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中小企業診断士1次試験の徹底攻略ガイド|合格率や必要な勉強時間、免除制度について解説

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中小企業診断士1次試験の概要

中小企業診断士の1次試験について、まずは以下4つのポイントで見ていきましょう。

  • 試験日程・内容
  • 合格発表スケジュール
  • 合格率の推移
  • 科目合格制度と免除の有効期間

試験日程・内容

以下は、2次試験も含めた例年の試験日程です。

試験区分
試験日程
1次試験(筆記試験) 8月上旬の土・日曜日の2日間
2次試験(筆記試験) 10月下旬の日曜日
2次試験(口述試験) 翌年1月下旬の日曜日

関連記事:中小企業診断士の試験日程・内容は?科目合格・科目免除は戦略的に使おう

そして、令和5年度(2023年度)の試験日程は以下の通りとなっています。

試験区分
試験日程
1次試験(筆記試験) 令和5年8月5日(土)・6日(日)
2次試験(筆記試験) 令和5年10月29日(日)
2次試験(口述試験) 令和6年1月21日(日)

中小企業診断士試験の正式な日程は、例年3〜4月頃に「一般社団法人中小企業診断協会」のWebサイト上で発表されています。

1次試験では、2日間にわたって計7科目の筆記試験(マークシートによる選択式)に臨むことになります。

具体的な試験内容は、以下の通りです。

試験科目
配点
実施時間
1日目 A.経済学・経済政策 100点 09:50~10:50(60分)
B.財務・会計 100点 11:30~12:30(60分)
C.企業経営理論 100点 13:30~15:00(90分)
D.運営管理 100点 15:40~17:10(90分)
2日目 E.経営法務 100点 09:50~10:50(60分)
F.経営情報システム 100点 11:30~12:30(60分)
G.中小企業経営・政策 100点 13:30~15:00(90分)

1次試験に合格するには、以下の合格基準の両方を満たす必要があります。

  • 総点数の 60% (420点)以上を取得していること
  • 1科目でも満点の 40%(40点) 未満がないこと

合格発表スケジュール

例年の合格発表スケジュールについても、1次試験・2次試験の目安をそれぞれ見ていきましょう。

試験区分
合格発表日(目安)
1次試験(筆記試験) 9月上旬
2次試験(筆記試験) 翌年1月中旬
2次試験(口述試験) 翌年1月下旬

そして、令和5年度(2023年度)の合格発表スケジュールは以下の通りです。

試験区分
合格発表日
1次試験(筆記試験) 令和5年9月5日(火)
2次試験(筆記試験) 令和6年1月11日(木)
2次試験(口述試験) 令和6年1月31日(水)

合格率の推移

ここでは中小企業診断士の合格率の推移を、1次試験・2次試験ともに確認していきましょう。

年度
1次試験の合格率
2次試験の合格率
令和5(2023)年度 29.6%
令和4(2022)年度 28.9% 18.7%
令和3(2021)年度 36.4% 18.3%
令和2(2020)年度 42.5% 18.4%
令和元(2019)年度 30.2% 18.3%

※記事執筆時点では未発表

1次試験の合格率は平均約30%となっています。

令和5年度(2023年度)の1次試験について、科目ごとの合格率も見てみましょう。

ただし、科目ごとの難易度は試験年度によって異なる場合があるため、以下の表はあくまで令和5年度のデータとしてご参照ください。

1次試験の科目
科目受験者数
科目合格者数
合格率
経済学・経済政策 18,072 2,369 13.1%
財務・会計 17,362 2,480 14.3%
企業経営理論 16,594 3,291 19.8%
運営管理 16,854 1,470 8.7%
経営法務 15,927 4,074 25.6%
経営情報システム 16,834 1,919 11.4%
中小企業経営・中小企業政策 18,251 3,765 20.6%

※「科目合格者数」には「試験合格者数」は含みません。また、那覇地区(申込者数:242名)については台風6号の影響により実施が取り止められたため、集計から除外されています。

科目合格制度と免除の有効期間

中小企業診断士試験の1次試験には、「科目合格による免除」と「他資格保有による免除」の制度が設けられています。

それぞれの概要を理解したうえで、うまく活用していきましょう。

種類
概要
免除期間
科目合格による免除 1次試験の全7科目の総合点で合格基準を満たせず不合格になった場合でも、科目別の合格基準を満たしていれば、その科目は個別で合格扱いになる 翌年度および翌々年度(2年間)
他資格保有による免除 公認会計士や税理士といった他資格を保有していることで、一部科目が免除扱いになる 期限なし

いずれの方法も自動的に免除を受けられるわけではなく、受験申込み時に申請が必要になるため注意が必要です。

なお、他資格保有による免除では「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」の4科目のみが対象であるほか、資格によって免除の対象科目が異なります。

関連記事:中小企業診断士の科目合格を徹底解説!何年有効?科目合格率は?

中小企業診断士1次試験の合格に必要な勉強時間

ここでは、中小企業診断士1次試験の合格に必要な勉強時間について、以下2つのポイントで解説します。

  • 資格取得に必要な勉強時間の目安は1,000時間
  • 1次試験の合格には800時間の勉強が必要

資格取得に必要な勉強時間の目安は1,000時間

中小企業診断士の合格に必要な勉強時間の目安は「1,000時間」と言われています。

2~3年での合格を目指すなら週に10時間、1年での合格を目指すなら週に20時間程度の勉強が必要になります。

あくまで目安ではあるものの、日々の生活のなかで試験勉強に割ける時間を洗い出し、合格までのスケジュールを立ててみましょう。

学業や仕事、家事をしながらの勉強となると、スキマ時間を使って効率よく勉強する必要があります。

1次試験の合格には800時間の勉強が必要

中小企業診断士試験の合格には1,000時間の勉強が必要だとお伝えしました。

そのうち、1次試験の合格には800時間の勉強が必要だといわれています。

効率的な対策のコツは、2次試験との関連性が高い科目を把握したうえで勉強する順番を決めることです。

中小企業診断士の1次試験と2次試験の相関

上記の表を踏まえ、1次試験各科目の優先度や勉強時間の目安をまとめました。

優先度
科目
勉強時間目安
★★★ 企業経営理論 150時間
★★★ 財務・会計 180時間
★★★ 運営管理 150時間
★★☆ 経営情報システム 80時間
★★☆ 経済学・経済政策 100時間
★☆☆ 経営法務 80時間
★☆☆ 中小企業経営・政策 60時間

2次試験との関連が深い科目については、2次試験の形式(記述式)も意識したうえで対策することで、効率的に学習が進められるでしょう。

ただし、「経済学・経済政策」については、2次試験との関連性は低いものの、学習に時間を要する科目であることから優先度を高くしています。

初めて勉強する場合、十分な学習時間が取れず40点を下回ってしまうことも想定されるため、ある程度優先度を上げて対策するのがよいでしょう。

関連記事:中小企業診断士の勉強時間は1,000時間!1次・2次・科目別の時間は?

中小企業診断士1次試験の科目別対策

ここでは、中小企業診断士1次試験のなかでも優先度の高い3つの科目について、対策方法を見ていきましょう。

  • 企業経営理論
  • 財務・会計
  • 運営管理

企業経営理論

「企業経営理論」の問題は、経営コンサルティングの根幹である「経営戦略論」「組織論」「マーケティング論」の3分野から出題されます。

単純な知識問題は少ないため、理論を理解したうえで応用的な考え方を身につけておく必要があります。

財務・会計

「財務・会計」では、経営を数字で把握・分析するスキルが問われます。

問題は、アカウンティング(会計)とファイナンス(財務)の2分野から出題されます。

出題形式がある程度決まっているため、過去問を解いて計算問題の練習を重ねましょう。

運営管理

「運営管理」は、経営コンサルティングで必須となる「現場のオペレーション管理」に関する科目です。

製品の生産・販売に関する知識が必要となることなどから、勉強範囲が広いという特徴があります。

ある程度の時間を割いてしっかりと対策しましょう。

関連記事:中小企業診断士の科目別攻略法と勉強順はコレ!科目合格・科目免除も解説

中小企業診断士1次試験に合格するメリット

中小企業診断士の1次試験に合格すれば、その時点で就職や転職でのアピールなどに使えます。

以前は「1次試験合格者」や「1次試験の科目合格者」であっても、中小企業診断士の資格としては「不合格」であるため、対外的なアピールが難しい状況にありました。

しかし、中小企業庁は令和3年(2021年)4月20日に、1次試験合格者および科目合格者への新名称の適用を発表しました。

対象者
新名称
第一次試験全科目合格者 ◯◯年度中小企業診断修得者
第一次試験一部科目合格者 ◯◯年度中小企業支援科目合格者(科目名)

これにより、1次試験の一部科目または全科目に合格した段階で、対外的なアピールがしやすくなりました。

最終的な合格が少し先になりそうな場合でも、モチベーションを維持しやすくなったといえます。

関連記事:中小企業診断士1次試験合格者に新名称!1次試験合格のメリットとは

中小企業診断士1次試験受験の流れ

最後に、中小企業診断士1次試験の受験の流れを確認しておきましょう。

まずは試験の申し込みが必要です。例年3~4月ごろに受験申し込みに関する発表があるため、見逃さないようにしましょう。

試験案内の冊子を入手する方法は、「指定窓口での受け取り」と「郵送による請求」の2種類があります。

「指定窓口での受け取り」は8地区(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇)が対象となっており、その場で受け取れます。

「郵送による請求」は全国どこからでも可能ですが、窓口よりも配布期間が短く時間もかかるため注意しましょう。

受験申込書への必要事項の記入が終わったら、受付期間内にゆうちょ銀行、または郵便局に提出し、受験手数料を支払います。

申し込み後、受験票が届いたら内容に誤りがないか確認します。

試験当日は受験票や写真票、筆記用具など必要な持ち物を準備したうえで、余裕を持って試験会場に向かいましょう。

2日間とも長時間にわたる試験となるため、事前の準備と体調管理を怠らないことが大切です。

1次試験の翌日または翌々日には、正解と配点が中小企業診断協会のWebサイト上で公表されます。

結果を確認したら、2次試験や翌年度の試験に向けて勉強を再開しましょう。

関連記事:中小企業診断士 第1次試験受験体験レポート!

中小企業診断士1次試験を受ける際の注意点

中小企業診断士1次試験を受ける際は、体調やマスクの着用について対応方法が変わっていないかチェックしましょう。

令和3年度試験では、「新型コロナウイルス感染症」への対策として以下のような案内がありました。

  • 体調不良の方への受験自粛のお願い
  • 試験会場での検温実施
  • 37.5度以上の熱がある方への受験お断り
  • マスクの着用義務

令和5年度試験では試験会場での検温は原則実施されず、マスクも各自の判断に委ねることとなっていますが、変更がないか受験前にしっかり確認しておきましょう。

参考:一般社団法人 中小企業診断協会「令和5年度中小企業診断士第1次試験における「新型コロナウイルス感染症への対応について」

関連記事:令和3年度(2021年度)中小企業診断士第1次試験における注意事項について

まとめ

本記事では、中小企業診断士の1次試験について、試験の概要や合格率、必要な勉強時間、免除制度などについてまとめて解説しました。

ポイントをまとめると、以下の通りです。

  • 中小企業診断士の1次試験では、2日間にわたって計7科目を受験する
  • 資格取得に必要な勉強時間は1,000時間といわれている
  • そのうち、1次試験対策に要する勉強時間の目安は800時間
  • 2次試験との関連が深い科目を優先することで、効率的に学習を進められる
  • 1次試験の一部科目または全科目の合格者にも名称があり、就職・転職などでアピールできる

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