TOEIC®公式サイトで、スコアの有効期限は2年と設定されています。2年以上前のスコアは無効なのか、履歴書に記載しても問題ないのか、悩む人もいるでしょう。
この記事では、TOEIC®スコアの有効期限について解説するとともに、大学受験や就職などでTOEIC®スコアを活用する場合の注意点を解説します。
スキマ時間でできるTOEIC対策
【スタディングTOEIC® TEST 対策講座】
TOEIC®スコアの有効期限とは?
TOEIC®のスコアには、有効期限が設定されています。
まずはTOEIC®スコアの有効期限や、有効期限が切れていた場合の対処法についてみていきましょう。
TOEIC®公式サイトではスコアの有効期限を「2年」と設定
TOEIC®公式サイトには、2025年1月時点で「スコアの有効期限を2年と設定している」と記載されています。
TOEIC®スコアはテスト受験時の英語力を評価するものであり、受験者の英語力は時間の経過とともに変化する可能性があるためです。
英語力は、学習を怠ったり使用機会が減ったりすると低下する可能性がありますが、逆に、学習を継続したり使用機会を増やしたりすることにより向上する可能性もあります。
受験や就職活動などでTOEIC®スコアの利用を考えている場合は、最新のスコアに更新することをおすすめします。
IPテスト(団体受験)で発行されるスコアレポートも有効期限は2年
IPテストとは、大学や企業、英会話スクールなどの団体が試験会場・日時を設定し、オンラインで受験できるTOEIC®の団体受験制度です。
IPテストでは、公開テストで発行される公式認定証の代わりに、スコアレポートが発行されます。
このスコアレポートの有効期限も2年です。IPテストと公開テスト、どちらを受験してもスコアの有効性に変わりはありません。
しかし、両スコアが同等に扱われるかは、スコア提出先の方針によって異なります。IPテストのスコアを使用する際は、事前に提出先の方針を確認しましょう。
TOEIC®スコアの有効期限が切れていた場合の対処法
TOEIC®スコアの有効期限が切れていた場合でも、無効になるとは限りません。
提出先によっては、2年以上前に取得したスコアでも有効となる場合があります。前述のようにTOEIC®公式サイトでは、スコアの有効期限を2年としています。
しかし、学校や企業・団体が出願や採用でスコアを利用する際に、2年を超えるスコアの提出を認めるかどうかまでは規定していません。
とはいえ、2年以上前に取得したスコアでは現在の英語力の証明にはならず、信憑性が疑われる可能性もあります。
語学力が重視される職種ではよりいっそうの注意が必要です。
2年以上前に取得したスコアだからといってマイナスの評価をされることは考えにくいですが、英語力の信頼性を高めるためには、有効期限内のスコアを提示するのが得策です。
TOEIC®スコアの有効期限を3つの活用シーンごとに解説
TOEIC®スコアは、活用シーンによって有効期限の考え方やスコア提出の際の注意点が異なります。
ここでは、TOEIC®スコアの有効期限に関する注意点を、3つの活用シーンごとに解説します。
大学受験・大学院入試での有効期限
大学受験や大学院入試では、TOEIC®スコアに応じた優遇措置を受けられるケースがあります。
具体的には、出願資格や判定優遇、合否参考、加点、得点換算などです。
たとえば東北大学の大学院入試では、TOEIC®のスコアが成績として利用されるため、入学試験当日には英語の試験が行われていません。
ただし、優遇措置を受けるためには、事前に公式認定証の提出が必要です。
有効期限は「入学試験実施日からさかのぼって過去2年以内に受験したもの」と定められています。
大学受験・大学院入試でTOEIC®スコアを利用する場合は、以下の点に注意しましょう。
- 志望校の募集要項などで、TOEIC®スコアの有効期限を必ず確認する
- 有効期限を超えてしまう場合は、出願までに間に合うように再受験をする
- (IPテストのスコアを提出したい場合)IPテストのスコアも対象になるかを確認する
TOEIC®スコアが高い場合、大学受験・大学院入試で有利になる可能性があります。将来の進路を見据えて、計画的にTOEIC®を受験しましょう。
就職・転職で履歴書に書く際の有効期限
TOEIC® Programを活用している企業・団体の中には、就職・転職の応募要件で「〇年以内にTOEIC®スコア〇点以上」と設定している場合があります。
指定された期日より古いスコアは評価対象外となる可能性があるため、事前の確認が必要です。
英語力をアピールするには、応募要件に明確な期限設定がない場合でも、2年以内のスコアを提示することが望ましいです。
就職・転職活動でTOEIC®スコアを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
- 応募要件にTOEIC®スコアの有効期限がないか確認する
- 有効期限の記載がなくても、可能な限り2年以内に取得した最新のスコアを使用する
- (IPテストのスコアを提出したい場合)IPテストのスコアも対象になるか確認する
現在の英語力を正確にアピールするためにも、キャリアアップの機会を最大化するためにも、定期的にTOEIC®を受験することをおすすめします。
全国通訳案内士試験での免除申請における有効期限
全国通訳案内士は、全国通訳案内士試験(国家試験)に合格し、都道府県知事の登録を受けた人だけが有する資格です。
全国通訳案内士試験では、一定のTOEIC®スコアを取得している場合、外国語筆記試験(英語)が免除されます。
2024年度全国通訳案内士試験のTOEIC®スコアによる英語試験免除の条件は、以下の通りです。
免除資格:TOEIC®(以下①~④のいずれか)※すべて公開テスト(IPテストは対象外)
①Listening & Reading Test 900 点以上
②Speaking Test 160 点以上
③Speaking & Writing Test の内、Speaking Test 160 点以上
④Speaking & Writing Test の内、Writing Test 170 点以上
申請書類:「公式認定証(OFFICIALSCORE CERTIFICATE)」
※デジタル認定証も可(URL送付は不可)
有効期限:2023年4月1日以降に取得したスコア
申込期限:2024年6月12日〜7月16日厳守
【参考】日本政府観光局(JNTO)「2024 年度全国通訳案内士試験(国家試験)」
2024年度の試験の場合、TOEIC®スコアの有効期限は「2023年4月1日以降に取得したスコア」とされています。
いっぽうで、免除申請に必要な証明書類の申込期間は「2024年6月12日〜7月16日」です。
つまり、通訳案内士試験での免除申請におけるTOEIC®スコアの有効期限は実質1年3カ月程度であり、TOEIC®公式サイトが設定している2年より短くなります。
全国通訳案内士試験で、英語の免除申請を検討している人は注意しましょう。
TOEIC®スコア以外で期限があるもの
TOEIC®ではスコア以外にも期限が設定されているものがあります。
ここでは、公開テスト受験者に発行される公式認定証(紙)の再発行期限と、デジタル公式認定証の表示期限について解説します。
公式認定証(紙)の再発行期限
公式認定証は、公開テストの試験日から2年以内に限り、再発行が可能です。
公式認定証を紛失した場合や、追加で必要になった場合に活用できますが、2年を過ぎると再発行できなくなります。
再発行申請は、TOEIC®申込サイトから行います。再発行には公式認定証1部につき550円(税込)の手数料が必要です。
発送は、手数料の支払い完了後、4営業日以内(土・日・祝日・年末年始を除く)です。
手元に届くまでに数日かかるため、公式認定証が必要な場合は日数に余裕をもって申し込みましょう。
デジタル公式認定証の表示期限
2023年4月以降に実施された公開テストより、デジタル公式認定証が発行されるようになりました。
2024年度に実施される公開テストでは、デジタル公式認定証と紙の公式認定証の両方が提供されています。
このデジタル公式認定証は、試験日から19日後にTOEIC®申込サイトから確認でき、試験日から5年間表示されます。
この期間内であれば、PDFで何度でもダウンロード可能です。
デジタル化により、公式認定証の保管や提出がより便利になりますが、5年という期限があることに注意しましょう。
まとめ
TOEIC®スコアの有効期限について解説しました。
ポイントは、以下の通りです。
- TOEIC®スコアの有効期限は公式には2年
- IPテストのスコアレポートも有効期限は2年
- TOEIC®スコアを利用する場合は、提出先の方針を確認する
- 現在の英語力を示すためには、有効期限以内のスコア提示がおすすめ
- 公式認定証(紙)の再発行期限は試験日から2年以内
- デジタル公式認定証の表示期間は試験日から5年間
英語力は時間の経過とともに変化する可能性があります。
定期的にTOEIC®を受験することで、自身の英語力の向上を図るとともに、さまざまな機会で活用しやすくなります。
ぜひ計画的にTOEIC®を受験し、キャリアアップや自己成長につなげてください。