中小企業診断士1次試験の受験資格は学歴不問!2次は有効期間に注意

中小企業診断士は受験資格に学歴などの制限なし 2次は有効期間に注意

中小企業診断士は1次試験・2次試験の両方を合格することで初めて取得できる国家資格です。

1次試験は学歴・年齢・実務経験にかかわらず、誰でも挑戦できます。

一方、2次試験を受験できるのは1次試験を通過した人のみとなっており、1次試験合格の「有効期間」内であることも条件です。

本記事では、1次試験・2次試験別に中小企業診断士試験の受験資格について解説します。

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中小企業診断士【1次試験】の受験資格

中小企業診断士の1次試験は年1回、例年8月上旬の土日(2日間)に7科目の筆記試験が実施されます。

1次試験の受験資格に「学歴」「年齢」「実務経験」といった制限はなく、誰でも受験することが可能です。

  • 「学歴」の制限なし
  • 「年齢」の制限なし
  • 「実務経験」の制限なし
  • 1次試験には【科目免除】がある
  • 1次試験には【科目合格】がある

「学歴」の制限なし

中小企業診断士の受験資格に「学歴」の制限はありません。

中小企業診断士は学歴に関係なく誰でも受験できる資格です。

もともと受験資格に学歴を含む国家資格は少数ですが、一部の国家資格では学歴を受験資格としたい場合、要件が細かく決められています。

たとえば、社労士は高卒者は学歴では受験資格の要件を満たせません。

最終学歴が高卒の方が社労士を受験する場合は、「実務経験」や「試験合格(所定の国家試験)」において要件を満たす必要があります。

「年齢」の制限なし

中小企業診断士の受験資格に「年齢」の制限はありません。

中小企業診断士の受験者・合格者のメインとなる年齢層は30〜40歳代です。

令和6年度(2024年度)合格者は30〜40代が6割以上を占めています。

一方、割合は少なくなりますが、より若い世代やより高齢の世代からも一定の合格者が出ています。令和6年度(2024年度)合格者は、最年長が72歳、最年少が19歳でした。

「実務経験」の制限なし

中小企業診断士の受験資格に「実務経験」の制限はありません。

「中小企業診断士になるには、経営コンサルなどの経験がなければ難しいのではないか」というイメージを持っている方も多いのかもしれません。

実際に試験に合格している方の勤務先を見ると、民間企業勤務や金融機関勤務の人が多い傾向にあり、なかには経営や経営コンサルティングに携わっている人もいるのは事実です。

しかし、受験の申し込みの段階では実務経験は求められないので、未経験でも問題はありません。

また、実務経験者は知識が活かせるため試験では有利になりますが、試験は「広く浅く」出題されるため、たとえ未経験者でもポイントをおさえて学習すれば無理なく合格可能です。

1次試験には【科目免除】がある

中小企業診断士の1次試験を受ける際、知っておきたい情報のひとつが、科目免除の制度です。

科目免除はすでに他の資格を保有しているといった特定の条件を満たした際に、1次試験の一部科目が免除されるという制度です。

免除申請ができるのは以下の科目です。資格を保有しているだけで自動で免除されるのではなく、事前の申請が必要です。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 経営法務
  • 経営情報システム

科目免除を受けることによって、試験勉強に必要な時間も少なくなるといったメリットがあります。

しかし、この制度を利用する際にはよく検討することも大切です。

そもそも、科目免除を受けられる資格を保有しているということは、該当科目について一定以上の知識を持っている、つまり高得点を取りやすいと考えられます。

中小企業診断士試験の合格基準のひとつに「受験科目全体の60%以上の得点を獲得する」というものがあります。

科目免除を利用せずにあえて得意科目を受験することで、総得点を押し上げるという戦略を立てることもできるでしょう。

このように、科目免除を利用しないことのメリットもあるということを頭に入れて検討してみてください。

詳細は以下の記事でご確認ください。

1次試験には【科目合格】がある

1次試験の科目合格制度は、戦略的に中小企業診断士試験に合格するために知っておきたい制度です。

1次試験に合格するためには、7科目の総得点が満点の60%以上であり、かつ1科目でも満点の40%未満がないことが必要です。

一度の試験ですべての科目で合格基準点に届かなかった場合でも、7科目のうち60点以上を取れた科目は翌々年の試験まで「科目合格」となり、翌年以降は残りの科目だけを受験することができます。

つまり、段階的に合格して3年間ですべての科目に合格すれば、1次試験合格というわけです。

科目合格を利用する場合は、出願時に科目免除申請によって該当する科目の試験が免除になります。

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中小企業診断士【2次試験】の受験資格

中小企業診断士の2次試験は筆記試験と口述試験です。

例年の日程は、筆記試験は10月下旬の日曜日、口述試験は1月下旬の日曜日となっています。

ただし、令和7年6月25日の官報では中小企業診断士の2次試験は筆記のみになると発表があり、令和8年度試験以降は口述試験が廃止される見込みです。

1次試験に特別な受験資格はありませんが、2次試験を受験できるのは要件を満たした人のみです。

  • 2次試験の筆記試験は【1次試験合格者】が受験できる
  • 2次試験の口述試験は【2次・筆記試験合格者】が受験できる

2次試験の筆記試験は【1次試験合格者】が受験できる

2次試験の筆記試験を受けるには、1次試験に合格していることが条件になります。

ただし、「1次試験合格」という立場は永久に有効なわけではなく、有効期間が定められています。具体的には1次試験に合格した年度を含む2年間に限り、2次試験(筆記)の受験が可能となっています。

たとえば、令和4年度(2022年度)の1次試験に合格した人は、同年度と、翌年度にあたる令和5年度(2023年度)の2次試験(筆記)に進めます。

また、平成12年度(2000年度)以前に1次試験に合格していた方に対しては、特別な措置が設けられていて、1度に限り1次試験を免除して2次試験から受験可能です。

なお、1次試験は科目免除制度等の適用がない限り、7科目の総点数の60%以上の得点率で、かつ1科目でも満点の40%未満がないことが合格基準です。

2次試験の口述試験は【2次・筆記試験合格者】が受験できる

2次試験の口述試験は、2次試験の筆記試験に合格した人が受験できます。時間は1人10分程度、数名の面接官から投げかけられる質問に対し、回答する試験になります。

先述したとおり、口述試験は令和7年度試験を最後に廃止される見込みです。

令和8年度の試験以降は、2次の筆記試験に合格すれば中小企業診断士資格を取得できるようになるでしょう。

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【Q&A】中小企業診断士に関するよくある質問

中小企業診断士の試験や資格に関する、よくある質問にお答えします。

中小企業診断士は「なくなる」の?

インターネットで「中小企業診断士」と検索すると、「なくなる」「食えない」といったキーワードが表示されることがあります。

しかし、中小企業庁は中小企業診断士の資格がなくなるといった発表は一切行っていませんし、大きく稼いでいる診断士も珍しくありません。詳しくはこちらの記事で解説しています。

試験の合格率・難易度は?

中小企業診断士試験の令和6年度(2024年度)までの10年間のデータを見ると、1次試験の合格率は20〜40%程度、2次試験の合格率は20%程度となっており、一発合格の合格率は4~8%程度です。

「必ずしも一発合格しなくてもいい」試験のため、複数年かけて合格を目指すことも可能です。

たとえば、1次試験に合格した年度を含む2年間は1次試験が免除になるため、1年目に1次試験合格、翌年に2次試験合格を目標にするといったプランが考えられます。

独学で合格できる?

中小企業診断士は独学で合格することも不可能ではありません。しかし、働きながら取得を目指せる資格としては最難関クラスなので、仕事と両立するには徹底的に効率化した勉強が不可欠です。

忙しい人には独学サポート学習ツールとして「スタディング 中小企業診断士講座」がおすすめです。

また、独学合格者によるおすすめ勉強方法の解説はこちらの記事で紹介しています。

合格に必要な勉強時間は?

中小企業診断士に合格するには、1,000時間程度の勉強時間が必要と考えられています。1年で一発合格を目指す場合、1週間あたりの勉強時間は20時間程度です。

これを1日あたりの勉強時間に落とし込むと、平日(5日間)に2時間30分ずつ、休日(2日)に3時間45分ずつといったイメージになります。

仕事と勉強を両立するには、1日のスケジュールの中にいかに勉強時間を作るかがポイントです。

試験日・申込方法は?

中小企業診断士の試験は、例年以下の日程で行われています。正式な試験日程は、例年4月頃に公表されます。

試験内容試験時期
1次試験(筆記試験)8月上旬の土・日曜日の2日間
2次試験(筆記試験)10月下旬の日曜日
2次試験(口述試験)翌年1月下旬の日曜日

詳しくはこちらの記事で解説しています。

まとめ

最後に中小企業診断士の受験資格について、ポイントをおさらいしておきましょう。

  • 1次試験は、「学歴」「年齢」「実務経験」などの制限がない
  • 2次試験の筆記試験は、1次試験の合格者のみ受験できる
  • 2次試験の口述試験は、2次試験の筆記試験の合格者のみ受験できる(ただし、口述試験は令和8年度試験以降廃止の予定)

中小企業診断士は受験資格に制限がなく誰でも挑戦できますが、合格率はひと桁の難関国家資格です。仕事と両立しながら合格を目指す方は、スキマ時間の有効活用が不可欠です。

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