
中小企業診断士は「仕事がない・食えない」から取得しても「意味ない」といわれることがあります。
また、資格が廃止になってなくなるという噂を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
そのような噂を聞くと、試験合格を目指す受験者は不安になるかもしれません。
しかし、実際には中小企業診断士は将来性があり人気の高い資格です。
そこで、仕事がないといわれる理由や中小企業診断士の実際の働き方や年収について解説します。
中小企業診断士が「意味ない」資格といわれる理由とは?
中小企業診断士はインターネット上で「意味のない」資格といわれることがあります。
しかし一方で、中小企業診断士には毎年2万人以上の受験生が申し込みをしていることから、人気の高い試験ともいえるでしょう。
そこで、中小企業診断士が「意味ない」といわれる理由を解説します。
中小企業診断士が廃止?なくなるという噂があるから
インターネットで「中小企業診断士」と検索すると「廃止」や「なくなる」というキーワードが出てくることがあります。
これから中小企業診断士の合格を目指そうと考えている受験生にとって、その真相は気になるところでしょう。
しかしながら、中小企業診断士が廃止されるというのはあくまでも噂です。
中小企業診断士の資格制度がなくなる予定は一切示されていないので、安心してください。
中小企業診断士に独占業務がないから
意味がない資格だといわれる理由のひとつとして、中小企業診断士に独占業務がないことが挙げられます。
取り扱える業務という点では、診断士の資格を持たない一般的な経営コンサルタントと同じ立ち位置です。
独占業務がないことで、独立して集客する際や就職・転職活動において、資格が依頼・採用に有利に働いても「決め手」にはなりづらいという場面はあるかもしれません。
このため、「せっかく資格を取得してもうまみがない」と資格の将来性に疑問を持ち、「なくなる」という意見につながっているのではないでしょうか。
独占業務がない中小企業診断士が仕事を獲得して収入を得るには、自ら行動して営業活動をおこなったり、紹介や協力をしてもらえるように人脈を広げたりする必要があります。
資格を取得すれば協会に所属することができるので、情報収集、人脈づくり、スキルアップの機会を多く得られます。
資格を「取るだけ」では役に立たないから
中小企業診断士は「取るだけ」では意味のない資格ともいえます。
どの資格にも共通することですが「取得するだけで今後の集客・収入は安泰」という資格はありません。
本人が資格を活用して動かなければ仕事がない状態になってしまいます。
中小企業診断士を取得すると、経営に関する総合的・体系的な知識が身に付き、経営者に的確な提言をおこなえるようになります。
しかし、業務のなかでは知識だけではなく、実際の経営改善や支援経験が求められる場面も多いでしょう。
このように中小企業診断士は誰でも受験できる試験ですが、実際に資格を生かして仕事をするためにはある程度の実務経験も必要といえます。
中小企業診断士は「食えない」は誤解?実際のところは?
中小企業診断士についての噂に「食えない」資格だというものもあります。
中小企業診断士を取得しても、就職や転職に生かせなかったり、独立しても仕事が取れなかったりするのかもしれないと不安に感じる人もいるでしょう。
中小企業診断士が本当に使えない資格なのか、実際のところを解説します。
どんな仕事をする?中小企業診断士の仕事内容
中小企業診断士は経営の専門家として、中小企業のさまざまな課題を解決するためのサポートをします。
主な仕事内容は以下のとおりです。
- 経営戦略の立案
- 業務改善の提案
- 経営診断書の作成
- 資金繰りの見直し
- 補助金申請のアドバイス
このほか、専門知識を生かして情報発信をしたり、企業研修で講師を務めたりすることもあります。
独立もあり?中小企業診断士の就職先
中小企業診断士の活躍の場は多岐にわたります。
企業に勤める場合の勤務先としては、各企業のコーポレート部門があります。
コーポレート部門とは、経営企画や営業、人事、総務などの部署です。
経営の知識を生かして、企業を成長させる重要な役割を担うことになるでしょう。
中小企業診断士のなかには、独立開業する人も多くいます。
その場合、自ら事務所を構えて経営コンサルタントとして活躍するのが一般的です。
商工会や自治体といった公的機関の支援事業に関わることも多く、フリーランスとして働く中小企業診断士もいます。
「食えない」は本当?中小企業診断士の年収
中小企業診断士は取得しても食えないといわれることもあります。
しかし、実際には1,000万円以上稼ぐ中小企業診断士もめずらしくありません。
企業のなかで働く場合は大幅な年収アップは望めませんが、経営コンサルタントとして独立すると高収入を得られる可能性があります。
資格取得後すぐに年収アップできるわけではありませんが、自ら人脈を作り案件獲得のため営業を続けることで、年収を上げることができるでしょう。

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中小企業診断士の稼ぎ方とは?大きく稼ぐ方法は?
「一般社団法人 中小企業診断協会」が中小企業診断士に対して実施したアンケートによると、コンサルティング業務の年間売上が1,000万円以上と答えた人は34.0%いました。
つまり、中小企業診断士は1,000万円以上を稼ぐこともそう珍しくないことがわかります。
【参考】一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果(令和3年5月)
「資格を取得して大きく稼ぎたい」と考えている場合、ただスキルを高めるだけでなく「組み合わせ」の考え方が重要です。
- 得意分野・他の資格と組み合わせる
- さまざまな業務を組み合わせる
1つずつ見ていきましょう。
得意分野・他の資格と組み合わせる
どんなビジネスでも、他の事業者との差別化が重要です。
中小企業診断士は「自分の得意分野(専門分野)」や「他の資格」と組み合わせることで自分だけの強みを作れます。とくに独立して活躍していくためには、1つ以上の得意分野があることが望ましいといわれています。
たとえば、営業支援が強みの方は、中小企業診断士の資格を組み合わせて、営業支援やマーケティングのコンサルタントとして活躍できます。
また、人材管理・採用支援が強みの方は、人材活用コンサルタントとして力を発揮できるでしょう。
その際、たとえば人事であれば、社労士資格のように専業の資格と組み合わせることも有効です。
近年ニーズが高まっているのは「IT×中小企業診断士」という組み合わせです。中小企業でもDX推進の波が押し寄せており、IT導入の助言ができる中小企業診断士が重宝される傾向があります。
スタディング 中小企業診断士講座を利用して合格した方の中にも「ITに強い中小企業診断士」として活躍の幅を広げている方もいらっしゃいます。
さまざまな業務を組み合わせる
中小企業診断士の仕事は、コンサルタント業だけではありません。セミナー講師業、執筆業、商工会議所・各種中小企業施策に関する公的な業務などを組み合わせて収入を得ている方も大勢います。
自分に合った業務の組み合わせを見つけていくことも、収入アップの大事な要素です。
また、さまざまな業務にチャレンジする中で、強みとなる得意分野が見つかったり、情報収集や人脈づくりにプラスに働いたりして、大きく稼げる将来につながっていくことも十分ありえます。
まとめ
中小企業診断士は「仕事がない」「食えない」などと否定的な言葉で語られることもある資格です。
しかし、中小企業の多い日本では需要が高く、将来性のある仕事となっています。
企業内で働く場合は年収の大幅アップは望めませんが、経営コンサルタントとして独立しうまく顧客を開拓できれば高収入を得られます。
ただし、中小企業診断士は独占業務がないため、資格取得すればすぐに引く手あまたになるわけではありません。
資格取得をスタートに、自らどのように動いていくのかが案件獲得や年収アップには重要です。
中小企業診断士は、日本版MBA(経営学修士)とも呼ばれる人気資格です。
難易度は低くありませんが、社会人が働きながら取得することは十分可能です。ぜひ挑戦してみてください。
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