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中小企業診断士の難易度は?受験生の苦労は「勉強時間の確保」

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【スタディング 中小企業診断士講座】

【合格率】から見る中小企業診断士の難易度

中小企業診断士試験は、1次試験(筆記)2次試験(筆記と口述)で構成されています。

最終的な試験合格率は、平成30年度(2018年度)以降は4.4〜7.8%で推移しています。

▼中小企業診断士試験の合格率

年度 1次合格率(A) 2次合格率(B) 試験合格率(A×B)
令和4(2022) 28.9% 18.7% 5.4%
令和3(2021) 36.4% 18.3% 6.6%
令和2(2020) 42.5% 18.4% 7.8%
令和元(2019) 30.2% 18.3% 5.5%
平成30(2018) 23.5% 18.8% 4.4%

1次試験の合格率

1次試験(筆記)の合格率は、平成30年度(2018年度)以降は23.5〜42.5%で推移しています。

▼中小企業診断士1次試験の合格率

年度 受験者数(A) 合格者数(B) 合格率(B÷A)
令和4(2022) 17,345人 5,019人 28.9%
令和3(2021) 16,057人 5,839人 36.4%
令和2(2020) 11,785人 5,005人 42.5%
令和元(2019) 14,691人 4,444人 30.2%
平成30(2018) 13,773人 3,236人 23.5%

注1:受験者数(A)は欠席した科目がひとつもない者の人数。

▼1次試験の合格基準

  1. 総点数の 60% 以上であって、かつ 1科目でも満点の 40% 未満のないこと(左記を基準に試験委員会が相当と認めた得点比率)
  2. 科目合格基準は、満点の60%(左記を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率)

2次試験の合格率

2次試験(筆記と口述)の合格率は、平成30年度(2018年度)以降は18.3〜18.8%で推移しています。

▼中小企業診断士2次試験の合格率

年度 受験者数(A) 合格者数(B) 合格率(B÷A)
令和4(2022) 8,712人 1,625人 18.7%
令和3(2021) 8,786人 1,600人 18.3%
令和2(2020) 6,388人 1,174人 18.4%
令和元(2019) 5,914人 1,088人 18.3%
平成30(2018) 4,812人 905人 18.8%


▼2次試験の合格基準

筆記試験における総点数の 60% 以上でかつ 1科目でも 40% 未満のものがない者であって、口述試験における評定が 60% 以上

【勉強時間】から見る中小企業診断士の難易度

中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間程度といわれています。たとえば1年で合格を目指すなら、1日あたりの勉強時間は下記が目安です。

平日(5日) 休日(2日)
2時間 5時間
2時間30分 3時間45分
3時間 2時間30分
3時間30分 1時間15分

<アンケート>令和3年合格者「勉強時間の確保」に苦労

診断士 受験生の苦労

令和3年度(2021年度)に合格したスタディング中小企業診断士講座受講生(143名)へのアンケート結果によると、「試験勉強で苦労したこと」は、1位「勉強時間の確保」、2位「モチベーションの維持」、3位「内容を記憶すること」でした。

▼試験勉強で苦労したことは?(複数回答可)

順位
項目
票数
1
勉強時間の確保
79
2 モチベーションの維持 68
3 内容を記憶すること 54
4 内容を理解すること 45
5 試験問題が解けるようになること 42

つまり中小企業診断士試験の難しさは、出題内容というよりも「勉強を続けること」、とくに勉強時間にあると言えそうです。

また、同じアンケートの「講座を選ぶ際に重視したことは?」という質問でも「どこでも勉強できる」が2位で、ここでも勉強時間の確保が強く意識されています。

診断士 講座で重視すること

▼講座選びで重視したことは?(複数回答可)

順位 項目 票数
1 価格 117
2
どこでも勉強できる
110
3 ビデオ講座の分かりやすさ 70
4 問題演習が充実している 55
5 テキストの分かりやすさ 38

勉強時間の確保が大変とはいえ、中小企業診断士は働きながら取得できる資格です。

「時間を作るために仕事を辞める」という決断までする必要はありません。実際に合格者のほとんどは仕事と両立して合格しています。

上記のアンケート結果を見ても、仕事と両立するためにスキマ時間を活用するなど、場所と時間を問わずコツコツ勉強するつもりで臨んだ人が合格していると言えるでしょう。

勉強時間を他の資格と比較

合格に必要な勉強時間を他の資格と比較すると、下記のとおりです。

資格 勉強時間(目安)
中小企業診断士 1,000時間
社労士 500〜1,000時間
税理士 4,000時間
公認会計士 3,500時間
司法書士 3,000時間
行政書士 500〜1,000時間
証券アナリスト 200時間
MBA 400時間

たとえば法律系資格では司法試験に次ぐ難しさとされる司法書士は、3,000時間もの勉強が必要なので仕事を辞めて勉強に専念するケースも珍しくありません。

しかし中小企業診断士や社会保険労務士の1,000時間程度であれば、仕事と両立して合格を目指すことが現実的なラインと言えます。

忙しい人は独学合格の難易度が高い

資格取得を目指すにあたって気になることの1つは、「独学で合格できるのか」ということではないでしょうか。

中小企業診断士は独学で合格することも不可能ではありません。ただし、独学は効率が悪くなりがちです。

ここまで見てきたとおり、中小企業診断士試験は限られた時間でいかに勉強するかが課題なので、忙しい人が独学で挑むと合格の難易度が上がってしまうでしょう。

では、働きながら短期間で合格するにはどうすればいいのでしょうか?それはこの記事の後半で紹介します。

【試験科目】から見る中小企業診断士の難易度

中小企業診断士試験の難易度について、次は試験科目から見ていきましょう。

1次試験は、科目数が多いことが課題です。経営に関する幅広い知識を問われます。

一方、2次試験は記述式となっており、単に必要な知識を頭に詰め込むだけでなく、理解した上で自分の言葉で説明しなければならない難しさがあります。

1次試験の科目別難易度

中小企業診断士の1次試験は7科目で、科目別の難易度の目安は下記のとおりです。

▼中小企業診断士1次試験の科目別難易度

難易度 科目
財務・会計
普〜難 企画経営理論、経営情報システム
運営管理、経済学・経済政策
易〜普 経営法務、中小企業経営・政策

※難易度はあくまで傾向や目安です。学習状況、ご経験によって個人差が生じやすく、試験年度によっても変化します。

<アンケート>令和4年度1次試験受験者が感じた科目別難易度

上記のとおり、科目別難易度は試験年度によっても変化します。直近の試験について、受験生はどう感じたのでしょうか?

スタディング中小企業診断士講座では、令和4年度(2022年度)に1次試験を受験した受講生にアンケートを実施し、「他の科目より難しいと感じた科目」について質問しました。

▼他の科目より難しいと感じた科目(複数回答可)

順位 項目 票数
1 財務・会計 182
2 経済学・経済政策 146
3 経営情報システム 127
4 中小企業経営・政策 109
5 運営管理 70
6 企業経営理論 54
7 経営法務 28


▼スタディング講座開発担当者コメント

令和4年度の試験は、「経済学・経済政策」の難易度が特に高かったことが特徴的です。

ただし、必ずしも今まで問われなかったような新出のテーマが問われるようになったわけではなく、より正確な知識が身に付いているかを問うような選択肢の問題が多く出題されていた印象です。


易しく感じた方がもっとも多かった「経営法務」は、基本的な知識で解ける問題が多かったようです。

ただし、受験年度によっては「経営法務」が特に難化した年もあったため、今後も油断はできません。

2次試験の科目別難易度

中小企業診断士の2次試験(筆記)は4科目で、科目別の難易度の目安は下記のとおりです。

▼中小企業診断士2次試験の科目別難易度

難易度 科目
事例Ⅳ(財務・会計)
普通 事例Ⅰ(組織)

事例Ⅱ(マーケティング・流通)

事例Ⅲ(生産・技術)

「事例Ⅳ」が難しい理由は、経営指標やキャッシュフローといった計算問題が多く出題される点です。

単に暗記するのではなく、仕組みを理解した上で計算して答えを導き出す必要があるため、難易度が高くなります。

必要な勉強時間も、事例Ⅰ〜Ⅲは3科目の合計で100時間ですが、事例Ⅳは1科目だけで100時間が目安です。

事例Ⅳは正誤が明確なこともあって、解答したとしても部分点は期待できません。

そのため、確実に得点を獲得するためには過去問などで正確な答えを出せるようになっておくことが大切です。

中小企業診断士の難易度は低下している?

「中小企業診断士試験の難易度が低下している」ということは、一概には言えません。

過去の合格率を見ても、年度ごとに多少の違いはありますが、大きく変動しているということはありませんでした。

直近の試験結果を見てみると、令和3年度(2021年度)は前年度に比べて合格率が上昇していますが、このまま年々合格率が上昇していくとは考えにくいでしょう。

今後も合格率は一定の水準をキープするものと思われます。

また1次試験、2次試験ともに、試験の構成には変更がありませんので、その点でも難易度が変化しているとは言いにくいでしょう。

1次試験については、試験年度の科目ごとに明確に難化、易化の傾向が現れることが多いです。

難化する科目では、より細かい論点を問われたり、選択肢が複雑になるなど、より正確な知識を求められるような問題が多く出題されています。

易化する科目では、より基本的な知識を中心とした問題が問われています。

ただしこれは難易度のバランスを取っているものと考えられますので、あくまで全体を通しての難易度は変わらないものと考えられます。

中小企業診断士試験に働きながら短期間で合格する方法

前述のとおり、中小企業診断士試験は仕事をしながら受験する人が多いです。短期間で合格するには、次のポイントを意識して勉強しましょう。

診断士 働きながら短期合格するポイント

効率的な学習戦略を立てる

短期間で合格したいなら、出題範囲を隅から隅まで細かく勉強している時間はありません。広い出題範囲のうち力を入れる部分と抜く部分を明確にした学習戦略を立て、それに沿って学習を実行しましょう。

特に、専門知識の深みにはまらないことが重要です。試験は6割の得点が取れれば合格できます。基本的な部分、頻繁に出題される部分を集中的に対策しましょう。

効率的な学習方法・学習ツールを使う

どのような学習ツールを使ってどのように学習するかは、学習の効率=時間を大きく左右します。たとえば、テキストを読んでいるだけではなかなか頭に入りません。かといってすべての内容をノートにまとめる方法をとっても、膨大な時間がかかるでしょう。

知識のインプットは、目だけでなく耳からも同時に行うと効率的です。また、何度もくり返し復習することで知識が定着します。こういった方法を取り入れることができるツールがおすすめです。

1次試験・2次試験を分けずに勉強する

筆記試験を制するコツは、1次試験と2次試験の科目別の関連度を把握してから勉強することです。

1次試験の科目のうち、企業経営理論、財務・会計、運営管理は2次試験との関連度が高いので、1次試験の全科目の中でも優先的に取り組むと効率的です。

また、2次試験は知識を整理してインプットしておき、試験本番でいかに素早く引き出して解答するかがポイントになります。

個別の知識がどのように関連しているかを覚えるには、図を描いて視覚的に強く印象に残るようにすると効果的です。

勉強を最後まで継続する

中小企業診断士試験で合格するためにもっとも重要なのは、一度勉強を始めたら諦めることなく継続することです。

前述のとおり、中小企業診断士試験合格にかかる時間の目安は1,000時間と長く、無理な計画は長続きしません。継続するには、日々の生活の中に勉強時間を無理なく組み込むことが大切です。

通勤中、昼休み、寝る前のちょっとした時間などの「スキマ時間」をうまく活用しましょう。

【スタディング】スキマ時間で中小企業診断士になる

ここまで見てきたような短期合格のポイントをすべておさえた学習を実現するには、オンライン通信講座の「スタディング 中小企業診断士講座」がおすすめです。

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まとめ

この記事では中小企業診断士試験の難易度について解説しました。

  • 中小企業診断士試験の合格率は4〜7%程度
  • 合格に必要な勉強時間は1,000時間程度で、仕事との両立は可能
  • 実際に合格者した人からは「勉強時間の確保に苦労した」という声が多い
  • 1次試験は「財務・会計」、2次試験は「事例Ⅳ(財務・会計)」の難易度が高い

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