責任を持たせることも必要なのです。
中小企業診断士は、経営コンサルタントとほぼ同義語と考えて良いでしょう。「診断士」とは言うものの、業績改善のためのアイデアの提示や、目標達成までのプランニングまで含めた取り組みが求められます。
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして上述のような業務を任せられます。それ以外にも、コンサルタント本の執筆や、企業経営者向けセミナーの実施、講演活動に従事する方もいるでしょう。中には、テレビや雑誌などのメディアに顔を出して積極的に発信するなどの有名診断士もいて、活動内容は幅広いのが特徴です。
監修 市岡 久典
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