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TOEIC®を英検に換算!スコアの比較、出題範囲や対策方法などの違いも解説

TOEIC®と英検は「CEFR(セファール)」という指標を使って換算できます。

英語力を測るための試験であるTOEIC®と英検、どちらを受験しようかと悩む人は多いでしょう。

この記事では、TOEIC®と英検のスコア換算について解説するとともに、2つの試験の違いを徹底比較。どちらの試験を受けるべきかも、目的別に解説します。

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TOEIC®は英検に換算できる?

TOEIC®と英検(実用英語技能検定)は「CEFR(セファール)」という指標を使って換算できます。

「CEFR」とは「Common European Framework of Reference for Languages(外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)」の略で、外国語学習者の習熟度レベルを示すガイドラインです。

CEFRでは外国語の習熟度を6つのレベルに分け、もっとも高いレベルから順に、C2、C1、B2、B1、A2、A1と呼んでいます。

TOEIC®のスコアと英検の級をそれぞれCEFRに換算すれば、難易度の比較も可能です。

ただし、TOEIC®と英検はどちらも英語力を測る試験ですが、試験方法や出題内容が異なります。

両者を一概に比較するのは難しく、CEFRを使っての換算はあくまで目安として考えましょう。

TOEIC®と英検の換算表

TOEIC®と英検のCEFR換算表は以下のとおりです。

CEFRTOEIC® L&RTOEIC® L&R/S&W英検
C2
C1945~9901990~18451級
B2785~9401840~1560準1級~1級
B1550~7801555~11502級~準1級
A2225~5451145~625準2級~2級
A1120~220620~3203級~準2級

TOEIC® Programには複数のテストがありますが、一般的にTOEIC®というとTOEIC® L&Rを指すことが多いため、この記事でもTOEIC® L&Rに着目しています。

CEFRは英語の4技能(聞く・読む・話す・書く)すべてに関する習熟度を測る指標です。

TOEIC® L&Rは英語を聞く・読む力のみを測定する試験ですので、より正確に英語力を比較するのであれば、話す・書く力を測るTOEIC® S&Wのスコアもあわせて参照するとよいでしょう。

その際は、TOEIC® S&Wのスコアを2.5倍にし、L&Rのスコアに合算したものと比較してください。

TOEIC®945点以上は英検1級レベル相当

TOEIC®945点以上はCEFRのC1レベルに該当し、英検に換算すると1級相当です。

CEFRのC1レベルは「熟練した言語使用者」に当たります。

C1レベルの英語力があれば、日常生活だけでなく、学問やビジネスにおいても柔軟かつ効果的に英語を使用可能です。

文法や語彙、構文も正確に把握できているため、高度な長文も正確に意味を理解できます。

会話の際も言葉に詰まることなく、流暢かつ自然に自己表現でき、ノンネイティブとしては十分なコミュニケーションがとれるでしょう。

なお、TOEIC®、英検ともに、もっとも高いCEFRのC2レベルには対応していません。

TOEIC®満点(990点)や英検1級を取得しても、英語力はC1レベルです。

TOEIC®785点以上は英検準1級〜1級レベル相当

TOEIC®785点以上はCEFRのB2レベルに該当し、英検に換算すると準1級〜1級相当です。

CEFRのB2レベルは「自立した言語使用者」の中でも上位に当たります。

B2レベルは、どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えていると言えます。

ネイティブスピーカーとも緊張することなく自然に会話ができるでしょう。

正確さには個人差があり、文法上の誤りがある場合もありますが、意志疎通を妨げるほどではありません。

自分の専門分野も含め、幅広い話題について、複雑な文章の要点を理解できたり、適切な文章を作成できたりします。

TOEIC®550点以上は英検2級〜準1級レベル相当

TOEIC®550点以上はCEFRのB1レベルに該当し、英検に換算すると2級〜準1級相当です。英語で日常生活のニーズを満たせます。

また限られた範囲にはなりますが、業務上のコミュニケーションをとることも可能です。

B1レベルでは、仕事や学校、娯楽などの身近な話題について、要点を理解できます。

ただし、複雑な場面になると、意志疎通が難しい場合もあるでしょう。

表現力に不足はあるものの、基本的な文法は身についており、自分の意志を伝えられるレベルです。

身の回りの出来事や個人的に関心のある話題については、筋の通った簡単な文章も作れます。

TOEIC®225点以上は英検準2級〜2級レベル相当

TOEIC®225点以上はCEFRのA2レベルに該当し、英検に換算すると準2級〜2級相当です。

通常会話において、最低限のコミュニケーションができるレベルです。

ゆっくり話してもらう、または繰り返したり言い換えたりしてもらえば、簡単な会話は理解できます。

身近な話題であれば、簡単な応答も可能です。

語彙、文法、構文ともに不足しているところは多いものの、相手が配慮してくれれば意志疎通もできるでしょう。

TOEIC®120点以上は英検3級〜2級レベル相当

TOEIC®120点以上はCEFRのA1レベルに該当し、英検に換算すると英検3級〜2級相当です。

CEFRの区分では1番下の「基礎段階の言語使用者」に当たります。

日常生活に関わる基本的な言い回しを理解し、使用できます。

自己紹介などの簡単な話題には対応できるため、住んでいるところや知り合いなどについて質問したり答えたりできるでしょう。

相手がゆっくり、はっきりと話し、かつ助けがあれば、簡単なやりとりもできます。

ただし、単純な会話をゆっくり話しても部分的にしか理解できないことも多く、実質的な意思疎通は難しいでしょう。

TOEIC®と英検、どちらが難しい?スコア・級ごとの能力の目安

TOEIC®と英検はそれぞれ試験方法や出題内容などが異なるため、一概にどちらが難しいかは言い切れません。

しかし、先述したようにCEFRに換算することで難易度の比較が可能です。

ここからは、TOEIC®と英検のスコア・級ごとの英語力の目安について紹介します。

TOEIC®のスコア別レベル

TOEIC®のスコアは、リスニング5〜495点とリーディング5〜495点、合計10〜990点の5点刻みで表示されます。

具体的なスコア別の英語力の目安は以下のとおりです。

スコア英語力の目安
900点以上ネイティブレベルで十分なコミュニケーションがとれる。ディスカッションや専門書の読解も可能。
800〜895点複雑な対話も適切に対応できる。会議で自分の意見を述べることもでき、海外赴任でも困らないレベル。
700〜795点日常生活において支障なく英語でコミュニケーションがとれる。英語での仕事も可能。
600〜695点簡単なビジネスメールのやりとりが可能。海外旅行でも食事や買い物に困らない。
500〜595点高校卒業レベル。短いフレーズは理解できる。長文や複雑な表現を細部まで理解するのは難しい。
400〜495点中学卒業レベル。短い文章であれば部分的に理解可能。相手がゆっくり話してくれると限定的ではあるが意思疎通できる。
400点未満まだまだ基礎英語力がついていない状態。簡単な会話も部分的にしか理解できない。

英検の級別レベル

英検は英語力の高い順に、1級〜5級までの7つの級に分かれています。すべてリスニング・リーディングのテストで、1級〜3級は面接もあります。

具体的な英語力の目安は以下のとおりです。

英語力の目安
1級大学上級レベル。英語力だけでなく、相手に伝える発信力と対応力も求められるため、グローバル人材として活躍できる英語力がある。
準1級大学中級レベル。社会生活で求められる実践的な英語力が身についている。
2級高校卒業レベル。医療やテクノロジーなど社会性のある英文も読解可能。留学にも挑戦できる。
準2級高校中級レベル。日常生活に必要な英語力が身についている。教育や科学などのテーマに関する文章も理解できる。
3級中学卒業レベル。身近な話題に加え、海外の文化などをテーマにした問題にも対応可能。
4級中学中級レベル。身近な話題に関して理解、使用が可能。
5級中学初級レベル。中学1年生レベルの初歩的な英語が身についている。英語を習いはじめた程度。

TOEIC®と英検を徹底比較|4つの違いとは

TOEIC®と英検はどちらも英語力を測る試験ですが、異なる点がいくつかあります。

ここでは両者の違いを「目的、受験状況、出題範囲とテスト形式、対策方法」の4つに絞って解説します。

目的

TOEIC®と英検は、テストの目的や仕様が異なります。

TOEIC®は知識・教養としての英語というよりも、日常生活やビジネスシーンにおける実践的な英語力を測るテストです。

グローバルスタンダードなテストで、世界160カ国で実施されています。

合格、不合格といった区分はなく、10〜990点のスコアで結果が表示されるため、正確な英語力の把握や詳細な目標設定が可能です。

英検は、日常会話から教養を深める社会的な題材まで、実際に英語を使用する場面を想定して出題されます。

幅広い世代が受験する国内最大級の英語試験です。

試験は1〜5級までの7つの級に分かれており、合格・不合格で判定されます。

成績表には合否に加えて「英検CSEスコア(4技能のレベルを数値化したもの)」も記載されているため、技能別の詳細な英語力を知ることも可能です。

受験状況

TOEIC®と英検では、受験者数や受験者層も異なります。

2022年度のTOEIC® L&R 受験者数は、公開テストが78万4,310人、団体特別受験制度が100万926人、合計178万5,236人でした。全受験者の内、約54%が学生です。

一方、英検の2022年度の受験志願者数は420万5,920人(英検IBA、英検Jr.含む)でした。全受験者の内、約88%を学生が占めています。

 

TOEIC®の受験者は、社会人と学生ともに同じくらいの割合であるのに対し、英検は9割近くが学生であることが大きな違いです。

TOEIC®のスコアは就職や転職の際に活用できたり、昇進の要件になっていたりするため、社会人からも人気があるのでしょう。

英検は3〜5級が中学生向けのレベルであったり、小学生向けの英検Jr.があったりするため、学生に広く受け入れられているようです。

出題範囲とテスト形式

TOEIC®と英検は、出題範囲やテスト形式も大きく異なります。

TOEIC®の出題テーマは、日常生活やビジネスシーンに関するものが多く、日頃の生活やビジネスで役立つ実践的な英語力が求められるのが特徴です。

TOEIC®のテスト形式は、リスニング(約45分間・100問)とリーディング(75分間・100問)の2つに分かれており、合計約2時間で200問が出題されます。

 出題形式は毎回同じで、マークシート方式です。問題用紙とは別の解答用紙に記入します。

テストは、設問・選択肢などすべて英文のみで構成され、英文和訳や和文英訳といった設問はありません。

英検の出題テーマは、身の回りの日常会話から、教養を深める社会的な題材まで幅広く取り扱われており、総合的な英語力が必要です。

英検のテスト形式は、各級によって異なります。

4級・5級はリスニングとリーディング(任意でスピーキングの受験も可能)の構成です。

1級〜3級は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験ではリーディング・リスニング(マークシート方式)に加えて、ライティング(英作文)の試験があります。

一次試験合格者のみ二次試験の面接に進めます。

対策方法

TOEIC®と英検は出題範囲やテスト形式も異なるため、対策方法も異なります。

TOEIC®の過去問は公開されていませんが、TOEIC®主催団体が公式の教材や問題集を出版しています。

市販のTOEIC®予想問題集や対策アプリなども多数リリースされているため、これらを活用するとよいでしょう。

出題テーマの多くは日常生活やビジネスシーンを中心としたものであるため、それに応じた語彙を強化する必要があります。

TOEIC®は、約2時間のテストで200問と多くの問題を解く必要があり、早い解答スピードが求められます。

問題を繰り返し解き、出題形式に慣れるとともに、時間配分も意識しましょう。

英検はTOEIC®と違い、級ごとにレベルや審査基準が異なるため、受験するレベルに合った対策が必要です。

過去問は公式サイトや市販の過去問題集で確認できるため、かならずチェックしておきましょう。

過去問以外にも日本英語検定協会推奨の教材なども出版されています。自分に合ったものを活用してください。

公式サイトでは、バーチャル二次試験/バーチャルスピーキングテストも公開されており、実際の試験の流れを確認できます。

TOEIC®と英検、どちらを受けるべき?3つの目的別に解説

TOEIC®と英検、どちらを受けるかは、目的によって選択するのがおすすめです。

ここでは受験、転職、キャリア3つの目的に絞って解説します。

大学受験

国内の大学に進学を希望する場合、TOEIC®と英検のどちらも活用できます。

「TOEIC® Program 大学入学試験における活用状況【2022年度】」によると、TOEIC® L&Rを活用している大学は236校です。

英語試験が免除されたり、推薦入試の出願要件になっていたりと、さまざまな場面で活用されています。

英検を大学入試試験において活用している学校は、2024年7月現在で482校です。得点換算や試験免除などで活用されています。

学校によって優遇内容が異なります。大学受験で活用したいと考えている場合は、募集要項などを確認したうえで、どちらを受験するか選択するとよいでしょう。

就職・転職

就職や転職の際に英語力をアピールしたい場合は、TOEIC®がおすすめです。

TOEIC®と英検はどちらも知名度の高い英語試験ではありますが、TOEIC®のスコアを参考にする企業が多い傾向があります。

「TOEIC® 800点以上」などとTOEIC®スコアを入社時の要件としている企業もあり、高いスコアを取得しておけば、就職・転職の幅も広がるでしょう。

最近ではグローバル化が進み、入社時にも最低限のコミュニケーションがとれるような英語力が求められています。

TOEIC®主催団体の調査によると、企業が新入社員に期待するTOEIC® L&Rのスコアは425〜645点でした。

就職や転職を考えている人は、目標スコアの目安にするとよいでしょう。

とはいえ、英検も英語力のアピールとして十分活用できます。とくに1級や準1級レベルであれば、実践的な英語力の高さを証明できるでしょう。

キャリアアップ

昇進・昇格、海外出張や赴任を目指す場合も、TOEIC®がおすすめです。

TOEIC®のスコアを昇進・昇格の「要件としている」「参考としている」「新たに要件・参考とする可能性がある」企業の比率は約4割にのぼります。

役職にもよりますが、平均して515点〜600点のスコアが要件となっているようです。

同じく、海外出張や赴任者の選抜時にTOEIC®のスコアを要件・参考にしている企業も5~6割です。

平均して620点〜635点が基準スコアとなっています。

キャリアアップを目指す人や、海外で仕事をしたい人はTOEIC®を受験するとよいでしょう。

英検も1級や準1級レベルであれば、高い英語力の証明になります。

直接、昇進・昇格要件になっていなくても、実践的な英語力のアピールとして活用できると考えられます。

まとめ

この記事では、TOEIC®と英検の違いやスコア換算について解説しました。

ポイントは以下のとおりです。

  • TOEIC®と英検の難易度はCEFRという指標で比較できる
  • TOEIC®はビジネス英語が中心だが、英検は総合的な英語力を測るテスト。受験者層、テスト形式、対策方法も異なる
  • 大学受験で活用したい場合は、募集要項を確認してTOEIC®か英検を選択する
  • 就職や転職、キャリアアップで活用したい場合は、TOEIC®がおすすめ

TOEIC®と英検はどちらも英語力を測るテストですが、出題テーマや試験方法が異なります。

目的に合わせてどちらを受験するか選択し、英語学習を続けていきましょう。