中小企業診断士のレベルは?人気資格の難易度ランキングでチェック

中小企業診断士は難易度の高い資格として知られていますが、その他の有名資格と比較するとどの程度難しいのでしょうか。

勉強時間や合格率を比較すれば、取得の難易度をある程度イメージできるはずです。

本記事では、中小企業診断士のレベルについて、人気資格をランキング形式で紹介しながら解説していきます。

中小企業診断士の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

中小企業診断士のレベルは?人気資格の難易度ランキングでチェック

中小企業診断士の難易度について、ここではほかの人気資格と勉強時間・合格率の点で比較していきます。

勉強時間で比較

中小企業診断士の合格に必要な勉強時間は800~1,000時間程度とされており、うまく時間を確保できれば仕事をしながら1年で合格を目指せる資格です。

その他の人気資格を含め、勉強時間の目安を以下にまとめました。

資格勉強時間の目安
弁護士4,500〜10,000時間
税理士4,000時間
公認会計士3,500時間
司法書士3,000時間
中小企業診断士800~1,000時間
行政書士500〜1,000時間
社労士500〜1,000時間
証券アナリスト200時間

中小企業診断士よりも多くの勉強時間を必要とするのは、法律系の弁護士や司法書士、税務のスペシャリストである税理士、会計・監査のスペシャリストである公認会計士などです。

必要な勉強時間が3,000時間を超えるような資格は、複数年での合格を目指すのが現実的だといえるでしょう。

中小企業診断士と同程度の勉強時間で合格を目指せるのは、官公署に提出する書類の代行作成などを担う行政書士や、社会保険と労務のスペシャリストである社労士です。

必要な勉強時間の目安は500~1,000時間となっており、効率よく学習を進められれば1年での合格も目指せます。

合格率で比較

続いて、同じ資格を合格率で比較してみましょう。

中小企業診断士の合格率は1次試験と2次試験の合格率を掛け合わせた数字となっています。

資格2023(令和5)年度の合格率
弁護士(予備試験)
弁護士(司法試験)
3.6%
45.3%
司法書士5.2%
中小企業診断士5.6%
社労士6.4%
公認会計士7.6%
行政書士14.0%
税理士21.7%
証券アナリスト第1次試験(春):46.4%
第1次試験(秋):50.5%第2次試験:46.7%

【参考】令和5年司法試験の結果について令和5年司法試験予備試験の結果について令和5年度司法書士試験令和5年度  第1次試験に関する統計資料(一般社団法人 中小企業診断協会)、令和5年度  第2次試験に関する統計資料(一般社団法人 中小企業診断協会)、第55回(令和5年度)社会保険労務士試験についての情報令和5年公認会計士試験(論文式試験)の合格点 及び合格率等について試験結果の推移(一般財団法人行政書士試験研究センター)、令和5年度(第73回)税理士試験結果表CMA1次レベル試験データCMA2次レベル試験データ

弁護士の予備試験の合格率がもっとも低く、司法書士や中小企業診断士、社労士がそれに続きます。

受験資格が設けられている資格もあるため一概には比較できませんが、いずれの資格も簡単に合格できるものでないことはたしかです。

中小企業診断士の難易度を合格者データから分析

ここからは、中小企業診断士の難易度を合格者データから分析してみましょう。

以下3つのポイントで解説していきます。

  • 全体の合格率推移
  • 年代別の合格率
  • 勤務先別の合格率

全体の合格率推移

中小企業診断士試験は、1次試験(筆記)と2次試験(筆記と口述)で構成されています。

令和5年度の5.6%という合格率は、1次試験と2次試験の数値を掛け合わせたもの(一発合格率)になります。

近年の中小企業診断士試験の合格率は、下記のとおりです。

▼中小企業診断士試験の合格率

年度1次合格率(A)2次合格率(B)一発合格率(A×B)
令和元(2019)30.2%18.3%5.5%
令和2(2020)42.5%18.4%7.8%
令和3(2021)36.4%18.3%6.6%
令和4(2022)28.9%18.7%5.4%
令和5(2023)29.6%18.9%5.6%
令和6(2024)27.5%18.7%5.1%

【参考】中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移令和5年度  第1次試験に関する統計資料令和5年度  第2次試験に関する統計資料

中小企業診断士の1次試験の合格率は25%前後、2次試験の合格率は18%前後です。

双方に合格し、資格を取得できる割合は5%前後であり、簡単な試験ではないことがわかります。

合格率が低い要因として、試験範囲の広さが挙げられるでしょう。

 

「経済学・経済政策」や「財務・会計」、「企業経営理論」など経営に関する内容を幅広くカバーすることが求められます。

効率よく学習を進めるためには、科目ごとの優先順位を見極めたうえで対策に着手するのがおすすめです。

年代別の合格率

中小企業診断士試験の合格率を年代別に見ると、2023(令和5)年においては「30~39歳」の年代がもっとも高く、次に高い合格率だったのは「20~29歳」でした。

経営マネジメントやコンサルティングと聞くと、比較的年齢層が高い方向けの資格という印象を持たれるかもしれません。

 

しかし、実際には20代で挑戦し合格される方も多くいらっしゃいます。

もちろん、組織の中でリーダー層としてけん引していかれる30代や、よりマネジメントに重きをおいてご活躍される40代・50代の方も合格されています。

幅広い年代でそれぞれ活躍が可能な資格だといえるでしょう。

年代1次試験合格率2次試験合格率最終的な合格率
20歳未満12.1%9.1%1.1%
20~29歳21.3%22.5%4.8%
30~39歳22.7%22.0%5.0%
40~49歳20.8%18.2%3.8%
50~59歳20.8%13.9%2.9%
60~69歳19.7%8.9%1.8%
70歳以上12.1%4.9%0.6%

【参考】令和5年度  第1次試験に関する統計資料令和5年度  第2次試験に関する統計資料

なお、前述の全体の合格率は「全科目を受験した人数に対する合格者数」であるのに対し、こちらの合格率は「申込者数に対する合格者数」であるため、数値に若干乖離があります。

勤務先別の合格率

同じく2023(令和5)年の合格者データから、勤務先による合格率の違いを見てみましょう。

割合としては、「経営コンサルタント事業所勤務」や「政府系金融機関勤務」の方の合格率が高いという結果でした。

勤務先1次試験合格率2次試験合格率最終的な合格率
経営コンサルタント自営業17.4%23.9%4.2%
税理士・公認会計士等自営業27.3%17.0%4.6%
上記以外の自営業16.6%15.4%2.6%
経営コンサルタント事業所等勤務18.2%29.4%5.4%
民間企業勤務21.7%19.0%4.1%
政府系金融機関勤務25.5%21.6%5.5%
政府系以外の金融機関勤務23.0%14.6%3.4%
中小企業支援機関16.9%13.6%2.3%
独立行政法人・公益法人等勤務23.5%10.5%2.5%
公務員25.7%16.2%4.2%
研究・教育18.7%17.1%3.2%
学生16.6%18.8%3.1%
その他(無職を含む)17.5%12.8%2.2%

【参考】令和5年度  第1次試験に関する統計資料令和5年度  第2次試験に関する統計資料

日常的な業務の内容が試験内容に近い職種の方は、合格率が高い傾向にあるといえそうです。

それでも対策が必要ないという方はほとんどいないため、有利・不利はあまり気にせず必要な対策を進めれば問題ありません。

まとめ

本記事では、中小企業診断士のレベルについて、人気資格をランキング形式で紹介しながら解説しました。

本記事のポイントをおさらいしましょう。

  • 中小企業診断士の勉強時間の目安は800~1,000時間で、弁護士や税理士より少なく、行政書士や社労士と同程度である
  • 中小企業診断士試験の合格率は5%前後で推移しており、社労士や公認会計士と同程度である
  • 年代別合格率は「20~29歳」「30~39歳」、勤務先別合格率は「政府系金融機関勤務」「経営コンサルタント事業所勤務」が比較的高い

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