TOEICの時間について知っておくべきこと
「時間を制するものはTOEICを制す」と言っても過言ではないほど、TOEICの試験には時間配分が重要です。
まずは試験時間に加えて、試験当日の流れなど、TOEICの時間に関する情報をおさえておきましょう。
TOEICの試験時間や時間配分
TOEICの試験時間は約2時間です。リスニング約45分、リーディング75分の2部から構成されています。
リスニングとリーディングの間に休憩はなく、約2時間通しで実施されます。
TOEICの問題構成は以下のとおりです。
▼リスニング(約45分・100問)
- Part1:写真描写問題(6問)
- Part2:応答問題(25問)
- Part3:会話問題(39問)
- Part4:説明文問題(30問)
▼リーディング(75分・100問)
- Part5:短文穴埋め問題(30問)
- Part6:長文穴埋め問題(16問)
- Part7:読解問題(1つの文書に関する問題(29問)、複数の文書に関する問題(25問))
TOEIC当日の流れや時間割
TOEICは現在、1日に2回(午前・午後)実施されています。
当日の流れと時間割は下記のとおりです。
午前実施 |
午後実施 | |
受付 | 9:25~ 9:55 | 14:05~14:35 |
試験の説明・音テスト | 9:55~10:20 | 14:35~15:00 |
試験開始~試験終了 | 10:20~12:20 | 15:00~17:00 |
問題用紙・解答用紙の回収 | 12:20~12:35 | 17:00~17:15 |
解散 | 12:35(予定) | 17:15(予定) |
試験当日に戸惑うことのないよう、あらかじめスケジュールを把握しておくとよいでしょう。
当日は受付終了時間までに到着していなければ、試験を受けることができないので要注意です。
また、受付時間終了後はすぐに試験が始まります。お手洗いなどは事前に済ませておきましょう。
TOEICは時間配分が重要!その理由とは?
TOEICで高得点を目指すには、英語力だけでなく適切な時間配分が重要です。
TOEICの試験時間は約2時間と長丁場です。しかも問題数も200問と多く、解答にはスピードが求められます。
たとえば、リーディングは試験時間75分に対し問題数は100問です。
単純計算で1問あたり45秒しか解答に時間をかけることができず、じっくりと考えているゆとりはありません。
もちろんこの45秒には長文問題を読む時間も含まれるので、かなりテンポよく解答する必要があります。
ここからはパート別・タイミング別・目標点数別にわけて、時間配分のコツを紹介します。
【パート別攻略法①】リスニングの時間配分
リスニングは音声に沿って解答を進めるため、時間が大幅に足りないということは少ないでしょう。
しかし会話や説明文が流れていない時間帯をうまく活用することで、解答の精度を上げたり余裕をもって問題に取り組んだりすることが可能です。
本章では、リスニングにおける時間配分と、そのポイントについて解説していきます。
リスニングにおける時間配分とは
時間が足りないと感じるのは、基本的にはリーディングでしょう。
しかし、リスニングでも時間が足りないと感じる瞬間があります。それが、Part 3(会話問題)やPart 4(説明文問題)で設問を先に読めなかったときです。
いわゆる設問の「先読み」ができれば、どのような情報を聞き取れればよいかを事前に把握できるため、待ち伏せして情報を特定できます。
しかし、「先読み」ができない場合には、どのような情報を聞けばよいかがわからないため、待ち伏せして聞くことができません。
リスニングにおける時間配分のポイント
リスニングの問題は以下のように出題されます。
- Directions(パートの説明)
- 問題指示文(例:Questions 32 through 34 refer to the following conversation.)
- 会話や説明文
- 設問1読み上げ(ポーズ8秒)
- 設問2読み上げ(ポーズ8秒)
- 設問3読み上げ(ポーズ8秒)
- 「2」に戻り次の問題指示文から繰り返す
※なお、図表問題の場合は、設問読み上げの後のポーズは12秒です。
リスニングの時間配分のポイントは、会話や説明文が流れていない時間帯をどのように使うかだといえます。
つまり、「Directionsが流れている間」と、会話や説明文の後の「設問が読み上げられて次の問題指示文が流れるまでの間」です。
Directionsでは”Part 3/4. Directions. In this part of the test, …”というようなパートの説明が30秒程度流れます。
内容はいつも同じですし、そもそもPart 3/4の形式を説明しているだけですので聞く必要はありません。
その代わり、最初の3問の設問をしっかりと読む時間に充てることをオススメします。
速く読める場合は、3セット(9問くらい)をざっと読んでおき、Questions 32 through 34 refer to the following conversation.という問題指示文が流れるときには、32~34番の設問のみに集中してください。
設問はしっかりと覚えることが大切ですが、選択肢は眺める程度で大丈夫です。
設問1つにつき4つの選択肢があり、それが1セットに3つあるため、設問3+選択肢12の合計15個の情報があります。
これをすべて覚えることは不可能なため、頭に入れるのは設問3つ、時間があれば選択肢を目に入れる、という意識でよいでしょう。
時間がない場合は、設問3つだけの確認でも大丈夫です。
3つの設問を読むことで、聞き取るべき情報を確認できます。そして、会話/説明文を聞き、解答します。
会話/説明文が終わると、設問が読み上げられますが、この設問の読み上げは、次の設問の先読みのペースメーカーとして使いましょう。
たとえば、以下のような設問の読み上げが行われるとしましょう。
No. 32. Where most likely are the speakers?
(ポーズ8秒)
No. 33. What does the woman ask the man to do?
(ポーズ8秒)
No. 34. Where will the man probably go next?
(ポーズ8秒)
1問目(32番)の設問が読み上げられた時点で32~34番の解答を終えられていれば、次の35~37番の設問の先読みに充てられる時間は、最初のポーズ8秒から最後のポーズ8秒まで、30秒近くあります。
2問目(33番)の設問の読み上げと同時に32~34番の解答を終えられていれば、次の設問の先読みに充てられる時間は20秒。
さらに3問目(34番)が読み上げられた時点では、次の設問の先読みに使える時間は10秒程度となります。
設問先読みの時間が20秒程度あれば、選択肢まで眺めることができますが、10秒以内となると設問をサッと読む程度となります。
残り時間にしたがって、設問の先読みをどこまで行うかを調整しましょう。
また、限られた時間の中で設問を速く読む際のコツは、「人物」「場所」「話題」「目的」という基本情報と、「誰が何をするか」という詳細情報の把握です。
以下は、そのまま登場することの多い設問です。覚えておくことで、一瞬で読めるようになります。
基本情報に関する問題は、基本的に1問目に登場します。
人物の職種や役割に関する設問
Who most likely are the speakers? (Part 3)
Who is the speaker? (Part 4)
Who are the listeners? (Part 4)
場所に関する設問
Where is the conversation most likely taking place? (Part 3)
Where are the speakers? (Part 3)
Where is the speaker? (Part 4)
話題に関する設問
What are the speakers discussing? (Part 3)
What is the topic of the conversation? (Part 3)
What is the talk mainly about? (Part 4)
目的に関する設問
What is the purpose of the message? (Part 4)
また、詳細情報に関する設問は、「誰が何をするか」がポイントとなるため、主語・動詞を中心に読み取ります。
依頼に関する設問
What does the woman ask the man to do?
What does the man request?
提案に関する設問
What does the man suggest the woman do?
What does the woman suggest?
What does the man recommend?
申し出に関する設問
What does the man offer to do?
次の行動に関する設問
What will the woman probably do next?
以上は、そのまま登場することが多いため、覚えておくことで素早く読めるようになり、Part 3/4において設問の先読みの時間短縮となります。
また、そのまま登場しない設問についても、「疑問詞+誰が何をするか/したか」に注目することで、素早く内容をつかめます。
What did the man submit to Mr. Jackson?
Where will the event be held?
When is the shipment scheduled to arrive?
設問の先読みができなかった場合どうする?
なお、前の問題の解答に時間がかかってしまい、次の会話/説明文の設問が読めないこともあるでしょう。
その場合には、無理して設問を読もうとせずに、会話/説明文の内容を把握することに集中してください。
文字を読むことに集中してしまうと、音声が耳に入ってこなくなり、けっきょく問題を解くことができないケースが多くあります。
逆に、設問の先読みができなかったとしても、会話/説明文の内容を聞き取れていれば、正解することができます。
当たり前ですが、各問題の正解の選択肢は1つだけで、不正解の選択肢の内容は会話や説明文には登場していません。
【パート別攻略法②】リーディングの時間配分
リーディングはリスニングとは異なり、75分間を自分の好きなペースで解くことができます。だからこそ、タイムマネジメントが重要です。
1つの問題に時間をかけすぎてしまうと、あっという間に時間が足りなくなってしまいます。
リーディングにおける時間配分とそのポイントを確認しておきましょう。
リーディングにおける時間配分とは
リスニングの音声自体は勝手に流れてくるため、音声に合わせて聞くことで対応できます。
しかし、リーディングでは、意識的に読まないと内容理解が進みません。
そして、内容を理解しながら解答する作業を75分で終わらせることが求められています。時間配分の難しさはここにあります。
リーディングに割り当てられている75分の配分の目安は以下のとおりです。
- Part 5(短文穴埋め問題)10分
- Part 6(長文穴埋め問題)10分
- Part 7(読解問題)55分
Part 7は1問1分程度が目安となるため、54問に対して55分確保するために、Part 5/6合わせて20分以内という計算です。
リーディングで意識すべき3つの時間
リーディングでは、75分を効果的に使い、英語力を確実にスコアに反映させることが求められます。その際に意識すべき3つの時間があります。
ちなみに、これはお金の使い方とも共通していますが、その3つとは「消費」「浪費」「投資」です。
問題を解く際には、どんなに速く読める人であっても、読むための時間は必要です。この「消費」の時間は削ることができません。
生活するために最低限のお金がかかるのと同じですね。
「浪費」とは、不要な時間を使ってしまうことです。お金でいえば、「無駄遣い」のことです。
使っていないサービスに会費を払い続けるようなものですね。TOEICでいえば、「わからない問題に悩み続ける時間」が浪費に当たります。
時間の浪費をすることで、時間がなくなり、本来解けるはずの問題に時間をかけることができなくなります。
「投資」とは、お金でたとえるならば、お金を使うことでさらなるお金を生み出す運用のことです。
TOEICにおける「投資」とは、解けない問題には時間を使わずに適当にマークをすることで時間を節約し、その後の解答時間を増やす戦略です。
「?」と思った問題について、悩み続けて時間を浪費するか、適当にマークすることで時間を投資するかによって、スコアは大きく変わります。
優先的に取り組むパート
わからない問題に時間をかけなかったとはいっても、リーディングを最後まで終えるのは至難の業です。
最初に述べたように700点以上を持つ受験者でも、最後まで終わらないケースは多くあります。
TOEICは各問題の難易度やパートごとに配点が変わるわけではありません。あくまで、リスニング・リーディングそれぞれ100問中何問正解できたかによって、スコアが変わります。
そのため、テスト当日に大切なことは、最大の正解数を出すことなのです。
リーディングにおいては、多く正解を出せるパートに優先的に取り組むことをオススメします。
以下の項目にいくつ当てはまりますか?
- リーディングが最後まで終わらない
- Part 5 が苦手である
- Part 7は時間があれば解けそう
もし2つ以上当てはまる場合で、Part 5→Part 6→Part 7の順番に解答している場合は、実力がスコアに反映されていないと言えます。
Part 5は文法と知識を確認する問題ですから、読めるかどうかではなく、知っているかどうかが問われています。つまり、時間をかけてもかけなくても正解数は変わりません。
一方で、Part 7は知っているかどうかという知識ではなく、読めるかどうかというスキルが測られています。読めれば解けるのがPart 7です。
よって、時間がカギとなります。しかし、知識を測るPart 5に時間をかけすぎて、スキルを測るPart 7に時間をかけられていないという非常にもったいない状態に陥っているのです。
なお、Part 6は読めないと解けませんが、読めたからといって解けるとは限りません。
内容を読み取れさえすれば語彙問題には対応しやすいのですが、文法の知識がなくては文法問題に正解することはできないからです。
上のような状態の場合、オススメの解答順はPart 5→Part 7→Part 6、またはPart 7→Part 5→Part 6です。Part 7を2番目または最初に解答することで、十分な時間を確保することができます。
Part 5がどうしてもわからないという場合には、Part 5を最後にして、残り時間が少なくなった場合は、解けそうな問題だけピックアップして解くという戦略でもよいでしょう。
いずれにしても、正解数を最大化する戦略としての時間配分が必要です。
【タイミング別攻略法】TOEICの時間配分で失敗しないためにやるべきこと
TOEICの時間配分で失敗しないためには、事前準備も欠かせません。
単語や文法などの基礎英語力を上げる練習だけでなく、問題を速く解く練習も必要です。
事前にどのくらいのスピードで解答する必要があるのか、確認しましょう。
また、試験当日も解答時間を短縮するためにできることがあります。
試験前の事前準備と、当日の準備をそれぞれ見ていきましょう。
試験前に行う時間戦略
日常生活においても、仕事においても、作業時間を短縮するために準備ができる場合がありますよね。
たとえば、文房具などを使ったら元の場所に片付けることで、次に使うときに探す時間をなくすことができます。
逆に、私のように使ったら使いっぱなしということでは、次に使うときになかなか見つからず、膨大な時間を探すことに費やすことになります(反省……)。
また、料理を作る際に、下ごしらえをしておくことで、調理の時間が短縮します。
リーディングの中でも、Part 5は事前準備ができます。
知識を測るPart 5は、時間をかけても時間をかけなくても正解数は変わらないことはすでにお伝えしました。
かけた時間と正解数が比例しないのであれば、なるべく早く解答を終えたいですよね。
そこで、ぜひ事前準備として取り組んでいただきたいのが、「速解練習」です。
Part 5の目安である10分以内で解答が終わらない方には、ぜひ取り組んでいただきたい事前準備です。
ちなみに、この事前準備をしても正解数は変わらないかもしれません。
しかし、この事前準備をするかどうかで、当日の解答スピードが変わります。解答スピードが変われば、節約した時間をPart 7に使うことができます。
多くの時間をPart 7に使うことができれば、当然正解数に反映されます。その結果、スコアアップへとつながるのです。
では、やり方をご紹介します。
用意するもの:Part 5の新しい問題、マークシート、ストップウォッチ
1. 時間を測りながら解答
まずは、時間を測りながら解答します。本番と同じ気持ちで解いてください。
2. 解答時間を確認
Part 5は10分以内が目安です。10分以内に解答できた場合には、答え合わせに進んでください。
なお、10分以内に解けなかった場合は、答え合わせをしてはいけません。翌日にもう一度、同じ問題に挑戦してください。
3. 再挑戦
10分以内に解答できなかった問題に再挑戦します。このときも、ストップウォッチで時間を測りながら解答します。
前日とまったく同じ問題を解くため、何を選んだかは覚えているかもしれませんが、それが正解かどうかはわかりませんよね。
初めて解くときのように、しっかり解いてください。
2回目も10分以内に解けたかどうかで判断します。10分以内で解けた場合には、答え合わせに進みます。
2回目も10分以内に解けなかった場合には、答え合わせをせずに、翌日にもう一度解きます。3回目ですね。
4. 答え合わせ
10分以内に解答できるまで、答え合わせはしてはいけません。たとえば、以下のような結果だったとしましょう。
1回目:15分
2回目:12分
3回目:9分
この3回分をまとめて答え合わせをします。すると、おそらく正解数はほとんど変わっていないことに気づくでしょう。
知識が変わっていないのですから、同じ問題を解いても正解数はほぼ変わりません。しかし、解答時間が15分から9分へと、6分短縮されています。
もちろん、1回目と3回目ですから短縮して当然です。ただし、このときに9分で解く感覚を知ることができます。
そのくらいのスピードで解答すれば10分以内に解答できるのかがわかれば、テスト本番でもわからない問題に悩みすぎずに適当にマークをして、時間をPart 7に投資できるようになります。
テスト本番では、初めて見る問題を10分以内に解答しなくてはいけないため、練習においても初めて見る問題に対して、10分以内に解答できる練習をしておくとよいでしょう。
試験当日の時間戦略
テスト当日は解答ペースを落とさぬよう、わからない問題は潔く飛ばしましょう。
徳川家康の性格を例えた句「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」というのがありますが、徳川ではなく「解く側」としては、そんなに悠長なことは言っていられません。
「悩むなら 飛ばしてしまえ ホトトギス」の精神で取り組むことが大切です。
練習での努力は報われますが、テスト中の努力は報われません。
それどころか、わからない問題に悩みすぎることで時間がなくなり、スコアを落とす結果となります。
また英語力とは関係ないものの、マークシートの塗り方にも時間短縮のヒントが隠れています。
テスト当日は、200個の黒丸を塗ります。
黒丸を1つ作るのに3秒かけるとすると、3秒×200で600秒、つまり2時間のうち10分もの時間を黒丸作成に費やしているのです(笑)。
チリも積もれば山となる、ですね。このマーク欄を早く塗ることができれば、それだけリスニングやリーディングに時間を費やすことができます。
筆記用具は何を使っていますか?0.5ミリのシャープペンでしょうか?それとも、鉛筆でしょうか?それとも、ほかのものでしょうか?
とくに考えずに、いつも使っている0.5ミリのシャープペンを使用している方は、マークに意外と時間がかかっているかもしれません。
早く塗るためのオススメは、マークシート用のシャープペンです。マークシート用シャープペンには、1.3ミリのものが多く、ものによっては2ミリというものもあります。
0.5ミリのシャープペンと1.3ミリのシャープペンでは、太さを単純計算すると2.6倍の違いがあります。うまくいけば、2.6倍の速さで黒丸を作成することができます。英語力は上がりませんが、塗る時間を短縮できることで、聞き逃すことがなくなるかもしれません。
【目標点数別】TOEICの解答時間を短縮する方法
ここからは、解答時間の短縮方法を目標点数別に解説します。
目標としているTOEICの点数によっても、スピードアップのコツが異なります。
英語の勉強を始めたばかりの人と、すでに高い英語力を持っている人とでは、勉強の仕方や、気を付けるべきポイントが違うのです。
本章では600点・700点・800点の3つにわけて紹介します。
自分の目標スコアに当てはまる箇所を参考にしてください。
600点突破を目指すなら
TOEIC600点というと、履歴書などでも英語力をアピールできる点数なので、目標としている人も多いでしょう。
TOEICで600点を取るには、単語や文法を中心とした基本的な英語力が必要です。
まずは、頻出単語やよくでる文法を確実に覚えましょう。
そのうえで、リスニング、リーディングそれぞれの解答ポイントを紹介します。
リスニングで点数を取れない理由の1つに、「英単語を読めるのに、聞き取れない」といった問題があげられます。
音読やシャドーイングなど、自分で英語を声に出す練習を繰り返すことで、英語のリズムやスピードについていけるようになるでしょう。
とはいえ、リスニングで流れてくる音声をすべて聞き取るのは難しいものです。
疑問詞や「人物」「場所」「話題」「目的」という基本情報に注目しながら聞くことで、解答に必要な情報をキャッチできます。
スクリプトを確認しながら音読やシャドーイングを繰り返し、重要単語を聞き取る練習をしましょう。
またリーディングについても、工夫次第で時間短縮が可能です。
Part5の短文穴埋め問題では、設問を全部読まず、空欄の前後だけを読んで解答することもできます。
ほかにも、長文問題では先に設問を読んでから長文を読んで解答することで、読み取るべき内容を探しやすくなり、スピードアップにつながるでしょう。
【あわせて読みたい】【TOEIC600点攻略法】TOEIC満点講師が解説する初心者にオススメの学習法
700点突破を目指すなら
すでに600点を突破した人は、その上の700点を目指しましょう。TOEIC700点を昇進の条件にしている企業も、少なくありません。
取得すれば英語を使う仕事につけるようになるなど、活躍の場が広がるでしょう。
TOEICで700点を取るには、600点を取得できるだけの基礎英語力に加えて、解答の精度を上げる必要があります。
とくにリスニングでは、単語でなくフレーズで聞き取る練習がおすすめです。
単語ではなくフレーズで聞き取ることで、より正確な情報を得られ、内容理解のスピードアップや解答時間の短縮につながります。
フレーズで聞き取るためには、基本フレーズを頭に入れておくことが大切です。
基本フレーズをスムーズに理解できれば、その分ほかの重要な情報を聞くことに注力できます。
基本フレーズを覚えるには、Part3やPart4の会話を題材に勉強するとよいでしょう。
まずは日本語訳やスクリプトを確認し、会話の内容を正しく理解してください。
そのうえで、1つの会話につき最低5回は繰り返し声に出す練習をしましょう。
ただ読むだけでなく、オーバーラッピングやシャドーイングを取り入れることも効果的です。
【あわせて読みたい】TOEIC700点はどれくらい?700点突破のための学習法
800点突破を目指すなら
TOEIC800点というと、商社や外資系企業で求められるほどのレベルです。800点を取ろうと思うと、81〜82%ほどの高い正答率が求められます。
800点を取得するには、高い英語力に加えて、速読力や情報処理能力などを総合的にレベルアップすることが必要です。
700点までは、疑問詞に注目したり問題を先読みしたりするなど解答テクニックを活用することで、スコアアップを図ることができました。
しかし800点以上を目指すなら、リスニング・リーディングともに解答テクニックの活用だけでは不十分です。
内容の理解に努め、的確に必要な情報を読み取ることが求められます。
内容を深く理解することで、結果的に、解答時間の短縮と正答数のアップを同時に叶えられるのです。
内容理解の精度を上げる方法として、問題を解いたあとに、問題文のストーリーを思い出してみるというのがあります。
正しく思い出せた場合は英文を理解できていると考えられますが、正しく思い出せなかった場合は、英文を正しく読み取れていない可能性があると考えられます。
読み取れていない部分を確認し、単語がわからなかったのか、文法を取り違えていたのかなど原因を探しましょう。
【あわせて読みたい】【TOEIC800点攻略法】TOEIC満点講師が解説するTOEIC800点突破のための学習法
まとめ
今回のポイントをおさらいしておきましょう。
・TOEICの試験時間は、リスニング約45分・リーディング75分の計120分
・TOEICは問題数が多いため、高得点を取るには時間配分が重要
・リスニングでは問題の先読みに、リーディングではタイムマネジメントに注力する
・試験までに解答スピードを体に染み込ませるとよい
・当日の試験中は、わからない問題は潔く飛ばしてしまうのも、スコアアップのカギ
・目標点数によって勉強の進め方や解答方法が異なるので、ポイントをおさえて学習する
TOEICで高得点を取得するには、英語力を上げるだけでなく、時間配分に関する対策も大切です。
パートやタイミング、目標点数によって時間短縮の方法は異なります。本記事を参考に、TOEICの勉強を進めていきましょう。
解説:早川 幸治講師
編集・加筆:スタディング編集部