TOEIC®、大学生の平均点は588点
2022年度TOEIC®(公開テスト)の大学生の平均点は、リスニングが318点、リーディングが269点、合計は588点でした。
平均点を知ることで、自分自身の英語力を客観的に評価でき、目標スコアを決める際の参考にもなります。
専攻別や学年別の平均点もくわしく見ていきましょう。
【専攻別】TOEIC®の平均点
大学生の専攻別の平均点は、下記のとおりです。
専攻 | リスニング | リーディング | 合計 |
文系(教育、美術、言語、文学、音楽、心理学) | 331 | 270 | 601 |
社会/法学系(国際、法律、政治、社会学) | 333 | 282 | 614 |
会計学/ビジネス/経済学/財政学/マーケティング/貿易 | 324 | 274 | 597 |
科学(農業、コンピュータ・サイエンス、数学、物理学、統計学) | 305 | 260 | 565 |
保健・医療 | 317 | 272 | 589 |
工学/建築 | 296 | 247 | 543 |
その他/なし | 301 | 233 | 534 |
【参考】一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」
専攻によって平均点に違いがあることがわかります。
これは、大学のカリキュラムで英語に触れる機会の多さや、英語の必要性の違いが影響していると考えられます。
【学年別】TOEIC®の平均点
学年別の平均点は、下記のとおりです。
学年 | リスニング | リーディング | 合計 |
大学1年 | 297 | 247 | 545 |
大学2年 | 312 | 259 | 571 |
大学3年 | 319 | 271 | 591 |
大学4年 | 327 | 277 | 603 |
【参考】一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」
学年が上がるにつれて平均点が高くなっていることがわかります。
これは、英語に触れている年数が増え、英語力が身についていくためだと考えられます。
学年が上がるにつれて就職活動を視野に入れ、TOEIC®対策に力を入れる学生が増えることも理由の一つでしょう。
大学生以外のTOEIC®の平均点
大学生以外のTOEIC®(公開テスト)の平均点も見ていきましょう。
ここでは、2022年度の全体の平均点と高校生・社会人の平均点を紹介します。
社会に出てから必要となる英語力の水準を知りたい場合は、社会人の平均点を参考にしてみてください。
【全体】TOEIC®の平均点
TOEIC®の全体の平均点はリスニングが331点、リーディングが277点、合計は608点です。
TOEIC®スコアの600点台は「短めの文章を理解でき通常の会話には困らないが、複雑な対応は難しい」レベルとされています。
全体の平均点が600点を超えていることから、受験者の平均はこれを満たすレベルであることがわかります。
【高校生】TOEIC®の平均点
高校生のTOEIC®の平均点は、リスニングが291点、リーディングが218点、合計は508点です。
この合計の平均点は、大学生の平均点と比較すると80点低く、全体の平均点と比較すると100点低い結果になっています。
これは、高校生が英語を学習してきた期間が短いことや、普段学習している内容とTOEIC®で扱われる内容に差があることが大きな理由でしょう。
TOEIC®は、ビジネスや日常シーンで使われる英語の理解力を測るテストです。
そのため、試験の内容や形式に慣れていない高校生には、点数が取りにくいかもしれません。
【社会人】TOEIC®の平均点
社会人のTOEIC®の平均点は、リスニングが346点、リーディングが292点、合計は638点です。
この合計の平均点は、大学生の平均点と比較すると50点高い結果になっています。
役職別の平均点は、下記のとおりです。
役職 | リスニング | リーディング | 合計 |
役員 | 364 | 316 | 680 |
部長 | 356 | 311 | 668 |
課長 | 346 | 298 | 644 |
係長 | 334 | 281 | 615 |
一般社員 | 341 | 286 | 627 |
派遣社員 | 359 | 298 | 657 |
【参考】一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」
役職別に見ると一般社員627点に対し、部長は668点、役員は680点と役職が上がるにつれ、平均点が高くなっていることがわかります。
ビジネスの場面で英語が必要となる機会が増えることが要因の一つだと考えられます。
ついで、職種別の平均点についても見てみましょう。
平均点の高い職種は、下記のとおりです。
職種 | リスニング | リーディング | 合計 |
海外 | 393 | 338 | 731 |
教育 | 382 | 331 | 713 |
法務 | 364 | 328 | 692 |
財務 | 361 | 324 | 684 |
経営 | 363 | 317 | 679 |
【参考】一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」
業務で英語が必要とされる職種は、TOEIC®の平均点が高いことがわかります。
大学生と高校生・社会人でTOEIC®の平均点が違う理由
大学生と高校生・社会人でTOEIC®の平均点が異なるのは、「英語学習歴」と「TOEIC®のスコアを取得する目的」の違いによるものだと考えられます。
一般的に高校生は、大学生に比べ英語学習歴が短いです。
高校がTOEIC®を活用する目的も、学習成果の確認や将来の準備などとなっており、漠然とした目的で受験する人が多いのではないでしょうか。
一方、社会人は英語学習歴も長く、キャリアアップや業務で必要な英語力を身につけることを目的に受験する人が多いでしょう。
TOEIC®のスコアを昇進・昇格の要件としている企業も少なくないため、社会人受験者が高いスコアを目指す動機は明確です。
このことが大学生より高い平均点につながっていると考えられます。
大学在学中にTOEIC®で高スコアを目指したいのであれば、大学院進学や就職活動のためなど、具体的な目的を持って取り組むことで、スコアアップにつながるかもしれません。
大学生がTOEIC®を受験すると就職活動に役立つ?
TOEIC® Programを実施・運営しているIIBCの調査によると、TOEIC® Programを活用している企業・団体の約5割が、採用時にTOEIC®のスコアを参考にしていると回答しています。
もちろん、大学生がTOEIC®を受験することが就職活動に役立つかどうかは、志望する企業によります。
しかし、就職後に生かせるスキルとして、TOEIC®のスコアをアピールすることは可能でしょう。
以下は、企業が社員・職員に求めるTOEIC®の平均点です。
新入社員 | 中途社員 | 技術部門 | 営業部門 | 海外部門 |
535 | 560 | 560 | 575 | 690 |
【参考】一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」
企業が求めるTOEIC®のスコアは、平均500点〜600点台となっています。
このデータから就職活動でアピールするには、まず600点を目指して学習することをおすすめします。
TOEIC®で600点を取得するための学習方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】TOEIC600点突破に必要なこと
まとめ
今回は、大学生のTOEIC®の平均点について、2022年度のデータを参考に解説しました。
ポイントは以下のとおりです。
・大学生のTOEIC®の平均点は588点で、学年が上がるにつれて平均点は高くなる
・TOEIC®の全体の平均点は608点、高校生の平均点は508点、社会人の平均点は638点
・大学生と高校生・社会人との平均点の差は、「英語学習歴」と「スコア取得の目的」に関係している
・企業が社員に求めるスコアは平均500~600点台。就職活動でアピールするなら、まずは600点を目指そう
TOEIC®を受験すれば、自分の英語力を客観的に判断し、今後の学習やキャリアの指針とすることができます。
学習時間を確保しやすい大学生のうちに、TOEIC®の目標スコアを決めて、学習に取り組んでみてはいかがでしょうか。