
「TOEIC700点のレベルはどのくらい?」「700点を取得するメリットはあるの?」と気になっていませんか?
この記事では、まずTOEIC700点のレベルや取得するメリットをお伝えしますので、TOEIC700点についての具体的なイメージをつかみましょう。
記事後半では、TOEIC700点を取得するための勉強法や攻略のコツもくわしく解説します。
TOEIC700点を目指す人はぜひ参考にしてください。
TOEIC700点のレベルはどのくらい?
TOEICで700点取得というと、どのくらいの英語レベルを想像しますか?
「なんとなく英語が得意そう!」と感じる人も多いかと思いますが、いったいどのくらいすごいのでしょうか。
TOEIC700点が全受験者の中でどのくらいのレベルに値するのか、どのくらいの英語力といえるのかについて確認していきましょう。
TOEIC700点のすごさ
はじめに、TOEIC700点のすごさをはかるために、「CEFR(セファール)」という指標をチェックしてみましょう。
「CEFR」とは外国語の習熟度レベルを示すガイドラインです。
この指標はレベルが高い順に、C2・C1・B2・B1・A2・A1とランク分けされています。
TOEIC700点は、CEFRに換算するとB2〜B1レベルの間、中級よりも少し上のレベルだとされています。
では700点取得者はTOEICの受験者の中で、どのくらいのレベルなのでしょうか。
直近3回(第341回・第340回・第339回)のテスト結果をみてみると、700点台前半の人は上位約24%、700点台後半の人は上位約16%に入っていました。
つまり700点取得していれば、全受験者の中でも比較的高いレベルに位置することがわかります。
さらに同じ回の全受験者の平均点は約607点だったので、このことからもTOEIC700点の難易度が高いことがうかがえます。
TOEIC700点の英語力
それでは、TOEIC700点を取得すると、具体的にどのくらいの英語力があるのでしょうか。
700点を取得していると、基礎的な英語が身についているといえます。
単語や文法などの英語知識はもちろん、ネイティブスピーカーの発音を正しく聞き取るリスニング力もあります。
そのため、日常会話やビジネスシーンでも問題なくコミュニケーションが取れるでしょう。
話題が専門的な分野にわたっても対応可能です。
リーディングにおいても難易度の高い長文問題に対応できるだけの力があります。
知らない単語が出てきても、意味を推測しながら読み進められるでしょう。
いっぽう、正確さや流暢さに欠ける部分があったり、文法の誤りがみられたりするなど、まだまだ不完全な部分もあります。
ネイティブスピーカーのように、英語を完璧に操れるわけではありません。
しかし、話の要点を掴んだり、自分の伝えたいことを伝えたりするなど、意思疎通には問題ないでしょう。
TOEICで700点を取る3つのメリット
TOEIC700点の取得は比較的難易度が高いです。しかし取得するメリットもあります。
TOEIC700点取得のメリットについて、次の3つのポイントに沿って紹介します。
- 挑戦できる仕事の選択肢が増える
- 昇給や昇格のチャンスがある
- 実用的な英語力をアピールできる
ひとつずつみていきましょう。
挑戦できる仕事の選択肢が増える
TOEICで700点を取得すると、挑戦できる仕事の選択肢が増えます。
なぜなら多くの企業がTOEICのスコアを就職や転職の際の要件にしているからです。
入社時だけでなく、海外赴任や海外出張の要件にしていることもあります。
以下は、TOEIC700点以上を入社の要件にしている企業の例です。
企業 | スコア |
---|---|
三菱自動車工業株式会社(海外営業) | TOEIC700点以上 |
トヨタ自動車株式会社(海外営業) | TOEIC700点以上 |
住商エアロシステム株式会社(営業・管理職) | TOEIC730点以上 |
さらにTOEICのスコアによって希望部署への配属が叶う場合もあります。
海外部門や外資系企業とのやり取りを増やせるなど、自身の仕事の幅を広げられるでしょう。
昇給や昇格のチャンスがある
昇進や昇格のチャンスにつながることも、TOEICで700点を取得するメリットのひとつです。
企業の中には、TOEICのスコアを人事的な評価に使っていたり、昇進や昇格の要件としていたりすることもあります。
昇進・昇格すれば、収入アップにもつながるでしょう。
なおTOEIC主催団体であるIIBCの調査によると、TOEICの団体受験を実施している企業のうち、およそ4割がTOEICのスコアを人事的な評価として活用しています。
あらかじめ700点を取得しておけば、昇進や昇格のチャンスを逃す心配もありません。
また昇進や昇格の要件でなくとも、TOEICのスコアに応じて手当や奨励金が出る企業もあります。
こちらもTOEICで高得点を取得するメリットに値するでしょう。
ちなみにTOEICのスコアと年収は比例するという調査結果も出ています。
700点以上の場合、スコアが高ければ高いほど年収も高くなっています。
実用的な英語力をアピールできる
TOEIC700点を取得していれば、ビジネスにおいて実用的な英語力をアピールできます。
先ほども述べた通り、TOEICで700点を取れるのは、全体の受験者の約20%です。
日本人の平均よりも英語力があると判断されるでしょう。
またIIBCの調べによると、企業が新入社員に求めるTOEICのスコアは535点だといわれています。
一般企業であれば700点取得は、英語力の十分なアピール材料になると推測できるでしょう。
さらに英語力だけでなく、英語学習に対する継続力や計画性もアピールできます。
加えて、TOEIC700点を取得していれば、英語を生かした副業も可能です。
英語を生かした副業としては、翻訳や英会話講師などがあります。
観光地や空港など、外国人観光客が多く訪れる場所での接客業もおすすめです。
TOEIC700点を目指す勉強方法
TOEICで700点を取得するにはまず、単語や文法など基本的な英語力を身につけましょう。
単語力、文法力の強化は、毎日続ける簡単な学習として最適です。
単語力強化については、TOEICで頻出する単語をまとめた参考書が多数出版されていますので積極的に利用してください。
英文法についても、考え方の解説と演習が掲載されているタイプの参考書をしっかり読み込み、理解を深めましょう。
またTOEICでは、英語を英語のまま理解する情報処理能力も必要です。
リスニングは聞こえた英文を素早く意味として処理する力が求められます。
リーディングにおいても何度も読み返している時間はありません。
音読やシャドーイングで、英語を英語のまま理解する練習を重ねましょう。
ほかにも、TOEICの傾向や問題に慣れておく必要があります。
高い英語力や情報処理能力を持っていても、問題に慣れていないと、十分に実力を発揮できない場合があります。
TOEIC対策の参考書などを利用し、対応できるようにしておきましょう。
参考書の選び方については記事後半で解説します。

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TOEIC700点攻略のコツは「慣れ」と「スピード」
700点攻略のコツは「慣れ」と「スピード」です。慣れとスピードを身につけるために、以下の2点を頭に入れておきましょう。
- テスト形式に慣れる
- PART5、6はスピードを重視する
それぞれ解説します。
テスト形式に慣れる
TOEICには、総合的な英語力以外にも慣れが求められます。
具体的には、解ける問題と解けない問題の見極め、タイムマネジメントなどが、慣れで身につくテクニックです。
700点を突破するためには、英語力だけではなく、こうしたテクニックについても知っておく必要があります。
テスト形式に慣れるうえでは、公式問題集を何度も反復して解くトレーニングが効果的です。
リスニングをスピーカーで流す、マークシートを使う、時間を正確に計るなどして、実際のテスト形式を忠実に再現してください。
直前にこのトレーニングをしておくだけで、スコアアップが期待できます。
また、テスト形式に慣れるという意味では、実際にTOEICを受けてみるのがもっとも効果的です。
実際のテスト環境や緊張感を経験することで得るものは大きいでしょう。
その時点での自分の力試しもできます。
PART5、6はスピードを重視する
700点突破を目指している多くの人がリーディングセクションに苦しんでいます。
特に、Part7では精読するための長い時間が必要です。
そのため、Part5、6をいかに早く終わらせるかが、TOEICにおいて重要なタイムマネジメントだと考えられています。
Part5、6を効率的に解いていくための考え方をご紹介しましょう。
品詞に注目する
選択肢に動詞、名詞、形容詞、副詞など同じ単語の品詞違いが並んでいる問題があります。
どの品詞が入るかはほぼ語順で決まっていますので、こうした品詞の問題は空欄の前後を見るだけで解答可能です。
文法全体を読む必要がないため、時間を短縮できます。
品詞のつづりにはルールがあるので覚えておきましょう。
名詞+lyが形容詞、形容詞+lyが副詞です。
また、新しい単語を覚える際には、ほかの品詞についても覚えておくことをおすすめします。
選択肢が動詞の場合は、時制の問題と判断する
選択肢に原形、過去形、進行形など三人称単数現在のsがついた形など、動詞の変化形が並んでいることがあります。
このような問題は、時制の問題だと瞬時に判断しましょう。
その文章がいつ起きていることなのか、に注目して解答を選んでください。
接続詞問題はしっかりと読む
読む判断と読まない判断が重要になるPart5、6ですが、しっかりと読んだうえで答えなければならないのが接続詞の問題です。
Part5では文全体を、Part6でも空欄前後の流れを確認する必要があります。
比較的手間がかかる問題ですが、選択肢を確認して時間をかける問題とかけない問題の棲み分けを行うことは、リーディングセクションにおいてとても大切です。
TOEIC700点攻略に役立つ参考書の選び方
ここからは、TOEIC700点取得に役立つ参考書の選び方について解説します。
いくら熱心に勉強しても、TOEICに対応していない参考書や、自分のレベルとかけ離れた参考書では、スコアが伸びない場合があります。
参考書選びに迷った際のポイントも紹介しているので、ぜひ役立ててください。

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著者がTOEICに精通しているか
参考書を選ぶ場合は、著者がTOEICに精通しているか確認しましょう。
TOEICで高スコアを取るには慣れや対策が必要です。
英語教師と一口にいっても、子ども向けの英会話教室から大学受験をターゲットとした学習塾の英語教師、英会話メインの講師などさまざまです。
TOEICの問題にあまりくわしくない先生もいるでしょう。
そのような先生が執筆している場合、TOEICのテスト問題に適していない参考書である可能性もあるかもしれません。
参考書を選ぶ際には、TOEIC対策講座の講師をしているかなど、著者のプロフィールをチェックするのがおすすめです。
自分のレベルに適しているか
自分のレベルに合った参考書を選ぶのもポイントのひとつです。
同じように700点を目指していても、すでに600点を取得している人と400点台の人では、勉強内容に差があります。
たとえば、すでに600点を取得している人であれば、ある程度英語の基礎ができているといえます。
苦手なパートや間違えてしまった単語・文法を復習することで、700点までスコアを伸ばしていけるでしょう。
いっぽう400点台の人の場合、まず基礎固めが必要です。
まだまだ単語や文法力が足りていない状態なのです。
自分のレベルに合った参考書で勉強を進め、効率的に目標スコア取得を目指しましょう。
迷ったらTOEIC公式問題集を選ぼう
「どの参考書を選べばいいのかわからない」という人はTOEIC公式問題集を選んでください。
公式問題集は実際の試験問題と同じプロセスで作成されているため、難易度や傾向ともに、かなり本番に近いものになっています。
加えて、リスニングの音声も、本番の試験と同じ人が読み上げています。
TOEIC対策に「慣れ」は不可欠ですので、迷った場合は公式問題集を選ぶとよいでしょう。
まとめ
TOEIC700点のレベルや取得するメリット、攻略法について紹介しました。
ポイントは以下の通りです。
- TOEIC700点は、一部不足しているところもあるが、日常生活やビジネスで十分コミュニケーションが取れるレベル
- TOEIC700点を取得することで、就職や転職、昇進に有利になったり、英語力のアピールにつながったりする
- TOEIC700点を取得するには、基礎的な英語力に加えて、問題への慣れとスピードが必要
- 参考書は自分のレベルに合ったものを選ぼう
700点取得することで、仕事でも問題なく英語が使える証明になり、転職や昇進にも役立ちます。
TOEIC700点を目指して英語学習を続けていきましょう。