
中小企業診断士の取得後、将来的に独立したいと考える方は多いでしょう。
しかし同時に、失敗のリスクに不安を感じる方も少なくないはずです。
本記事では、中小企業診断士の独立で失敗するケースや失敗の回避方法、再就職の可能性について解説します。
中小企業診断士の取得を検討している方、中小企業診断士としてのキャリアに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
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中小企業診断士の独立で失敗するケースとは
中小企業診断士は、将来的に独立や開業を考えている人におすすめの資格です。
ただし、もちろん独立で失敗してしまうケースもあります。
ここでは、中小企業診断士の独立で失敗するケースとして以下の4つを見ていきましょう。
- 実務経験が乏しい
- 集客の見込みが甘い
- 人脈が作れていない
- 独自の強みがない
実務経験が乏しい
中小企業診断士の仕事では、幅広い知見や多角的な視点からのアドバイスが求められます。
資格試験で身につけた知識だけでなく、実際に企業を支援してきた経験が欠かせません。
実務経験が乏しい状態で独立してしまえば、うまく企業経営をサポートできずクライアントの信頼を得られない可能性が高くなります。
まずは経営コンサルタントとしての実務経験を積んだうえで独立を目指すのがよいでしょう。

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集客の見込みが甘い
独立後の集客の見込みが甘い場合も要注意です。
経営コンサルタントとして独立するには、着実にクライアントを開拓するため事前の計画が重要です。
クライアントの候補となる企業・人物にめどが立っていない状態で独立すれば、安定した収入を得るのは難しいでしょう。
逆に初期のクライアントさえ確保できていれば、その実績をもとにさらにクライアントを開拓することも可能になります。
人脈が作れていない
集客とも関連しますが、十分な人脈が作れていないケースも失敗する可能性が高いといえます。
中小企業診断士の仕事において、人脈形成はきわめて重要です。
直接クライアントにならない場合でも、クライアント候補となる企業・人材を紹介してもらったり、自身では対応が難しい領域をサポートしてもらったりといった形で役立ちます。
経営コンサルタントとしての独立を成功させるには、幅広い人脈が欠かせないといえるでしょう。
独自の強みがない
独自の強みがないケースも要注意です。
中小企業診断士は経営コンサルティングのスキルを証明できる国家資格ですが、独占業務があるわけではありません。
資格を持っていなくてもコンサルティング業務に就くことは可能であり、そのぶんライバルも多いといえます。
業界や職種を絞って専門性を高めたり、ほかの資格とのダブルライセンスによって対応業務の幅を広げたりといった形で独自の強みを磨くことが大切です。

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中小企業診断士の独立で失敗しないために
中小企業診断士の独立で失敗しやすいケースを踏まえ、対策としてここでは以下の3点をご紹介します。
- コンサルティングの経験を積む
- 幅広い人脈を作る
- 得意領域を作る
順番に見ていきましょう。
コンサルティングの経験を積む
まずはコンサルティングの実務経験を積むことが大切です。
クライアントからのさまざまな相談に対応するには、豊富なコンサルティング経験が欠かせません。
まずはコンサルティング会社などに就職・転職し、経営コンサルタントとしての実務経験を積みましょう。
十分な経験を積んでから独立すれば、過去の経験をもとにさまざまな状況に対して柔軟に対応できるはずです。

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幅広い人脈を作る
前述の通り、経営コンサルタントとして個人で仕事を獲得するには、幅広い人脈が欠かせません。
独立する前に、実務や勉強会などを通して同業者の先輩や将来的にクライアントになりうる企業・人物と積極的につながっておきましょう。
直接の顧客になりそうにない場合でも、紹介などをきっかけとしてビジネスの機会が生まれる可能性があります。
得意領域を作る
得意領域を作ることで、経営コンサルタントとしての強みを明確にすることも大切です。
ただ「経営コンサルタント」と謳うだけでは、大手のコンサルティング会社やすでに実績のある先輩コンサルタントにはかなわないでしょう。
業界や職種を絞ったうえで実績を積んでいけば、特定の企業・人物に刺さるアピールになります。
業界としての将来性や自身の過去の経験を振り返り、どのような分野を強みとするか考えてみることをおすすめします。
また、ほかの資格と掛け合わせる「ダブルライセンス」によって対応できる業務の幅を広げるのもおすすめです。
例えば、行政書士として官公署に提出する書類の作成まで対応できる場合、クライアントはコンサルティングから書類の手続きまでまとめて相談・依頼できます。

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中小企業診断士の独立で失敗しても再就職できる
中小企業診断士として独立するならできるだけ成功させたいものですが、仮に失敗したとしても再就職は十分可能です。
中小企業診断士はさまざまな働き方が可能なため、自身に合った仕事を見つけられるでしょう。
経営コンサルティング会社に再就職すれば、改めて実務経験を積みながら将来的に再度独立するチャンスを窺うことも可能です。
また、経営に関する幅広い知識を活かせるのはコンサルティング業務だけではありません。
企業担当者として営業やマーケティング、IT、人事といった領域で活躍することも十分可能です。
一度独立に失敗したからといって、中小企業診断士の取得自体に意味がなかったということにはなりません。
まとめ
本記事では、中小企業診断士の独立で失敗するケースや失敗の回避方法、再就職の可能性について解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 中小企業診断士の独立に失敗するのは、「実務経験が乏しい」「集客の見込みが甘い」「人脈が作れていない」「独自の強みがない」といったケースが多い
- 独立を成功させるためには、実務経験・人脈・得意領域の3つが重要
- ただし、仮に独立に失敗した場合でもコンサルティング会社などへの再就職は可能
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