「『時間を制するものはTOEICを制す』と言っても過言ではない」
そう聞いて同意いただける方は多いと思います。「リーディングが最後まで終わらない・・・」と悩んでいるのは、初級者だけでなく、700点を超えている方の中にもいらっしゃいます。
時間がなくなる理由は様々です。
・知らない単語が多い。
・単語を知っていても英語を読むのが遅い。
・そもそも読むのが苦手
・答えが見つからないと、悩んで止まってしまう
・わからないことに不安になり思考停止してしまう。
ほかにも、色々な要素が重なっています。
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この記事を書いた人 早川 幸治
スタディング TOEIC講座主任講師。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。 |
時間が足りないと感じるのは、基本的にはリーディングでしょう。
しかし、リスニングでも時間が足りないと感じる瞬間があります。それが、Part 3(会話問題)やPart 4(説明文問題)で設問を先に読めなかった時です。
いわゆる設問の「先読み」ができれば、どのような情報を聞き取れればよいかを事前に把握することができるため、待ち伏せして情報を特定することができます。しかし、「先読み」ができない場合には、どのような情報を聞けばよいかがわからないため、待ち伏せして聞くことができません。
※なお、図表問題の場合は、設問読み上げの後のポーズは12秒です。
リスニングの時間配分とは、会話や説明文が流れていない時間帯をどのように使うかと言えます。
つまり、「Directionsが流れている間」と、会話や説明文の後の「設問が読み上げられて次の問題指示文が流れるまでの間」です。
Directionsは”Part 3/4. Directions. In this part of the test, …”というようなパートの説明が30秒程度流れます。内容はいつも同じですし、そもそもPart 3/4の形式を説明しているだけですので聞く必要はありません。
その代わり、最初の3問の設問をしっかりと読む時間に充てることをオススメします。速く読める場合は、3セット(9問くらい)をざっと読んでおき、Questions 32 through 34 refer to the following conversation.という問題指示文が流れる時には、32~34番の設問のみに集中してください。
設問はしっかりと覚えることが大切ですが、選択肢は眺める程度で大丈夫です。
設問1つにつき4つの選択肢があり、それが1セットに3つあるため、設問3+選択肢12の合計15個の情報があります。これを全て覚えることは不可能なため、頭に入れるのは設問3つ、時間があれば選択肢を目に入れる、という意識でよいでしょう。
時間がない場合は、設問3つだけの確認でも大丈夫です。
3つの設問を読むことで、聞き取るべき情報を確認できます。そして、会話/説明文を聞き、解答します。会話/説明文が終わると、設問が読み上げられますが、この設問の読み上げは、次の設問の先読みのペースメーカーとして使いましょう。
たとえば、以下のような設問の読み上げが行われるとしましょう。
No. 32. Where most likely are the speakers?
(ポーズ8秒)
No. 33. What does the woman ask the man to do?
(ポーズ8秒)
No. 34. Where will the man probably go next?
(ポーズ8秒)
1問目(32番)の設問が読み上げられた時点で32~34番の解答を終えられていれば、次の35~37番の設問の先読みに充てられる時間は、最初のポーズ8秒から最後のポーズ8秒まで、30秒近くあります。
2問目(33番)の設問の読み上げと同時に32~34番の解答を終えられていれば、次の設問の先読みに充てられる時間は20秒。
さらに3問目(34番)が読み上げられた時点では、次の設問の先読みに使える時間は10秒程度となります。設問先読みの時間が20秒程度あれば、選択肢まで眺めることができますが、10秒以内となると設問をサッと読む程度となります。
残り時間にしたがって、設問の先読みをどこまで行うかを調整しましょう。
また、限られた時間の中で設問を速く読む際のコツは、「人物」「場所」「話題」「目的」という基本情報と、「誰が何をするか」という詳細情報の把握です。以下は、そのまま登場することの多い設問です。覚えておくことで、一瞬で読めるようになります。
基本情報に関する問題は、基本的に1問目に登場します。
人物の職種や役割に関する設問
Who most likely are the speakers? (Part 3)
Who is the speaker? (Part 4)
Who are the listeners? (Part 4)
場所に関する設問
Where is the conversation most likely taking place? (Par 3)
Where are the speakers? (Part 3)
Where is the speaker? (Part 4)
話題に関する設問
What are the speakers discussing? (Part 3)
What is the topic of the conversation? (Part 3)
What is the talk mainly about? (Part 4)
目的に関する設問
What is the purpose of the message? (Part 4)
また、詳細情報に関する設問は、「誰が何をするか」がポイントとなるため、主語・動詞を中心に読み取ります。
依頼に関する設問
What does the woman ask the man to do?
What does the man request?
提案に関する設問
What does the man suggest the woman do?
What does the woman suggest?
What does the man recommend?
申し出に関する設問
What does the man offer to do?
次の行動に関する設問
What will the woman probably do next?
以上は、そのまま登場することが多いため、覚えておくことで素早く読めるようになり、Part 3/4において設問の先読みの時間短縮となります。
また、そのまま登場しない設問についても、「疑問詞+誰が何をするか/したか」に注目することで、素早く内容をつかめます。
What did the man submit to Mr. Jackson?
Where will the event be held?
When is the shipment scheduled to arrive?
なお、前の問題の解答に時間がかかってしまい、次の会話/説明文の設問が読めないこともあるでしょう。
その場合には、無理して設問を読もうとせずに、会話/説明文の内容を把握することに集中してください。
文字を読むことに集中してしまうと、音声が耳に入ってこなくなり、結局問題を解くことができないケースが多くあります。
逆に、設問の先読みができなかったとしても、会話/説明文の内容を聞き取れていれば、正解することができます。当たり前ですが、各問題の正解の選択肢は1つだけで、不正解の選択肢の内容は会話や説明文には登場していません。
リスニングの音声自体は勝手に流れてくるため、音声に合わせて聞くことで対応できます。しかし、リーディングでは、意識的に読まないと内容理解が進みません。そして、内容を理解しながら解答する作業を75分で終わらせることが求められています。時間配分の難しさはここにあります。
リーディングに割り当てられている75分の配分の目安は以下のとおりです。
Part 7は1問1分程度が目安となるため、54問に対して55分確保するために、Part 5/6合わせて20分以内という計算です。
徳川家康の性格を例えた句「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」というのがありますが、徳川ではなく「解く側」としては、そんなに悠長なことは言っていられません。「悩むなら 飛ばしてしまえ ホトトギス」の精神で取り組むことが大切です。
練習での努力は報われますが、テスト中の努力は報われません。それどころか、わからない問題に悩みすぎることで時間がなくなり、スコアを落とす結果となります。
リーディングでは、75分を効果的に使い、英語力を確実にスコアに反映させることが求められます。その際に意識すべき3つの時間があります。ちなみに、これはお金の使い方とも共通していますが、その3つとは「消費」「浪費」「投資」です。
問題を解く際には、どんなに速く読める人であっても、読むための時間は必要です。この「消費」の時間は削ることができません。生活するために最低限のお金がかかるのと同じですね。
「浪費」とは、不要な時間を使ってしまうことです。お金でいえば、「無駄遣い」のことです。使っていないサービスに会費を払い続けるようなものですね。TOEICでいえば、「わからない問題に悩み続ける時間」が浪費に当たります。時間の浪費をすることで、時間がなくなり、本来解けるはずの問題に時間をかけることができなくなります。
「投資」とは、お金でたとえるならば、お金を使うことでさらなるお金を生み出す運用のことです。TOEICにおける「投資」とは、解けない問題には時間を使わずに適当にマークをすることで時間を節約し、その後の解答時間を増やす戦略です。
「?」と思った問題について、悩み続けて時間を浪費するか、適当にマークすることで時間を投資するかによって、スコアは大きく変わります。
わからない問題に時間をかけなかったとはいっても、リーディングを最後まで終えるのは至難の業です。
最初に述べたように700点以上を持つ受験者でも、最後まで終わらないケースは多くあります。TOEICは各問題の難易度やパートごとに配点が変わるわけではありません。あくまで、リスニング・リーディングそれぞれ100問中何問正解できたかによって、スコアが変わります。そのため、テスト当日に大切なことは、最大の正解数を出すことなのです。
そのため、リーディングにおいては、多く正解を出せるパートに優先的に取り組むことをオススメします。
以下の項目にいくつ当てはまりますか?
もし2つ以上当てはまる場合で、Part 5→Part 6→Part 7の順番に解答している場合は、実力がスコアに反映されていないと言えます。
Part 5は文法と知識を確認する問題ですから、読めるかどうかではなく、知っているかどうかが問われています。つまり、時間をかけてもかけなくても正解数は変わりません。
一方で、Part 7は知っているかどうかという知識ではなく、読めるかどうかというスキルが測られています。読めれば解けるのがPart 7です。
よって、時間がカギとなります。しかし、知識を測るPart 5に時間をかけすぎて、スキルを測るPart 7に時間をかけられていないという非常にもったいない状態に陥っているのです。
なお、Part 6は読めないと解けませんが、読めたからといって解けるとは限りません。内容を読み取れさえすれば語彙問題には対応しやすいのですが、文法の知識がなくては文法問題に正解することはできないからです。
上のような状態の場合、オススメの解答順はPart 5→Part 7→Part 6、またはPart 7→Part 5→Part 6です。Part 7を2番目または最初に解答することで、十分な時間を確保することができます。Part 5がどうしてもわからないという場合には、Part 5を最後にして、残り時間が少なくなった場合は、解けそうな問題だけピックアップして解くという戦略でもよいでしょう。いずれにしても、正解数を最大化する戦略としての時間配分が必要です。
日常生活においても、仕事においても、作業時間を短縮するために準備ができる場合がありますよね。
たとえば、文房具などを使ったら元の場所に片付けることで、次に使う時に探す時間をなくすことができます。逆に、私のように使ったら使いっぱなしということでは、次に使う時にはなかなか見つからず、膨大な時間を探すことに費やすことになります(反省・・・)。
また、料理を作る際に、下ごしらえをしておくことで、調理の時間が短縮します。
リーディングの中でも、Part 5は事前準備ができます。知識を測るPart 5は、時間をかけても時間をかけなくても正解数は変わらないことはすでにお伝えしました。かけた時間と正解数が比例しないのであれば、なるべく速く解答を終えたいですよね。
そこで、ぜひ事前準備として取り組んでいただきたいのが、「速解練習」です。Part 5の目安である10分以内で解答が終わらない方には、ぜひ取り組んでいただきたい事前準備です。ちなみに、この事前準備をしても正解数は変わらないかもしれません。
しかし、この事前準備をするかどうかで、当日の解答スピードが変わります。解答スピードが変われば、節約した時間をPart 7に使うことができます。多くの時間をPart 7に使うことができれば、当然正解数に反映されます。その結果、スコアアップへとつながるのです。
では、やり方をご紹介します。
用意するもの:Part 5の新しい問題、マークシート、ストップウォッチ
まずは、時間を測りながら解答します。本番と同じ気持ちで解いてください。
Part 5は10分以内が目安です。10分以内に解答できた場合には、答え合わせに進んでください。なお、10分以内に解けなかった場合は、答え合わせをしてはいけません。翌日にもう一度、同じ問題に挑戦してください。
10分以内に解答できなかった問題に再挑戦します。この時も、ストップウォッチで時間を測りながら解答します。前日と全く同じ問題を解くため、何を選んだかは覚えているかもしれませんが、それが正解かどうかはわかりませんよね。初めて解くときのように、しっかり解いてください。2回目も10分以内に解けたかどうかで判断します。10分以内で解けた場合には、答え合わせに進みます。2回目も10分以内に解けなかった場合には、答え合わせをせずに、翌日にもう一度解きます。3回目ですね。
10分以内に解答できるまで、答え合わせはしてはいけません。たとえば、以下のような結果だったとしましょう。
1回目:15分
2回目:12分
3回目:9分
この3回分をまとめて答え合わせをします。すると、おそらく正解数はほとんど変わっていないことに気づくでしょう。知識が変わっていないのですから、同じ問題を解いても正解数はほぼ変わりません。しかし、解答時間が15分から9分へと、6分短縮されています。もちろん、1回目と3回目ですから短縮して当然です。ただし、この時に9分で解く感覚を知ることができます。そのくらいのスピードで解答すれば10分以内に解答できるのかがわかれば、テスト本番でもわからない問題に悩みすぎずに適当にマークをして、時間をPart 7に投資できるようになります。
テスト本番では、初めて見る問題を10分以内に解答しなくてはいけないため、練習においても初めて見る問題に対して、10分以内に解答できる練習をしておくとよいでしょう。
最後に、英語力とは関係ないものの、時間の節約と深い関係があるものの話です。それが、マークシートの塗り方です。テスト当日は、200個の黒丸を塗ります。黒丸を1つ作るのに3秒かけるとすると、3秒×200で600秒、つまり2時間のうち10分もの時間を黒丸作成に費やしているのです(笑)チリも積もれば山となる、ですね。このマーク欄を速く塗ることができれば、それだけリスニングやリーディングに時間を費やすことができます。
筆記用具は何を使っていますか?0.5ミリのシャープペンでしょうか?それとも、鉛筆でしょうか?それとも、ほかのものでしょうか?
特に考えずに、いつも使っている0.5ミリのシャープペンを使用している方は、マークに意外と時間がかかっているかもしれません。速く塗るためのオススメは、マークシート用のシャープペンです。マークシート用シャープペンには、1.3ミリのものが多く、ものによっては2ミリというものもあります。0.5ミリのシャープペンと1.3ミリのシャープペンでは、太さを単純計算すると2.6倍の違いがあります。うまくいけば、2.6倍の速さで黒丸を作成することができます。英語力は上がりませんが、塗る時間を短縮できることで、聞き逃すことがなくなるかもしれません。
第1回の記事では、TOEICに必要な3つの力として、「英語力」「情報処理能力」「対策力」があるとご紹介しました。
今回ご紹介した時間配分戦略は、「対策力」に相当します。
この戦略を活用することで、「英語力」や「情報処理能力」が使いやすくなり、スコアアップへとつながります。
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TOEIC®テスト Part別攻略法 |