中小企業診断士の偏差値は?難易度が高いといわれる原因は何?

中小企業診断士はここ数年合格率が5%前後で難易度の高い試験です。合格率で偏差値を出すと、64~67といわれています。

しかし、合格に必要な勉強時間は約1,000時間といわれており、ほかの難関資格と比較すると働きながら時間をかけて試験勉強に励む社会人が多い試験でもあります。

なぜ中小企業診断士試験が難しいのかに焦点を当て、その原因や効率的な試験対策を解説します。

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる

中小企業診断士試験の難易度、合格率はどのくらい?

中小企業診断士試験は、1次試験(筆記)2次試験(筆記と口述)で構成されています。

最終的な試験合格率は、令和元年度(2019年度)以降は5.1〜7.8%で推移しています。

▼中小企業診断士試験の合格率

年度1次合格率(A)2次合格率(B)一発合格率(A×B)
令和元(2019)30.2%18.3%5.5%
令和2(2020)42.5%18.4%7.8%
令和3(2021)36.4%18.3%6.6%
令和4(2022)28.9%18.7%5.4%
令和5(2023)29.6%18.9%5.6%
令和6(2024)27.5%18.7%5.1%
令和7(2025)23.7%

1次試験の合格率

1次試験(筆記)の合格率は、令和元年度(2019年度)以降は27.5〜42.5%で推移しています。

▼中小企業診断士1次試験の合格率

年度受験者数(A)合格者数(B)合格率(B÷A)
令和元(2019)14,691人4,444人30.2%
令和2(2020)11,785人5,005人42.5%
令和3(2021)16,057人5,839人36.4%
令和4(2022)17,345人5,019人28.9%
令和5(2023)18,621人5,521人29.6%
令和6(2024)18,209人5,007人27.5%
令和7(2025)18,360人4,344人23.7%
注1:受験者数(A)は欠席した科目がひとつもない者の人数。

1次試験の合格基準

  1. 総点数の 60% 以上であって、かつ 1科目でも満点の 40% 未満のないこと(左記を基準に試験委員会が相当と認めた得点比率)
  2. 科目合格基準は、満点の60%(左記を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率)

2次試験の合格率

2次試験(筆記と口述)の合格率は、令和元年度(2019年度)以降は18.3〜18.9%で推移しています。

▼中小企業診断士2次試験の合格率

年度受験者数(A)合格者数(B)合格率(B÷A)
令和元(2019)5,914人1,088人18.3%
令和2(2020)6,388人1,174人18.4%
令和3(2021)8,786人1,600人18.3%
令和4(2022)8,712人1,625人18.7%
令和5(2023)8,241人1,555人18.9%
令和6(2024)8,119人1,516人18.7%

2次試験の合格基準

筆記試験における総点数の 60% 以上でかつ 1科目でも 40% 未満のものがない者であって、口述試験における評定が 60% 以上

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる

中小企業診断士試験の難易度を偏差値でたとえると?

1次試験・2次試験を経た中小企業診断士の最終的な合格率は5.1~7.8%です。

この数字をもとに偏差値を考えると、上位8%であれば約64となります。

合格率の低い年度の上位5%となると、偏差値は約67です。

つまり、中小企業診断士の合格に必要な偏差値は、64~67程度といえます。

高校受験や大学受験を経験している方なら、この偏差値がとても難易度が高いことを表していると理解できるのではないでしょうか。

もちろん、毎年合格者は確実に出ているので、正しく努力をすれば無理というわけではありません。

しかし、中小企業診断士は取得するのが難しい資格だといえるでしょう。

必要な勉強時間から見る、中小企業診断士の難易度

中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間程度といわれています。たとえば1年で合格を目指すなら、1日あたりの勉強時間は下記が目安です。

平日(5日)休日(2日)
2時間5時間
2時間30分3時間45分
3時間2時間30分
3時間30分1時間15分

【アンケート結果でわかる】合格者の多くが苦労した「勉強時間の確保」

診断士 受験生の苦労

令和6年度(2024年度)に合格したスタディング中小企業診断士講座受講生(274名)へのアンケート結果によると、「試験勉強で苦労したこと?」という問いへの回答として、

1位「勉強時間の確保」、2位「モチベーションの維持」、3位「内容を記憶すること」が挙がりました。

▼試験勉強で苦労したことは?(複数回答可)

順位項目票数
1勉強時間の確保156
2モチベーションの維持117
3内容を記憶すること89
4試験問題が解けるようになること82
5内容を理解すること77

つまり中小企業診断士試験の難しさは、出題内容というよりも「勉強を続けること」、とくに勉強時間にあると言えそうです。

また、同じアンケートの「講座を選ぶ際に重視したことは?」という質問でも「どこでも勉強できる」が2位で、ここでも勉強時間の確保が強く意識されています。

診断士 講座で重視すること

▼講座選びで重視したことは?(複数回答可)

順位項目票数
1価格225
2どこでも勉強できる219
3問題演習が充実している144
4ビデオ講座の分かりやすさ143
5テキストの分かりやすさ69

勉強時間の確保が大変とはいえ、中小企業診断士は働きながら取得できる資格です。

「時間を作るために仕事を辞める」という決断までする必要はありません。実際に合格者のほとんどは仕事と両立して合格しています。

上記のアンケート結果を見ても、仕事と両立するためにスキマ時間を活用するなど、場所と時間を問わずコツコツ勉強するつもりで臨んだ人が合格していると言えるでしょう。

勉強時間をほかの難関資格と比較!

合格に必要な勉強時間をもとに難易度を比較すると、以下のようになります。

資格勉強時間(目安)
中小企業診断士1,000時間
社労士500〜1,000時間
税理士4,000時間
公認会計士3,500時間
司法書士3,000時間
行政書士500〜1,000時間
証券アナリスト200時間
MBA400時間

たとえば法律系資格では司法試験に次ぐ難しさとされる司法書士は、3,000時間もの勉強が必要なので仕事を辞めて勉強に専念するケースも珍しくありません。

しかし中小企業診断士や社会保険労務士の1,000時間程度であれば、仕事と両立して合格を目指すことが現実的なラインと言えます。

忙しい社会人は独学での合格が難しいことも

資格取得を目指すにあたって気になることの1つは、「独学で合格できるのか」ということではないでしょうか。

毎年中小企業診断士試験に独学で合格する受験生は一定数いるため、計画的に勉強を進めれば不可能ではありません。

ただし、独学は効率が悪くなりがちなので、勉強の仕方に工夫が必要です。

とくに、中小企業診断士試験は限られた時間でいかに勉強するかが課題なので、仕事や家庭で忙しい社会人が独学で挑むのは至難の業です。

科目数が多く幅広い知識が求められる中小企業診断士試験では、効率よく勉強を進められる教材選びが重要となるでしょう。

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる

【試験科目】から見る中小企業診断士の難易度

中小企業診断士試験の難易度について、次は試験科目から見ていきましょう。

1次試験は、科目数が多いことが課題です。経営に関する幅広い知識を問われます。

一方、2次試験は記述式となっており、単に必要な知識を頭に詰め込むだけでなく、理解した上で自分の言葉で説明しなければならない難しさがあります。

1次試験の科目別難易度

中小企業診断士の1次試験は7科目で、科目別の難易度の目安は下記のとおりです。

▼中小企業診断士1次試験の科目別難易度

難易度科目
財務・会計
普〜難企画経営理論、経営情報システム
運営管理、経済学・経済政策
易〜普経営法務、中小企業経営・政策

※難易度はあくまで傾向や目安です。学習状況、ご経験によって個人差が生じやすく、試験年度によっても変化します。

【アンケート結果でわかる】令和7年度1次試験受験者が感じた科目別難易度

上記のとおり、科目別難易度は試験年度によっても変化します。

直近の試験について、受験生はどう感じたのでしょうか?

スタディング中小企業診断士講座では、令和7年度(2025年度)に1次試験を受験した受講生(579名)にアンケートを実施し、「他の科目より難しいと感じた科目」について質問しました。

▼他の科目より難しいと感じた科目(複数回答可)

順位項目票数
1財務・会計361
2経済学・経済政策209
3経営情報システム167
4運営管理110
5経営法務100
6企業経営理論49
7中小企業経営・中小企業政策45

 

スタディング講座開発担当者より

令和7年度の1次試験は、「経済学・経済政策」及び「財務・会計」の難易度が難化したことが特徴的でした。

「経済学・経済政策」については、より理解力を問う問題が増えました。

また「財務・会計」については、より細かい知識問題や計算量の多い計算問題が増えています。

ただし、必ずしも今まで問われなかったような新出のテーマが問われるようになったわけではなく、より正確な知識が身に付いているかを問うような選択肢の問題が多く出題されていた印象です。

易しく感じた方がもっとも多かった「中小企業経営・政策」は、例年と同様の出題傾向で取り組み易かったと感じる方が多かったようです。

ただし、受験年度によっては問題が難化することもありますので、今後も油断はできません。

2次試験の科目別難易度

中小企業診断士の2次試験(筆記)は4科目で、科目別の難易度の目安は下記のとおりです。

▼中小企業診断士2次試験の科目別難易度

難易度科目
事例Ⅳ(財務・会計)
普通事例Ⅰ(組織)、事例Ⅱ(マーケティング・流通)、事例Ⅲ(生産・技術)

「事例Ⅳ」が難しい理由は、経営指標やキャッシュフローといった計算問題が多く出題される点です。

単に暗記するのではなく、仕組みを理解した上で計算して答えを導き出す必要があるため、難易度が高くなります。

必要な勉強時間も、事例Ⅰ〜Ⅲは3科目の合計で100時間ですが、事例Ⅳは1科目だけで100時間が目安です。

事例Ⅳは正誤が明確なこともあって、解答したとしても部分点は期待できません。

そのため、確実に得点を獲得するためには過去問などで正確な答えを出せるようになっておくことが大切です。

中小企業診断士試験の科目ごとの難易度については次の記事で詳しく解説しています。

1次試験・2次試験の科目の関連性や優先的に勉強すべき科目についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる

中小企業診断士の難易度や偏差値は今後どうなる?

中小企業診断士試験の難易度や偏差値は年度によって変わってきます。

令和2年度(2020年度)・令和3年度(2021年度)と合格率は上昇しましたが、令和4年度(2022年度)以降は最終的な合格率が5%台まで低下しています。

1次試験に関しては、年度によって科目ごとの難易度が大きく変動するため、一定という訳ではありません。

難化する科目では、より細かい論点を問われたり、選択肢が複雑になるなど、より正確な知識を求められるような問題が多く出題されています。

易化する科目では、より基本的な知識を中心とした問題が問われています。

2次試験に関しては、財務・会計分野である「事例Ⅳ」のみ計算問題が出題されるため、ほかの科目とは異なる対策が必要となるでしょう。

計算問題に苦手意識がある受験生は、過去問を多く解いて答えを導き出す能力を磨くことが重要です。

このように年度によって傾向は変わるものの、試験の構成や形式には変更がないため、難易度は今後大きく変化していくとは考えにくいでしょう。

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる

中小企業診断士試験に働きながら短期間で合格する方法

前述のとおり、中小企業診断士試験は仕事をしながら受験する人が多いです。

短期間で合格するには、次のポイントを意識して勉強しましょう。

診断士 働きながら短期合格するポイント

効率的な学習戦略を立てる

短期間で合格したいなら、出題範囲を隅から隅まで細かく勉強している時間はありません。

広い出題範囲のうち力を入れる部分と抜く部分を明確にした学習戦略を立て、それに沿って学習を実行しましょう。

特に、専門知識の深みにはまらないことが重要です。

試験は6割の得点が取れれば合格できます。

基本的な部分、頻繁に出題される部分を集中的に対策しましょう。

効率的な学習方法・学習ツールを使う

どのような学習ツールを使ってどのように学習するかは、学習の効率=時間を大きく左右します。

たとえば、テキストを読んでいるだけではなかなか頭に入りません。

かといってすべての内容をノートにまとめる方法をとっても、膨大な時間がかかるでしょう。

知識のインプットは、目だけでなく耳からも同時に行うと効率的です。

また、何度もくり返し復習することで知識が定着します。

こういった方法を取り入れることができるツールがおすすめです。

1次試験・2次試験を分けずに勉強する

筆記試験を制するコツは、1次試験と2次試験の科目別の関連度を把握してから勉強することです。

1次試験の科目のうち、企業経営理論、財務・会計、運営管理は2次試験との関連度が高いので、1次試験の全科目の中でも優先的に取り組むと効率的です。

また、2次試験は知識を整理してインプットしておき、試験本番でいかに素早く引き出して解答するかがポイントになります。

個別の知識がどのように関連しているかを覚えるには、図を描いて視覚的に強く印象に残るようにすると効果的です。

勉強を最後まで継続する

中小企業診断士試験で合格するためにもっとも重要なのは、一度勉強を始めたら諦めることなく継続することです。

前述のとおり、中小企業診断士試験合格にかかる時間の目安は1,000時間と長く、無理な計画は長続きしません。

継続するには、日々の生活の中に勉強時間を無理なく組み込むことが大切です。

通勤中、昼休み、寝る前のちょっとした時間などの「スキマ時間」をうまく活用しましょう。

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる

【スタディング】スキマ時間で中小企業診断士になる

ここまで見てきたような短期合格のポイントをすべておさえた学習を実現するには、オンライン通信講座の「スタディング 中小企業診断士講座」がおすすめです。

  • 広い出題範囲から合格に必要な部分だけを凝縮したカリキュラム
  • 映像と音声のインプットで知識の習得・定着をスムーズに行える動画講座
  • 理解度に合わせて復習問題を自動でピックアップしてくれるAI問題復習機能
  • 個々の知識の整理・体系化に役立つ学習マップ
  • スマホで学べるからスキマ時間を徹底活用して勉強時間を確保

働きながらスタディングで勉強し、見事合格を果たした方々から喜びの声が届いています。

まとめ

この記事では中小企業診断士試験の難易度について解説しました。

  • 中小企業診断士試験の合格率は4〜7%程度
  • 合格に必要な勉強時間は1,000時間程度で、仕事との両立は可能
  • 実際に合格者した人からは「勉強時間の確保に苦労した」という声が多い
  • 1次試験は「財務・会計」、2次試験は「事例Ⅳ(財務・会計)」の難易度が高い

「スタディング 中小企業診断士講座」は、動画講座や学習ツールを無料で体験できます。

短期合格に必要なポイントをより詳しく解説した無料冊子も読めるので、資格取得を目指している方はぜひ試してみてください。

【無料体験実施中】スキマ時間で中小企業診断士になる