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中小企業診断士と公認会計士の違いは?

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中小企業診断士と公認会計士の違い

中小企業診断士と公認会計士は、ともに国家資格であり、企業経営に深くコミットできる専門資格。以下、3つの視点からそれぞれの違いをみてきましょう。

試験制度の違い

中小企業診断士試験は、1次試験・2次試験というふうに、2回に分けて行われます。

中小企業支援法に基づき、経済産業大臣の指定を受けた試験機関(中小企業診断協会)が実施する国家試験です。試験合格後、15日間以上の実務補習の修了もしくは診断実務の従事のうちいずれかひとつを満たすことで中小企業診断士としての登録が認められます。

なお、2次試験を受験しなくても中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する養成課程を修了すれば登録可能です。

対して公認会計士試験は、金融庁の公認会計士・監査審査会が実施する国家試験。短答式試験と論文式試験に分かれ、前者は年2回実施、後者は年1回の実施となっています。

短答式試験に合格すると、その後2年間は同試験の免除が受けられます。登録するには、試験に合格し、なおかつ2年以上の業務補助などの実務経験を積む必要があります。日本公認会計士協会実施の修了考査に合格後、公認会計士としての活動が認められるのです。

難易度の違い

中小企業診断士試験の合格率は、1次・2次ともに平均20%前後です。

しかし、両方受験して合格するストレート合格となると、合格率は約4%まで落ちこみます。1次試験は企業経営に関する7科目から出題されるマークシート方式の筆記試験、2次試験は経営コンサルタントしての実務能力を問う内容が筆記試験および口述試験にて出題されます。

公認会計士試験は国家資格試験の中でも難易度は最上級といわれるほどで、平均合格率は約11%です。1年で合格する人もいますが、複数年かけて学習に取り組み、合格を勝ち取るパターンがほとんどです。

業務内容の違い

中小企業診断士の職務は、中小企業経営に関するさまざまな相談対応およびアドバイスの提供です。中小企業診断士には独占業務はないものの、経営コンサルタントとしての実務能力を示す唯一の国家資格であるため、コンサルタントの世界で活動するうえで取得しておきたい資格です。

公認会計士は、企業の会計監査が主な仕事内容。決算書や財務状況のチェック・監督などがメインで、この監査業務は公認会計士に与えられた独占業務です。そのほか、税務やコンサルティングなども請け負います。

中小企業診断士の科目免除制度

中小企業診断士の1次試験では、他資格保有などの条件付きで科目が免除されるケースがあります。免除措置を受けられる条件として、公認会計士試験合格者も含まれます。

公認会計士試験または旧公認会計士試験第2次試験において経済学科目に合格した方は、「経済学・経済政策」科目が免除。また、公認会計士や会計士補などの資格をもつ方は、「財務・会計」科目が免除されます。公認会計士以外でも、税理士や弁護士、不動産鑑定士などの有資格者は、試験免除の特例措置が受けられる対象です。

ダブルライセンスのメリット

中小企業診断士と公認会計士のダブルライセンスには、経営コンサルタントとしての活動範囲を拡大できるメリットがあります。それぞれ専門とする領域は異なりますが、異なる強みが組み合わさることで、コンサルタントしてのスキルを強化できるのです。

中小企業診断士は「経営診断」、公認会計士は「監査業務」の方面に高い知見をもちます。専門分野をふたつもつことで、問題解決スキルも大幅に向上できるでしょう。

また、公認会計士としての実務スキルが備われば、数字にも強くなって経営診断に関するアドバイスにも説得力が生まれます。経営・財務・会計のエキスパートを目指すなら、「中小企業診断士+公認会計士」のダブルライセンスがおすすめです。