中小企業診断士が大学生の就活に役立つ6つの理由
中小企業診断士は大学生の就活においても有利になる資格です。その代表的な理由が以下の6点です。
- 経営の専門性でライバルと差がつく
- 大学生の合格者は珍しいので目立つ
- 資格を生かせる業界・業種が幅広い
- 人脈が広がる
- 社会・企業について説得力のある発信ができる
- 1次試験合格や科目合格も履歴書に書ける
それぞれのポイントについて詳しくご紹介します。
経営の専門性でライバルと差がつく
大学生が新卒で就職活動を行う場合、社会で本格的に働いた経験がないケースがほとんどです。
このため企業からの評価は、意欲、将来性、ビジョンの明確性などを対象に行われます。
これらにプラスして専門的な知識や能力をアピールできれば、内定獲得に向けた大きな武器となるでしょう。
中小企業診断士の資格があれば、経営に関する専門的な知識を持っていることの証明になります。
経営の知識は業界・業種を問わず活用できるので、幅広い企業の選考でライバルと差をつけることができます。
大学生の合格者は珍しいので目立つ
中小企業診断士は、大学生で取得している人が少ない資格の1つです。
大学生が資格を取得していると、希少性が高く、就活で目立つという点もメリットです。
近年の中小企業診断士試験の合格者のうち、大学生を含む「学生」の割合は次のとおりです。
▼中小企業診断士試験の合格における「学生」の割合
年度 | 合格者 | 学生 | 学生の割合 |
令和4(2022) | 1,625人 | 27人 | 1.7% |
令和3(2021) | 1,600人 | 36人 | 2.3% |
令和2(2020) | 1,174人 | 20人 | 1.7% |
令和元(2019) | 1,088人 | 11人 | 1.0% |
平成30(2018) | 905人 | 10人 | 1.1% |
合格者のうち「学生」の割合は1〜2%台と非常に低くなっています。それだけ希少な人材として、企業にアピールできます。
資格を生かせる業界・業種が幅広い
中小企業診断士は経営コンサルティングに関する国家資格であり、経営は業界や業種を問わず、企業には欠かせない要素です。
それだけに、中小企業診断士は業界や業種を問わず生かせる資格となっています。
人脈が広がる
前述のとおり、中小企業診断士は大学生の合格者が少なく、資格取得者の多くは社会人です(合格者の中心は30〜40代)。
大学生のうちに中小企業診断士の資格を取得して、研修や勉強会、講演などに参加すると、さまざまな資格取得者と交流を持つことができます。
学生時代に社会人とのつながりができれば、知見が広がったり、就活に向けたアドバイスをもらえたりするでしょう。
また社会人になった後も、会社の枠組みを超えた人脈は情報交換や相談などに役立つはずです。
社会・企業について説得力のある発言ができる
中小企業診断士の受験勉強を通じて経営に関する幅広い知識を学んでいくと、社会や企業・組織を経営の視点から見ることができるようになります。
就活の面接において、志望する企業について経営者視点で分析して魅力を感じた点や、企業、そして自身の強みなどを分析して話すことができれば、非常に説得力があり、印象に残るアピールができるでしょう。
1次試験合格や科目合格も履歴書に書ける
中小企業診断士試験では、1次試験合格者は履歴書に「◯◯年度中小企業診断修得者」と記載することが認められています。
また、1次試験には科目合格の制度があり、全7科目の総合点で合格基準点に届かなくても、科目ごとの合格基準点をクリアした科目は科目合格となります。
この場合も履歴書に「◯◯年度中小企業支援科目合格者(科目名)」と記載できます。
【あわせて読みたい】中小企業診断士の科目合格を徹底解説!何年有効?科目合格率は?
中小企業診断士の難易度
ここまで述べてきたとおり、大学生のうちに中小企業診断士の資格を取得すると多くのメリットがあります。
とはいえ、中小企業診断士試験は合格率が低く、「社会人が働きながら取得できる資格の中では最難関レベル」と言われています。
試験の難易度について、合格率、勉強時間の目安、試験科目の観点から解説します。
中小企業診断士の合格率
先ほど「大学生の合格者は非常に少ない」と述べましたが、そもそも中小企業診断士試験の合格率は受験者全体でみても非常に低くなっています。
近年の中小企業診断士試験の合格率は下記のとおりです。
▼中小企業診断士試験の合格率
年度 | 1次合格(A) | 2次合格率(B) | 試験合格率(A×B) |
令和4(2022) | 28.9% | 18.7% | 5.4% |
令和3(2021) | 36.4% | 18.3% | 6.6% |
令和2(2020) | 42.5% | 18.4% | 7.8% |
令和元(2019) | 30.2% | 18.3% | 5.5% |
平成30(2018) | 23.5% | 18.8% | 4.4% |
このように中小企業診断士試験の最終的な合格率は4〜7%と非常に低く、合格を掴み取ることができる人はほんの一握りです。
ただし、これは「ストレート合格できた人の割合」です。
中小企業診断士試験は、科目合格制度を活用して2〜3年かけて受験することも可能で、1年あたりの負担を分散させながら着実に合格を目指すのも1つの方法です。
中小企業診断士の勉強時間
中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間とされています。
資格取得には長時間の勉強が必要ですが、これまでの合格者の大半は仕事と受験を両立しています。
受験に専念しなければ合格できないような資格ではありません。
他に人気の難関国家資格を見てみると、社労士や行政書士が500〜1,000時間程度、司法書士は3,000時間程度となっています。
【あわせて読みたい】中小企業診断士の難易度は?受験生の苦労は「勉強時間の確保」
中小企業診断士の試験科目
中小企業診断士試験の難易度が高い理由の1つに、出題範囲が非常に広いことが挙げられます。経営に関する幅広い知識を網羅する学習が求められるのです。
具体的にどのような学習が必要なのかをわかりやすくするために、中小企業診断士試験の科目を大学の学部に当てはめると、下記のようになります。
▼中小企業診断士試験の出題内容や対応する学部のイメージ
試験科目 | 出題内容 | 対応する学部(一例) |
経済学・経済政策 | マクロ経済学、ミクロ経済学 | 経済学部 |
財務・会計 | 資金調達、投資、財務会計、管理会計 | 経済学部、経営学部、商学部 |
企業経営理論 | 経営戦略論、組織論、マーケティング論 | 経済学部、経営学部、商学部 |
運営管理 | 生産・資材在庫管理他 | 経済学部、経営学部、商学部 |
経営法務 | 知的財産権・会社法 | 経済学部、経営学部、商学部法学部 |
経営情報システム | 情報システムの基礎知識、経営情報管理 | 経営情報学部、経済学部、経営学部、その他情報系学部 |
中小企業経営・政策 | 中小企業の経営の動向・課題、政府の中小企業向け施策 | − |
このように幅広い知識を求められる試験ですが、実は合格に必要な知識は絞り込むことができるので、勉強の効率化は可能です。
また、自分の通う学部が上記の表に挙がっていないと不安になるかもしれませんが、中小企業診断士試験は大学で経営を学んでいない人も大勢合格しているので心配無用です。
中小企業診断士を目指す大学生におすすめの勉強法
大学生で中小企業診断士合格を目指すのであれば、まずいつまでに合格する必要があるのかを考えた上でスケジュールを立てる必要があります。
大学生のスケジュール例と、おすすめ勉強法について解説します。
合格までのスケジュールを考える
中小企業診断士の例年の試験スケジュールは下記のとおりです。
▼中小企業診断士試験のスケジュール
1次試験 | 8月 |
2次試験(筆記) | 10月 |
2次試験(口述) | 12〜1月 |
最終合格発表 | 1〜2月 |
なお、最新の試験スケジュールはこちらの記事で解説しています。
【あわせて読みたい】令和5年度(2023年度)中小企業診断士試験の試験日程
上記のような試験スケジュールのため、就職活動のエントリー受付が始まる大学4年の春よりも前に、具体的には大学3年生までに合格している必要があります。
では、合格に必要な勉強時間1,000時間を確保するには、1日あたりの勉強時間はどれくらいになるのでしょうか?
▼1年でストレート合格を目指す場合
1年(約50週)でストレート合格を狙う場合、1週間あたり20時間の勉強が必要です。
平日・休日それぞれで1日あたりの勉強時間を割り出すと、例えば平日2時間、休日5時間となります。
平日の勉強時間を多くすれば、休日の負担は軽くなります。
▼2〜3年で合格を目指す場合
中小企業診断士の1次試験には科目合格の制度があるので、大学3年生までに2〜3年かけて合格を目指すこともできます。
例えば、1年目は4科目に科目合格し、2年目は残り3科目をクリアして2次試験の突破も狙うといったイメージです。
仮に2年(約100週)で合格を目指す場合、1週間あたり10時間の勉強が必要です。
平日・休日それぞれで1日あたりの勉強時間を割り出すと、例えば平日1時間、休日2時間30分となります。
【あわせて読みたい】中小企業診断士の勉強時間は1,000時間!1次・2次・科目別の時間は?
独学は就活に間に合わない懸念あり
合格までのスケジュールが決まったら、次は勉強法を考えます。
大学生にとって最も気軽にチャレンジできる方法は独学でしょう。しかし独学はあまりおすすめできません。
大学生には「就活に間に合わせるなら、大学3年生までに合格する」という期限があり、合格までに何年もかけるわけにはいかないからです。
中小企業診断士試験に独学で合格すること自体は決して不可能ではありませんが、独学は「合格までの最短距離」にはなりません。
特に2次試験の筆記試験は文章で答える記述式のため、解答作成プロセスを身につけるのに苦戦する受験生が多く、独学で行き詰まりやすいポイントとなっています。
就活までに取得するには、資格スクールや通信講座など、合格へのノウハウを知るプロの力を借りるほうが賢いと言えるでしょう。
「時間がない」「お金がない」を解決する通信講座
結論から述べると、大学生におすすめの勉強法は通信講座です。
もし通学で学ぶとなれば、指定された時間に教室で受講する必要があり、行き帰りの移動時間も必要です。
授業、アルバイト、課外活動などで忙しい大学生にとっては、予定を調整しづらかったり、時間の無駄が生じたりする可能性があります。
また、一般的な大学生の場合、自由に使えるお金は社会人より少ないでしょう。
資格スクールの通学に通学する場合の受講料は30万円が相場であり、大学生にとっては大きな負担です。
一方、「時間がない」「お金がない」という大学生の悩みを解決するのが通信講座です。
好きな時間に好きな場所で学べるため、さまざまな予定との両立がしやすくなります。
また、費用の面でも資格スクールに通うよりも安価に抑えることができます。
学生合格者も輩出!スタディング 中小企業診断士講座
オンライン通信講座の「スタディング 中小企業診断士講座」では、学生の合格者も輩出しています。ここではスタディング中小企業診断士講座の特徴や、合格体験談をご紹介します。
スタディング中小企業診断士講座の特徴
「スタディング 中小企業診断士講座」は、過去問を徹底的に分析することによって、合格に必要な知識が短期間で身につくカリキュラムが組まれています。
スマホやタブレットなどの端末を使った動画講義で学習もできるので、教材をいつも持ち歩く必要がありません。
移動時間や授業の間の空き時間といったスキマ時間を活用しやすいという点もポイントです。
試験本番に向けた実践的な練習問題や過去問なども多数用意されているため、知識のインプットのみでなく、頭に入れた知識を得点につなげるテクニックを身につけることができるという点も魅力です。
【合格体験談】学生で合格!
実際にスタディングを使って学生のうちに中小企業診断士に合格された方の声をご紹介します。
私は受験勉強開始時に、受験に必要な知識を一切持っていませんでした。また、一次試験まで約半年であったことから急ピッチで対策を取る必要がありました。 そうした背景からSTUDYingを選び、基礎知識を詰め込みました。 具体的には、講座を3周する事で基礎知識を学んでいきました。残りの対策としては、過去問を解いたのみです。
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まとめ
今回は大学生の中小企業診断士取得について解説しました。
- 大学生が中小企業診断士資格を取得すると希少価値が高く、就活も有利
- 中小企業診断士試験合格のために必要な勉強時間の目安は1,000時間
- 就活までに取得したいなら、時間・費用の面で通信講座がおすすめ
もし就活までに合格できなかったとしても、資格取得に向けて学んだ経営の知識は社会人になってから仕事に役立ちます。
興味がある人はぜひ挑戦してみてください。