
中小企業診断士は合格率4~7%という難関試験です。
しかし、なかには独学で合格したという人もいて、「自分も独学で合格したい」と考えている受験生も多いのではないでしょうか。
社会人が働きながら独学で中小企業診断士に合格するのは大変困難ですが、勉強方法を工夫すれば達成できる可能性もあります。
そこで、中小企業診断士を独学で合格するための勉強戦略を合格者の体験談とともに解説します。
「独学で中小企業診断士に合格できる」は本当?独学の落とし穴とは?
まずは、独学で中小企業診断士に合格できるかどうかについて解説します。
独学に関する落とし穴についてもご紹介しますので、これから中小企業診断士の試験対策を始める予定の方や、独学で合格を目指している方はぜひ参考にしてください。
- 中小企業診断士は試験範囲が広い!独学は無理ではないがかなり難しい
- 本当に独学?人によって独学の定義が違うことに注意!
中小企業診断士は試験範囲が広い!独学は無理ではないがかなり難しい
中小企業診断士試験は1次試験が7科目、2次試験が4科目と出題範囲が非常に広い試験です。
また試験問題を解くには応用力も必要となるため、知識をとにかく暗記しておけば合格できるような単純な試験ではありません。
特に初心者の場合は、どの科目でどのような勉強に取り組むべきかを決めるのにも時間がかかってしまうでしょう。
また独学は講師のサポートや一緒に合格を目指す仲間が存在しないため、長期間にわたってモチベーションを維持するのも大変です。
そのため完全に独学での対策も不可能ではありませんが、難易度はかなり高いといえます。
本当に独学?人によって独学の定義が違うことに注意!
中には「独学で中小企業診断士に合格できた!」という人の口コミを見たことがある方もいるでしょう。
しかし「独学」の定義は人によって異なるため、注意が必要です。
ブログ記事や動画等で「独学で合格できた」と言っている人の中には、市販の参考書や問題集で合格した人もいれば、通信講座を受講して合格した人もいます。
「独学で合格した」という記事や口コミを見かけた場合は、「独学でも合格できる試験なんだ」「自分も独学でいいや」などど鵜呑みにせず、具体的にどのような教材を使って勉強していたのかの詳細を確認したほうがよいでしょう。
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それでも独学で中小企業診断士合格を目指すなら!どんな戦略&スケジュールで勉強する?
中小企業診断士は難易度の高い試験ですが、それでも「仕事で忙しいからなるべく独学で合格を目指したい」「コストを抑えるために独学で勉強したい」という方は多いかと思います。
ここからは、独学で中小企業診断士の合格を目指すための戦略とスケジュールについて解説します。
- 中小企業診断士に独学で合格するための戦略
- 中小企業診断士に独学で合格するためのスケジュール
中小企業診断士に独学で合格するための戦略
中小企業診断士に合格するには、まず試験内容を知って効率のよい学習戦略を立てることが重要です。
中小企業診断士は、中小企業に対して経営の診断や助言を行う専門家です。診断・助言をするには幅広い範囲の知識が必要にはなりますが、各分野の専門家ほど深い知識は必要ありません。
そのため、学習をしていて専門知識の深みにはまりそうなときは「そこまで深い知識は必要ない」ということを思い出すとよいでしょう。
また短期間で合格レベルの知識を身につけるには、常に「時間対効果」を意識して対策を進めましょう。
効率よく合格を目指す場合、枝葉のような専門知識まで覚えようとする必要はありません。それよりも、幹となる頻出範囲の基本知識を集中的に身につけることが重要です。この頻出範囲の基本知識だけでも、習得できていれば本番で60点は獲得できます。
こうした戦略で試験対策を進めていけば、独学での合格も不可能ではありません。
中小企業診断士に独学で合格するためのスケジュール
中小企業診断士合格に必要な勉強時間は受験生の経歴や勉強方法によって異なりますが、一般的には1,000時間の勉強が必要といわれています。
1,000時間中小企業診断士の勉強をするという前提において、1年間で合格を目指す場合のスケジュール例は以下のとおりです。
| 時期 | 目標 | 具体的な学習内容 |
|---|---|---|
| 8月〜12月:インプット期 | 学習の土台を固める | 特に、難解でボリュームの大きい科目から取り組み始めるのがおすすめ。 財務会計や企業経営理論など、理解に時間がかかる分野では、最初から全てを完璧に理解しようとするのは避けましょう。 重要なのは、「理解する」ことに加え、最初に全体像を掴むことです。 |
| 1月〜6月:アウトプット期 | 過去問を繰り返し解くことで、問題形式や出題傾向に慣れ、試験本番でのスピード感を養う。 | 答えが合っているかどうかだけでなく、選択肢に出てくる用語や背景知識を合わせて覚えていくことで、知識が深まります。 特に、「選択肢の意味」を理解し、その背後にある理論や計算式も意識して学習すると、知識の定着が図れます。 |
| 7月〜8月:一次試験直前対策期 | 実際の試験形式に慣れる | いかに模擬試験を本番に近い状態で行い、試験本番の流れを体験することです。 過去問や模擬試験を使って、試験の時間配分や問題へのアプローチ方法を徹底的に練習する。 |
| 9月〜10月:二次試験直前対策期 | 過去問を繰り返し学習し、解答の型を身につける | 与件文の理解力や解答の書き方が試されるため、は過去問を繰り返し学習し、解答の型を身につける。 与件文をどう読み解くか、必要な情報をピックアップするスキルを鍛え、過去問を通じてそのパターンを体得することがポイントです。また、解答を書く際の構成や論理的な流れを意識し、効率的にまとめる方法も重要です。 |
独学での勉強方法1:【過去問の頻出論点】に絞って勉強する
中小企業診断士に独学合格する勉強法のうち、もっとも重要なのは過去問の頻出論点に絞って学習することです。

独学ですべての論点を網羅するのは無理
中小企業診断士に合格するには、1次試験7科目、2次試験4科目の合計11科目で合格点を取らなくてはいけません。また、各科目の出題範囲は非常に幅広く、すべてを完璧に覚えようとするといくら時間があっても足りません。
たしかに理論上は、出題範囲のすべてを完璧に覚えれば、すべての科目で8割以上の高得点を取れるでしょう。しかし社会人の方は勉強時間が限られているので、マイナーな論点まですべて押さえるのはほぼ不可能です。
むしろ独学の場合、出題範囲がどこからどこまでかを正確に判断するのが難しいため、無関係の論点を勉強してしまい、結果的に不合格となるリスクがあります。
出題される可能性が高い論点は?
そもそも中小企業診断士試験は、全体で6割以上の点数を取れれば合格です。そのため、出題される可能性が高い論点のみに絞った勉強法を実践すれば十分合格できるわけです。
出題される可能性が高い論点とは、「過去問での出題回数が多い分野」のことです。何回も出題されているということは、それだけ中小企業診断士の試験では重視されている論点と考えられるからです。
過去問を徹底分析したテキスト・問題集がおすすめ
過去問に頻出の論点を集中的に勉強するには、過去問を徹底分析した上で作られたテキストや問題集を使って学習を進めるのがおすすめです。
出題される可能性が高い論点に絞られたテキストや問題集を使えば、独学の方でも予備校通いの受験生と遜色ないレベルで、質の高い学習を行えるでしょう。

C.K.さん
2024年度 合格
スタディングを活用することで、最短での合格が可能です。
私は、会社員として仕事と両立しながら中小企業診断士試験に取り組みました。
普段の仕事内容や大学時代の専攻でも、中小企業診断士に関連する勉強は一切したことがありません。
それもあってスタディングを活用して勉強に取り組みましたが、広い勉強範囲を分かりやすい動画で一気に網羅できるスタディングの教材は、ストレート合格を果たすのに最適なツールだと思います。
独学でも時間をかければいずれ合格はできるかもしれません。
でも、時間のない社会人にこそピッタリだと思います。

Baya4koさん
2024年度 合格
スタディングは一次試験対策では主にAIを使った過去問題集を中心に勉強しました。
二次試験対策では合格するための回答の作り方や考え方が参考になりました。
闇雲に勉強せず納得感を持って取り組めたと思います。
独学での勉強方法2:【2次試験との関連性が高い科目】に勉強時間を費やす
中小企業診断士に独学合格する勉強法の2つ目のポイントは、重要科目に勉強時間を費やすことです。1次試験は7科目ですが、難易度や覚える内容の量、2次試験との関連性は科目によって異なります。
時間をかけたい【企業経営理論、財務・会計、運営管理】
たとえば「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」の3科目は、2次試験の出題範囲とも直結する上に、覚える量が多く難易度も低くありません。したがって、この3科目に関しては極力多くの勉強時間を割いて、重点的に勉強する必要があります。
短時間で攻略したい【中小企業経営・政策】
一方で、「中小企業経営・政策」という科目は、2次試験とはほとんど関係ない上に、出題範囲も狭く出題される問題の難易度も低いです。したがって、あまり時間をかけないのが望ましいでしょう。
深追い注意【経営法務・経営情報システム】
また、「経営法務」や「経営情報システム」は、テキストや予備校のカリキュラムでは学ばないようなマイナー論点が多く出題され、平均点が大きく下がった年度が何回かありました。
費やした労力が無駄になるリスクが高い上に2次試験とは関連性がないため、あまり深追いし過ぎないようにすべきです。

K. Kさん
2024年度 合格
基本知識が大切だったので、企業経営理論、運営管理、財務の基本知識は自分が納得できるまで調べ、理解できるようにした。
結果二次試験にも活かせたのでよかった。
インプットよりもアウトプットを重点的に行った。1次も2次もひたすら演習を行うことで知識が定着した。
1次は間違いの選択肢も、なぜ間違いなのか、自分に落とし込むことで対応力を上げた。

K.Kさん
2024年度 合格
一次試験は暗記と割り切って市販のテキストをひたすらインプットしました。
正直、初回受験で受かるとは思っておらず、二次の準備などしていなかったので、一次の合格発表の時点では二次の恐ろしさを少しも理解していなかったです。
二次の勉強を進めるにつれて「この試験はもしかして想像以上に難解なのでは…」とパニックになったのを覚えています。
市販の二次試験用テキストも何冊か購入しましたがさっぱりコツがつかめず、必死に勉強法を探した結果スタディングにたどり着きました。
スタディングでは根源的な知識からテクニックまで教えてもらえたので、ためになりました。
もし、スタディングに出会えてなかったら二次試験には手も足も出ていなかったと思います。
独学での勉強方法3:【知識の習得と問題練習を1セット】で学習する
中小企業診断士に独学合格する勉強法の3つ目のポイントは、「知識の習得」と「問題練習」をバランスよくこなすことです。

バランスが大事な理由
知識の習得ばかり行うと、問題を解くコツや感覚が身につかないため、単語の意味を問うような基本的な問題以外では点数を稼ぎにくいです。
一方で問題練習ばかり行うと、問題を解くのに必要な知識がないので、「たくさん勉強したのに、まったく問題を解けない」という事態になりかねません。
「知識の習得→すぐに問題練習」で力がつく
このような事態を避けるには、テキストを使った知識の習得と、問題集を使った問題練習をバランスよく行う勉強法が効果的です。
ここで重要なのが、知識の習得と問題練習を1セットで学習することです。具体的には、「1つの論点について同じタイミングでテキストと問題集を使って勉強する」ということを意味します。
知識の習得と問題練習に時間が空くと、ほとんど記憶が抜け落ちてしまっていて勉強の効果が半減してしまいます。
逆に知識を習得してすぐに問題を解くことで、その論点に関する理解度が深まる上に、本番の試験にも通用する実践的な力が身につくでしょう。

ジェイさん
2024年度 合格
スタディングは隙間時間を活用しやすく、忙しい社会人にとても役に立つ勉強ツールで、スタディングなしに1次試験突破はなかったと思います。
通勤時間の電車や待ち合わせのカフェなど、あらゆる場面で講義動画や過去問演習を行うことができるので試験勉強期間中は常にスタディングと過ごしたような気がします。
講義のあとに必ず問題演習が組み込まれているのも良い点で、復習によって知識を定着させることができますし、間違った問題のみを何度も解きなおして苦手分野の克服にも活用させていただきました。

こいさんさん
2024年度 合格
「経済学」「情報システム」など、これまで馴染みの薄かった分野もあったため、ビデオ講座で一通り内容を理解したうえで、問題演習に取り組むことを繰り返し、理解を深めました。
ある程度理解を深めることができた後は、問題演習に繰り返し取り組むことで、知識を定着させていきました。
一度覚えたものの、その後記憶があいまいになってしまった事柄については、テキストですぐに復習するとともに、学習マップも繰り返し確認し、なるべく体系的に記憶するよう心掛けました。
学習は、仕事帰りの喫茶店や自宅で、わずかな時間でもよいので、なるべく毎日行うことを心掛けました。
毎日継続して学習を続けることで、正解できる問題が増加していき、着実に理解が深まっていることを実感できたため、モチベーションの維持に繋がりました。
独学での勉強方法4:【スキマ時間】を活用して【毎日】勉強する
中小企業診断士に独学合格する勉強法の4つ目のポイントは、勉強時間の確保です。
「土日にまとめて勉強」をおすすめしない理由
独学の場合、合格を妨げる要因の1つに「勉強時間の確保」があります。
予備校を利用している方の場合、決められた時間に、決められたことを勉強すればいいので、勉強時間の確保に悩むことはあまりないでしょう。一方で独学の場合、どうしても日々の仕事に追われてしまい、中小企業診断士の資格学習が疎かになりがちです。
「平日は忙しいから、土日にまとめて勉強すればいいのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、エビングハウスという心理学者の研究により、知識を習得してから時間が経つほど、もう一度習得するまでにかかる時間が長くなるという事実が判明しています。
したがって、「土日に学習した内容を次の週に復習する」といった勉強法だと、効率的でない上に知識が定着しにくいため、独学での合格が難しくなってしまいます。
毎日勉強すると効率的で着実
効率的かつ着実に知識を習得するには、なるべく毎日勉強することが重要です。毎日勉強する習慣を作れば、「1日目に新しい知識を習得し、2日目に復習」といったサイクルを作れるので、土日にまとめて勉強するよりも効率的です。
日々の仕事が忙しい方でも、通勤通学や就寝前などのスキマ時間を活用すれば、前日の復習や新しい単語の意味を1〜2つ覚えることくらいはできるはずです。
こうした小さな積み重ねをするかしないかで、中小企業診断士に独学で合格する可能性はグッと高まるでしょう。
【あわせて読みたい】スタディングメソッド 1.短期間で集中的に繰り返すと記憶に定着する

ゆうさん
2024年度 合格
隙間時間の活用と計画的な勉強を意識しました。
通勤時間や子供の習い事の待ち時間を活用するために、携帯で勉強ができるスタディングを選び少しでも時間があれば勉強するように心掛けました。
それでも、なかなか計画通りに進まないことはあり、週ごとに取り組み状況を振り返って反省し、月ごとにキャッチアップ計画を見直しました。

佐野 孝矩さん
2024年度 合格
子供が生まれたばかりなこともあり、まとまった時間を確保することが難しかった。
なので仕事の休み時間や寝る前のスキマ時間で動画を見たり問題を解いたりして継続し、忘れないことを心掛けた。
診断士として活躍している方のブログや書籍を読み漁り、合格後のイメージを沸かせた。
一度勉強を止めると再開するハードルが上がるため、勉強時間が0の日を作らないよう意識した。
忙しくてもスキマ時間で合格
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独学が難しいと感じたら無料セミナー「合格戦略講座」がおすすめ
ここまでお伝えした4つの勉強法は非常に効果的なものですが、かならずしも独学者全員に適しているとは限りません。
たとえば簿記1級を持っている独学者の場合、財務会計で合格点を取得するための知識は十分に身についているため、他の科目に注力した方が合格に近づく可能性が高いです。
また、暗記の方法を例にとっても同様であり、ひたすらノートにテキストの内容をまとめるのが一番暗記できるかたもいれば、声に出して読む方が暗記しやすい方もいるでしょう。
大切なのは、独学で中小企業診断士に合格した人を参考にしつつ、アレンジを加えることで自分にとって最適な勉強法を確立することです。
人それぞれ能力や経歴、長所・短所はまったく異なります。独学で合格した人たちの勉強法を鵜呑みにするのではなく、「自分にとって一番効率が良い勉強法はなんだろう?」と考えなくてはいけません。
そもそも独学で中小企業診断士に合格するには、「自分で考え、行動する力」が求められます。その力を養うためにも、今回お伝えした勉強法を基に、ご自身にとってベストな勉強法を考えてみてください。
ただし、初めて中小企業診断士の資格学習を行う方は、自分に合う学習法を思うように確立できない場合も少なくありません。
自分にあった学習法を確立するのが難しいと感じた場合は、スタディング 中小企業診断士講座の無料動画セミナー「合格戦略講座」を参考にしてみてください。
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まとめ
この記事では中小企業診断士の合格を独学で目指す場合の戦略などについて解説しました。
- 試験範囲が非常に広く、独学は不可能ではないが難しい
- 独学で対策するなら時間対効果を意識する
- 合格に必要な勉強時間は1,000時間程度のため週20時間が必要
- 過去問の頻出論点や2次と関連性が高い科目に絞って勉強するとよい
中小企業診断士は非常に難易度の高い試験ですが、独学で合格を目指すことも不可能ではありません。
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