
中小企業診断士の合格に必要な勉強時間は「1,000時間」が目安とされています。つまり、1日に2時間の勉強時間が確保できたとして、1年以上の学習が必要です。
1,000時間というのはあくまで目安であり、難易度が高い試験に対して、やみくもに1,000時間勉強しても意味がありません。
この記事では、1次試験、2次試験それぞれの科目別勉強時間や勉強方法、優先順位についてお伝えします。
中小企業診断士取得までの勉強時間は1,000時間
中小企業診断士の合格に必要な勉強時間は、1,000〜1,200時間が目安とされています。そのため、1年で合格を目指す場合、週に20時間、1日3時間前後の勉強時間が必要です。
1,000時間もの勉強時間が必要なのは、中小企業診断士が国家資格の中でも難易度の高い資格だからです。
試験の合格率から中小企業診断士の難易度を見てみましょう。
中小企業診断士の筆記試験には1次試験と2次試験があります。平成21年度(2009年度)から令和5年度(2023年度)に行われた試験の合格率は次のとおりです。
合格率 | 平均 | 最高 | 最低 |
---|---|---|---|
1次試験(A) | 25.42% | 42.50% | 15.90% |
2次試験(B) | 19.59% | 25.00% | 17.80% |
試験合格率(A)x(B) | 4.98% | 7.80% | 3.10% |

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なお、2次試験には筆記試験を通過後、口述試験(面接)もあります。
ただし、近年の口述試験では、2次の筆記試験を突破した人のほぼ全員が合格しています。
1日あたりの勉強時間・勉強スケジュールでは、1,000時間を1日単位の勉強時間に落とし込むと、どの程度の時間になるのでしょうか。
2つのケースを見ていきましょう。
- 1年で合格を目指す場合
- 2~3年程度かけて合格を目指す場合
なお、「1,000時間」はあくまで目安です。
すでに深い知識・経験がある科目は1,000時間よりも勉強時間が少なくなります。
ただし、はじめて学ぶ科目は勉強時間が見立てよりも多くなる場合があるため、勉強時間は参考としてお考えください。
1年でストレート合格を目指す場合

「1,000時間」を基準に考えると、1年(約50週)でストレート合格を狙う場合、1週間あたり20時間の勉強が必要です。
平日・休日それぞれで1日あたりの勉強時間を割り出すと、次のようになります。
曜日 | 勉強時間 |
---|---|
月 | 2.5時間 |
火 | 2.5時間 |
水 | 3時間 |
木 | 2.5時間 |
金 | 2時間 |
土 | 4時間 |
日 | 3.5時間 |
合計 | 20時間 |
1年の勉強期間でストレート合格を目指す場合には、平日・休日とも1日あたりの勉強時間は長くなる傾向にあります。
ただ、仕事と両立する期間は短くて良いため、短期間で集中して資格取得を狙いたい方には適しているでしょう。
また、転職や昇進などを目指す場合には、短期間での資格取得は次のステップへ早く進めることにもなります。
2〜3年程度かけて合格を目指す場合

前述のような1日あたりの勉強時間を確保できない場合は、中小企業診断士の特徴である科目合格の制度を活用し、2〜3年程度かけて資格取得を目指す方法もあります。
科目合格とは「満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率」の場合に認められる制度です。
申請を行うことで、翌年度と翌々年度の1次試験で当該科目の試験が免除されます。
【参考】日本中小企業診断士協会連合会「第1次試験科目合格パターン例」
1次試験は7科目あるため、たとえば1年目は4科目に「科目合格」し、2年目は残り3科目と2次試験の合格を狙うといったイメージです。
1,000時間を基準に考えると、2年(約100週)でストレート合格を狙う場合には、1週間あたりの勉強時間は10時間です。
こちらも平日・休日それぞれ1日あたりの勉強時間を割り出しましたので、参考にしてみてください。
▼1日あたりの勉強時間(例)
曜日 | 勉強時間 |
---|---|
月 | 1時間 |
火 | 1時間 |
水 | 1時間 |
木 | 1時間 |
金 | 1時間 |
土 | 2.5時間 |
日 | 2.5時間 |
合計 | 10時間 |
1年の勉強期間でストレート合格を目指す場合よりも、1日あたりの勉強時間は少なめです。そのため、仕事との両立をはかりやすいでしょう。
【1次試験の勉強内容】科目別勉強時間・優先順位:800時間程度
合格に向けた総勉強時間を1,000時間とする場合、1次試験の勉強時間は800時間程度が目安です。
1次試験(7科目)の科目別勉強時間は、2次試験との関連性が高い科目の優先度をあげ、時間を長めに確保することを推奨します。

2次試験との関連度 | 試験科目 |
---|---|
高 | 企業経営理論、財務・会計、運営管理 |
中 | 経営情報システム |
低 | 中小企業経営・中小企業政策 |
1次のみ | 経済学・経済政策、経営法務 |
ここからは、科目別の勉強時間の目安と勉強のポイントを、優先度が高い試験科目順に解説していきます
企業経営理論【150時間・★★★】
企業経営理論は、1次試験の中で最も重要な科目の1つであり、全体の試験範囲を理解するための基礎となります。
経営戦略や組織論、マーケティング論など、経営の基本的な理論を学びます。経営理論の知識は、他の科目の理解にも大きく影響するため、最優先で取り組むべき科目です。
勉強時間は150時間時間が目安ですが、基礎から学び、演習問題で理解度を確認することが大切です。
- 経営コンサルティングの根幹である、「経営戦略論」「組織論」「マーケティングについての理解」が問われる。
- 1次・2次ともに重要度が高いテーマは、「事業戦略」「組織論」「価格・チャネル戦略」など。
- 単純な知識問題は少なく、思考力を問われる。
- 重点分野、流す分野を決めて学習時間を配分する。
財務・会計【180時間・★★★】
財務・会計は、経営を行う上で欠かせない「アカウンティンデング」と「ファイナンス」に関する基礎的な知識を学ぶ科目です。
数値に基づく計算問題が多いため、実際の試験に出題される問題を繰り返し解きながら、計算力と理解を深めていく必要があります。
特に、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書の読み解き方を理解することが重要です。
十分な時間を割くことは、2次試験に必要な知識の理解にもつながります。
推奨勉強時間は180時間で、基礎から実践的な問題まで幅広く取り組むことが求められます。
- 重要な経営資源「資金」に関する内容。経営コンサルタントとして、経営を数字で診断するスキルが問われる。
- 1次・2次ともに重要度が高いテーマは、「経営分析」「投資評価」「キャッシュフロー計算書」など。
- 2次試験でも必ず、財務・会計の知識で計算が必要な問題が出題される。
- 計算問題が多く出題されるため、他科目よりも学習時間がかかる。
運営管理【150時間・★★★】
運営管理は、企業が日々の業務を効率的に進めるための管理手法を学ぶ科目です。
製造業やサービス業の運営に関する基本的な理論や実務を学びます。
特に、生産管理や品質管理、在庫管理などの領域は試験でも頻出のテーマです。
勉強時間は150時間を目安に、理解を深めながら、実際のケーススタディに基づいた問題演習を繰り返すことが効果的です。
- 中小企業への経営コンサルティングで必須の「現場のオペレーション管理」に関する内容が問われる。
- 1次・2次ともに重要度が高いテーマは、「生産管理と生産方式」「生産計画と生産統制」「IE(Industrial Engineering)」など。
- 覚える知識の範囲と量が多い。
- 最初は体系・概要の理解をし、細かい部分に深入りしすぎないようにする。
経営情報システム【80時間・★★☆】
経営情報システムは、現代のビジネスにおいて必須となるIT技術を活用した経営支援の理論や実務を学ぶ科目です。
情報システムの基本的な構造や活用方法について学びます。
近年、IT技術の進化に伴い、ビジネスの効率化や意思決定における重要性が増しています。
勉強時間は80時間程度を目安に、試験範囲に絞って効率的に学習することが重要です。
- 「情報システムの基礎技術」と「経営情報管理」が問われる分野。
- 1次・2次ともに重要度が高いテーマは、「インターネット」「経営情報システム」「情報システムの評価」など。
- 専門的な内容が多く、得意・不得意が分かれやすい。
- 高得点狙い、合格点狙い、足切り回避など狙いを明確にし、適した勉強法を取り入れる。
経済学・経済政策【80時間・★☆☆】
経済学と経済政策は、ビジネスを行う上での経済的な背景や政策的な枠組みを理解する科目です。
市場経済やマクロ経済、ミクロ経済の基礎知識を学ぶことが求められます。
他の科目に比べて出題範囲が広く、理解が難しい部分もありますが、全体的に重要度は少し低めです。
勉強時間は80時間を目安に、効率的に基本的な理論を押さえることがポイントです。
- 数式や理論的な内容が多く「ミクロ経済学」「マクロ経済学」の2分野から出題される。
- 最初の1次試験科目であり、2次試験にはほとんど関連しない。
- グラフを使った問題が多い。
- 暗記だけでなく数式をグラフで理解したり、できるだけ具体例で理解したりする。
経営法務【80時間・★☆☆】
経営法務は、企業が活動する上で必要となる法律の基本的な知識を学ぶ科目です。
企業の契約や取引に関する法律、労働法などが中心の内容となります。
企業運営において必須となりますが、経営法務に関しては他の科目よりも優先度が低く、勉強時間も比較的少なくて済みます。
勉強時間は80時間を目安に、必要最低限の知識を身につけることを目指しましょう。
- 企業経営に関連する法律の内容で、基礎的な法律知識が問われる。
- 頻出分野が明確で2次試験には、ほとんど関連しない。
- 基礎知識があれば解ける問題が多い。
- 暗記要素が強いため、試験直前の詰め込み学習でもある程度対応できる。
中小企業経営・政策【60時間・★☆☆】
中小企業経営・政策は、中小企業を対象とした経営や政策に関する科目です。
試験での出題頻度が低いため、他の科目に比べて勉強時間は少なくて済みます。
勉強時間は60時間程度を目安に、必要な部分を効率よく学ぶことが求められます。
政策や支援策についての理解を深めることがポイントです。
- 中小企業に特化した唯一の科目で、「中小企業経営」「中小企業政策」の2分野から出題される。
- 2次試験にはほとんど関連しない。
- 暗記量が多い。
- 試験に出そうな所「だけ」を学習し、暗記は直前に集中的に行う。

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【2次試験の勉強内容】勉強時間の配分:200時間程度
中小企業診断士における2次試験の勉強時間の配分は200時間程度が目安と言われています。
中小企業診断士の二次試験は10月末頃に実施され、4科目(事例)、記述試験、配点は各100点です。
合格基準は、筆記試験60%以上の点数でかつ、1科目でも40%未満ではなく、口述試験における評定が60%以上である必要があります。
事例Ⅰ〜Ⅲ、事例Ⅳに共通して言えることは、基礎や基本の型といった解きやすい問題から対策することです。
- 事例Ⅰ:組織(人事を含む)
- 事例II:マーケティング、流通
- 事例Ⅲ:生産、技術
- 事例Ⅳ:財務、会計
勉強時間の目安として、事例Ⅰ〜Ⅲは3科目合計で100時間程度ですが、事例Ⅳは1科目だけで100時間が目安となります。
各事例には、企業の状況や課題などに関する「与件文」が出題されます。
与件文の長さは事例Ⅰ〜Ⅲでは2,000〜3,000字程度ですが、事例Ⅳでは財務諸表などの資料も出題されるため、与件文は1,000字程度と短くなります。
また、各事例に対しておおよそ5問程度の問題が出題され、解答には文字数制限が設けられています。
解答は、短いもので20字程度から、長いもので200字程度のことが多いです。
特に事例Ⅳは計算問題が多い傾向にあるため、計算が苦手な人は過去問を繰り返し解き、解答例や参考解説を確認しながら解答力を高めることが重要です。
また、事例Ⅳの問題は正誤がはっきりしているため、解答しても部分点が期待できません。
そのため、確実に得点を取るためには、過去問を解いて、正確な答えを出せるようにしておくことが重要です。
応用問題より基本問題を確実に点数が取れるよう過去問や模試試験の復習をしましょう。
2次試験では効率的な勉強スケジュールで以下のポイントが大切です。
- 1日2〜3時間を確保し、長期戦を意識
- 事例Ⅰ〜Ⅲは論述の型を徹底的に練習
- 事例Ⅳは、初期は基礎計算→徐々に応用問題へ移行
ここからは、事例Ⅰ〜Ⅲ、事例Ⅳの勉強時間と対策について解説します。
事例Ⅰ〜Ⅲ:100時間
事例Ⅰ(組織・人事)、事例Ⅱ(マーケティング・流通)、事例Ⅲ(生産・技術)の3つの事例は、診断士試験の中核を成す問題です。
論述式であり、知識だけでなく、実際の企業の課題に対する分析力や提案力が問われます。
重点対策として試験前までに以下を行いましょう。
- 過去問を繰り返し解く(最低5年分)
- 模範解答を研究し、解答の型を身につける
- 事例ごとの重要論点(フレームワーク)を整理
事例Ⅳ:100時間
事例Ⅳ(財務・会計)は、多くの受験生が苦手とする科目です。計算問題が多く、正確かつスピーディーな解答が求められます。
「事例Ⅳ」の難しさは、経営指標やキャッシュフローなどの計算問題が多く含まれている点にあります。
単に覚えるだけではなく、計算の仕組みを理解し、それに基づいて答えを導き出さなければならないため、他の科目よりも難易度が高くなります。
重点対策として試験前までに以下を行いましょう。
- 計算スピードを上げるための演習(CF計算、NPV計算など)
- 財務諸表分析のパターンを理解する
- 過去問と類似問題を繰り返し解き、解法を定着させる

中小企業診断士の2次試験対策!合格をつかむ3つの基本戦略
中小企業診断士の2次試験は、まず筆記試験が行われ、これを通過した人に口述試験が実施されます。2次試験の合格率は18%程度と難易度が高く、特に筆記試験は記述式…
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【口述試験の勉強内容】勉強時間の配分:5時間程度
中小企業診断士の口述試験は、第2次試験の一部であり、筆記試験に合格した後に実施されます。
口述試験は、面接形式で行われ、受験者が筆記試験で得た知識を実務にどれだけ適用できるかを評価する場です。
試験時間 | 受験生ごとに約10分程度。 |
評価基準 | 試験官が受験者の論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション力を総合的に評価します。 |
実施時期 | 1月下旬の日曜日 |
合格率 | 95%以上 |
試験官は、事例問題に基づいて受験者に質問をし、答えた内容から論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション力を総合的に評価します。
【参考】一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会 試験に関するよくある質問(FAQ)
各事例に対して、受験者は問題を分析し、適切な解決策を提示することが求められます。
例えば、人事制度や組織改革、マーケティング戦略、財務分析など、実際の企業の状況に即した問題に答える必要があります。
口述試験の準備としては、各事例の深い理解が重要です。
過去問を解いたり、模擬試験を受けたりして、問題解決のアプローチを身につけましょう。
また、解答においては、単に知識を述べるだけでなく、論理的に問題を分析し、その解決策を明確に伝える能力が重要です。
さらに、試験では自分の考えを簡潔かつわかりやすく伝えるプレゼンテーション力も評価されます。
筆記試験で合格した後も、口述試験の準備に十分な時間をかけ、実務的な観点から解答できるようにすることが重要です。
口述試験に合格すると、実務補習や実務従事を経て、正式に中小企業診断士としての登録を受けられます。

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中小企業診断士取得に向けた1年間の勉強スケジュールと手順
中小企業診断士試験は、1次試験(マーク式)と2次試験(論述式)に分かれており、合格には計画的な学習が不可欠です。
合格率は決して高くなく、特に2次試験は相対評価のため、戦略的な学習計画が求められます。
1年間で合格を目指すための具体的な学習スケジュールと手順を解説します。
STEP1. インプット中心の勉強をする
学習の初期段階では、1次試験の7科目(経済学・財務会計・企業経営理論・運営管理・経営法務・経営情報システム・中小企業経営・政策)の基礎知識をしっかりと身につけることが重要です。
「インプット中心」の学習に徹し、テキストや講義動画を活用しながら、各科目の全体像を理解することを優先します。
特に、財務・会計は2次試験の事例Ⅳ(計算問題)にも直結するため、早い段階から重点的に学習しておくと後の負担が軽減されます。
科目ごとに2〜3週間の学習期間を設け、平日は2〜3時間、休日は5時間以上の学習時間を確保すると良いでしょう。
通勤時間には音声講義を聞いたり、隙間時間に要点をまとめたノートを見返したりするなど、効率的な学習を心がけることが大切です。
また、過去問に軽く目を通して、どのような知識が求められるのかを把握しておくことも効果的です。
インプット学習の段階でも、「学ぶだけで終わらせず、出題傾向を意識する」という視点を持つことで、今後のアウトプット学習がスムーズに進みます。
STEP2. アウトプット中心の勉強をする
基礎知識が一通り身についたら、学んだ内容を定着させるために「アウトプット中心」の学習へ移行します。
問題演習を増やし、問題を解くことで知識の定着を図ります。過去問や予想問題を積極的に活用し、1日2〜3科目を解く習慣をつけると良いでしょう。
この時期の学習比率は、「アウトプット7:インプット3」の割合が理想的です。
過去問を解いた後は、必ず解説を確認し、間違えた問題はなぜ間違えたのかを分析することが大切です。
単に答えを覚えるのではなく、「なぜその答えになるのか」を理解し、同じタイプの問題が出題されたときに確実に得点できるようにしましょう。
この時期に意識すべきポイントは、「解答スピードを上げる」ことです。
本試験では限られた時間の中で多くの問題を解く必要があるため、時間を計測しながら解答する習慣をつけましょう。
STEP3. 1次試験対策をする(過去問/模擬試験)
試験本番が近づいてきたら、1次試験の総仕上げに取り組みます。
この段階では、実践的な演習を重ね、合格に必要な得点力を確保することが最優先です。
直近5年分の過去問を最低でも3周解き、出題傾向を完全に把握しましょう。
また、模試を活用し、試験本番と同じ環境で問題を解く練習を積むことが重要です。
1回目の模試では実力を確認し、2回目以降は時間配分を意識して解答スピードを上げるようにします。
特に、暗記系科目(経営法務・中小企業政策)は試験直前に集中して学習することで、記憶を新鮮な状態に保つことができます。
1次試験の直前期は、新しい問題に手を出すのではなく、これまで解いた問題を繰り返し復習し、確実に得点できるようにすることがポイントです。
STEP4. 2次試験対策をする(過去問)
1次試験が終わったら、すぐに2次試験対策へ移行します。2次試験は論述形式のため、解答の型を身につけ、素早く文章を書く訓練が不可欠です。
まずは10年分の過去問を研究し、与件文の読み方や解答の構成パターンを理解することから始めましょう。
次に、答案作成の練習を行います。本番は手書きで解答するため、パソコンではなくノートに書く習慣をつけることが重要です。
また、模範解答と自分の解答を比較し、どのような表現や構成が求められているのかを分析しましょう。
2次試験対策で意識すべきことは、「時間内に論述を完成させる力を養うこと」です。解答のスピードを上げるために、毎日1事例を解く習慣をつけ、試験本番までに十分な演習を積んでおきましょう。
スタディングは短期間で合格を目指せる
難易度の高い中小企業診断士試験に「短期間で」合格するためには、効率的に勉強することが重要です。下記の4つのポイントをおさえておきましょう。

オンライン講座の「スタディング 中小企業診断士講座」なら、これらすべてのポイントをおさえた勉強ができます。ここからは「スタディング 中小企業診断士講座」の具体的な内容について、ポイントごとに紹介します。
効率的な学習戦略
資格試験は合格ラインさえ超えれば合格できるため、すべてを完璧に学ぶ必要はありません。力を入れるべき部分、抜くべき部分を明確にした学習戦略があれば、効率的に学習を進められるでしょう。
スタディングでは、短期間で国家試験に合格した人の勉強法を徹底的に研究しています。合格に必要な教材と勉強法がセットになった講座ですので、無駄なく短期間で合格を目指せます。
効率的な方法・ツール
知識のインプットは、文字を読むだけでなく映像や音声なども使うと効率的です。それに加え、何度もくり返し復習することで知識が定着します。
スタディングを活用すれば、映像や音声で学習を進められるため、テキストを読むだけの学習方法に比べ効率的に情報をインプットできます。
スマートフォンを使って学べるため、スキマ時間での学習にも適しており、何度もくり返して学習するのにもぴったりです。
はじめから2次試験合格を意識した学習
記述式の2次試験に合格するには、知識量よりも整理された知識をすばやく引き出せることがポイントです。
短期間で合格を目指すなら、はじめから2次試験を意識して、頭の中を整理しながらインプットしておく必要があります。
スタディングには、知識を体系的に整理してイメージで記憶に定着させる学習マップがあります。
学習マップを使えば、重要なポイントを関連付けることができ、効率的に覚えることが可能です。
受講生は学習マップを印刷して余白に書き込み、オリジナルの教材を作りあげて活用しています。
無理なく継続できる
スマートフォンで学べるスタディングは、場所を選ばずどこでも勉強が可能です。
講義の映像はスキマ時間に見やすい長さで設計されており、仕事の合間や移動時間、お風呂につかりながら学習できたなど、受講者からも喜びの声が届いています。
また「ここまで何時間勉強したか」「問題練習のくり返しでどれだけ得点が上がったか」など努力を「見える化」する機能や、勉強仲間と励まし合う機能もあり、モチベーションをあげながら学習ができるでしょう。
その他にも、学習Q&Aサービス機能があり、これまで受講者がつまづいた悩みを全て閲覧することができます。
自分自身のQ&Aにも講師からの回答を得られるため、継続して学習することができます。
\ 喜びの声が届いています! /
忙しくてもスキマ時間で合格
\スタディング 合格者インタビュー/
よくある質問
こちらでは、中小企業診断士に関するよくある質問について解説します。最後まで見れば、中小企業診断士の勉強に関する疑問を解消でき、合格に向けて何をするべきか理解が深まるでしょう。
中小企業診断士の勉強は楽しい?
中小企業診断士の勉強が「楽しい」と感じるかどうかは、主に学習者自身のモチベーションや目標設定によります。
例えば、経営やマーケティング、財務分析といった、実務に直接役立つ知識を学ぶことに対して興味を持っている人にとっては、勉強が非常に楽しく感じられるでしょう。
勉強の過程で、難解なテーマを理解できた瞬間に達成感を得られる点も、学習の楽しさを引き立てます。
一方で、試験範囲が広く、知識が難解であるため、最初はなかなか手を付けられなかったり、やる気が出なかったりすることもあります。
そのため、勉強が長期戦になることを覚悟し、モチベーションを維持する方法を考えることが重要です。
中小企業診断士の理想の勉強スケジュールは?
理想的な勉強スケジュールは、全体的な計画を立ててから、月別・週別・日別に細分化していくことが大切です。
1年間での学習計画を以下のように分けて、効率的に進める方法を考えてみましょう。
時期 | 目標 | 具体的な学習内容 |
---|---|---|
8月〜12月:インプット期 | 学習の土台を固める | 特に、難解でボリュームの大きい科目から取り組み始めるのがおすすめ。 財務会計や企業経営理論など、理解に時間がかかる分野では、最初から全てを完璧に理解しようとするのは避けましょう。 重要なのは、「理解する」ことに加え、最初に全体像を掴むことです。 |
1月〜6月:アウトプット期 | 過去問を繰り返し解くことで、問題形式や出題傾向に慣れ、試験本番でのスピード感を養う。 | 答えが合っているかどうかだけでなく、選択肢に出てくる用語や背景知識を合わせて覚えていくことで、知識が深まります。 特に、「選択肢の意味」を理解し、その背後にある理論や計算式も意識して学習すると、知識の定着が図れます。 |
7月〜8月:一次試験直前対策期 | 実際の試験形式に慣れる | いかに模擬試験を本番に近い状態で行い、試験本番の流れを体験することです。 過去問や模擬試験を使って、試験の時間配分や問題へのアプローチ方法を徹底的に練習する。 |
9月〜10月:二次試験直前対策期 | 過去問を繰り返し学習し、解答の型を身につける | 与件文の理解力や解答の書き方が試されるため、は過去問を繰り返し学習し、解答の型を身につける。 与件文をどう読み解くか、必要な情報をピックアップするスキルを鍛え、過去問を通じてそのパターンを体得することがポイントです。また、解答を書く際の構成や論理的な流れを意識し、効率的にまとめる方法も重要です。 |
常に自己評価と進捗確認を行いながら学習を進めていくことが、合格への近道です。
中小企業診断士の一次試験に必要な勉強時間は?
中小企業診断士の一次試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的には800時間程度と言われています。
初学者の場合 | 経営学、マーケティング、財務、運営戦略など、幅広い範囲を学ぶ必要があるため、時間を多めに確保します。 1日2~3時間の学習を継続的に行うことで、合格に必要な基礎力が養えます。 |
中級者・経験者の場合 | 過去問演習や応用的な問題を中心に学習するため、勉強時間を少し短縮できます。 1日1~2時間で十分な場合もあります。 |
中小企業診断士を独学で合格するのは無理なのか?
中小企業診断士の試験は確かに難易度が高いため、独学で合格するのは難しいですが、決して不可能ではありません。
しかし、独学の場合、教材選びや試験範囲の管理、進捗確認をすべて自己管理することが求められます。
まとめ:中小企業診断士の勉強時間は1,000時間が目安
今回は、中小企業診断士の試験合格に必要な勉強時間についてご紹介してきました。中小企業診断士を目指して勉強しているなら、以下を念頭に入れましょう。
- 中小企業診断士は国家資格の中でも難易度が高く、勉強時間は1,000時間が目安
- 1次試験では、2次試験との関連度が高い科目の優先度をあげ、勉強時間を長めに確保する
- 2次試験では事例Ⅳの攻略が重要
難易度が高い中小企業診断士試験に合格するためには、優先順位を決めて効率的に学ぶ必要があります。
中小企業診断士の資格取得を目指す方は、スタディングの中小企業診断士講座がおすすめです。
スタディングの講座は従来の資格講座と異なり、スキマ時間を有効活用できる学習システムを提供しています。
徹底的な過去問分析により、合格に直結する知識だけを厳選したカリキュラムとなっているため、時間のない方でも効率よく学習を進められます。中小企業診断士試験の対策をお考えの方は、まずスタディングの無料体験から始めてみてはいかがでしょうか。