
中小企業診断士試験には受験資格がないため、高卒の方でも取得可能です。
学歴に自信がない場合、中小企業診断士という肩書きは強い味方になってくれるでしょう。
本記事では、中小企業診断士の受験資格や試験内容、高卒の方が取得するメリット、合格のポイントなどを解説します。
中小企業診断士の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
高卒でも中小企業診断士は取得できる
中小企業診断士は受験資格に制限がないため、高卒の方でも資格取得が目指せます。
ここでは、以下2つのポイントを解説します。
- 受験資格による制限がない
- 試験内容は受験勉強とまったく異なる
受験資格による制限がない
中小企業診断士試験には受験資格が設定されておらず、年齢や学歴による制限がないため、最終学歴が高卒や中卒の方であっても受験可能です。
人気資格のなかには受験資格として一定の学歴を求めるものがあり、大学を卒業していない場合は受験自体が難しくなるケースもあります。
中小企業診断士試験は受験資格による制限がないため、幅広い層の方が受験可能となっています。

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試験内容は受験勉強とまったく異なる
中小企業診断士の試験は、大学の入試に向けた受験勉強とは内容がまったく異なります。
中小企業診断士試験は1次試験(筆記)と2次試験(筆記と口述)で構成されており、1次試験の科目は以下の通りです。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理(オペレーション・マネジメント)
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
また、2次試験では4つの事例が出題されますが、例年以下のテーマが扱われています。
- 事例I:組織(人事を含む)
- 事例II:マーケティング・流通
- 事例III:生産・技術
- 事例IV:財務・会計
試験を突破するには、これらの科目を網羅的に学習しなければなりません。
簡単ではありませんが、大学入試の受験科目とはまったく異なるため、そのような勉強の経験がない方でも大きなハンデを感じることはあまりないでしょう。
もちろん、大学在学中に経済や経営、法律について学んでいれば、その部分では有利になるかもしれません。
しかし、中小企業診断士の試験では、幅広い知識が必要になるものの、専門的な深い知識は求められません。
大学で学んでいないと習得が難しいという知識ではないため、着実に学習を進められれば高卒の方でも十分資格取得を目指せます。

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高卒の方が中小企業診断士を取得するメリット
ここからは、高卒の方が中小企業診断士を取得する3つのメリットを解説していきます。
- 就職・転職時のアピールになる
- 年収アップにつながりやすい
- 学歴に関係なく活躍できる
就職・転職時のアピールになる
高卒の方が中小企業診断士を取得すると、就職・転職時のアピールに使えます。
中小企業診断士は経営コンサルタントとしての能力が問われる国家資格であり、取得すれば企業経営の専門知識を持っていることの証明になります。
難易度の高い資格として知られているため、保有していれば「学習意欲が高く、継続して努力できる人材」としても高く評価されるでしょう。
大学を卒業していなくても、中小企業診断士の資格を持っていれば知識やスキルを証明でき、周囲との差別化が図れます。

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年収アップにつながりやすい
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、学歴別の賃金は以下の通りとなっています。
最終学歴 | 賃金 |
---|---|
高校 | 273.8千円 |
専門学校 | 294.2千円 |
高専・短大 | 292.5千円 |
大学 | 362.8千円 |
大学院 | 464.2千円 |
あくまで平均値ではありますが、高卒の方は大卒の方よりも賃金が低くなる傾向にあるといえるでしょう。
一方、一般社団法人中小企業診断協会が令和3年に公表した「中小企業診断士活動状況アンケート調査」によると、中小企業診断士の「年間売上または年収」として全体の半数近くが800万円を上回ると回答しています。
高卒の方が年収アップを目指す場合、受験資格に制限のない中小企業診断士の資格を取得し、キャリアに活かすのは有効な選択肢の1つになるでしょう。

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学歴に関係なく活躍できる
高卒の方が中小企業診断士を取得するメリットには、学歴に関係なく活躍できるという点も挙げられます。
中小企業診断士に必要なのは経営に関する専門知識やコンサルティングスキルであり、優秀な学歴があってもコンサルタントとしての能力が低ければ活躍できません。
逆に能力が高ければ、コンサルタントとして活躍でき、将来的には独立・開業できる可能性もあります。
経営コンサルタントとして独立できれば、学歴が問題になるケースはさらに少なくなるでしょう。
中小企業診断士試験に合格するには
中小企業診断士試験に合格するには、以下3つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 試験制度を理解する
- 必要な勉強時間を把握する
- 自分に合った勉強方法を選ぶ
順番に見ていきましょう。
試験制度を理解する
中小企業診断士試験に合格するには、まず試験制度を理解することが大切です。
中小企業診断士試験は1次試験(筆記)と2次試験(筆記と口述)に分かれており、例年以下のスケジュールで実施されます。
- 1次試験:8月
- 2次試験(筆記):10月
- 2次試験(口述):12月
中小企業診断士試験に合格するには1,000時間程度の勉強が必要といわれており、そのうち800時間程度を1次試験の対策に使うのが目安となります。
科目ごとの優先順位を見極め、効率的に学習を進めましょう。
必要な勉強時間を把握する
中小企業診断士試験合格のためには、必要な勉強時間を把握して学習計画を立てることが重要です。
前述の通り、試験合格までの勉強時間は1,000時間程度が目安といわれています。
例えば、1年で合格を目指す場合は1週間に20時間程度の勉強時間を確保する必要があるでしょう。仕事との両立はハードですが、効率的に学習を進められれば十分合格を目指せます。
時間が取れない場合は、2~3年で合格を目指せるようにプラン二ングしてみてください。
自分のライフスタイルに合わせ、ムリのない学習スケジュールを立てることが大切です。

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自分に合った勉強方法を選ぶ
効率的に学習を進め、合格を勝ち取るためには、自分に合った勉強方法を選ぶことも大切です。
まず、独学で勉強するか講座を受講するかといった選択肢があります。
独学は自由に学習を進められたり費用を抑えられたりといったメリットがある反面、学習効率が下がったり途中で挫折してしまったりする可能性があります。
講座の場合、サポートを受けながら着実に学習を進められる反面、一定の費用がかかる点はデメリットといえるでしょう。
また、通学制スクールの場合は教室に通う手間・時間も考慮する必要があります。
「講座を受講したいけどそこまで時間や費用をかけられない」という方は、オンライン講座を利用するのがおすすめです。
通学の手間や費用を抑えながら、効率的なカリキュラムで学習を進められます。
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まずは無料体験をぜひお試しください。
まとめ
本記事では、中小企業診断士の受験資格や試験内容、高卒の方が取得するメリット、合格のポイントなどを解説しました。
記事のポイントをおさらいしましょう。
- 中小企業診断士試験は受験資格による制限がなく、高卒の方でも受験できる
- 中小企業診断士の資格を取得すれば、就職・転職時にアピールできるほか、年収アップにもつながりやすくなるため、キャリアや収入に不安を感じている方におすすめ
- 中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間程度であり、計画的・効率的に学習を進める必要がある
- 独学なら費用は抑えられるが、学習の効率性や継続性には不安が残る
- オンライン講座であれば、費用を抑えながら効率的なカリキュラムで学べる
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