TOEIC®のスコア分布と平均点|何点からすごい?評価されるスコアの目安は?

TOEIC®のスコア分布を見たことがありますか?

TOEIC®の公式サイトでは「実施回ごと」と「年度ごと」のスコア分布が公開されています。

スコア分布を見れば、自分が受験者の中でどのくらいの位置にいるかわかり、英語力を客観的に把握することが可能です。

この記事では、2023年度のスコア分布や、評価されやすいスコアの目安を目的別にお伝えします。

TOEIC®のスコア分布と平均点

まずはTOEIC®のスコア分布と平均点を見ていきましょう。

2023年度にTOEIC®を受験された方は、ぜひご自身のスコアと比較しながら読み進めてください。 

なお、一般的にTOEIC®というと「TOEIC®L&R公開テスト」を意味することが多いため、この記事でもTOEIC®L&R公開テストについて紹介します。

TOEIC®のスコア分布

2023年度TOEIC®テストのスコア分布は下記の通りです。

スコア割合
895〜9904.4%
845〜8905.0%
795〜8406.8%
745〜7908.2%
695〜7409.4%
645〜69010.4%
595〜64010.6%
545〜59010.3%
495〜5409.2%
445〜4908.0%
395〜4406.6%
345〜3905.1%
295〜3403.3%
245〜2901.8%
195〜2400.7%
145〜1900.2%
95〜1400.02%
45〜900.01%
10〜400.02%

2023年度は平均点が612点ということもあり、595~640点のスコア帯がもっとも多くなっていました。

2023年度のTOEIC®L&R公開テスト受験者数が74万6,178人であったことから、約8万人が595~640点を取得したことがわかります。

なお、TOEIC®は合格・不合格ではなく、スコアによって英語力を評価するテストです。

英語力を正しく評価するためには、テストの難易度によってスコアに差が出てしまっては意味がありません。

難易度によってスコアの差が生じないようにするため、TOEIC®のスコアは統計処理によって算出されていることを頭に入れておきましょう。

TOEIC®スコアの仕組みについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

TOEIC®の平均点

TOEIC®の平均点はおよそ600点です。以下に近年の平均点を示します。

 2021年度2022年度2023年度
全体611点608点612点
リスニング311点331点335点
リーディング279点277点278点

TOEIC®は990点満点、リスニング・リーディングのパートはそれぞれ495点満点です。

上記の表から、リスニングのほうがリーディングよりも平均点が高い傾向にあるとわかります。

また2023年度の平均点を属性別に見ると、社会人は639点、大学生は596点でした。

社会人の平均点は全体よりもやや高め大学生の平均点は全体よりもやや低めという結果です。

この傾向は2023年度に限ったものではなく、毎年同様の結果が出ているようです。

おそらく社会人のほうが「実務で必要」「キャリアアップに必要」といったように、目的がはっきりしていることが多いと考えられます。

TOEIC®を受ける際の気持ちの度合いがスコアにも影響しているのでしょう。

TOEIC®の平均点について、さらにくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

TOEIC®スコア、何点からすごい?

「TOEIC®は何点かすごいのか」という質問に対して、一概に「〇点」とお答えすることはできません。

TOEIC®を受験する人の属性や背景によって、周りから「すごい」と評価されるスコアが異なるからです。

以上のことを前提に、ここでは一般的にどのくらいのスコアを取得していると「すごい」と言われるのかを考えていきます。

2023年度のスコア分布によると、845点以上取得した人は全体の9.4%であり、受験者全体の上位1割に入ります。

845点以上取得できれば、どのようなシーンでも「すごい」と評価されるのではないでしょうか。

一方で「800点以上のスコアなら自慢できる」と考える人が多いという調査結果もあります。

スコア分布によると、795点以上は上位15%程度であるため、たしかに十分「すごい」と言えるでしょう。

もちろんここまで高得点でなくても、大学や就職・転職などで評価の対象となり得ます。

「すごい」と思われるスコアは人によっても目的によっても異なるため、周りの意見に振り回されず、自分の目標を立てることが大切です。

【目的別】評価されるTOEIC®スコアの目安

TOEIC®は、大学入試や大学での単位取得、就職などに活用したいという目的から受験を検討する人も多いテストです。

目的がはっきりとしている場合は、目的に応じたスコアを目指し、勉強を進めるとよいでしょう。

ここからは評価されるTOEIC®スコアの目安について、目的別に紹介します。

大学入試

2022年度大学入学試験において、TOEIC®L&Rを活用している大学は236校でした。

これらの学校では、出願資格や判定優遇、合否参考、加点などにTOEIC®が活用されています。

実際に大学入試にTOEIC®L&Rを活用している大学の例と、その活用方法、基準スコアを以下の表にまとめました。

大学名基準スコア活用方法
北海道大学工学部環境社会工学科(社会基盤学コース)550点総合型入試における出願資格
横浜市立大学データサイエンス学部データサイエンス学科800点総合型入試における加点
同志社大学文学部英文学科600点学校推薦型入試における出願資格・判定優遇・合否参考

上記の表からもわかるように、基準スコアにはバラつきがあり、スコアの目安をお伝えすることは難しいです。

ご自身が受験したい大学ではどのように活用されているのか、あらかじめ確認しておいてください。

なお、TOEIC®L&Rを単独で活用している大学だけでなく、TOEIC®S&Wと組み合わせて活用している大学も多く見られます。

大学などでの単位認定

TOEIC® Programは大学や短期大学などでの単位認定にも活用されています。

IIBCによると、2021年度の単位認定におけるTOEIC® Programの活用校は、大学が334校・短期大学が56校・高等専門学校が44校とのことです。

TOEIC®L&Rを活用している学校が多いものの、TOEIC®S&Wを活用している学校やTOEIC®L&RとS&Wの両方を活用している学校もあります。

大学などでの単位認定の目安は、600~700点前後です。

実際に単位認定にTOEIC®L&Rを活用している大学例と、その活用方法、基準スコアを以下の表にまとめました。

学校名基準スコア活用方法
お茶の水女子大学680点4単位
大阪大学外国語学部730点2単位
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部650点10単位

国立・私立にかかわらず多くの学校が単位認定にTOEIC®を活用しています。

就職・転職

就職や転職で評価されるTOEIC®スコアの目安は600点です。

入社までにTOEIC®600点を求めている企業もあるようです。

就職や転職に活用するためにTOEIC®を受験する人は、平均点を目指すとよいでしょう。

ただし、業界や業種、企業によってはもっと高いスコアが求められるケースもあります。

たとえば、海外との取引が多い業界やマスメディア業界では高いスコアが求められる傾向にあるようです。

「ファーストリテイリング」や「トヨタ自動車」など、基準とするTOEIC®スコアを公表している企業もあります。

就職・転職を希望する企業がTOEIC®スコアを公表しているのか確認しておくとよいでしょう。

キャリアアップ

TOEIC®スコアを昇進・昇格の要件としていたり、参考にしていたりする企業もあります。

目安は600~700点程度で、役職が上位になるほど求められるスコアも高くなる傾向が見られます。

また海外への赴任を希望する際にも、TOEIC®スコアを参考に選考されることもあるようです。

企業が海外部門の社員に期待するTOEIC®L&Rスコアの目安は570~810点です。

TOEIC®で高いスコアを取得できていれば、大きなアピールになるでしょう。

まとめ

今回のまとめは以下の通りです。

  • TOEIC®L&R公開テストの平均点は約600点
  • 社会人の平均点は全体より高く、大学生の平均点は全体より低い傾向にある
  • 何点からすごいかは人によるため一概には言えない
  • TOEIC®スコアは大学入試や学校での単位認定、就職などで役立つが、目安となるスコアはそれぞれ異なるため事前に調べておくとよい

TOEIC®で何点を目指せばよいかわからない場合は、まず600点を目指してみてはいかがでしょうか。

平均点以上を取得できていれば、スコアを活用できるシーンが増えます。

平均点を超えられるよう勉強を進めていきましょう。