
TOEIC®860点は、英語で十分なコミュニケーションがとれるレベルです。
就職や転職、キャリアアップなどに役立つスコアとして、目標としている人もいるでしょう。
この記事では、TOEIC®860点のすごさやレベル感、取得するメリットなどを解説しています。
勉強時間や勉強方法もお伝えするので、860点を目指す人は参考にしてみてください。
TOEIC®860点のすごさ
TOEIC®860点はどのくらいすごいのでしょうか。
まずは何問のミスなら860点を取得できるのか、860点を取得できるのは上位何%の受験者なのかみていきましょう。
何問のミスなら860点とれる?
TOEIC®は各問題の配点が決まっているテストではありません。
スコアは正答数や難易度に基づいて統計的に処理され、算出されます。そのため「何問のミスなら860点が取れる」とは一概に断言できません。
ですが、おおよその目安として全体で25問程度のミスなら、860点を取得できる可能性があると考えられます。
860点を取得したい人は頭に入れておくとよいでしょう。
TOEIC®スコアの仕組みについては、こちらの記事も参考にしてください。

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TOEIC®860点取れる人の割合は?
TOEIC®で860点以上を取得する人は全体の中でも少数です。
845点以上のスコアを取得した受験者は、2023年度では全体の9.4%、2022年度では全体の9.1%でした。
860点以上と考えるとさらに少なくなります。
TOEIC®で860点以上を取得できる人は受験者の上位10%未満であることがわかります。
TOEIC®860点のレベル
国際ビジネスコミュニケーション協会(以下、IIBC)は、TOEIC®860点を「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」レベルとしています。
またTOEIC®860点は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の「B2レベル」、英検(実用英語技能検定)の準1級〜1級に相当するスコアです。
IIBCの調査によると、TOEIC®800点以上を取得したビジネスパーソンは、自分の英語力を「海外赴任できる」レベルと認識しているようです。
これらのことからTOEIC®860点は、国際的なビジネスシーンでも活躍できるレベルと言えるでしょう。
TOEIC®860点を取得できれば、専門外の話題にも対応できたり、正確な表現で意思疎通ができたりといった、高い英語力をもっているということの証明になるのです。
TOEIC®で860点を目指す3つのメリット
TOEIC®で860点を目指すメリットには、以下の3つがあります。
- 就職や転職に役立つ
- キャリアアップにつながる
- 昇給や昇進につながる
860点を取得することでキャリアの幅を広げることができるでしょう。
それぞれのメリットをくわしく紹介します。
就職や転職に役立つ
そもそもTOEIC®は企業からの認知度が高い試験です。
そのため就職や転職の場面で、英語スキルの目安として評価を得やすいです。
そのうえ、860点というスコアは平均を大きく上回っているため企業から高く評価されやすく、英語力を備えた人材としてアピールできるでしょう。
英語力は幅広い業界や職種で求められています。
企業にとって英語を使いこなせる人材は貴重な存在です。
とくにグローバル展開を目指す企業や英語が必要な職種に就職・転職を希望する場合、英語力のある人材は有利になるでしょう。
キャリアアップにつながる
TOEIC®で860点を取得していると、キャリアアップにおいても大きな強みとなります。
今後、ビジネスシーンでの英語利用はますます広がると予測されています。
英語の使用状況についての調査では「3年後には採用や配属時に一定の英語能力が求められる」という見解が有力です。
これは、企業とビジネスパーソンの間で共通しており、企業側だけでなく実務に携わる従業員も実感していることがうかがえます。
TOEIC®860点を取得できる英語レベルであれば、国外出張や海外取引などを任される可能性が高まります。
将来的に国内外問わず活躍できるポジションを得やすくなるでしょう。
昇進や昇給につながる
企業によっては、TOEIC®スコアが昇進や昇給の基準や参考指標として重視されることがあります。
IIBCの調査によると、約10%の企業が昇進・昇格の際にTOEIC®スコアを活用していることがわかりました。
実際、「全日空商事株式会社」では、総合職で入社3年目までにTOEIC®730点の取得が目安とされており、管理職になる際の試験でもひとつの基準となっています。
昇進・昇格できれば給料も高くなる傾向にあるため、結果的に昇給も叶いやすくなるでしょう。
TOEIC®860点を目指す際に知っておくべき2つのこと
TOEIC®860点を目指す際には、以下の2つを理解しておきましょう。
- 860点をとっても英語を「話せない」「書けない」場合がある
- 就職・転職にはTOEIC®スコア以外のアピールも必要である
ひとつずつみていきましょう。
860点をとっても英語を「話せない」「書けない」場合がある
一般的にTOEIC®と呼ばれるのはTOEIC® Listening&Readingです。
これは、リスニング(聞く力)とリーディング(読む力)をはかるテストであり、英語の総合力を評価するものではありません。
そのため、TOEIC®860点を取得していても、スピーキング(話す力)やライティング(書く力)の練習が不足していると、実際の会話やビジネス文書の作成に苦労するケースがあります。
TOEIC®対策の勉強に集中していると、スピーキングやライティングの練習が十分に時間をとれないことも考えられます。
英語力をバランスよく高めるには、TOEIC®対策以外にスピーキングやライティングを強化する学習を取り入れる必要があるのです。
就職・転職にはTOEIC®スコア以外のアピールも必要である
TOEIC®で860点取得できると、就職・転職において強力なアピールポイントになります。
しかし、それだけで採用されるわけではありません。
TOEIC®スコアは、数あるアピール材料のひとつとして効果的に活用することが大切です。
アピールする際は、860点をとるために続けた努力や工夫、どのように成長したかといったエピソードを添えるのが有効です。
あきらめずに努力した姿勢や向上心、目標に向かう継続力などを示すことで、面接官によりよい印象を与えられます。
英語力はもちろん、信頼できる人材としての評価も高まるかもしれません。
TOEIC®で860点とるのに必要な勉強時間
TOEIC®860点を目指すために必要な勉強時間は、現在の英語レベルに大きく左右されます。
一般的に、TOEIC®スコアを100点アップさせるには約200~300時間が必要です。
ただし、この時間はあくまで目安であり、これまでの学習内容や基礎力、これからの学習方法によっても変動します。
Oxford University Pressの『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』によれば、現在750点の人が850点を目指す場合、275時間が必要です。
スコアアップに必要な勉強時間の目安については、こちらの記事をご覧ください。

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TOEIC®で860点とるための勉強法
苦手分野があるとTOEIC®860点の取得は難しいです。
860点を取得するには、どの分野でも安定して高得点をとる必要があります。
そのためには、基本的な勉強法でしっかり対策しておくことが重要です。
まずは頻出単語を覚えましょう。単語を理解できれば、文法がわからなくても文章の意味を推測できます。
単語はやみくもに覚えるのではなく、単語帳などを活用して頻出単語から優先的に覚えましょう。
次に、速く正確に読む練習をすることも大切です。
最初は、単語や文法を確認しながら正確に読むことを心がけましょう。読む練習を繰り返し、徐々にスピードを上げていくことがポイントです。
また、英語の音に慣れておくこともスコアアップのカギとなります。
英語を聞きながら同時に書く「ディクテーション」や、聞きながら同時に発音する「シャドーイング」を重点的に行いましょう。
TOEIC®の勉強法についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。
おすすめの勉強法を知りたい人は、確認してみてください。

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TOEIC®で860点とれた後どうする?
TOEIC®860点を達成した後、どのようなプランをお考えでしょうか。
ここでは次の2つの選択肢を提案します。
- さらなるスコアアップを目指し、TOEIC®の学習を続ける
- TOEIC®の勉強を卒業し、実践的なアウトプット練習に取り組む
具体的にみていきましょう。
さらなるスコアアップを目指し、TOEIC®の勉強を続ける
TOEIC®860点を達成した後、さらなるスコアアップを目指してTOEIC®の学習を続けるのもすばらしい選択です。
満点を目指すのもよいでしょう。
それほどまでに高いスコアを取得できれば、就職・転職活動などにおいて大きなアピールになることが期待できます。
また高みを目指してがんばった経験は、自分の自信にもなります。
モチベーションが向上し、物事に積極的に取り組めるようになるという好循環が生まれるかもしれません。
満点に近い高得点を取得できれば、TOEIC®講師としての道も考えられます。
さらなるスコアアップを目指すことで、新たなキャリアの可能性も期待できるでしょう。
満点をとるための勉強法や勉強時間はこちらの記事で紹介しています。満点を目指す人はチェックしてみてください。

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TOEIC®のための勉強は卒業し、アウトプットの練習をする
前述の通り、TOEIC® Listening & Readingはリスニングとリーディングの力をはかるテストです。
そのため860点を取得しても、スピーキングやライティングの力が不足している場合があります。
TOEIC®860点を取得できる人は、語彙力や英文法の力が十分に備わっています。
アウトプットの練習をすれば、スピーキングやライティングの力を伸ばすことが可能です。
TOEIC®対策に特化した学習は一度卒業し、次のステップとしてスピーキングやライティングに重点を置いた学習をしてみてはいかがでしょうか。
バランスよく英語力が向上すれば、より実用的なコミュニケーションができるようになるでしょう。
まとめ
今回はTOEIC®860点のすごさやレベル、取得するメリットなどについて紹介しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- TOEIC®860点は、目安として全体で25問程度のミスなら取得できる可能性がある
- TOEIC®860点は、国際的なビジネスシーンで活躍できるレベル
- TOEIC®で860点取得できると、就職・転職、キャリアアップなどに役立つ
- TOEIC®で860点を取得するには、基本的な勉強を徹底し、どの分野でも安定して得点をとることが大切
- TOEIC®で860点取得できたら、さらなるスコアアップや総合的な英語力強化を目指そう
TOEIC®860点は挑戦しがいのある目標です。
取得できればキャリアを後押しする大きな強みとなるでしょう。
目標に向けて計画的に学習を進め、着実にステップアップしていきましょう。